IS~転~   作:パスタン

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新年明けましておめでとうございます

これからもパスタン並びにIS~転~をよろしくお願いします

ではどうぞ


乙女バトル勃発!!2

 どうも、織斑一夏です。本日はヒロインズのみんなと一緒に買い物に行くことになり、俺は待ち合わせ場所である駅前の噴水広場にいる。

 

 服装はボーターの七分袖のTシャツ、無地で長袖のボタンシャツ、白の黒のデニム、茶色のブーツである。しかし流石はイケメンといったところか、何を着ても似合っちゃうもん。問題は俺自身があまりオシャレに興味が湧かないとこかな。

 

 …この機会に何着か私服を買おう。うん、そうしよう。

 

「一夏」

 

 そんな考えをよそに俺を呼ぶ声が聞こえる。鈴だ。鈴を先頭に箒、セシリア、簪が続く。

 

「お待たせ、待った?」

 

「いや、俺も今着いたとこだから」

 

 これってデートではお決まりのテンプレ文だよな。原作一夏は正直に答えるけどね。彼はある意味凄いよ。全くぶれないもん……決して真似したくないけどね。

 

「そう。で、どう?」

 

「似合ってるよ。でも鈴の私服姿も2年ぶりだから新鮮に感じるな」

 

 俺の言葉に鈴は満足そうに笑顔を浮かべた。

 

 中学時代、弾を加えて3人で遊びに行くことも多かった。この時に鈴の私服を何度も見たことがある。鈴の私服は動きやすさとオシャレを両立したような組み合わせが多い。彼女自身のセンスが垣間見える瞬間だった。

 

「そう言えば、箒の私服を見たのも久しぶりだよな?簪とセシリアの私服は初めてだし」

 

 6年の歳月は1人の少女を女性へと変貌させたと言っても言い過ぎにはならないだろう。白のワンピースと中に長袖のインナー、黒のパンツと動きやすいスニーカーは箒らしさが存分に出ている。素直に綺麗だという感想が頭に浮かんだ。

 

「ああ、その…どうだ?」

 

「えーと…綺麗だと思った…かな?」

 

 若干恥ずかしくなってしまう。

 

「き、綺麗!?そ、そうか、そうか…。オッホン!い、一夏の服も良いと思うぞ」

 

 褒められて恥ずかしいのか、わざとらしい咳払いをして箒も俺の服を褒めてくれた。

 

「一夏さん!鈴さんと箒さんだけずるいですわ」

 

「…差別」

 

 セシリアと簪がしかめっ面をして前に出てきた。そんなつもりないんだけど…。俺は苦笑いを浮かべながら二人にも感想を言った。

 

「青のワンピースはゆったりしてて落ち着いた感じがいいね。セシリアに良くあってると思うよ」

 

「あ、あら一夏さん。流石に見る目がありますわね」

 

 言い方は上からだけど、口元がニンマリしているのがバレバレなとこがなんだか可愛らしくも微笑ましい。

 

「簪はロングスカートに茶色のブーツがおしゃれだね。それに黒のアウターが大人っぽくて良いね」

 

「…あ、ありがとう」

 

 言葉少なめだが此方も嬉しそうに頬が緩んでいるあたり、悪くは思っていないだろう。

 

 ここで鈴が右手を上げながら号令をかけた

 

「そんじゃ、今日は楽しむわよ!!」

 

「「「「おーー!」」」」

 

なんだかこんな感じもイイね。

 

 

 

 

 

 

 

「一夏さん、これがセイロン、あちらがダージリンですわ」

 

 今回の私たち四人の取り決め。1人1時間で一夏さんをもてなし、誰が1番に一夏さんを満足させられるかで勝敗を決めることになりました。他者からの妨害は一切禁止、極めてクリーンな勝負ですの。そんな一番手のわたくしは紅茶専門店と雑貨が合わさったお店で一夏さんをおもてなし致します。

 

「紅茶ってかなり種類が多いだね」

 

