戦姫絶唱シンフォギア/ブレイドッ!!   作:にゃはっふー

24 / 54
明けましておめでとうございます。

今年もよろしくお願いしますです。

それでは、G編を進めます。行け一真、運命を倒せ。


第11枚・仮面の戦士

 炎の中で彼を見た。

 

 妹を止めてくれただけでも、私にとってはヒーローである彼は、暴走するネフィリムも止めてくれた。

 

 妹であるセレナは彼を見たらしい。黒い髪と黒い瞳の男性。

 

 私も好きになっていることに気づいたのは、後々だ。

 

 妹であるセレナも彼を思っている。

 

 だけど、彼は敵だ。

 

 敵なのに………

 

 なんで彼を敵だと見られないの?

 

 

 ◇

 

 

「そ、んな」

 

 全然力が集まらない。これでは月遺跡再起動に足りない。

 

 その時、彼を思い出す。

 

 私は、彼のように誰かを救うことはできないの?

 

 力が出ないと思った時、ドクターが現れ、私を吹き飛ばす。

 

 いまのドクターの片腕はネフィリムの因子を打ち込んだものだが、いまリンカーが足りず、力を出せずに吹き飛んだ。

 

「月が落ちなきゃ好き勝手出来ないだろうがっ」

 

 そう言い、勝手にパネルをいじり出す。

 

『なにをしているのドクターウェルっ、フロンティアの機能を使い、収束したフォニックゲインを月へと照射し、バラルの呪詛を司る遺跡を再起動させれば、月を元の軌道に戻せるのですっ』

 

 そんなマムの言葉に、心底うんざりしたような顔になり、

 

「そんなに月を戻したいのなら、あんたが月に行けばいいだろっ」

 

 そう言い、パネルを動かすと、マムがいる施設が火を噴いている。

 

「マムっ」

 

「有史以来、英雄が人類を救えないのは、人の数が多いからだっ。なら支配可能になるほど、人の数を減らせばいいっ。この僕だからこそ思いついた英雄になるための必勝法っ」

 

「キサマアァァァァァァァァァァァァ!」

 

 アームドギアを取り出し、斬りかかる。

 

 英雄になるとのたうち回るドクターウェルは、気にせず笑う。

 

「僕を手にかけると言うのか、この僕がいなくなれば人類は滅びるだけだっ」

 

「貴様は、貴様はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

 だがその時、一振りの剣が私を止めた。

 

「ダメだ」

「!」

 

 貴方は、ここまで来たの。貴方は………

 

「貴様は化け物っ、何しに来たっ」

 

「無論、救うためだ」

 

 それに睨みつけるドクターウェル。その言葉に私も黙る。

 

「救う? 救うだぁぁ!? 人ですらない貴様に、いったいなにができるッ」

 

「………」

 

 その時、姿が変わる。

 

 生物なのか何なのか分からない、その姿をさらして、青の姿で、静かにエネルギーを集める柱を見る。

 

【別に必要なエネルギーはフォニックゲインだけじゃない。この俺の、俺が持つ、アンデッドの力ならば、聖遺物は動かせるッ!!】

 

 閃光が舞い上がり、フロンティアが脈動する。

 

 それにドクターは辺りを見渡し、狼狽えた。

 

「ば、バカな、そんな、僕が、僕が英雄になるんだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああっ、邪魔するな化け物おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」

 

 機能を使い、何かしだしている。フロンティアの起動音が妙な旋律へと変わる中、エネルギーがおかしい。

 

『やめなさいドクターウェルっ』

 

「! おばはんっ、どうしてまだ」

 

「マムっ」

 

 その時、外を見ると、マムのいる施設が飛んでいない。途中で止まっていた。

 

【悪いが先手を打っておいたッ、すでにここは、俺の支配下だッ】

 

 光やエネルギーがラインのように彼に根付き、そして彼はそれを意のままに操る。

 

【貴様は英雄なんかじゃない!!】

 

「なにをッ」

 

