そんな中、獣は静かに猛威を振るう。
獣は、少女たちを救うことはできるのか………
私の目の前で、大切な友達が爆炎に飲まれた………
ただ声を上げるしか無かった。そう思ったが、
―――大丈夫だ、君の友達は助け出されている。心配するな―――
「えっ………」
どこからか声が聞こえた。だがどこから?
イーグルアンデッドはどこにもいない。いたとしてもあり得ない。
いまのアンデッドは一真以外、意思は無いのだから。
なのに………
「………」
私はその言葉は事実だと、なぜかそう思った………
◇
なぜかは知らないが、ノイズの中に、アンデッドが混じっていた。
「クリス、こいつらは」
あのバカ以外、全員いる中、その光景を尋ねられた。
「ノイズじゃないのは、完全にアンデッド。不死身の戦士達だ」
「まだ数がいたのか………」
「トランプみたいなもんだから、リモートとヒューマンの、ハートの2以外いるのか」
ほとんどがリモートで使われて、戦いまくっている。
ノイズを倒し、瓦礫を壊しての救助活動。これは一真が側にいると見て間違いねぇ。
「一真がいる」
「一真の野郎、顔ぐらい出しやがれっ」
いまなんで名前呼びしたッ。ガングニールの姉妹はやっぱりくそッ。まあいい、それは後で問いただす。
そう思った瞬間、何名かカードになる。
「! この種類は、ダイヤっ」
「雪音っ、あれは」
『ターンアップ』
そう鳴り響き、カードが集まった場所、地面のくぼみからギャレンが現れた。
「一真っ」
≪アブゾーブクイーン エボリューションキング≫
その瞬間、紅蓮の炎が巻き上がり、ギャレンがキングフォームに変わった。
そして13枚のカードが、その周りに浮かぶ。
「まさか」
その疑問に答えるように、ダイヤの13枚もギルドラウズカードに変化し、ギャレンキングフォームの装甲に変わった。
重醒銃キングラウザーはそのままだが、より黄金が輝いて、炎の昆虫の羽根を持つギャレンが空に舞い、弾丸を撃つ。
「ちょっせいっ」
私もまた弾丸を放ちまくるが、炎の熱気を纏う弾丸の貫通、威力はけた違いに一真が上だ。
ラビッドのレリーフが輝くと、ガトリングのように弾丸が放たれて、常に輝くのは、ファイアのレリーフだ。炎を吹きだす。
接近されても重醒銃の刃で切り裂かれ、バレットが輝くと簡単に貫通する弾丸が放たれた。
そして飛翔する中、別の13枚が集まる。
『オープンアップ』≪アブゾーブクイーン エボリューションキング≫
地面に下りたつ、蜘蛛の戦士。
レンゲルもまた、13のレリーフとギルドカードを持ち、それを、
「行くぞ『重醒杖キングラウザー』」
≪クラブⅩ J Q K A ロイヤルストレートフラッシュ≫
巨大なエネルギーの柱を振り回し、それが大地を揺らす。
ノイズの大群へと叩き付ける一撃。クラブの最強の役なのか………
そう思う中、仮面ライダーの進撃は続く。
◇
「………一真のバカ」
そう呟く響。どうやらこの場所にいたが、ショックなことがあって動けなかった。
小日向がいたフロアが爆発して、さらに一時的な欠片の暴走で歌えなかったらしい。
色々あり混乱したが、その後の調査でマリア達に連れてかれたのが確認され、いまようやく落ち着いた。
混乱する中、落ち着くのに時間がかかる。
「ともかくいまは姉ちゃんに任せておけ」
「あんたが姉は嫌だ」
ともかく返事はする程度には落ち着いたが………
それでもやるべきことはできたと言う顔で、通信機を取る。
「了子さん、私のこれ、どうにか抑えられますか」
『できる、と言いたいが、保証はしない。ギアを纏えば、嫌がおうにも侵食が早まるだろう』
そう連絡を聞きながら、なら、
「気合いでどうにかしてやんよ」
『………分かった、こっちでもどうにかできるか調べてみるわよ』
そう言われ、私も頭をかく。
◇
私も呆れて、前に出た。
「ったくよ、テメェばっかに任せられねぇな」
ソロモンの杖は私の責任でもあるのなら、今回の件だって私の所為だ。
なら、このバカに付き合うしかない。
「調ちゃん、待ってろ。トラウマ植え付けておねしょさせてやる」
「おいバカ、なんで私を見るっ」
「雪音、そこはやめてやれでいいだろ」
「あーあ、ったくよ………」
少し話し合っていると、オッサンが止めに入った為、そのまま特訓コースに入った。
◇
「………」
万能の力、それで未来ちゃんを探す。
どこかの廃屋、この方法しか探す術はない。
どこだ。
【………】
もう数日探している中、そして、なにも無い空間。だが、何かある。
そう思い、力を籠めたら、
【ウェェェイィィィィィィィ!!?】
未来ちゃんいたけど下着姿だった。
【いや、まさか………シュルトケスナー藻!? いや、似たものか】
一瞬だったがカプセル内にいる未来ちゃんだった。
だとすると危険だ。あれは闘争心が強化されるが危険なもの、全て自分の中にあるはずのそれを見て、場所は、
【場所………場所………】
とりあえず急いで向かう。
◇
もう手段は選んでいられないの?
