艦ムスと深海棲艦と時々BETA   作:fire-cat

7 / 21
第2話:始まりの部屋にて

 男がこの世界で過ごす事になった全ての始まりは、目の痛みさえ覚えた光に満ちたあの部屋からだった。

 

「起きたまえ、君」

 その声に男の途絶えていた意識が戻ってくる。

「起きたかね」

「ええ。……ここは」

 目を開けた時から、強い光しか映らず、男は目の痛みすら覚えていた。

 目を眇め、周囲の状況を何とか確認しようとするも、

「目を閉じていたまえ。君には眩しすぎるだろう。今――を弱める」

 声の後半が聞き取れないながらも、声の主に従う。

「これでいいだろう。もう目を開けても構わない」

 その声にゆっくりと目を開け、周囲を確認する。

 白い――白しかない部屋であった。否、よく見ると機械らしきものが置かれた台といすが見える。

 男がそれを見ていると、機械らしきものが見覚えのあるもの――タワー型デスクトップPCへと変化する。

 その光景に驚き、ふと気が付き、声の主を探すと、いつの間にか目の前に、人の輪郭を持った光影があった。

 声からして、男性。それも青年以上と思われる。だが、それ以上のことがわからない。

 影が揺らめき、声が聞こえた。

「これから君には、ある世界へと転生してもらう。異議は許されない」

 突然の宣告に戸惑う男。

「ちょっと待った。いきなり何を言ってるんだ。そもそも此処はどこだ。そしてあんたは何者だ」

 混乱して喚く男の態度を気にする風でもなく、

「君にならわかるだろう。流行りの転生というものだよ」

「はぁっ? 何を――」

 言っているんだ? 正気か。と続けようとした男を遮るように、突然、辺りの気配が変わった。

 風と見まごうばかりの強い威が男を囲む。

「これで判るかね」

 その声に、吐き気を催すほどの強い威圧感に、

 ――これは、普通の人ではない。態度を改めるべきだ。

 そう思わせられる。

 そして影の身に纏う神威とも思われる威に、男が思わず片膝をつく。

「宜しい」

 影が、その姿勢に満足げな声を出す。

 男が片膝をつき、声を震わせながらも影に問うた。

「なぜ、私なのでしょうか」

 その問いかけに、

「君が私の依代であったからだ」

 影が、そう答える。

「依代……」

 呆然とする男に

「なぜ依代に自分が、という問いには答えられぬぞ。君の定命だ」

 笑いを含む声がかかる。

「君は依代としての役目を終えたが、そのままにしておくのも不義理な気がしてな。褒賞として第二の人生を与えることにした」

 一転、厳かな声調となり影が言葉を紡ぐ。

「まずは、そこから世界を選びたまえ」

 影がPCを指す。

 おぼつかない足取りながらもPCの前に進み、画面を見る。

『――っ。本当に褒賞か?』

 思わず、疑念が生じる。

 選択肢に上がった世界。それは――

 

 1.マヴラヴオルタネィティブ

 2.モンスターハンター

 3.Fate/stay night

 4.艦隊これくしょん

 5.ゼロの使い魔

 6.銀河英雄伝説

 

『2,3,5の世界って俺ほとんど知らんぞ。1はBETAが怖いし、ヒロインは武ちゃんの嫁’Sだし、4の艦娘は良いけど、深海棲艦なんて謎のモノだし。6がまだまともそうだけど、戦死率も高いよな。うっかりラインハルトの前の帝国平民なんぞに生まれたら最悪だ。もっと穏やかな世界はないのか……』

 男が葛藤していると、それを承知しているかのように声がかかる。

「決まったかね。生憎とそこにある世界以外の選択肢は無いのでな。その中から決めるように」

 その声を他所に直も、男が悩み続けていると

「決まらないのかね。では、私が決めよう。そうだな……3の世界で」

 その声を遮る勢いで、

「4の艦これ世界で!」

 男が叫ぶ。

「宜しい。世界は決まった。では、次は君の好きなように自分の立場をデザインしたまえ。但し、際限無くという訳にもいかない。君の依代としての評価をポイントにした。このポイントを組み合わせてデザインしたまえ。時間は無限にある。隅々までよく見て考えることだ。一度決定したことは戻せないのでな。――私が居ると気も散ろう。席を外す故、不明な点はそれを使い問いかけよ」

 PCに付属しているマイクを指すと光影が消えた。

「ありがとうございます」

 素直に感謝の言葉を述べ、いつの間にか現れた電卓とメモ帳とペンを見る。

「艦これの世界か。よくわからん世界よりは良いか。ポイントとやらはどれくらいあるのかな」

 そう呟くと男はマウスを操作しだした。

 




光の人影は、プロローグにでた白衣の男です。
神様プレイでノリノリです。
ぶっちゃけると、主人公は選択肢があるようで実はありませんでした。艦これ世界を選んだことも無意識に誘導されています。


次回はチート付与回。

鋼鉄の咆哮3のデータ引っ張り出さないと…。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。