その頃愛宕は
「うーん。高雄達遅~い。そんなに多いの、あっち。私も行った方が良いかしら?」
アップルキウイの収穫を終え、ジャンボイエローの収穫を始める愛宕だが、一向に来ない2人を気に掛ける。
そこに
「ごめん、お待たせ」
高雄と長官、駆逐艦一行が到着する。
「アップルキウイの収穫終わっちゃったわよ。今からジャンボイエロー」
ホッとすると同時に、頬を膨らませる愛宕。
「愛宕さん、ごめんなさい。お2人に私達の様子を見てもらっていました」
申し訳なさそうな声に
「あら、そうだったの? ご、ごめんなさい。ちょっと心配だったから、ね」
慌てる愛宕。
「私たちもキウイの収穫お手伝いしに来ました。何処から始めれば良いですか?」
そんな声に愛宕はやや困った様子で
「えっと……ちょっと良いかしら。皆さん整~列。いくわよ~。ぱんぱかぱーん」
掛け声と同時に両手を挙げる愛宕。釣られて駆逐艦たちが手を挙げると、
「う~ん。暁ちゃんたちは届かないかなぁ。暁ちゃんたちはこの青いケースに入っているキウイから柔らかいもの・形がおかしいものを分けて、ここのケースに入れてね。……暁ちゃん、そんな不満そうな顔しないの。とっても大事なのよ、これ。ですよね、長官」
話を振る愛宕。
「ん? ああ、選別はとても大事なんだ。柔らか過ぎるものは腐っているかもしれないし、形のおかしい物にはひょとしたら虫がいるかもしれない。内地に送る大事な食料だからな、できれば立派なレディに任せたいのだが……暁が不満なら仕方ない、他に――」
遮るかのように
「仕方ないわね。暁が一人前のレディとして頑張るわ」
「そうか。頑張ってくれるか」
視線を愛宕と互いにかわし、苦笑する。
「じゃあ、残りの子たちは…このコンテナに乗って。乗りましたか? それじゃあ鋏で此処を切って、切った実をこの青色のコンテナに入れてください。暁ちゃんたちはこの青いケースをみて、さっきの通り、変なものとか、柔らかすぎるものはこっちの黒いケース、少し柔らかいものはこっちの白いケースに入れてね」
早速分かれて作業を行う駆逐艦。
その途中、
「わっ。潰れた。汁が~」
「大変、洗濯しなくちゃ。早く脱いでって長官何見ているんですか!」
「馬鹿! 愛宕、ここで脱がすな! 向こうで着替えさせろ」
等、騒ぎも多少あったが、おおむね順調に収穫は進んだ。
「皆、お疲れ様」
収穫が終わり、無事に選別も終わった後は皆で複写装置までキウイとフェイジョアを運ぶ。
増えた果実を物質収集変換送信機の投入口に投げ込む。少し投げ込んだところで後の作業を妖精に任せる。
「柔らかいキウイってどうするの? 腐ってはいなさそうだけど」
その言葉に、高雄や愛宕達と視線をかわし、満面の笑顔で答える。
「皆で食べちゃおう」
※収穫したフェイジョアと追熟予定のキウイは食糧庫に保存しました。