IS~転~   作:パスタン

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物語は進みます
皆様が楽しんでいただけたら幸いです
ではどうぞ…。


インフィニットストラトス~白騎士事件

 どうも、ツンデレの真髄を垣間見た織斑一夏です。あれから箒ちゃんは変わった。勝負を仕掛けることは一切なくなり、それどころか甲斐甲斐しく俺のお世話をするようになったのだ。道場で俺がケガをしたら治療をしてくれたり、剣道では技術的なことを教えてくれるようになった。

 

 …指導中は、かなり擬音や身振り手振りが多かったがそこは俺が箒ちゃんと同じように動くことで問題は解決した。

 

 反対に俺は学校の勉強や先日披露した格闘技を教えた。そしてそれを1週間程度でマスターしてしまう箒ちゃんであった。…やっぱこの子センスあるなー、俺があの技をものにするのにかなりの時間をかけたのに、自分の不甲斐なさに少し落ち込んだりもした。しかしそんな風にお互いが教え合うことで俺達は確実に強くなっていった。そんな俺達を千冬姉さんと柳韻先生は優しく見守っていた。

 

 そして努力は実り3年生の時に市の年少部の大会で俺たち2人は優勝を果たしたのだ。あの時は、本当に嬉しかった。2人で手を取り合って喜んだものだ。柳韻先生も千冬姉さんもほめてくれた。柳韻先生は箒ちゃんに対して「良く頑張った」と頭を撫でながら労っていた。一瞬呆けた後に箒ちゃんは大泣きした。やっと目標の人に認められたのだから当然だろう。

 

 2人で記念撮影したのも良い思い出である。

 

 その年の夏は、千冬姉さんと一緒に篠ノ之神社の夏祭りに行った。普段の静かな雰囲気から一転し露店が並び活気づいていた。箒ちゃんの浴衣姿もとても印象的だった。

 

「その…、どうだ一夏?」

 

「似合ってるよ箒。とってもかわいい」

 

「そ、そうか、ありがとう」

 

 ハニカミ笑顔全開だ。やべー箒ちゃんマジヒロインである。その後、乱入した束さんが

 

「いっくーーん!束さんの浴衣姿だよ。欲情した?欲情した?」

 

 あんた小学生に何ちゅうこと言ってんだ!!つーーか胸がはだけ過ぎ!しまいなさいすぐに!!

 

「たばねーー!!!貴様というやつは!!今日と言う今日は許さんぞー!!!」

 

「ぎにゃぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーー!!!」

 

「…行こうか。一夏」

 

「…うん」

 

 あ、姉さんのデンプシーロールだ。ギャラリーから織斑コールが起こった。

 

 その後、縁日で3人にビーズのアクセサリーをプレゼントした。ちなみに千冬姉さんは白色、束さんはピンク色、箒ちゃんは赤色である。3人とも喜んでくれた。お返しにそれぞれからお守りを貰った。箒ちゃんからは「必勝」、千冬姉さんからは「健康」、束さんからは「安産」である。

 

・・・・・・・いや、最後の俺が持ってても必要なくね?結局千冬姉さんに買いなおされて「恋愛」へとなった。本当にこの人もブレないな。まぁ4人で写真をとったのも大切な思い出だ。

 

 そうそう、織斑家の食卓に新しく箒ちゃんが加わった。束さんが連れて来るようになったのだ(やっぱりアポなしで)。大体お決まりになってきたので食材を多めに買ってあるから問題ない。ただ箒ちゃんは、俺が料理をしているとこを見てとても驚いていた。

 

「い、一夏、お前は料理が出来るのか?」

 

「うん、織斑家の食事は俺が担当だからね」

 

「そ、そうなのか(私も母から料理を習わなきゃ…)」

 

「あ、束姉さん塩とコショウを取ってください。あとジャガイモの皮むきお願いしますね」

 

「OKだよ。いっくん」

 

「・・・ちょっと待て一夏」

 

「どうしたの?」

 

「なんで姉さんのことをお前が姉さんと呼んでいるんだ?」

 

「ああ、束さんが束姉さんって呼べって言うからさ」

 

「いや、断われよ!」

 

