戦姫絶唱シンフォギア/ブレイドッ!!   作:にゃはっふー

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切歌、調助ける男。

とあるグレた子と言っていいのだろうか疑問に思う子「!」(何かを壊す

とある銀髪の少女「………一真?」(瞳から光が失われていく………

とある歌い手「………?」(急にイラっとした

とある防人「………嫌な予感がする」

以上、続きをどうぞ。


第8枚・数多の思い束ねるは

 月の落下が近づく中、本能がささやく。

 

 まあ、どうにかしようとすれば、どうにかできる。代わりに、

 

「必ず、アレが(・・・)、俺の中で騒ぎ出すか」

 

 夜の月、いずれ世界に落ちる月落下。その災いに対して未だ国の機関は黙っており、そしてなにかしていても、おそらくは自分達が助かるためだ。

 

「だが、俺がアンデッドとして覚醒すれば、止められる」

 

 月をどうにかするのはできるだろうが、その後俺はきっと、その人たちを殺しに動く。

 

 俺のアンデッドとしての本能は、けして止まらない。

 

「だがネフィリムや、あの子たちを、放っておくわけにはいかない………」

 

 俺は静かに、月を睨む。

 

「いずれ決着を付けないとな、全部」

 

 そう決意するしかない。

 

 俺に選択肢なんて無いのだから………

 

 

 ◇

 

 

「ひかりしゃしんかん?」

 

 よく分からないデスので、おじいちゃんに聞きました。ようは、カメラ屋さんデス。

 

 デスけど、

 

「いまね、ドーナツ、揚がったよ。せっかくだからコーヒーも出すから、ゆっくりしてなさい」

「いえ、あの」

「あっ、若い子だから、ミルクかカフェオレがいいか」

 

 そう言っておじいちゃんはエプロン姿で奥に、お兄さんは救急箱持って、捻挫らしい調を診てくれたデス。

 

 ドーナツもおいしいデス。

 

「とりあえずこんなもんか」

「ありがとうございます」

「ふぁみふぁほうふぉふぁいふぁす」

 

 そうお礼を言い、ドーナツをもう一個。

 

 お土産を持たせてもらいながら、私は歩けるようになった調と共に帰る。

 

 不意に後ろを見ましたが、気のせいか景色が揺れている気がした。

 

 蜃気楼デスかね?

 

「日本は暑いって、ホントなんデスね」

「?」

 

 

 ◇

 

 

「………はあ」

 

 なにしているんだろうな。

 

 いまあそこから出ていき、海岸沿いにいる。

 

 あそこはそうそう、使うわけにはいかないから、本人が帰る前に出て行った。

 

 まさかと思うが、介入はしないだろう。

 

 一応確認したが、しばらく帰っていないようだしな。

 

「明日、どうもきな臭いことが起きそうだ。いい加減にそろそろ動いた方がいい」

 

 いつの間にか後ろに数体のアンデッドが、情報を集めてくれた。

 

 あの場所を襲撃した人間はいる。煤の数で分かっていたが、なんなんだ?

 

 怪しい集団に目をつけ、意識を傾けた。

 

 アンデッドの目、そして万能の力。これらのおかげで透視のようなことができる。これにはかなり利用して、助かっている。

 

 米国の会話らしい、なんだ?

 

「………風呂の中? なんのことだ?」

 

 ………

 

 一時間後、フロンティアと判明した。

 

「………フロンティア? フロンティア?? フロン、ティア???」

 

 ???

 

 考えれば考えるほど、なにか引っかかる。

 

「………」

 

 ………

 

 ???

 

 ウェェェェェェェイィィィィィィィィィィィィィィィィィィ。

 

 

 

 ―――海の遺跡だ剣崎―――

 

 

 

 ウェイ!?

 

「そうだ、海の中だ!? だけど深海魚以外知らないぞ?」

 

 海の中で確か、そんな言葉を読んだ記憶がある。

 

 これはジョーカーの無意識。物体や施設などから情報を読み取った。

 

「………ん」

 

 そう言えば声が聞こえた気がする。懐かしい声………

 

(まさかな)

 

 海の中での活動は、ほぼ無意識であった。アンデッドの本能で活動していた時期。

 

 フロンティア。もう少しなにか思い出しそうだ。

 

「………海の中と言えば、財宝やら手に入れたことしか思い出せないが………」

 

 遺跡で財宝。遺跡?

