戦姫絶唱シンフォギア/ブレイドッ!!   作:にゃはっふー

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第12枚・ルナアタック事変終焉

 了子さんがノイズを大量に町へ解き放つ中で、四人は町へ繰り出す。

 

 そして金色の戦士は、巨大なエネルギーを持つ完全聖遺物、ネフシュタンの鎧へ。

 

 その鎖が剣のように、鞭のように操られながら、剣風で装甲を破壊するが、すぐに再生する。

 

「再生能力が高いかッ」

 

「不死身の化け物である貴様とは違うが、この身はいまは立花響の融合症例に合わせ、完全聖遺物と融合している。この身をどう攻略する?」

 

「そうだな」

 

 身体からカードが現れ、レリーフから一枚のカードが飛び出る。

 

 二枚のそのカードは金色の13の二つでは無い為、現れた瞬間、その姿を変えた。

 

「なら」

 

 剣のようなムチを弾いたのは、醒剣ブレイラウザーで、

 

「こうするさ」

 

 取り出したカードをそれにスライドし、カードの力を呼び起こす。

 

≪スラッシュ バイオ ポイズン チェーンヴェノム≫

 

「ッ!?」

 

 刀身が草木の蔦へと変わり、ムチのように振るう。紫の液体をまき散らしながら、巫女へと絡みつき、それを叩き付けるように斬り付けた。

 

「なに………!?」

 

 その時、僅かに異変に気づく。

 

 ネフシュタンの鎧が感電するようにエネルギーがうなり、装甲が砕けだす。

 

「俺が何年、響の身体。聖遺物と人の身を分けてきたと思う?」

 

「まさか」

 

「俺の力、アンデッドジョーカーの力。これで俺は響の融合を押さえて来たんだ。融合を解く毒の生成。できないと思うか」

 

「チイィィィィィィィィィィィ」

 

 急に距離を取り出し、ノイズを放つが、

 

「ノイズ程度っ」

 

 剣を一振りするだけで、波のように押し寄せたノイズが吹き飛ぶ。

 

 その瞬間、鎧から五枚のレリーフが黄金に輝き、解き放たれ、重醒剣キングラウザーへと取り込まれる。

 

≪スペードⅡ Ⅲ Ⅳ Ⅴ Ⅵ ストレートフラッシュ≫

 

 雷と共に二降りの剣を握りしめ、辺りに解き放ち、大地を吹き飛ばす。

 

「やはり、その身体、その力、万能の力とはよく言ったものだッ」

 

 重醒剣キングラウザーを肩に担ぎ、醒剣ブレイラウザーを向ける。

 

 

 ◇

 

 

「いまなら飛べるッ、あたしの歌っ!! これがあたしの全力だッ!!!」

 

 飛翔しながら一振りの槍として、けして貫けぬものは無いと言わんばかりにノイズを吹き飛ばす奏。それに続くように、

 

「吹き飛ばしてやっらあぁぁぁぁぁぁぁ、やっさいもっさいっ!!」

 

 クリスは飛行機のように外装を増やし、弾丸やレーザーをまき散らす中で、翼も全てを両断する剣として、己の剣を振るう。

 

「ガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ」

 

 巨大な爪を纏う響が獣のように吠え、ノイズを次々と討ち滅ぼす。

 

 マフラーが尾のように翻し、一真を睨む。

 

「なにしてるッ、さっさと倒すか救うかして」

「悪い」

 

「くっ、なら」

 

 その時、ノイズを出す聖遺物を身体に差し込み、それに全員が集まり驚く。

 

「なに!?」

 

「まさか、フィーネの奴ッ。ソロモンの杖と」

 

 その時、無数のノイズが放たれては取り込まれ、地下の施設から剣が、

 

「デュランダルか」

「まずいっ、あれも取り込む気か」

 

 翼と奏の言葉と共に、その姿を現す先史文明の巫女たる彼女。

 

 赤い竜のようなそれは、二つの完全聖遺物。デュランダルの無限のエネルギーと、ネフシュタンの鎧による完全修復。それらが合わさった存在だ。

 

 ギアが強化された装者達。それを振るうが再生能力が高く、逆に無限のエネルギーの力と共に薙ぎ払われる。

 

