IS~転~   作:パスタン

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皆様が楽しんで頂ければ幸いです
ではどうぞ・・・


転校生はセカンド幼馴染でした2

「織斑君!クラス代表決定おめでとう‼」

 

「おめでとうー!」

 

 ぱんぱんぱん、ぱーん。

 

 クラッカーが乱射する。壁にかかる『祝☆織斑一夏クラス代表就任パーティー』と言う看板で分かる通りだ。

 

 クラスメイトだけでなくあっちこっちから人が集まっている。どう考えても50人はいるんじゃないかな?ちなみに俺の右側に箒、左側にセシリア、箒の右側に簪が座っている。

 

「いやー、これでクラス対抗戦も盛り上がるよねー」

 

「ほんとほんと」

 

「あの時の織斑君のセリフ、格好良かったよね。『ここから先は一歩たりとも譲らんぞ‼』私、思わずしびれちゃったもん」

 

「ほんとほんと」

 

 ぎゃあああああ‼それ言わないで!改めて思い出すとメッチャ恥ずかしいんだから⁉

 

「織斑君のお陰で夏イベも大成功間違いなしだね」

 

「ほんとほんと」

 

 おーい君達、俺に何やらす気だ?行かないからな⁉︎俺は絶対に行かないからな‼

 

「人気者だな…、一夏?」

 

「…もてもて」

 

 ちょっと拗ねた感じの箒と簪。何だがこの2人、すごく仲良いな。

 

「半分は箒と簪のお陰だね。ありがとう」

 

「い、いや、まぁー分かってくれているならいいんだ…」

 

「(こくこく)」

 

 そんな話をしていると1人の2年生が俺の前に出てきた。

 

「はいはーい、IS学園新聞部でーす。本日は織斑一夏君の特別取材に来ました」

 

 おー、と一同が盛り上がる。

 

「あ、私は2年の黛薫子(まゆずみかおるこ)。新聞部の副部長です。これ名刺ね」

 

「ど、どーも」

 

「では一夏君、クラス代表になった率直な感想をどうぞ」

 

 うーん、やっぱり恥ずかしいな。無難に行こうかな

 

「えー、まだまだ未熟者ですが代表として皆の期待に全力で応えたいと思います。」

 

「うーん、模範的な解答だね。もう少しパンチが欲しいんだけどな〜」

 

 お気に召さないようだ。これならどうだ。

 

「誰の挑戦でも受けて立ちます!」

 

「お!良いね〜。そういうのが欲しかったんだよ!バッチリバッチリ!」

 

 下手に捏造されても困るからな。満足してくれて良かった。それから黛先輩は箒、簪、セシリアの3人からコメントをもらい、最後にこんなことを言い出した。

 

「さて、最後に専用機持ち4人の写真を撮らせてくれるかな?」

 

「「「え⁉」」」

 

「1年の専用機持ちが一度に集まるなんて珍しいからね。是非とも一枚欲しいんだわ」

 

 先輩やめてください!不用意にそんなこと言うと…。

 

「一夏の隣は私だ!」

 

「いいえ、このセシリア・オルコットが相応しいですわ‼」

 

「…じゃあ、反対側はいただいても」

 

「「良い訳あるか‼」」

 

 ほら、こうなるんだから…。あー胃が痛いよ〜。

 

「一夏君。人気あるね〜。それについてはどうでしょうか?」

 

 ニヤニヤしながらコメントを求めてくる先輩に俺はため息をつきながら答えた。

 

「…ノーコメント」

 

 結局、その場にいた全員での集合写真になったのは言うまでもない。

 

 

 

 

 

翌朝

 

「おはよー織斑君、ねぇ転校生の話聞いた?」

 

「今の時期に?」

 

「うん、噂じゃ中国の代表候補生なんだって」

 

「あら、わたくしの存在を危ぶんでの転入かしら」

 

「だが、このクラスに転入して来るわけではないのだろう?」

 

「転校生か…」

 

 ついに来た…。帰って来た。あの子がここに…

 

「気になるのか?」

 

 箒が俺に問いかける。

 

