皆さんが楽しんで頂ければ幸いです
ではどうぞ・・・
どうも織斑一夏です。同居人だった箒が引っ越して広くなった部屋を独り占めしている。
ふとカレンダーに目をやるとある日付に赤マルをしていることを思い出した。
「もうすぐ学年別個人トーナメントか…」
学年別個人トーナメント
学年別のISトーナメントだ。全員強制参加によって一週間かけて行なう一大イベントだ。
1クラスが30名で4クラスだから合計120名。一大イベントということも頷ける。加えて学年によって評価も分かれてくる。1年は先天的な才能評価、2年は成長能力の評価、3年は具体的な実践能力の評価となっている。特に三年はIS関連のスカウトはもちろん、各国のお偉いさんが見に来るらしい。
取り敢えずはこの大会で優勝を目指す。一つ一つ実績を作って男性としての地位を確立しないとな。
トントン
「ん?はーい」
「一夏、ご飯食べに行くわよ」
「ああ、今行くよ」
俺は外で待っているであろう皆の元に向かった。
〜翌日〜
「やっぱりハヅキ社製のがいいよね」
「でもあそこはデザインだけって感じじゃない?」
「そのデザインがいいんじゃない」
「私はミューレイがいいかな。特にスムーズモデル」
本日はISスーツの申し込みに当たり、カタログ片手にクラスも俄かに活気付いている。
「そういえば織斑君のスーツはどこのなの?」
「倉持技研の特注品なんだ。元々はイングリッド社のストレートアームモデルだったかな」
そう、実はこのスーツは倉持技研の篝火先生が送ってきたものなのだ。俺が女子の質問に答えていると山田先生が現れISスーツについて説明を始め、女子からは茶化すように親愛を込めたあだ名を言われ慌てる先生をよそに織斑先生がその状況を絞める流れとなった。
「では山田先生、ホームルームをお願いします」
一通りの連絡事項を伝え終えて山田先生にバトンタッチだ
「はい、ではみなさん!」
「今日はなんと転校生を紹介します!しかも2人です」
「「「えええええええっ!?」」」
クラス中がざわめきたつ。俺はと言えばいたって落ち着いている。鈴の時とは違って大体の事は予想が出来ていたからあまり驚きは強くないのだ。
「では、入ってきてください」
「失礼します」
「失礼する」
山田先生に促されて二名の生徒が教室に入ってくる。転校生の姿をみて周りのざわめきがピタリと止んだ。
「シャルル・デュノアです。フランスから来ました。みなさんよろしくお願いします」
「…お、男?」
礼儀正しい立ち振る舞いと忠誠的な顔立ち。濃い金髪を首の後ろで丁寧に束ねている。スマートな体格が合わさると正に『貴公子』という言葉が相応しい…。
だがしかし、残念ながら女性である。
ふむ、こうして見ると男であると言えないわけではないが…、どこか怪しさがあるんだよな。その証拠に姉さんも少し怪訝そうにしてる。
しかしここは原作通りか。特に何をしていた訳じゃないが俺がいることで何かしらの変化が起こると思ったんだが特に変化なしなんだな。
「き」
一人の女子の声が耳に入る。
あ!やべぇ!?俺は慌てて耳をふさいだ
「「「「きゃーーーーー!!!」」」」
あっ、危なかった〜。もう少し遅かったらこのソニックウェーブに巻き込まれるとこだったぜ…。セーフセーフ
「男子!2人目の男子だ!」
「しかもうちのクラス!」
「よっしゃー!今年は運があるぞ!!」
只今、お祭り騒ぎの女子の皆さん。元気があって何よりです。
「み、皆さん、まだ自己紹介は終わってませんからね〜」
もう一人の転校生、俺からすると懐しいあの子だ。
ラウラ・ボーデヴィッヒ…。こちらと目が合うと笑顔で目の挨拶をしてくれた。
「それでは、自己紹介をお願いします」
山田先生から言われると視線をみんなに向けビシッと敬礼をしながら自己紹介をし始めた。
「ラウラ・ボーデヴィッヒだ。学校という施設に来るのは初めてなので色々と至らないことが多いと思うが皆と楽しくやりたいと思う。好きなものはポテチと緑茶だ。よろしく頼む」