『所詮、限定解除された聖遺物であろうと、所詮は玩具。完全聖遺物に対抗できると』

 

 瞬間、その言葉を遮るように、無数のカードが舞い上がる。

 

「ウッリィィィアァァァァァァァァァァ」

 

 叩き込まれる雷鳴は、赤い竜の壁を打ち破りかける。

 

『化け物がァァァァァァァァ、その身で、その身体で、永遠に分かり合えぬ身で、ことごとく逆らうなァァァァァァァァア!』

 

「知るかぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

 

 無数の光弾がブレイドに降り注ぐ中、それを見た響は、

 

「やめろ………」

 

 そう呟き、

 

「一真を傷つけていいのは、アタシダケダァァァァァァァァァァァァァァ!」

 

 そう叫び声を上げたとき、赤い竜の傷口から光が輝き、それに奏達は驚く。

 

「あれは、デュランダル?」

 

「まさか、響の叫びに反応して」

 

「デュランダルはまさか、あのバカを主に選んでる?」

 

「ウオォォォォォォォォォォォォォォォォォォッ!」

 

 その叫びに光が一層輝き、無数のムチやノイズが放たれる。

 

 それを刃と槍が防ぐ中、一人不機嫌な装者がいるが、

 

「チッ、しゃーねーなッ」

 

 クリスはその傷口に弾丸を放ちながら、意図に気づき、ガングニールの回転と共に、そこに飛び込む奏。

 

『くっ』

 

 防壁のような壁の中、敵でもあり、仲間だった人を見つめる。

 

「悪いけど、あたしはあんたが憎い」

 

 目の前にいる巫女に、そう奏は言う。その言葉に、僅かに苦笑する。

 

『なら教えてやろう、お前の両親達がノイズに殺されたのは、私が襲わせたからだ』

 

 その言葉に、心臓をわしづかみにされかけた。だがすぐに我に返り、睨み返すだけにとどめた。

 

「………昔のあたしなら、それで怒り狂ってただろう。だがいまは」

 

 槍が回転し出し、静かに吠える。

 

「やるべきことを、見失ってたまるかぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

 

『くっ!!』

 

「いま気合い入れてるやつらの為に、旦那達の為にも、ここで終わりにさせてもらうぜっ!!」

 

 回転する槍が爆発し、その勢いでデュランダルを持つフィーネは、それを放つと、すぐに空へと飛び上がる。

 

「翼ッ」

 

 蒼ノ一閃が吹き、デュランダルを響の下に。

 

「来イ、デュランダルゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!」

 

 その手に取る瞬間、黒い闇が身体を覆う。

 

【ぐ、グウゥゥ】

 

 その様子に、地下のシェルターの扉が吹き飛んだ。

 

「正念場だ、踏ん張りどころだろうがっ」

 

 中から二課のメンバーや、未来の友達。そして彼女が現れた。

 

「強く、自分を意識してくださいッ」

 

「昨日までの自分をっ」

 

「これからなりたい自分を!!」

 

「まだ私達はあなたと友達になってない」

 

「これから色々あなたの話を聞くんだから」

 

「負けないで、ビッキーーーーーっ」

 

 シェルターから出て来るみんなの姿に、響は驚く中、その中に未来がいる。

 

(未来………)

 

「響ィィィィィィィィィィ」

 

『黙らせてやるっ』

 

 無数のムチが放たれるが、ブレイドが剣を投げて弾く。すぐに醒剣へと切り替えて、残りを全て防ぐ。

 

「響ッ」

 

 それに、

 

【………ダカラ】

 

 それに、闇と光が合わさったように、黒と白の翼を持ち、赤い眼光で剣を振り上げ、クリス、翼、奏と共に剣を掲げ、

 

「ウオォォォォォォォォォォォォォ!」

 

 吹き飛んだ重醒剣キングラウザーを手に取る。

 

 その様子を見た瞬間、五つのカードを彼女達の下に投げ渡す。

 

「使え響っ!!」

 

「一真を傷つけていいのはッ、私だけだァァァァァァァァァア!!」

 

 そう叫び、光を放ちながら二つの剣を重ねる。

 

≪スペードⅩ J Q K A≫

 

「一真がくれた明日を、ジャマスルナァアァァァァァァァァァァ!」

 

≪ロイヤルストレートフラッシュ≫

 

