IS~転~   作:パスタン

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皆さんに楽しんで頂ければ幸いです
ではどうぞ・・・


セシリアとの戦い

 どうも織斑一夏です。箒と簪の協力を得て試合までにかなりの練習が出来た。まずISが使える最初の2日間で箒の専用機「紅椿」とは主に近接戦闘を、簪の専用機「打鉄弍式」とは主に遠距離戦闘と高速機動の訓練を行った。

 

 ここで少し箒と簪の専用機である「紅椿」と「打鉄弍式」について説明したい。

 

第4世代型IS「紅椿」

 

 白式の対となる存在で、コンビでの運用を前提として開発された機体である。エネルギー自体を消滅させる白式に対してエネルギーを増幅させるという位置におり、両者を停止させる抑止力的な意味も持っている。

 

 現行機を遥かに凌駕する機体性能に加え、即時万能対応機というコンセプトを実現し、全身のアーマーである「展開装甲」を稼動させることで攻撃・防御・機動のあらゆる状況に即応することが可能である。更に束姉さんが独自に開発した「無段階移行(シームレス・シフト)」システムが組み込まれており、蓄積経験値により性能強化・パーツ単位での自己開発が行われる。

 

 問題はこの展開装甲についてだ。本来紅椿の展開装甲は白式に装備されている「雪片弍型」に試験的に使われている展開装甲のデータを基に開発されたのもである。

 

 このためか現在の紅椿は、背面部のみに展開装甲が装備され他は通常の装甲が充てがわれた所謂完成度7割程度の機体と言ったところだ。

 

 …それでも基本性能は第3世代機を遥かに凌駕していることは間違いない。

 

 その証拠に俺が借りた打鉄と近接戦闘を行ったが、すぐにブレードが使い物にならない状態になってしまったのだ…。織斑先生と山田先生に二人で謝りに行ったのは言うまでもない。しかしこれでは練習にならないので、紅椿の主兵装である空裂(からわれ)を借りて近接戦闘の練習を行った。

 

 次に紹介するのは簪の「打鉄弍式」だ

 

第3世代型IS「打鉄弍式」

 

 打鉄の後継機で、原作では倉持技研が開発を進めていたが、俺の機体の開発やデータ収集にすべての技術者を取られてしまい、永らく未完成の機体だったが、篝火先生への俺からの訴えでIS学園の入学に間に合う事が出来たのだ。それまで防御を重視した打鉄と比べて打鉄弍式は、機動性に特化した機体となっている。武装は、背中に搭載された2門の連射型荷電粒子砲「春雷(しゅんらい)」、近接武器である対複合装甲用の超振動薙刀「夢現(ゆめうつつ)」、そして打鉄弐式の最大武装である第3世代技術のマルチロックオン・システムによって6機×8門のミサイルポッドから最大48発の独立稼動型誘導ミサイルを発射する山嵐(やまあらし)である。

 

 この春雷と山嵐を対セシリアのビームライフルとミサイルビットに想定して回避の練習を行った。ここで1度だけ簪に頼んで48発のミサイルの回避のを行ってみたが……

 

 ありぁ無理だ‼

 

 空一面がミサイルで埋め尽くされた光景は筆舌に尽くし難い。思わず辞世の句が頭に出てきた程だ。

 

 ちなみにそのミサイルは簪が手動で自爆させてくれたので、打鉄自体が壊れることはなかった。

 

 こんな感じで、2人の協力を得てISでの戦闘訓練は順調に終結した。

 

 最後に残りの5日間は放課後に箒と剣道場で試合や型の確認、夜は簪を加えてセシリアの専用機「ブルーティアーズ」の攻略について話し合った。

 

 本当に彼女たちには世話になった…。今日は勝って2人の苦労に報いたい。

 

 

 

 

 

 

 

試合当日

 

「これが織斑君の専用機『白式』です」

 

 俺の目の前には「白」が鎮座していた…。その姿は未だ武骨で少々くすんでいるが、触れただけで分かった。こいつからは溢れんばかりの強い生命力を感じる。

 

「織斑、時間がない。フォーマットとフィッティングは実戦で行ってもらうぞ。」

 

「了解しました」

 

「背中を預けるように、座る感じで大丈夫だ。あとはシステムが最適化する。」

 

 乗ってすぐに分かった。打鉄とは比べられない程のフィット感だ。まるで自分の半身のようによく馴染む。

 

「ISのハイパーセンサーは問題ないようだな。気分はどうだ?」

 

「大丈夫、いつでも行けます」

 

 そうだ、予め武器を展開しておこう。出会い頭に一発喰らうなんて絶対嫌だからな。そう思いながら装備欄を確認していると…ん?近接ブレードと…近接格闘グローブ??

 

 なんだこの武装は?