「まぁね、入学試験の数倍難しい上に国からの推薦状も必要になる…。ほぼ間違いなく専用機を持っているはずだよ」

 

「ふむ、強敵というわけか…」

 

 うまく誤魔化せたようだ、良かった…。

 

「まぁー取り敢えず勝つための練習はしなきゃだよね」

 

「そうですわね。クラス対抗戦は1月後に迫ってますし、より実践的な訓練をしましょう。相手はわたくしと箒さんが務めます」

 

 意気込むセシリアと頷く箒。

 

「織斑君が勝つとクラスみんなが幸せになるんだよ」

 

「織斑君、がんばってね!」

 

「スイーツフリーパスのためにもね!」

 

 周りの欲望ダダ漏れの声援を聞きながらの苦笑いをしていると

 

 

 

 

 

 

「残念だけど、そんな簡単にはいかないわよ」

 

 

 

 

 

 

「2組のクラス代表も専機持ちになったの。そう簡単には優勝できないわよ」

 

 一夏がいる。やっと…やっと会えた!でもその前に、もうクラス対抗戦で優勝が決まった気でいる1組に宣戦布告をしとかないと!

 

「鈴…鈴か⁉久しぶり!」

 

 ちょ、ちょっと一夏!そんな嬉しそうな顔しないでよ。いや、あたしもすごい嬉しいけどさ…くっ!出鼻を挫かれたけど負けないわよ!込み上げてくる嬉しさを抑えながらあたしは宣言した。

 

「そ、そうよ!中国代表候補生、凰鈴音。今日は宣戦布告に来たんだから‼︎」

 

 …うぅ〜、ちょっと吃ってしまった。あたしのバカ〜!これじゃあ全然格好がつかないよ〜!

 

「鈴」

 

 心の中で自己嫌悪に陥っていると一夏があたしを呼んだ。

 

「な、何?」

 

 一夏がじっとこちらを見る。な、何だろう。怒らせちゃったかな?いや、こんなことじゃ一夏は怒らないし…。戸惑っているあたしを他所に一夏が優しく微笑みながら答えた。

 

「おかえり」

 

 瞬間、私の周りから音が消えた…おかえり?

 

 

 

トクン

 

 

 

 静かに…でも確かに、その言葉は私の心に響いた。帰ってきた、今の言葉で間違いなく私の身も心も、本当の意味で日本に帰ってこれたんだ。

 

 嗚呼、本当にあんたは…。いつもあたしの欲しい言葉をくれるんだから…。言わなきゃ、「おかえり」って言われたんだから、ちゃんとあたしも言わなきゃ。未だに色々な感情が心を駆け巡っているけど、これだけは貴方に伝えます。

 

「ただいま!」

 

 

 

 あたしは今できる最高の笑顔を彼に見せた。

 

 

 

「…ふぅ」

 

 一体、彼女は誰なんだろうか?一夏があんな言葉をかける女子…。

 

 あの時の一夏の表情はとても穏やかで嬉しそうだった。確信を持って言える。彼女は一夏に好意を寄せている。そして…間違いなく私の知らない一夏を彼女は知っている…。

 

 6年も離れていたから私の知らないことがあって当たり前だ。…でも、どうしたって胸がざわついてしまう…。6年間の差をこんな形で味わうとは思ってもいなかった…。

 

 …だが、いつまでも考えてはいられない。昼休みになったら一夏から聞いてみよう。一夏だったらちゃんと答えてくれるはずだ。私は無理矢理そう結論づけて授業に集中するようにした。

 

 

 

 

「ハァー…」

 

 あの方は一体誰なのでしょうか?いきなり現れたと思ったら宣戦布告、そして一夏さんとは旧知の仲のようでしたし…。と言うか、あれはわたくしと同じ…恋をした女性の目ですわ。

 

 …完全に出遅れていますわね。箒さんと簪さんは、この学園で初めて出来た友人であり、同時に恋のライバルでもあります。ただでさえ2人とも強敵なのに新たにライバルがくるなんて…。

 

 とにかくあの方について一夏さんに聞かなければなりませんね。




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