ドクターが唐突に手段があると言って、フロンティア浮上の為、私達はフロンティアが眠る海底を目指す。
途中エージェント、自分達だけが助かりたい人たちの乗る船を、ドクターが襲撃する。
私は………
色々なことが頭の中を駆け巡る。
気が付けば、ノイズを倒し始めていた。
「私は………私達はこんなことをしたかったわけじゃないっ」
あの人のように、あのおじいちゃんのような人を守りたかっただけだっ
「調っ」
「切ちゃん」
「調はバカデスっ、ドクターもマリアもセレナもカンカン怒りん坊デス」
ギアを纏い、アームドギアを構える切ちゃん。
それは、
「なにより………ずっと一人で考えていたことに、私はカンカン起こりん坊なんデスっ。私も、私もノイズを倒すデスっ」
「切ちゃん」
「イガリマの鎌とシュルシャガナの鋸があれば、如何なる敵も絶てるデスっ」
そう言って、ドクターが放ったノイズを倒しだす。
切ちゃんも悩んでいたんだ。なのに勝手に私だけ動いて………
「ごめんね切ちゃん」
「マリア達にはあとで二人で叱られよう、デス」
そう言って戦いだすと………
「っ!!」
「えっ………」
鼻血が出て、ギアが勝手に解けた。
「そんな」
「活動限界はまだ来てない………なのに、まさか」
リンカーに細工されていた。私達のギアが解け、ノイズの中で私達は無防備になる。
ノイズが、
「切ちゃんっ」
私は両手を広げ、切ちゃんの前に出た。
◇
「ドクターッ、これはどういうことですかっ」
「どうもこうも、敵になるのなら塩を送る気は無いですからね」
そう当たり前のように言う。
マリア姉さんは何も言わず、マムも言わない。
だけど顔は驚愕して、動揺していた。
女の子を攫い、私達が初め何をしたかったかもう分からない。
ノイズが切歌と、それを庇う調へと向かった。
(間に合わない………)
そう思ってしまう。
もう誰も、誰も私達を………
「ウエェェェェェェェェエイィィィィィィィィィィィィ」
助けてくれる、ひとがいた………
◇
「大丈夫」
その人はノイズを蹴り飛ばして、着地する。
突然海面から現れた。
「お、兄さん………」
「なんでノイズに、というか、どうやって」
私達が困惑していると、あの時、不注意で怪我して、ドーナツを作るおじいさんの下に連れて行ってくれた人。その人が構えると、ベルトが現れる。
そのベルトは、
≪チェンジ≫
瞬間、カマキリのような姿に成り、肩などを鳴らす。
「カリスはワイルド………強化変化できないか………だが」
左右の足に納められた鎌を取り出し、風が舞い上がる。
「ギルドラウズカードには成っている、力は増すことはできる。ならッ」
風が放たれ、ノイズが吹き飛ぶ。
だけどドクターのもとにソロモンの杖がある限り、ノイズはバビロニアの宝物庫から取り出され続ける。
「ちっ、まあいい」
そう言って、私達を担ぎ、移動しながらノイズを倒していると、
「一真アァァァァァァァァァァァ」
そう叫び声を上げ、イチイバルの装者が現れて、戦いだす。
あの人達が来たようだ。
「し・ら・べ・ちゃ・ん?」
その時、背筋が凍り付き、お兄さんに抱き着く。
怖い、なぜかは知らないけど怖いッ。気のせいかあの人の声が耳元に聞こえたッ。
イチイバルの人もさっきから銃口をこっちに向けている気がする。なんでこっち見ながら戦えるのっ!?