 

「一夏、あれだけ練習したんだ。落ち着いてやれば問題ない」

 

「自分を信じて、私たちは、ここでしっかりと見てるから…」

 

 いけない。今は気にしてはいられないな。これは後から考えよう。気持ちを切り替えなければ…。そう思いながら改めて近接ブレードを展開し、二人に力強く返答する。

 

「ああ、勝ってくる‼」

 

「織斑一夏、白式行きます‼」

 

俺は勢い良くアリーナに飛び出した。

 

 

 

 

 

アリーナ内

 

「あら、遅かったですわね。逃げたかと思いましたわ」

 

「逃げる?誰がかな?」

 

「ふん…まぁ良いですわ。さてここで一つ提案があります」

 

「提案?」

 

「わたくしが勝利を得るのは自明の理。ここで謝罪すれば許して差し上げてもよろしくてよ」

 

 ここで白式から警告が入る。 

 

 敵IS操縦者、射撃モードに移行。セーフティーロックの解除を確認しました。

 

 まぁ、俺に逃げるという選択肢はない。ならばこう返してやろう…。俺は彼女を睨みつけながらブレードを正眼に構えた。

 

 

 

 

「その言葉、宣戦布告と判断する。当方に迎撃の用意あり‼」

 

 

 

「っ!?そうですか…、では、お別れですわ‼」

 

 来る!!「避ける」という思考よりも先に体が反応した。ビームの弾道の右に避ける。原作の一夏と違い白式の反応にしっかりとついて行っている。

 

「な!?」

 

 回避されると思わなかったのかセシリアが驚愕する。よし、ビームの弾速は春雷と同じくらいだ。早速練習が実を結んだ。簪に感謝。

 

 ここで一夏は一旦距離を置いて相手の射撃の癖やタイミングを見極めるため戦闘スタイル「流」を選択する。

 

「さぁ、ブルーティアーズが奏でるワルツで踊りなさい!!」

 

 自分を鼓舞するかのように叫ぶセシリア。ブルーティアーズの主力武装である巨大なスターライトmkⅢから弾雨の如き攻撃が降り注ぐ、加えてそれら全てが的確に白式を襲う。

 

 が、当たらない。右に、左に、上に、下に、と一夏はそれら一つ一つにしっかりと反応し回避を行う。避け損なったビームはブレードで弾き・防ぐ事でシールドエネルギーを削らせない。

 

 予想以上の攻防に、アリーナがヒートアップしていく。

 

 セシリアから試合当初の余裕はもうない。自身の攻撃が当たらず、時間が経つにつれて徐々に焦りが生まれる。そんなセシリアに対し一夏は獲物を狙う狼の如く視線を持ってセシリアから片時も視線を外さない。

 

 ここで、初めて一夏が動いた。荒くなったライフルの狙いを潜り抜けて、セシリアの右足に一閃。そのまま離脱、ヒット&アウェイだ。

 

「きゃ!」

 

攻撃を受けたセシリアから小さな悲鳴が上がる

 

「先制は頂いたぞ!」

 

「生意気な!」

 

 セシリアは、ビット型兵装ブルー・ティアーズを4機展開し、死角を含む全方位オールレンジ攻撃で一夏を襲う。彼女は本気になった。驕りや油断を捨て、ただ一夏を倒すことだけに集中したのだ。

 

 負けじと 一夏も更にスピードを上げてビットからの攻撃を巧みに回避する。しかしそれにも限界がある。

 

「ぐっ!」

 

 一本のレーザーが一夏に直撃するが動きを止めない。ここで止まれば残りのビットから一斉に攻撃がくるのが分かるからだ。少しづつ一夏のシールドエネルギーが減少して行く…。

 

 このままではジリ貧になることを悟った一夏は勝負でた。一機のビットに向かい猛然と突っ込み、勢いのままブレードを振り下ろした。爆散するビット、代償に3発のビームを貰う。いかに縦横無尽に動き回るビットだとしても、攻撃体制に入れば動きは止まる。一夏はそこを見逃すことなくビットを捉えたのだ。

 

 更に、ビットの攻撃が3機になったことで単純に一夏の回避範囲も広がったのだ。

 

 勝負は未だに互角だ。

 

 

 

 

 

アリーナ制御室

 

 ここでは、千冬、山田、箒、簪の4人が巨大モニターで試合を見ていた。

 

「お、織斑君すごいですね」

 

 生徒2人の気持ちを代弁するように若干興奮気味に山田先生の声が響く。

 

「ああ、2ヶ月前までISを動かしたこともない素人の動きとは思えんな。…私も我が弟に末恐ろしさすら感じてしまう。…だがオルコットにとって本当に恐ろしさを感じるのはここからだ」

 

「え、それはどうしてですか?」

 

 山田先生、そして箒と簪も疑問に思う。

 

「あいつのISまだフィッティングとフォーマットを行っている状態だ。しかしその状態でオルコットと互角に渡り合っている。これが何を意味するか…少し考えれば分かるだろう」

 

織斑先生の指摘に一同が驚く。

 

「そして…時間的にもそろそろのはずだな」

 

千冬の言葉と同時に白式が光り輝いた。




試験に落ちました…。
また来年頑張ります・・・。
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