堂々と何の迷いもない挨拶だった。生徒から軽い拍手が起こった。
原作に比べるとかなり社会性が高くなっているようだ。姉さんやクラリッサさんのお陰かな。俺としてはとても喜ばしいことだ。両名の挨拶が終わり席へ着く。
「よし、ではHRを終わる。1時間目は第二グラウンドで二組と合同授業を行う。解散!」
「織斑、デュノアの面倒を見てあげなさい」
「はい、わかりました」
「君が織斑君?初めまして。僕は…」
「おっと、まずは移動しよう。女子が着替え始めちゃうからね。取り敢えずついて来てくれ」
そのまま俺は背を向けて歩き出した。
「男子は空いているアリーナの更衣室で着替えをするんだ。実習のたびにこの移動があるから早めに慣れてな」
「うん、わかったよ」
シャルルは俺と並走して歩く。さて問題はここからだ…。
「ああっ!転校生見つけた」
「しかも織斑君と一緒よ!」
うわ、やっぱり来たか!?各クラスの女子たちが情報収集にやってきたのだ。遅れると酷いことになりそうなんで戦術的撤退だ!!ってわらわらと集まり出してきた!しまった…余計なこと考えてたからか?こうなったら最終手段
「黛先輩、黛先輩はいらっしゃいますか?」
俺は人混みの中、目的の人物を叫ぶ。するとほかの女子たちにもみくちゃにされながらも目の前に現れた。
「織斑君〜、独占インタビューいいかな」
あんだけもみくちゃにされたのに根性あるなこの人。
「先輩、夕食時にシャルルと二人でインタビュー受けますんでこの場を収めてもらえませんか?」
「交渉成立!まかせておいて」
ニヤリと笑ってそう言うと先輩は果敢に女子の前に出て説明を始める。
「デュノア君のインタビューは新聞部が責任を持って行います!写真の配布を希望される方は新聞部の部室まで来てください!」
「黛先輩、ありがとうございます!」
「あ、ありがとうございます〜」
俺とシャルルは女子の波を抜けながら黛さんにお礼を言った。
アリーナ更衣室
「ふぅー」
「はぁー」
二人揃ってため息をつく、時計を見ると少し時間に余裕ができた。
「さて、ここだったら邪魔も入らないし改めて織斑一夏だ。よろしくデュノア」
「こちらこそ、それと僕のことはシャルルでいいよ」
「わかった。俺も一夏でいいからな、それよりもごめんな。いきなりインタビューなんて受けることになっちゃって……」
これに関しては不可抗力とは言えダシにしてしまった事に罪悪感を覚えている。
「そんな、気にしなくていいよ。むしろ助けられたのは僕の方なんだから、ありがとね一夏」
な、なんていい子なんだ!!シャルちゃんマジ天使!!
互いに簡単な挨拶と俺の謝罪を交わしていそいそと着替えを始める。もちろん俺は後ろを向いて。
「ん?……っっっ!!」
ふと、ロッカーに備え付けられていた鏡を見て俺は思わず絶句してしまった……。
チラッとだがシャルルが着けている女性用のコルセットが見えてしまったのだ。これにはさすがの俺も驚いてしまった。これでシャルル…、いや『シャルロット』が女であることは確定してしまった訳だ。しかし心の中で言わせて欲しい。
もっとちゃんと隠して!!!
「ん?どうかしたの一夏?」
振り返らずに器用に聞き返すシャル(めんどいからシャルに統一する!)に
「……いや、なんでもない」
俺は少し項垂れながら答えた
「?」
互いに着替えが終わり俺たちは足早にグラウンドへと向かった。
第二グラウンド
「遅くなりました!」
「ギリギリだな、まぁいい。すぐに並べ」
「「はい」」
「随分ゆっくりでしたわね」
「シャルル目当てで他のクラスの女子が来てさ……」
「なるほど、理解できましたわ。お疲れ様です」
「あんたも大変ね」
セシリアの言葉に俺がそう返すと若干苦笑いを含めた顔で労いの言葉をかけてくれた。横の鈴も哀れむ感じの言葉だが気にしない。
「では、本日から格闘及び射撃を含む実践訓練を開始する」
そんな言葉を交わしていると織斑先生から授業を開始した。
いかがだったでしょうか?
感想並びに評価を頂ければ幸いです。
ではまた次回