「剣崎さん、詳しい話は後で聞く」
「ソロモンの杖はどこだ」
もう一人のガングニールの人と、天羽々斬の人が近づく。それには首をかしげながら、
「どこなの?」
「デス、ドクターが持ってるデス」
切ちゃん、そこを素直に言わない方が………一応敵対関係だし。
そう思った時、歌が響き渡る。
「えっ」
マリアでもセレナでもない歌。
そして突然光が降り立った。
◇
二人の子を助けてたら、突然光が降ってきた。
「………未来ちゃん」
バイザーを付けて、その様子に驚く。
「小日向っ!?」
「こいつは」
「気を付けろ、操られてる」
その言葉通りに、歌いながら光を放ち、鏡のように反射しながら機動を変え、俺に降り注ぐ。
急いでまた二人を担ぎ上げ、その場から退避する。
他の船に飛び移りながら移動する。攻撃はこちらへ向かってくるが、瞬間、青のジョーカーへ切り替え、フロートを独自に使用した。
(とはいえラウザー無しで使うのは)
―――俺がサポートする、お前は避けることに集中しろ―――
声が聴こえる。懐かしい声。
頭の中でアンデッドの力が沸き上がる。やはりこの姿でラウザー無しはきつい。
―――俺達が抑えますっ、剣崎さんは集中してください―――
突然、衝動が抑えられる。
―――ッ!? 来るぞ剣崎っ―――
無数の光が放たれる中、
「壁デスっ」
【っ!! 違う、剣だっ!】
無数の剣が光を遮り、時間を作ってくれた。
【ありがとう翼ちゃんっ】
すぐにビークルを取り出し、それに二人を乗せていると、
「剣崎さんっ」
【緒川さんっ、えっ、ニャンデウミノヴエバハジレタノ】
「いまは気にしないでください、そちらもバイクを海の上に浮かべてるじゃないですか」
………それもそうか。
二人を緒川さんに任せ、バニティアンデッドになり、翼を広げる。
鳥でも昆虫でも、機械の翼でもある翼を広げ、未来ちゃんへと向かう。
【アアァァァァァァァァァァァ】
◇
私の親友と大切な人が争う。けど未来を傷つけるわけにはいかないから、一真は未来を気遣って戦っている。
「装者達が、アガートラーム装者と戦闘に入りましたっ」
「………司令」
「出るのか」
「あの二人は私の大切な人………もうこの手で放したくない人達です。片方は女の子なんだから、壊さないようにしないと」
「………分かった」
「ああ、まかせて」
そして二人の前に潜水艦が現れ、私はそこから出る。
【響】
「………」
「二人とも………」
そして私は、
「もう放さない、親友も、大切な人も………もう二度と、放してなるものかッ」
黒いギアが炎と共に爆発して、身体に纏う。
初めから終わらせる。
「ミッックゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!」
◇
閃光と炎、銀の切り札が交差する。
無数のレーザーが反射するが、
≪リフレクト≫
無数の光線を反射させ、響の猛攻も反射させ、接近戦に持ち込む。
【私はもう、放さないッ】
「アァァァァァァァァァァアア」
光線が無数に反射、増幅する中で、その一撃が自分を捕まえた響ごと狙う。
【まずいッ】
そこに飛び込む。光が、自分達を包んだ。
◇
私は響と、剣崎さんを救いたい。
ただそれだけでこの力を掴んだ。
響を助けたい、剣崎さんを解放したい。ただそれだけ………争いたかったわけではない。
そして私達のギアが壊れた。けれど、
【ぶっ】
そう言う声を出し、羽根の翼で私達を包む剣崎さん。正直ギアが無くなったところを見られた。
だけど、
「どう、して………神獣鏡は、魔を払う力なのに」
【………これは魔の力じゃない、この力は、消せないものだよ】