「そう思われがちですが、基本的には『ストレート』『フレーバー』『ブレンド』の3種類に分けられますわ」

 

「たった3種類なのかい?」

 

「ええ。ストレートについてはおおよそ生産された地名が名称となります。複数の産地の茶葉を組み合わせたりしたものがブレンドとなります。フレーバーはストレートやブレンドに香りを加えたものです。よく耳にするアールグレイとダージリンは種類が違うと思われがちですが、ジャンルが違うと感じてもらえればいいかと思いますわ。ダージリンに着香して作られたアールグレイというのも豊富だったりしますもの」

 

「へぇ〜、さすがセシリアだな。すごく勉強になるよ」

 

 こ、これはかなりの高ポイントではないでしょうか!?一夏さんとの少しだけ距離が縮まったような気がします。ここでさらに押して電撃戦ですわ!!

 

「そ、その、もしよろしければさらに美味しい紅茶の淹れ方を一夏にお教えしたいのですが…。2人っきりで」

 

「いいのかい?それは是非とも教えて欲しいな」

 

 ヒットですわーー!!!超大物が私の手元に掛かりました。他の3人に比べてほんのちょっぴりわたくしの影が薄いような気がしましたが、ここで巻き返しますわよ!!そんな気持ちとは裏腹に努めて冷静に一夏さんと会話をする

 

「そ、それでは時間と場所は追って連絡しますね」

 

「ああ、楽しみにしてるよ」

 

 た、楽しみだなんて……。嫌ですわ一夏さん。楽しみだなんてそんな。乙女心を簡単にくすぐって、いけない人ですわ〜。そんなトリップ気味の思考を遮るように鈴さんと箒さんから声が掛かった。

 

「はーい、終了」

 

「え?」

 

「セシリア、時間だ」

 

え?時間?わたくしは自分の時計を確認した。きっちり1時間が経過していました。

 

「……はぁ、楽しい時間はいつも短いのですね」

 

名残惜しいがルールはルール。オルコット家の名において卑怯な真似はしませんわ。それに今回の結果にわたくしは大満足ですもの。

 

わたくしは一夏さんと買ったダージリンの缶を胸元でギュッと握りしめた。

 

 

 

 

「(ちゃっかり二人っきりの約束までしたわね)」

「(私も負けてはいられないな)」

「(どうしよう…。何にも考えてないよ)」

 

 

 

 

 

 

 

2番手は私だ。私たちは純和風のグッズが取り揃えてあるお店に来ている。

 

「一夏、どちらの帯が良いだろうか?」

 

「う〜ん……。右の桜色の帯が好きかな?」

 

 一夏だったら桜色を選ぶと予想が着いていた。子どもの頃に好きな色が桜色だったことを私は覚えていたからだ。どうやら色の趣味についてはあの頃と変わっていないようだ。しかし流石は日本男児だな。桜の美しさを小さい頃から分かる者はそうはいまい。私は内心で満足しながら言葉を続けた。

 

「ふむ、ではこれにしようかな。一夏は何か買いたいものはあるか?」

 

「おお、実は箸と湯のみが欲しかったんだ」

 

「箸と湯のみ…か」

 

 一夏の言葉を繰り返しながら私はある考えに至った。

 

「一夏、良ければ湯呑みは私が選んでやろうか?」

 

「ん?いいけど、急にどうしたんだ?」

 

「べ、別に特に理由はないさ。じゃあ一夏は箸を選んでこい。私は湯のみを選ぶからな」

 

「分かったよ。それじゃお願いな」

 

「うむ」

 

 一夏が箸のコーナーに向かったのを確認して私は行動を開始した。

 

「よし…これだ」

 

 私は湯呑みコーナーで淡い青色がポイントの湯呑みと美しい桜色の湯呑み二つでセットになっているものを買った。他の三人は驚愕の表情をする。

 

 ふふふ、どうやら気づいたようだな。そう私が買ったのは夫婦茶碗ならぬ『夫婦湯呑み』だ!!セシリアが「その手がありましたわー」と頭を抱えながら言外に告げていた。残念だったなセシリア、詰めが甘いのだよ。