【ある男が言っていた、英雄って言うのは、英雄になろうとした瞬間に失格だって。お前は、初めからなる資格なんて無いッ!】

 

「なッ」

 

≪チェンジ≫

 

【バニティッ、この俺の中にある全てを使うッ、ウオォォォォォォォォォ―――!】

 

 莫大なエネルギーが放たれる。それだけが肌で分かる。

 

『っ!? 無数の聖遺物、それに未知数のエネルギー………貴方、これは』

 

【人でないからこそ、俺だから掴める手があるッ】

 

 ありとあらゆる生物の寄せ集め、奇跡的なバランスで出来上がるその姿は、生きているものであるのに、生き物で無いと分かってしまう。

 

「ふざけるな、そんな、そんなことが。僕が英雄に、英雄になるんだっ」

 

【ウオォォォォォォォォォォォォ―――】

 

 その時に、くそくそと言いながら、パネルを操作している。だからこそ、

 

「私は、私はッ」

 

 その槍を掴み、ドクターを見るが、

 

「やめろッ」

 

 槍の刃先を掴み、ガングニールの装者がこちらを睨む。

 

「放せ、いまはドクターを止めなければ、世界を救う為にも」

「抜かせガキっ」

 

 その拳はギアを纏っている私を吹き飛ばす。

 

 セレナが駆け寄り、その子はフードをかぶりながら、私の胸ぐらをつかむ。

 

「世界を救う? 都合の良い事言ってるんじゃねぇよっ」

「貴方に、貴方に何が分かると」

「わっかんねぇよっ、好き好んで世界を救おうとするバカなんてッ」

「なにを」

「私はなッ、始め人殺しって言われて死ねと世界に言われ続けたっ」

 

 その言葉に衝撃を受ける、嘘のような話だ。

 

 彼女はルナアタックの………

 

「だけどな、自分達の都合がよくなれば英雄扱いされた。分かるか、死ねと、人殺しと言われ続けたと思ったら、今度は英雄だと言われることが」

「それは」

「それでも、こいつは人を救いたいんだよっ。わっけわかんねぇよッ」

 

 そう叫びながら、槍を掴む。

 

「化け物と言われながら、それでも人間を助ける。私も助けられた、だから」

 

 血が流れながら、刃を握りしめると、砕け散り、私のガングニールが光へと変わる。

 

「こ、れは………」

 

 

 

 

 

「私は力を掴む、この手で、絶望を壊す。だから私に来いっ。撃槍ッ、ガングニール!!」

 

 

 

 

 

 その輝きの中、ギアがはがされ、光の中、ガングニールは彼女を選ぶように、彼女の下に。

 

 顔を隠し、マフラーをなびかせる。私はすぐに私服に戻った。

 

 ドクターウェルは後ずさりながら、私はセレナに支えられる。

 

「なんなんだ、フロンティアのエネルギーが、なんなんだお前らはッ」

 

 それに、

 

【俺は守る、戦えない人々を、人類の自由の為にッ。俺は、俺は仮面ライダーブレイドだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!】

 

 無数の生き物の雄たけびが、辺りに響く。彼の目が光り輝く。

 

「一真っ」

 

「邪魔すんなって言ってるんだ化け物がァァァァァァァ」

 

 その時、無数の柱が押しつぶさんと向かっていく………

 

 

 ◇

 

 

 頭の中がおかしくなる。戦いたい、何と、誰と、ナニガ、俺はッ!!

 

「言ったのはお前だ剣崎」

 

 ッ!?