 

「………なんかあった気がする」

 

 無意識での行動なら遺跡だろう。海の遺跡のことだろうが、なんだろう。

 

 思い出してはいけないことがある気がする。これはなにか面倒なことでだ。

 

 これは思い出さなくていい気がするから、場所や施設の機能を思い出そう。

 

 

 ◇

 

 

「月の落下なら、私が月破壊後に使用しようとした施設、フロンティアが利用されると思われる。向こうはネフィリムと神獣鏡がある以上、使われると思ってもいいだろう」

 

「フロンティアとは?」

 

 二課の潜水艇にて、作戦会議。そこで了子からの言葉に、響以外の全員が首をかしげた。

 

「まさかと思うが、私が月破壊にて起きる災いを無視していた思うか? 月破壊後、混乱する世界を掌握する為、遥か昔、カストディアンは異なる天地より飛来した、飛行船、それを利用しようとした」

 

「つまり、神様や、異端技術の船ってことでいいのか?」

 

「無論、遺跡レベル、箱舟と言っていいものだ。封印されているが、鳥乃石楠船神が正式名称だ」

 

「そんなものが」

 

「ごく小さな穴があって、初めて場所が分かったんだ。私も正確な場所を見つめるのに、何度繰り返しの中で調査し、挫折したか。なぜ穴が封印に空いていたか、分からずじまいだが」

 

 そう言いながら、その封印を完全に解くには、神獣鏡の力が必要不可欠と説明する。だから無理やりにでも手に入れたかった。

 

 それを向こうが手に入れていて、なおかつ、座標はすでに知られていると言う。

 

「なぜ神獣鏡ほどの特化した機能が無ければ解けない封印が、一部壊れていたんだ?」

 

 了子はいまだに謎な疑問を口にするが、奏は次に進めるため、尋ねた。

 

「なら後は」

 

「封印を解く為のエネルギーだろう。それがあればフロンティアは起動する。ネフィリムは起動に使う。あれは聖遺物を食う、何者かが起動実験失敗の際、徹底的に壊したらしいからな」

 

「それを補うために、聖遺物が必要と」

 

 弦十郎の話に頷きながら、カ・ディンギル跡地を調べても、戦いの残滓を僅かに食らった形跡があると報告が来ている。

 

「だがとてもじゃないが、エネルギー不足だ。それでも正直、月落下を防げる、防ごうとしているのは彼らだけと理論付ける」

 

 各国はこぞって、自国か自分を優先する。そう告げた。

 

「………」

 

 弦十郎は静かに考え込む。次に何をするかだが、

 

「彼女達はどう出る………」

 

 

 ◇

 

 

「もはや、我々だけでは月の落下を止めることはできません」

「マム」

 

 私達はドクターと話し終えたマムとマリア姉さんから、今後について話し合うことになる。

 

「まだ策があります。今後の為、マリアには私と共について来てもらい、セレナ、切歌、調は待機していて欲しいのです」

「そう、なんだね………」

 

 フロンティアはすでにマムを始め、聖遺物研究機関で何度も調べに来ているらしい。

 

 マム達が海底でフロンティアを発見したのは、偶然にも封印に空いていた穴のおかげだと言うことがある。

 

 なぜ封印に穴が開いていたか分からないままであり、その穴はすでに小さくなり、そこから中には入れない。

 

 だがそこに集中的に神獣鏡の力を用いればこじ開けられると希望の証。

 

「ですが、その穴ももうじき閉じてしまい、このままでは神獣鏡の力を以てしてもフロンティア起動はできないでしょう」

「穴が開いた原因が分からないんデスかっ、いざとなれば私の絶唱で」

「なりません」

 

 静かに、だけどはっきりと告げる。

 

 切歌の絶唱は、物理的防御を無視して、魂を切り裂く。

 

 だけど絶唱の反動は酷く、適合率が高くリンカー無しでシンフォギアを纏える私ですら、命の保証はない。

 

 切歌や調にそんなことはさせられない。マリア姉さんはフィーネのことがあるから論外だ。

 

 マムの話では大丈夫と何度も言うけど、心配で仕方ない………

 

(ドクターも正直信用できない、二人に連続投与するなんて………)

 

 そう考えたとき、彼が脳裏をかすめる。

 

 私の、私達の初恋。

 

 だけど、彼は敵………

 

「………もう助けてくれない、よね………」

 

 きっと、もう誰も私達を助けてくれない。

 

 だからやるしかないんだ。もうそれしか、無いんだ………

 

 

 ◇

 

 

「月の落下を止める施設、フロノテアか………フロンティアか」

 

 町を徘徊しながら、静かに時間を潰す。

 

