今年もよろしくお願いしますです。
それでは、G編を進めます。行け一真、運命を倒せ。
炎の中で彼を見た。
妹を止めてくれただけでも、私にとってはヒーローである彼は、暴走するネフィリムも止めてくれた。
妹であるセレナは彼を見たらしい。黒い髪と黒い瞳の男性。
私も好きになっていることに気づいたのは、後々だ。
妹であるセレナも彼を思っている。
だけど、彼は敵だ。
敵なのに………
なんで彼を敵だと見られないの?
◇
「そ、んな」
全然力が集まらない。これでは月遺跡再起動に足りない。
その時、彼を思い出す。
私は、彼のように誰かを救うことはできないの?
力が出ないと思った時、ドクターが現れ、私を吹き飛ばす。
いまのドクターの片腕はネフィリムの因子を打ち込んだものだが、いまリンカーが足りず、力を出せずに吹き飛んだ。
「月が落ちなきゃ好き勝手出来ないだろうがっ」
そう言い、勝手にパネルをいじり出す。
『なにをしているのドクターウェルっ、フロンティアの機能を使い、収束したフォニックゲインを月へと照射し、バラルの呪詛を司る遺跡を再起動させれば、月を元の軌道に戻せるのですっ』
そんなマムの言葉に、心底うんざりしたような顔になり、
「そんなに月を戻したいのなら、あんたが月に行けばいいだろっ」
そう言い、パネルを動かすと、マムがいる施設が火を噴いている。
「マムっ」
「有史以来、英雄が人類を救えないのは、人の数が多いからだっ。なら支配可能になるほど、人の数を減らせばいいっ。この僕だからこそ思いついた英雄になるための必勝法っ」
「キサマアァァァァァァァァァァァァ!」
アームドギアを取り出し、斬りかかる。
英雄になるとのたうち回るドクターウェルは、気にせず笑う。
「僕を手にかけると言うのか、この僕がいなくなれば人類は滅びるだけだっ」
「貴様は、貴様はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
だがその時、一振りの剣が私を止めた。
「ダメだ」
「!」
貴方は、ここまで来たの。貴方は………
「貴様は化け物っ、何しに来たっ」
「無論、救うためだ」
それに睨みつけるドクターウェル。その言葉に私も黙る。
「救う? 救うだぁぁ!? 人ですらない貴様に、いったいなにができるッ」
「………」
その時、姿が変わる。
生物なのか何なのか分からない、その姿をさらして、青の姿で、静かにエネルギーを集める柱を見る。
【別に必要なエネルギーはフォニックゲインだけじゃない。この俺の、俺が持つ、アンデッドの力ならば、聖遺物は動かせるッ!!】
閃光が舞い上がり、フロンティアが脈動する。
それにドクターは辺りを見渡し、狼狽えた。
「ば、バカな、そんな、僕が、僕が英雄になるんだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああっ、邪魔するな化け物おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
機能を使い、何かしだしている。フロンティアの起動音が妙な旋律へと変わる中、エネルギーがおかしい。
『やめなさいドクターウェルっ』
「! おばはんっ、どうしてまだ」
「マムっ」
その時、外を見ると、マムのいる施設が飛んでいない。途中で止まっていた。
【悪いが先手を打っておいたッ、すでにここは、俺の支配下だッ】
光やエネルギーがラインのように彼に根付き、そして彼はそれを意のままに操る。
【貴様は英雄なんかじゃない!!】
「なにをッ」
【ある男が言っていた、英雄って言うのは、英雄になろうとした瞬間に失格だって。お前は、初めからなる資格なんて無いッ!】
「なッ」
≪チェンジ≫
【バニティッ、この俺の中にある全てを使うッ、ウオォォォォォォォォォ―――!】
莫大なエネルギーが放たれる。それだけが肌で分かる。
『っ!? 無数の聖遺物、それに未知数のエネルギー………貴方、これは』
【人でないからこそ、俺だから掴める手があるッ】
ありとあらゆる生物の寄せ集め、奇跡的なバランスで出来上がるその姿は、生きているものであるのに、生き物で無いと分かってしまう。
「ふざけるな、そんな、そんなことが。僕が英雄に、英雄になるんだっ」
【ウオォォォォォォォォォォォォ―――】
その時に、くそくそと言いながら、パネルを操作している。だからこそ、
「私は、私はッ」
その槍を掴み、ドクターを見るが、
「やめろッ」
槍の刃先を掴み、ガングニールの装者がこちらを睨む。
「放せ、いまはドクターを止めなければ、世界を救う為にも」
「抜かせガキっ」
その拳はギアを纏っている私を吹き飛ばす。