そんなわけない。だって、その力がどれほどの人達を狂わせて、そしていまもたった一人に背負わせて………それが違うというのなら、魔と言うものは一体なんなのッ。
「未来………」
響は平気だった。ガングニールの破片が消えている、手ごたえを感じた。一時的で薬を使ったとはいえ、神獣鏡の装者だったから分かる。
なのに、一番背負ってる人は救えないの………
【それに神獣鏡? それは………!】
その時、海面から何かが浮上し出している。
それを見ながら、潜水艇へ降りてくれた。
◇
「フロノノヴァ」
「フロンティアが浮上したのか」
弦十郎さんはそう言い、その様子を見る。
翼ちゃん、奏ちゃんがいる中で、奏ちゃんは二人。切歌ちゃんと調ちゃんを連れて来る。二人とも俺を見て驚いていた。
「まさか、海の中で過ごした場所が、こんな施設なんて」
「えっ、どういうこと」
説明したら、全員が驚きと呆れ顔になる中で、未来ちゃん、奏ちゃん。そして二人をリカバーで治した後、了子さんに、
「了子さんこれ」
「鏡の欠片? これってまさか」
「神獣鏡の欠片、海の中で見つけた財宝の中に、これがあった」
「そうかっ、神獣鏡で封印が解けるのは、性質だけじゃなく、神獣鏡で封印したからだったのかッ」
了子さんが言うには、聖遺物は数あれど、どんなものよりも神獣鏡による封印解除、起動方法に合う聖遺物は無く、かなり長い時間探していたらしい。
まさか、封印の核として欠片が使われていたとは、さすがに分からなかったし、俺が封印を飛び越えて、中にいたとも知らなかったらしい。
「響からはガングニールの気配は無い。さすがにガングニールは俺は持ち合わせていない」
「それより、クリスは」
「クリスは………」
翼ちゃんの話では、セレナと言う子、あの子との闘いの中、突然裏切り、向こう側に出向いたようだが、
「たぶん、ソロモンの杖か。あの杖を取り戻す為に」
「クリスの奴、一真のこともそうだけど、色々考え込んで重いんだよ彼奴………」
そう言いながら、奏ちゃんはよしと言い、
「ともかく旦那、いまの現状は」
「ああ。各国政府がフロンティアに上陸し出し、フロンティアを掌握しようとしているが、いつノイズが出て来るか分からない」
「ともかく制御室と操作室があったはずだ、昔そこで寝てたから」
「お前、ホントなにしてるの」
場所を教えつつ、翼ちゃんはクリスを。奏ちゃんは各国の暴走で現れるノイズを。
そして、
「マリア達の説得をさせてください」
「お願いしますっ」
二人の少女達、それに、
「私が面倒見る」
「ひぃ」
「なんで悲鳴上げたのかな調ちゃん………可愛いな仲良くしようね」
「ぁ………」
怯える調ちゃん。ともかく、マリアと言う子とセレナと言う子。さらにマムと言う人と色々暴走している。
「俺が言うのもなんだけど、このまま放っておいても月落下を止められるか分からない。俺はドクターと言う男が信用できない」
「同感、ともかくお願い。マリアって人の下に私を連れて行って」
「何をする気だ」
「なぁに、少し、お・は・な・しするだけだよ」
マリア逃げてと言う小さな声が聞こえたが、いまは放置するしかない。
そして、
「小日向未来、まだ装者として一時的に戦いたいか」
「………戦えるんですか、響と一緒に」
「その気があるのなら、急いで彼が持っていた神獣鏡の欠片を加工する。どうする」
「お願いします」
「………」
響はそれを聞き、静かに目を閉じ、そして、
(私が守る、一真のように、自分ができることで、やり遂げる)
何かを考え込みながら、そして全員がフロンティアに乗り込んだ。
響「ああ、後で色々聞くからね一真」
ケンジャキ「ウエェェイイィィィ」
翼「雪音がここにいないでよかったのやも知れんな………」
お読みいただき、ありがとうございます。