 何かしてないと本能が目覚め、どこに移動するか分からない。

 

 ともかく、人間でどうにかするにはそこしか無い。

 

 思い出した。みんなから姿をくらました時、暇だから海底を散歩してたらアンデッドの力で発見して、中に入ったんだった。

 

 封印のように閉じられた空間で数年間過ごしていて、出る時は入る時より硬いから気合い入れて出たんだ。

 

 だが、

 

「………ドコダケ?」

 

 正直覚えていない。クリスと初めて出会った時、それに顔を真っ赤にしたため、近くの川で温泉を作って、そこに入れた記憶ならある。

 

 当時は小さくて、大人しく、またお嬢様な感じだったが、いつからか風呂入る際は見るな来るな触るな側に居ろ。

 

 洋服を洗うのもどれほと前だったのだろうか………女の子の下着は初めてなのは覚えている。

 

 響もそうだ。一人で寝られないからと言ったり、必ず側にいないとだめで………

 

 気のせいか、悪寒が走る。アンデッド化が始まり出しているようだ………

 

「………」

 

 思い出そうとするが、思い出せない。海の中は一番記憶があいまいなんだ。

 

 そう考えていると、

 

「!」

 

 視界がぐらつく。

 

 どこか別の場所が頭の中に映し出され、急いで立ち上がり路地裏に走る。

 

 頭を押さえるが、身体が変わる。

 

【ア………Aaaaaaaaaa―――ッ!!】

 

 ダメだ、誰かが、争いを起こす。

 

 トメラレナイ………

 

 

 ◇

 

 

 私が前線から外され、未来と共に色々なところを巡ることにした。

 

 よく考えれば、ここに根をおろしても、私はこの街を良く知らないままだ。

 

「響、どうしたの?」

「私はなにも知らないまま戦ってたんだなって」

 

 そう思いながら、戦うことがどんなことかは知っている。

 

「この拳は壊す為にある、だけどそれで救えるものがあることを、一真が教えてくれた。戦い続ける、そう選んだ怪物のおかげで」

「響………」

「私は、死にたくないけど、戦いたいんだ。どうすればいいんだろうね」

 

 そう思いながら、展望台から街並みを眺めている。

 

 いろんなものを守りたいと願うようになったよ一真。

 

「………!」

 

 その時、無数のノイズが空を飛び、絶叫と悲鳴が響き渡る。

 

「響」

「………一真のおかげでリミットが伸びてる」

 

 そう思い、歌を歌おうとしたとき、

 

「!」

 

 雷鳴、竜巻、爆炎、吹雪が放たれ、硝子を壊して怪物が入り込んできた。

 

「な、なんだっ」

 

「ノイズじゃない!?」

 

「ば、化け物だぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

 

 だけど私は知っている。

 

「アンデッド」

 

 

 ◇

 

 

 本来は、月の落下を隠し、自分のことしか考えない者達。だがいまは彼らと協力するしかもう私達は世界を救えない。

 

 マムはすでにエージェントと話を通し、こうして交渉しに出向いた。

 

 だが彼らは裏切り、私達を抹殺しようとしたとき、ドクターが暴走する。

 

 歌いながら走り抜ける。ノイズは敵味方、一般人問わず襲う。

 

 マムを担ぎながら走るが、武装した彼らが襲い掛かる。

 

(こんな時に、自分の保身しか頭にないのかッ)

 

 怒りがこみあげて来る。

 

 ここは一般の人々もいると言うのに、銃器を持ち込み、私達の命を狙う。

 

 それに怒りが、マムの指示を受けて逃走する中、

 

「しまっ」

 

 一般人がいる中で、銃弾の嵐が、

 

【ガァァァァァァァァァァァァァァァ】

 

 放たれた瞬間、何かが通り過ぎた。

 

「な、なん、ぐあぁぁぁぁぁぁぁ」

 

「うあぁぁぁぁぁぁぁ」

 

「のい、ぐあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

 

 狼のようなそれは怪物で、人々がそれを見て下へと逃げ出す。

 

 私はそれを見ながら、その戦い方を見て、

 

「あれはまさか、殺さずに無力化している?」

 

 マムが驚く中、その狼のような怪物は、人が逃げ、エージェントを倒し切ると、こちらを見る。

 

【お前達………なんでだ】

 

「その声は」

 

 その瞬間、狼から人の姿、人間に変化した。

 

 何よりその声、私は、私達姉妹は知っている。

 

 前の基地、一般人の子供を守った、彼だ。

 