 デュランダルと共に、その咆哮を振るう。

 

『その力、何を束ねたッ』

 

「明日を信じる、大馬鹿野郎たちの、シンフォギアダァァァァァァァァァァァ!!」

 

 五つのカードが光を束ね、その一撃を放ち、赤い竜を撃ち滅ぼす。

 

 それは爆発が起きるが、響は見た。

 

 その炎の中に飛び込む、明日を掴む化け物を………

 

 

 ◇

 

 

「………ここは」

「気が付いたか了子くん」

 

 怪我で包帯を巻く弦十郎は上着が無く、私にかけられていた。

 

 コートを外している、緑の血によって汚れているものは、私の身体に触れている。

 

「私の身体を治癒しているのか」

【あのままじゃ、肉体もそのまま壊れていたからな。響に人を殺させない】

「ハッ、貴様は………」

 

 周りの目を気にせず、化け物の姿をさらす。

 

 どう思われようと気にせず、それは臆することもせず、敵を救おうとする。

 

「「………」」

 

 そいつを慕う者は納得してなさそうだが、何も言わず見ていた。

 

 無論、親を殺された者もいる。

 

 だが誰も止めない。なんともバカバカしい。

 

「………傷つけていいのは私だけ、か」

 

 そう呟く中、

 

「貴様に一つ聞く、剣崎一真。先史文明よりも遥か先から続く、その戦いを終わらせて、お前は何を得た?」

 

 人の身で無くなり、どれほど人を救おうと、お前は総合理解を失った世界で、人の争いを見続けていたはずだ。

 

 なのに、

 

「なぜおまえは………人を愛せる?」

【………】

 

 それに静かに、

 

【仲間がいるからだ】

「装者達か」

【それだけじゃない】

 

 そして空いている手で、心臓に手を置く。

 

【ここに俺の仲間たち。始たち、仮面ライダーとして戦った、俺の仲間たちがいる。彼らの明日があるこの世界、俺を愛した人たちの明日がある世界。だから俺は何度だって、この世界を、人を愛する】

 

 愚か過ぎる答えを、それは言った。

 

「………死した者達の為に、お前は世界を救うと言うのか………争い、お前を受け入れぬ世界を」

【ああ】

 

 即答だった。

 

 迷いも無く、それはそう言い切った。

 

「………貴様は愚かだ、剣崎一真………人の身を無くし、化け物と化した愚かな存在」

【よく言われる】

 

 そう言う中、静かに空を見て、僅かに笑う。

 

「月の欠片が落ち始めている。藤尭辺りに調べさせてみろ」

「なんだとっ!?」

 

 その言葉に、軌道計算し出す。結果はすぐに出て、下手をすればここに落ちる月の欠片に、化け物は空を見る。

 

「………ちっ」

 

 そう短く、立花響は舌打ちした。

 

「一真、月の欠片は私がどうにかする」

【響】

「一真はその女を救え」

 

 そう言って飛び上がろうとする時、

 

「響!!」

 

 小日向未来が呼び止めるが、

 

「………必ず帰ってくる」

 

 そして静かに微笑みながら、

 

「今度は、帰ってきたら、迎えてくれるよね」

 

 それに少女は涙を流しながら頷き、そして飛び立つ。

 

【響】

 

 その後、

 

「だーーーー響の奴、旦那、行ってくるっ」

「奏、私も」

「くそったれがっ」

 

 そして三人も飛び上がる中、それを見る。

 

「いいのか、貴様は」

【………信じる】

 

 そう小さく、

 

【俺が間に合うまで持ちこたえると】

 

 呟いた………

 

 

 ◇

 

 

 気持ちよく歌を歌った。

 

 未来が待っている。けど、私は………

 

「えっ………」

 

 暖かい光が私を、私達を包む。

 

 その温もりは、あの日、あの雨の中、ノイズを素手で倒した、怪物の………

 

「一真………」

 

「………もう俺は必要ない」

 

「一真っ」

 

 私の声が響く。一真がどこかに行く。

 

「いやだよ、なんで………なんでっ!?」

 

「俺は運命と戦い、勝ってみせる。そう始や、仲間に言った。けれど、本当に俺は正しかったか分からない………それでも、やっぱり俺はこうなんだ」

 