 

「おーい、いいのあったか?」

 

「ああ、これなんてどうだ?」

 

 私は意気揚々と湯呑みを出した。

 

「おお!色合いも綺麗だし、バッチリだよ箒。でも二つでセットか…」

 

「その私もちょうど湯のみが欲しかったから片方を貰っても良いだろうか?」

 

「おお、勿論だよ。お金は俺が払うからプレゼントでも良いかな」

 

「プレゼント!?勿論だとも、ありがとう一夏!」

 

 これは予想外のプレゼントだ。良いも何も大いに結構ではないか。

 

「はーい、終了ですわ」

 

 ここでセシリアから声が掛かった。ふむ、もう時間か。セシリアではないが楽しい時間はあっと言う間だな…。しかし十分な戦果を得ることが出来たぞ。

 

 

 

 

 

 

「(まさか、お揃いのものを買うとは……油断したわ)」

「(自分自身の迂闊さに泣きたくなってきましたわ)」

「(本当どうしよう……。お腹痛くなってきた)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 3番手はあたし。お店は普通のメンズやレディースの服が揃っている店をチョイス。ここで一夏が服を買いたいと言ったので

 

「これもいいわね、でもこっちも捨てがたいし」

 

「……」

 

 あたしは一夏を着せ替え人形にしている。

 

「鈴、適当でいいんだぞ」

 

「いい訳ないでしょ!折角あんたがオシャレするって言ってんだから気合い入れないとダメよ」

 

「……」

 

「あーもー!時間が足りないわ。取り敢えずこれとこれはキープね。でもこれも……」

 

「はぁ〜」

 

 こんな感じでいつの間にか時間が過ぎてしまった。……あれ?おかしいな?どうしてこうなったんだろう

 

 

 

 

「(鈴……不憫だ)」

「(鈴さん……不憫ですわ)」

「(……次わたしの番)」

 

 

 

 

 

最後はわたしの番…。勿論お店はホビーショップだ。とにかく頑張る

 

「う〜む、これクオリティー高いな。……こっちのDVDも魅力的だな」

 

「一夏、これも見るべき」

 

「……これは買いだな!」

 

 とても和やかに、でも楽しく過ごしている。こうやって一緒にいてしみじみ思う。一夏と一緒にいると自分を素直に表現出来る。何も気負うことなく自然と笑顔になる。そんな風に考えてると一つのぬいぐるみが私の目に入った。

 

「あ……」

 

 それは真っ白なゴマアザラシのぬいぐるみ。目がチャーミングでとても可愛い。

 

「……」

 

 自然と目が行ってしまう。どうしよう、もうお金もないし……。

 

ヒョイ

 

 そう考えてると急に視界からゴマちゃんが消えた。

 

「これ、欲しいんだろ?」

 

 一夏がゴマちゃんを私に差し出した

 

「で、でもお金が……」

 

「俺からのプレゼント」

 

「え!?」

 

「さぁ、会計を済ませちゃおう」

 

 そう言ってスタスタとレジまで行ってしまった。少し強引だけど……すごく嬉しかった。なんだか色々考えていたのが馬鹿らしいな。おもてなしするどころかされちゃったし。

 

「はい、どうぞ」

 

 にっこり笑って私に渡した。ちゃんと言葉にしないといけないよね

 

「ありがとう一夏」

 

 

 

 

 

 いやー、楽しかったな。すごくリラックスできた。たまにはこんな感じで皆と遊びに行こうかな〜

 

「一夏、楽しかった?」

 

「ああ、すごくリラックスできたよ。ありがとうみんな」

 

 俺の言葉にみんなは笑顔で返してくれた。

 

「さて、んじゃ帰ろうか?」

 

「そうだな」

 

「そうですわね」

 

「…楽しかった」

 

 さて、この後は彼女たちが学園にやってくるな。

 

 

 さてはてどうなることやら。




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