とりあえず短めです
皆様が楽しんでいただければ幸いです
ではどうぞ・・・
クラスメイトは全員女子
春の麗らかな日差しが差し込むこの季節、俺は無事にIS学園へと入学した。
倉持技研での二ヶ月は、俺にとって素晴らしい経験となった。姉さんとの力量の差を明確に認識できたことは、今後の目標設定の良い材料になったし、簪にも良い影響を与えたようだ。格納庫に戻った時に思いっきり抱きしめられたのはビックリしたが…。
それから二ヶ月の研究所生活を終えて、お世話になった職員さん、簪、篝火先生に挨拶をした。途中で篝火先生は、懲りずに俺の尻を触ってきたので孤独なグルメな方が得意とするアームロックを笑顔でかけて上げた。隣の簪に「それ以上はいけない」と言われたのも良い思い出だ。最後に皆で写真を撮った。
簪も篝火先生も職員さんたちも良い笑顔だった。さて若干回想的な感じで今の状況から逃避しちゃいそうになったが…俺は今教室内で無数の視線にさらされている。
さてIS学園とは、ISの操縦者育成を目的とした教育機関であり、その運営及び資金調達には原則として日本国が行う義務を負っている。ただし当機関で得られた技術などは、協定参加国の共有財産として公開する義務があり、また黙秘、隠匿を行う権利は日本国にはないものとしている。機関内におけるいかなる問題にも日本国は公正に介入し、協定参加国全体が理解できる解決策を提示することを義務付ける。入学に際しては、協定参加国の国籍を持つ者には無条件に門戸を開き、日本国での生活を保障することとする。
また、学園は全寮制、生徒はすべて寮で生活を送ることが義務付けられている。学園の制服は許容範囲内であればカスタム自由であり、制服のリボンは学年ごとに色が違い、1年は青、2年は黄色、3年は赤となっている。
名目上、高校生なので授業数自体は少ないが、一般教科も履修する。中間がなく期末テストのみ試験がある。
またIS学園では2年生からIS開発・研究・整備を専攻にした「整備科」が1クラス作られる。学内でのトーナメント戦、特に2年生以上が参加するものには、基本的に整備科に協力を仰ぎ、複数名からなるチームをつけてもらう。「整備科」のための施設として、競技場である各アリーナに隣接する形で「IS整備室」が設置されている。
最後にIS学園において「予測外事態の対処における実質的な指揮」は、すべて我が姉である織斑千冬に一任されている。
ざっとIS学園について説明したが、この空気はどうにか出来ないだろうか…。試しに箒に助けを求めて視線を送って見たら、苦笑いをしながら首を振るうだけであった。軽いため息が出てしまう。
そんな風にしていると一人の女性が教壇の前で自己紹介を始めた。
「皆さんご入学おめでとうございます。私は、このクラスの副担任の山田真耶と言います。1年間よろしくお願いします。」
しーん…誰も何も言わない。山田先生…顔が引きつってます。
不憫だ。
「そ、それでは出席番号順に自己紹介をおねがいしますね」
分かっていたとはいえ原作の言葉を借りるならば「これは、想像以上にツライ」と言いたい気分だ…。
「では次に織斑一夏君お願いします」
おっと、山田先生からのお呼びだ。一丁頑張りますか!席を立ち後ろを振り向くと全女子の視線がこちらに向かう。
胃が痛い…。無難に無難に
「織斑一夏です。趣味はスポーツと料理。ISについては、まだまだ初心者なので、皆さん色々と教えてください。よろしくお願いします。」
礼儀として頭を下げる。
一時の静寂
「「「「きゃーーーー‼‼‼」」」」
〜〜〜〜っ‼‼み、耳がーーーー!!どこからあんな声が出てくるんだ⁉
「男子だー!男子がここにいる〜!」
「背が高い!モデルみたい!」
「すごく優しいそう!お兄様って呼ばせて〜」
「やべえー鼻血出てきた‼ひぁっほーーー‼最高だぜぇ‼」
すげー…、さっそく女子のパワー垣間見たな。一体どこからあんな声量が出るのか分からん。
ちなみに今の俺の身長は180cmを超えました。前世では165cm程度だったから非常に素晴らしい‼そんな風に一人思考していると…。
「随分と騒々しいな」
素晴らしいタイミングで我が姉が教室に入ってきた。俺もどさくさに紛れて席に座る。
「あ、織斑先生。もう会議は終わられたんですか?」
「うむ、山田先生。クラスへの挨拶は終わったかな?」
「いえ、織斑君までが終わったところです」
「そうか、では私の自己紹介もさせてもらおう」
そう言って織斑先生は、教壇から挨拶を始めた
「諸君、初めまして。私が織斑千冬だ。主にISの座学と実技の指導を担当する。君たちには一年で多くの知識と操縦技術を覚えてもらう。その過程で、分からないことや教員への不満がある場合は、私や山田先生に相談してくれ。私自身も至らないことがあるかもしれないが精一杯君たちの力になりたいと思う。よろしく頼む」
…………なんというカリスマだ。原作と違ってただ恐ろしいだけでなく、教師として自覚ある発言に感じた。姉さんの仕事への本気度が感じられる。
あ、耳に手を押さえてとこ。
「きゃーーーーー‼‼‼千冬様よ。本物の千冬様よ!」
「あの千冬様にご指導いただけるなんて嬉しすぎるわ!」
姉さんも少し困った表情をしている。話を変える様に俺に話しかけた。
「織斑、今までに無い特殊な環境だが、ここに入った以上は慣れるしかない。私生活も含めて色々と学ぶようにしなさい」
教師として、そして姉として最大限に気を使った言葉なんだろう。胸に刻もう
「はい。お心使いありがとうございます。織斑先生」
そう言って頭を下げる。姉さんは満足したように小さく頷いた。
「やっぱり織斑君は、千冬さまの弟なのね」
「テレビで見たけどやっぱり本当なんだ」
周りが少しざわめく。
「さぁ、自己紹介を続けてくれ。私も皆の名前と顔を覚えないといけないからな」
いかがだったでしょうか?
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