 そう言いながら、頭に優しい手が触れる。

 

「かずまぁ………」

 

 溢れる涙、一真は静かに、

 

「俺は人間と一緒にいられない………俺は多くの人間を守りたい、この運命に戦い続けたい。そのために、俺は戦う………」

 

「かずまあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

 

 私達が目を覚ます頃、地面の上にいて………

 

 剣崎一真の姿は、どこにも無かった………

 

 

 ◇

 

 

「………いまさら高校生、似合わない」

「似合う似合わないは関係ないよ響」

 

 あの後、未来が一真に言われて、私達を初めに見つけ、現在、装者は生死不明にして、雲隠れしている。

 

 櫻井了子は、生きている。

 

 だが先史文明の巫女、フィーネは死んだ。幸いかなんというか、櫻井了子は別人となり、さまざまな理由でごまかす。

 

 元々、自分と繋がっていた米国関係者は、もういないらしい。いたとしても表だってなにも言えない。この国でテロ紛いのことをしていたなんて、誰も言わないのだ。

 

「というわけで、弦十郎くんの監視下で、このまま二課に滞在することになったわ。あなたのボーイフレンドの所為よ」

「アァ?」

 

 クリスが変な声を出す。

 

「失敬、クリスのボーイフレン」

「アァ?」

 

 これは私。

 

「分かったわ、二人のボーイフレンドの所為」

「「違うッ」」

 

 クリスと揃って言い。藤尭が苦笑したので、雑誌を投げつけておく。

 

 翼はやや呆れ、奏は、

 

「違うのか、ならもらってもらおうかな?」

「「!」」

「奏っ!?」

 

 ニシシと笑う奏を睨みながら、未来が耳を引っ張り、勉強に戻される。

 

 確かにあの日から勉強なんてしていないが、だからっていまさらどうかと思う。

 

 ちなみに融合の症例があるため、無理矢理、適合率を上げて戦うことは禁止になり、色々と面倒になった。

 

 全て何も言わずに消えた、一真が悪い。

 

 結局一真は、どこかへ消えた。

 

 一真だけ、この輪の中から消えた。

 

「………一真のばか」

 

 私は小さく、そう呟いた………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 どこか遠い土地、ではなく公園で、風鳴弦十郎は静かにベンチに座る。

 

「いいのか、このまま姿を消して」

 

 独り言のように、静かに呟く。返事は無く、ただため息と共に呟く。

 

「響くんはこのまま新生リディアンに通い、クリスくんも通う。君の願い通り、人の中に二人は戻る。装者としてではあるがな。無論、欠片が侵食しないよう、細心の注意を払うし、了子くんがどうにかすると息巻いていた」

 

「………ならいいさ」

 

 そう、初めて呟く。

 

「君はいいのか、了子くんがいるとはいえ、響くんの融合症例による、聖遺物の融合は危険なんだ。二人を説得するのに、俺や緒川がどれほど苦労したか。君がいてくれれば」

 

「………すいません」

 

 そう静かに言い、弦十郎は黙り込む。

 

 こうして彼と会話するのも最後だろう。最後にする気なのだろうと知りながら、彼はずっと最後まで自分ですら姿を見せず、ただ結果を聞くのみだった。

 

 だからこそ、最後に、

 

「君は、人間の中に戻る気は無いのか」

 

「はい」

 

 最後の問いかけに答える。彼は静かに、

 

「俺は見えなくなるだけで、そばにいるさ。響たち、いや、人間になにかある時、俺は必ず駆けつける」

 

「………君は」

 

「響たちのことはあんたに預ける、ただそれだけだ。俺はいる、人の、人類の側に………」

 

 そして彼の気配が消えた。また人々の隣、誰かの下へと出向く。弦十郎は静かに、

 

「頑固者が………」

 

 彼はそう呟き、その場から立ち去った………




次回ルナアタック事変最終回、そして次のステージへです。

感想などで自分が考えたものの感想や評価かッ!?と思うほど、皆さんに愛されて嬉しいです。

活動報告や感想の方で、様々なご意見や感想、誤字報告などありがとうございます。

それでは次回、ルナアタック事変、最後の1枚として次回のお話の準備します。その後G編、GX編を物語作成します。

それではそれまで待っていてください。

お読みいただき、ありがとうございます。
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