セレナが駆け寄り、その子はフードをかぶりながら、私の胸ぐらをつかむ。
「世界を救う? 都合の良い事言ってるんじゃねぇよっ」
「貴方に、貴方に何が分かると」
「わっかんねぇよっ、好き好んで世界を救おうとするバカなんてッ」
「なにを」
「私はなッ、始め人殺しって言われて死ねと世界に言われ続けたっ」
その言葉に衝撃を受ける、嘘のような話だ。
彼女はルナアタックの………
「だけどな、自分達の都合がよくなれば英雄扱いされた。分かるか、死ねと、人殺しと言われ続けたと思ったら、今度は英雄だと言われることが」
「それは」
「それでも、こいつは人を救いたいんだよっ。わっけわかんねぇよッ」
そう叫びながら、槍を掴む。
「化け物と言われながら、それでも人間を助ける。私も助けられた、だから」
血が流れながら、刃を握りしめると、砕け散り、私のガングニールが光へと変わる。
「こ、れは………」
「私は力を掴む、この手で、絶望を壊す。だから私に来いっ。撃槍ッ、ガングニール!!」
その輝きの中、ギアがはがされ、光の中、ガングニールは彼女を選ぶように、彼女の下に。
顔を隠し、マフラーをなびかせる。私はすぐに私服に戻った。
ドクターウェルは後ずさりながら、私はセレナに支えられる。
「なんなんだ、フロンティアのエネルギーが、なんなんだお前らはッ」
それに、
【俺は守る、戦えない人々を、人類の自由の為にッ。俺は、俺は仮面ライダーブレイドだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!】
無数の生き物の雄たけびが、辺りに響く。彼の目が光り輝く。
「一真っ」
「邪魔すんなって言ってるんだ化け物がァァァァァァァ」
その時、無数の柱が押しつぶさんと向かっていく………
◇
頭の中がおかしくなる。戦いたい、何と、誰と、ナニガ、俺はッ!!
「言ったのはお前だ剣崎」
ッ!?
「俺達はお前の中にいるとな」
気が付くと13枚のカードが一つの輪を作る。
自分を含めた四つの輪。その中心に、誰かが立っていた。
「全てを背負ったお前だけに、全てを任せる気は無い」
「俺達の思いは、けして貴方から消えないッ」
「剣崎………お前が運命に挑み続ける限り、俺達は、ここにいる」
それは懐かしい声だった。
ああ、そうだ。知っているとも………
【………ああ】
辺りは光で真っ白だ。
カードを手に持つ。それはギルドラウズカードでもない、ただのラウズカード。俺たちみんなの始まりでもある。
【力を、貸してくれるのか。だけど、これは】
「奇跡なんてものじゃない」
その時、その輝きに覚えがある。さっき見たし、少し前に浴びたじゃないか。
ああ………
【………にんげんの、あたたかさか】
始めに会ったとき、全てを失って泣いていた女の子。
いまでは、こんなにあたたかい存在になった。
四人は前を向き、各々がカテゴリーAのカードを構える。
ある者はただラウザーを腰に巻きカードを構え、ある者はバックルにセットし、腰に巻き付け、全員が構える。
その時、俺は、剣崎一真は、
「………行くぜ」
人間だった。
「「「「変身ッ!!」」」」
光が収まり、音が鳴り響くと共に思いの戦士が、この地、仮面の四人の戦士が姿を現した。
◇
「ウィリアァァァァァァァァァ」
砕かれた柱、そして光から現れたのは、
「仮面、ライダー………」
四人の仮面ライダーたちだった。
「邪魔はさせない、こいつの、響たちの明日を、お前が奪うなッ!!」
「く、来るな化け物がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
その時、地面に異形と化した手を置くと、巨大なネフィリムが現れ、響達が構えるが、それよりも速く四人の戦士達が動く。
「ウッリイィアァァァァァァァァ」
醒剣ブレイラウザーで何度も斬り、拳で何度も吹き飛ばす。
巨大な腕が降り上がるが、瞬時に横をすり抜けると共に、何発もの銃弾と光弾が放たれ、ザッパーモードのレンゲルラウザーのクローバー・エッジがひるんだネフィリムを追い込む。
四人は同時にラウズカードを使う。
≪サンダー≫≪トルネード≫≪ファイア≫≪ブリザード≫
四人からの一斉攻撃に吹き飛びながら、それを追撃する。
「凄い………けど、なんで四人の仮面ライダーが」
彼女は困惑する中、完全に一つの生き物のように、全員が全員、お互いの動きが分かっている。
「ウオォォォォォォォォォォォ―――ッ!!」
剣を収め、何度も繰り返し殴ると言うそれだけで、ネフィリムがダメージを負う。
「バカなバカなバカなバカなバカなッ、そんな、ネフィリ」
「使え剣崎ッ」