 

「俺達はお前の中にいるとな」

 

 気が付くと13枚のカードが一つの輪を作る。

 

 自分を含めた四つの輪。その中心に、誰かが立っていた。

 

「全てを背負ったお前だけに、全てを任せる気は無い」

 

「俺達の思いは、けして貴方から消えないッ」

 

「剣崎………お前が運命に挑み続ける限り、俺達は、ここにいる」

 

 それは懐かしい声だった。

 

 ああ、そうだ。知っているとも………

 

【………ああ】

 

 辺りは光で真っ白だ。

 

 カードを手に持つ。それはギルドラウズカードでもない、ただのラウズカード。俺たちみんなの始まりでもある。

 

【力を、貸してくれるのか。だけど、これは】

 

「奇跡なんてものじゃない」

 

 その時、その輝きに覚えがある。さっき見たし、少し前に浴びたじゃないか。

 

 ああ………

 

【………にんげんの、あたたかさか】

 

 始めに会ったとき、全てを失って泣いていた女の子。

 

 いまでは、こんなにあたたかい存在になった。

 

 四人は前を向き、各々がカテゴリーAのカードを構える。

 

 ある者はただラウザーを腰に巻きカードを構え、ある者はバックルにセットし、腰に巻き付け、全員が構える。

 

 その時、俺は、剣崎一真は、

 

「………行くぜ」

 

 人間だった。

 

 

 

「「「「変身ッ!!」」」」

 

 

 

 光が収まり、音が鳴り響くと共に思いの戦士が、この地、仮面の四人の戦士が姿を現した。

 

 

 ◇

 

 

「ウィリアァァァァァァァァァ」

 

 砕かれた柱、そして光から現れたのは、

 

「仮面、ライダー………」

 

 四人の仮面ライダーたちだった。

 

「邪魔はさせない、こいつの、響たちの明日を、お前が奪うなッ!!」

 

「く、来るな化け物がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

 

 その時、地面に異形と化した手を置くと、巨大なネフィリムが現れ、響達が構えるが、それよりも速く四人の戦士達が動く。

 

「ウッリイィアァァァァァァァァ」

 

 醒剣ブレイラウザーで何度も斬り、拳で何度も吹き飛ばす。

 

 巨大な腕が降り上がるが、瞬時に横をすり抜けると共に、何発もの銃弾と光弾が放たれ、ザッパーモードのレンゲルラウザーのクローバー・エッジがひるんだネフィリムを追い込む。

 

 四人は同時にラウズカードを使う。

 

≪サンダー≫≪トルネード≫≪ファイア≫≪ブリザード≫

 

 四人からの一斉攻撃に吹き飛びながら、それを追撃する。

 

「凄い………けど、なんで四人の仮面ライダーが」

 

 彼女は困惑する中、完全に一つの生き物のように、全員が全員、お互いの動きが分かっている。

 

「ウオォォォォォォォォォォォ―――ッ!!」

 

 剣を収め、何度も繰り返し殴ると言うそれだけで、ネフィリムがダメージを負う。

 

「バカなバカなバカなバカなバカなッ、そんな、ネフィリ」

 

「使え剣崎ッ」

 

 三枚のカードが投げられ、振り返ると共に斬り、取り出してカードを広げ、一枚取り出す。

 

≪ビート アッパー チョップ スクリュー アームドアップ≫

 

 両腕に纏わりつく光、軽く跳び、落下すると共に左腕でチョップを叩き込み、そのまま右腕でスクリューアッパーを叩き込む。

 

「ウエェェイィィィィィィィィィィィィィィ」

 

 吹き飛ぶネフィリムが、僅かにひるんで膝をつく。

 

 その隙に、四人はカードを三枚取り出す。

 

≪キック サンダー マッハ ライトニングソニック≫

 

 バッタが飛び上がり、鹿の角から雷鳴が轟き、ジャガ―が駆け抜ける。

 

≪ドロップ ファイア ジェミニ バーニングディバイド≫

 

 鯨が飛び上がり、ホタルが炎を灯し、シマウマが二体に分離した。

 

≪フロート ドリル トルネード スピニングダンス≫

 

 トンボが飛び回り、巻貝が回転し、鷹が風を巻き起こす。

 

≪バイト ブリザード ポイズン ブリザードベノム≫

 

 コブラが何度も噛みつき、シロクマが冷気を放ち、サソリが毒をまき散らした。

 

 三枚のカードを各々が纏い、各々が四つの属性を巻き起こす。

 