「なぜお前達は、ノイズを町に放ったっ。彼らを追い払うためか」

 

「………貴方に話すことではないわ」

 

「俺は人間を守る、その為に戦う怪物だ。関係なくは無い」

 

 その言葉に、私はガングニールを向ける。

 

「笑止ッ、彼らはその一般人に銃口を向けた、そんな者達を守ると言う」

 

「守る」

 

 それに、私は目まいがした。

 

 彼は真っ直ぐだ。真っ直ぐ、迷いなく言ったのだ。

 

「俺に命を選ぶ権利、いや誰にだってそんなものは無い。だから俺は戦えない、全ての人達のために、救いを求める全てを救う」

 

「傲慢な」

 

「生憎と、だから人間であることは捨てたッ」

 

≪チェンジ≫

 

【オォォォォォォォォォォォォォ】

 

 ハートのベルトにカードを読み込ませると、また狼の姿に成る。

 

「くっ」

 

 このまま彼と戦う。そう思った時、それは高速に動き、

 

「えっ………」

 

 私達を担ぎ上げ、高速で上へ逃げていく。

 

「あ、貴方」

【言ったはずだ、救いを求める全てを救う。俺はそう言った】

 

 そう言いながら、窓の外が見えだす。

 

「えっ………」

 

 無数の怪物たちがノイズと戦い、人々を守っている。

 

 彼のように、人を守っていた。

 

「なん、で………」

 

 彼らはお世辞にも正義の味方でもなんでもない。怪物だ。

 

 だけど、彼はそのまま高速で階段を上がる。

 

【なんでだって、意味なんて求めてない】

 

 そう言いながら、彼は全てを救う。

 

【俺が俺だからだ】

 

 そして屋上近くにたどり着くと、彼は別の姿。鎧を着た青い色の怪物へ変わった。

 

≪リモート≫

 

 そう鳴り響き、数名の怪物をカードから取り出す。

 

【建物のバカを取り出せ】

 

 そう命じると彼らは動き出し、彼は窓に身を乗り出す。

 

【ここからはギアがあればいいな、俺はノイズを討つ】

 

「あな、たは………」

 

【………俺は守りたいだけだ。傲慢でも、偽善でもなんでも………それしか、俺が生きる生き方が無いから】

 

 そう告げたとき、頭を突然抑える。

 

【こ、んな、と………ぐっ】

 

 苦しみながら、窓から飛び降りていく。

 

 私はただ、それを見るしかできない。

 

(………あの人は)

 

 あの人は、変わっていない。見た目も、生き方も………

 

「マリアっ」

「!? ごめんなさいマム」

 

 マムの言葉で意識を現実に戻す。ここはまだ安全じゃない。

 

 速くマムを安全な場所に連れていかないといけなかった。

 

「いえ………! あそこにいるのは」

「!」

 

 

 ◇

 

 

「この階にもう人はいない、そろそろ歌って戦う。未来、運ぶから捕まっ」

 

 その時、爆発が起きる。

 

 何の爆発か分からないが、その所為で身体が宙に浮かぶ。

 

 未来が私の手を掴み、落ちるのを防ぐが、

 

「まずっ、未来っ」

 

「………響」

 

「未来だめ、待っていまギ」

 

 その時、心臓が跳ね上がる。

 

「がっ、なっんで………」

 

 心臓が跳ね上がるように鼓動する。

 

 そんな、なんで、だって私はまだギアを纏ってもいない。

 

「まさ、か」

 

「ひびき………」

 

「ぎあ、まとっ、てないのに………しんしょ、くが」

 

 その時、一真のアンデッドが一匹、飛翔している。あれはイーグルアンデッドか。

 

「………一人だけなら、あのアンデッドさんが助けてくれそうだよね」

 

「………ぇ」

 

 いま………なんて言ったの………

 

「ごめんね響、けど、私はあの日、あの時できなかったことを、もう一度する気はないの」

 

「や、やめっ、み」

 

 その時、手を放す。

 

 落ちる私に気づき、イーグルアンデッドは私を捕まえ、下へと降りていく。

 

「やめ、イーグ、アッグ」

 

 ダメだ。心臓が、身体が熱い。

 

「み、ぐ………」

 

 その時、私は、私の目前で………

 

 未来がいたフロアが爆発した………

 

「………ぁ………」

 

 ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああああああああああああああああああああああああaaaaaaaaa―――――ッ!!!

 

 私はただ、悲鳴を上げた………




爆発させた。そしてフロンティア発見の裏で、この人が関わっていた。

それではお読みいただきありがとうございます。
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