「いや、それが束姉さんって言わないと駄々こねてうるさいから…」

 

「子どもか!姉さん一夏に迷惑をかけないでください!!」

 

「え~いいじゃん。あ、いっくん味見お願いね」

 

「はいよ(モグモグ)おっ!また腕をあげましたね。バッチリです」

 

「わーい!!いっくんに褒められた」

 

「・・・姉さん、あなた料理出来たんですか?」

 

「うん!いっくんに教えてもらったんだ。ね?いっくん」

 

「はい、だいぶ上手になりましたね。」

 

「…な、なんて事だ。ダメな姉でさえ料理が出来るのに、私が出来ないなんて」

 

「え?ダメって言った?今ダメって言ったよね箒ちゃん!?」

 

「…気のせいですよ。ダメ姉さん」

 

「言ったーー!?今確実に言った!!ヒドイよ箒ちゃん!!」

 

 箒ちゃんもイイ性格をしている。

 

 原作では暴力的な描写が多かったが、本来の箒ちゃんは少し不器用だけど素直でとても優しい子だ。こんな感じの風景が織斑家で見られる。え?うちの姉さんですか?・

 

 ・・・・・・リビングで皿を並べているとだけ言っておきます。

 

 時々ここがISの世界じゃないのでは?と思ってしまう。それほど騒がしくも楽しい日々であり、充実した生活を送っているからだ。

 

 

 

 

 

 でも、世界はいつだって残酷だ。神様はいつも笑いながら人間を奈落の底へ叩き落とす。楽しいだけなんてありえない。俺は、それをだれよりも知っているから…。

 

 

 

 

 

 それは、4年生の秋頃だった。学校も道場も休みで、一人で留守番をしていると箒ちゃんが家に遊びに来たのだ。色々と雑談をしている時、箒ちゃんからこんな質問がでた。

 

「一夏、「力」とは何のためにあるのだろうか?」

 

「ん?どうしたの突然」

 

「うむ。ふと気になってな」

 

本当に単純な質問だったのだろう。さてどう答えたものか…。

 

「今のところ2つ答えがある」

 

「2つ?」

 

「うん、まず1つ目が自分をコントロールするため。2つ目が大切なものを守るためだと思うんだ」

 

「…理由を聞いても良いか?」

 

「うん。まず1つ目なんだけど。箒は2年生の時いた、あの悪ガキどもを覚えてる?」

 

「ああ、勿論だ。一夏が助けてくれた」

 

「うん、あいつらは多分、自分が持っている力を知らないんだと思うんだ」

 

「?」

 

首をかしげる箒ちゃん…カワイイ。…じゃなかった

 

「え~と箒ちゃんは、あの4人に囲まれた時どんな事を思った?」

 

「…正直、足も竦んでしまうくらいに怖かった。」

 

 思い出させてしまったのだろうか…安心させようとそっと彼女の手を握った。

 

 しばらくすると

 

「大丈夫だ。…ありがとう」

 

「続きを話すね。あいつらは何の武術もやってないけど『身体が大きい』『力が強い』それだけで人に怖さを与えるほどの驚異なんだ」

 

 箒ちゃんは小さく頷いた

 

「剣道を習って思ったんだけど、自分は簡単に人をケガさせちゃう「力」があると気付いたんだ。だから、必要な時以外は自分をコントロールするって決めているんだ」

 

「…なるほど、1つ目は理解できた。ただ必要な時とはいつのなのだ?」

 

「それが2つ目の答え。大切なものを守るためだよ」

 

「一夏にとって、大切なものとは何だ?」

 

「それは…、」

 

「ここで番組の途中ですが臨時ニュースをお送りします!!」

 

何だ?キャスターの人もただならない雰囲気だけど…。

 

「た、ただ今入った情報によりますと、各国の軍事基地に配備されていたミサイル約2000発が、に、日本に向けて発射された模様です!!現在事実確認と並行して在日米軍と自衛隊が緊急配置を・・・・・」

 

その瞬間俺の世界から音が消えた。

 

…なんだよ…今日だったのか『白騎士事件』

 




いかがでしょうか?評価並びに感想をお待ちしております。
ではまた次回。

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