 一人は剣を地面に刺し、一人は跳び上がり、一人は風と共に浮き上がり、一人は駆ける。

 

「うわ、うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

 

 一人の絶叫を無視して、四人のライダーキックを受け、爆散するネフィリム。

 

 響だけは苦笑して、それを見た。

 

「これがライダー………バトルファイトを戦った、四人の戦士。仮面ライダー」

 

 そう静かに呟き、四人は静かにドクターを見る。

 

「こ、こんな、こんなところで終わってたまるかっ」

 

 そう言って穴が開き、そこから逃げ出す。

 

「待て、ドクターウェルッ」

 

 そう言って弦十郎が追いかけて来たが、穴の中に消える。

 

「響くん、そのガングニールは」

 

「こいつから奪った」

 

「あのな………」

 

「剣崎ッ!!」

 

 突如ギャレンが突然殴り、それに驚く。

 

「ナ、ナニジャルンジャズカ!?」

「一人全てを背負った報いだッ」

 

 その時、大きな揺れが起き、それに驚く。

 

「外?」

 

「さっきの奴かっ」

 

 そう言ってブレイドは地面に触れながら、その力で見る。

 

「さっきの奴の腕と、この施設の心臓部が繋がっている?」

 

『ドクターウェルは現在、片腕をネフィリムへと変貌させています。その力を持ってフロンティアを自分の物にする気でしょう』

 

「このままこの施設を彼奴の物にするのはまずい」

 

 そう告げたとき、弦十郎は床を拳で破壊し、それを見て驚く響達。

 

 それと共にブレイドは外を見る。

 

「外も様子がおかしい。おそらくなにかある。すぐに出るっ、あの男のことは任せます!!」

 

 そう言って、彼は先に建物の外へと出る。

 

「待て剣崎っ」

 

 四人の仮面ライダーは飛び出し、それに響も続く。

 

「………二人とも」

 

「デス」

「セレナ」

 

「私はここに残る、少し待ってて」

 

「セレナ………」

「分かった、待ってるよ二人ともっ」

 

 そして二人が後を追う中、弦十郎達はウェル博士を追いかけ、二人の歌姫がその場に残る。

 

 

 ◇

 

 

「セレナ………」

 

「マム、エネルギーは」

 

『彼のおかげで十分、と言いたいですが、まだあと一押し、あと一押し足りません』

 

「セレナ」

 

「歌おう姉さん」

 

「無理よ、私では、私の歌ではっ」

 

「マリア姉さん」

 

 私の歌は色々なものを傷つけた。

 

 初恋の人も、何もかも傷付いている。

 

「私は」

「マリア姉さん」

 

 セレナは私の、その手を取る。

 

「姉さん、私は好きだよ。マリア姉さんの歌」

「セレナ………」

「私達は色々間違えた、けどまだ生きてる」

「………」

「まだ間に合う、姉さん。胸の中の歌を偽らないで………私達はもう、偽らず、歌おう」

 

 そして口にするのは、小さい頃からセレナが歌うあの曲、歌………

 

 それを口にするセレナは心晴れやかであり、私もそれを歌う。

 

『マリア………』

 

「マム」

 

『もうあなたを縛るものはなにもありません、月の落下は私が責任を持って食い止めます。貴方は貴方の歌、貴方達の歌を歌いなさい』

 

 その言葉に、私は………

 

「!」

「なにっ」

 

 セレナのギア、アガートラームが輝く。

 

 そう思った時、その欠片がしずくのように、私の手のひらに………

 

「アガートラーム………姉さんに戦う力を、私の力を貸してくれるの」

「アガートラーム………」

 

 それを握りしめ、私は立ち上がる。

 

「行きましょうセレナ、私達の本当に出向くべき場所へ」

「はいっ、マリア姉さんっ」

 

 そして私達は、彼らの下へと向かう………




ライダーと人の思いが形になりました。

そしてアガートラームも、装者の思いに応え、欠片を生み出す。

物語は四人のライダーと共に最終局面へと移行。

それでは、お読みいただきありがとうございます。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。