三枚のカードが投げられ、振り返ると共に斬り、取り出してカードを広げ、一枚取り出す。
≪ビート アッパー チョップ スクリュー アームドアップ≫
両腕に纏わりつく光、軽く跳び、落下すると共に左腕でチョップを叩き込み、そのまま右腕でスクリューアッパーを叩き込む。
「ウエェェイィィィィィィィィィィィィィィ」
吹き飛ぶネフィリムが、僅かにひるんで膝をつく。
その隙に、四人はカードを三枚取り出す。
≪キック サンダー マッハ ライトニングソニック≫
バッタが飛び上がり、鹿の角から雷鳴が轟き、ジャガ―が駆け抜ける。
≪ドロップ ファイア ジェミニ バーニングディバイド≫
鯨が飛び上がり、ホタルが炎を灯し、シマウマが二体に分離した。
≪フロート ドリル トルネード スピニングダンス≫
トンボが飛び回り、巻貝が回転し、鷹が風を巻き起こす。
≪バイト ブリザード ポイズン ブリザードベノム≫
コブラが何度も噛みつき、シロクマが冷気を放ち、サソリが毒をまき散らした。
三枚のカードを各々が纏い、各々が四つの属性を巻き起こす。
一人は剣を地面に刺し、一人は跳び上がり、一人は風と共に浮き上がり、一人は駆ける。
「うわ、うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
一人の絶叫を無視して、四人のライダーキックを受け、爆散するネフィリム。
響だけは苦笑して、それを見た。
「これがライダー………バトルファイトを戦った、四人の戦士。仮面ライダー」
そう静かに呟き、四人は静かにドクターを見る。
「こ、こんな、こんなところで終わってたまるかっ」
そう言って穴が開き、そこから逃げ出す。
「待て、ドクターウェルッ」
そう言って弦十郎が追いかけて来たが、穴の中に消える。
「響くん、そのガングニールは」
「こいつから奪った」
「あのな………」
「剣崎ッ!!」
突如ギャレンが突然殴り、それに驚く。
「ナ、ナニジャルンジャズカ!?」
「一人全てを背負った報いだッ」
その時、大きな揺れが起き、それに驚く。
「外?」
「さっきの奴かっ」
そう言ってブレイドは地面に触れながら、その力で見る。
「さっきの奴の腕と、この施設の心臓部が繋がっている?」
『ドクターウェルは現在、片腕をネフィリムへと変貌させています。その力を持ってフロンティアを自分の物にする気でしょう』
「このままこの施設を彼奴の物にするのはまずい」
そう告げたとき、弦十郎は床を拳で破壊し、それを見て驚く響達。
それと共にブレイドは外を見る。
「外も様子がおかしい。おそらくなにかある。すぐに出るっ、あの男のことは任せます!!」
そう言って、彼は先に建物の外へと出る。
「待て剣崎っ」
四人の仮面ライダーは飛び出し、それに響も続く。
「………二人とも」
「デス」
「セレナ」
「私はここに残る、少し待ってて」
「セレナ………」
「分かった、待ってるよ二人ともっ」
そして二人が後を追う中、弦十郎達はウェル博士を追いかけ、二人の歌姫がその場に残る。
◇
「セレナ………」
「マム、エネルギーは」
『彼のおかげで十分、と言いたいですが、まだあと一押し、あと一押し足りません』
「セレナ」
「歌おう姉さん」
「無理よ、私では、私の歌ではっ」
「マリア姉さん」
私の歌は色々なものを傷つけた。
初恋の人も、何もかも傷付いている。
「私は」
「マリア姉さん」
セレナは私の、その手を取る。
「姉さん、私は好きだよ。マリア姉さんの歌」
「セレナ………」
「私達は色々間違えた、けどまだ生きてる」
「………」
「まだ間に合う、姉さん。胸の中の歌を偽らないで………私達はもう、偽らず、歌おう」
そして口にするのは、小さい頃からセレナが歌うあの曲、歌………
それを口にするセレナは心晴れやかであり、私もそれを歌う。
『マリア………』
「マム」
『もうあなたを縛るものはなにもありません、月の落下は私が責任を持って食い止めます。貴方は貴方の歌、貴方達の歌を歌いなさい』
その言葉に、私は………
「!」
「なにっ」
セレナのギア、アガートラームが輝く。
そう思った時、その欠片がしずくのように、私の手のひらに………
「アガートラーム………姉さんに戦う力を、私の力を貸してくれるの」
「アガートラーム………」
それを握りしめ、私は立ち上がる。
「行きましょうセレナ、私達の本当に出向くべき場所へ」
「はいっ、マリア姉さんっ」
そして私達は、彼らの下へと向かう………
ライダーと人の思いが形になりました。
そしてアガートラームも、装者の思いに応え、欠片を生み出す。
物語は四人のライダーと共に最終局面へと移行。
それでは、お読みいただきありがとうございます。