外は重力場がおかしいのか、浮遊する足場などあるが、彼らは気にも留めずにかけている。
そして外にはギアを纏う、弓と刀、槍の歌姫がいた。
「クリス、翼ちゃん、奏ちゃんっ」
「なっ、なんでギャレンやカリス、レンゲルが!?」
クリスは叫び、それにあえて何も言わず、ブレイド、一真はクリスが持つ物に気づく。
「取り戻せたのか、ソロモンの杖」
「………こいつはもう、悪用させない。こいつを起動させた私が取らないといけない責任だ」
「説得するのに苦労した」
「ありがとう、翼ちゃん」
少しばかりちゃん付けはやめて欲しそうな顔をするが、後ろの二人に気づくクリス。
その瞬間、ブレイドの足元に弾幕を張る。
「またか………またなのか一真」
「一真、敵に手出すのどうかと思うぞ」
「ニャノコト!?」
「オヨヨ~」
「やっぱりこわ、ひぃっ」
少し離れていたはずの響が、いつの間にか調の背後に回り、すぐそばにいる。
「調ちゃ~ん? なにか言いたいのかな~」
「何も無いですっ」
その時、二課の歌姫達のインカムに連絡が入る。
『本部の解析にて、高質量のエネルギー反応地点を特定したっ。一真くんがいるのなら、彼の指示に従い、フロンティアの炉心、心臓部へ急行せよ!!』
「だってさ一真、頼むぜ」
「ここに二降りの槍、剣と弓がある。頼もしい二降りの鎌もな。四人の戦士と共に、我々が止めて見せる」
「応っ」
「デスっ」
そしてブレイドの案内で炉心へと向かっていくが、途中で地面が盛り上がっていく。
「何か来る、気を付けろ」
カリスの一言と共に、怪獣のようなネフィリムが姿を現す。
「これは、自立型完全聖遺物っ!?」
「ネフィリムはいま、ドクター達がフロンティアと融合させてるっ。だから」
「その名残デスっ」
無数のミサイルや、炎の火球を吐き出す。
それを見たレンゲルがダガーモードのレンゲルラウザーを取り出し、カードを読み込ませる。
≪ブリザード≫
レンゲルの周りに白い霧のように、冷気が集まり、それを放つ。
「続けっ」
翼の一振り、響の一撃が放たれたが、甲高い音を鳴らすだけで、何も起きず、それに驚きながら、響は距離を取る。
「なら、全部乗せだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
弾幕を張るクリスだが、無傷であり、炎の塊を吐き出すネフィリム。
すぐに奏が担ぎ、その場から離れるが、シンフォギアの攻撃が効かない。
腕を振り下ろし、片腕がうなり上げると、突然伸び、響の下に向かう。
「デッスウゥゥゥゥゥゥゥゥゥ」
そのゴムのような、伸びた腕に細い糸が絡みつき、ギロチンのようにその腕を切り落とす切歌。
シュルシャガナを使い、そのわき腹を斬る調。
だが傷が治り出し、奏はクリスを下ろす。
「全然効いてない」
「これは骨が折れそうデス」
「だけど歌があるっ!!」
銀色の風が吹き荒れ、それに少しずつ切られていくネフィリム。
二人は振り返り、そこに、
「マリアっ、セレナ!!」
全員が集まり、マリアは静かにペンダントを握りしめる。
「私は、私達はもう迷わない………本当にしたい事、大事なことを」
「歌おうっ、私達の力、シンフォギアの力をッ」
その時、巨大な炎の塊が、歌姫達に放たれるが、
≪≪≪アブゾーブクイーン≫≫≫
その音と共に、戦士達が炎の前に現れる。
≪≪≪エボリューションキング≫≫≫≪エボリューション≫
炎が激突すると共に、歌が響く。
その瞬間、無数の光がネフィリムを貫いた。
「間に合ったかな?」
そう呟いて、鏡の装者は首をかしげながらも、シンフォギアの戦慄が流れる輝きの中に加わっていた。
「これは」
「セレナがいる、調や切歌がいる。この程度の奇跡、安いものよっ」
黄金の輝きから、三人の王が現れる。13枚のレリーフを持つ装甲、鎧を纏い、剣を、銃を、杖を構えながら輝く。
風と共に、13のカードを一つに束ね、また一人の王も鎌を構えながら揃う。
キングの姿で現れた四人の戦士は、どこからか現れたバイクに乗り、大地を駆ける。
「歌が終わるまで俺達が時間を稼ぐぞっ」
「ウエェイィィィィィィ」
炎を集め、装着時に発生するフィールドで防いだ歌姫を守る為、彼らは駆けだす。
◇
「俺は運命と戦うッ」
無数の炎の弾丸が放たれながら、ワイルドスラッシャーで斬りかかるカリス。
重醒杖キングラウザーと化した杖を、こん棒のように何度も叩き続けるレンゲル。
無駄だろうが関係なく、三人のラッシュにネフィリムが悲鳴を上げ、後ろに下げる瞬間を見逃さなかった。
カリスは己のラウザーにカードを読み込ませる。
≪シャッフル≫
全員がすでにカードを取り出していて、それが全員入れ替わる。
≪ダイヤⅡ スペードⅢ ダイヤⅣ ハートⅤ ダイヤⅥ ストレート≫
ギャレンは炎を巻き起こしながら、アルマジロは回転し、ライオンはその拳を振り下ろし、キツツキは何度もくちばしを振るい、巻貝が回転。ホタルが炎を灯す。
放たれた弾丸は無数であり、全てが貫通しながら粉々に肉体を破壊する。
≪スペードⅣ Ⅴ Ⅵ クラブⅦ Ⅷ ストレート≫
猪のように突進し、バッタの脚力を鹿の雷鳴を纏い。クラゲのように肉体をほぼ液体にし、さそりの毒として突き刺すレンゲル。
それに雄たけびが響き渡る瞬間、二人は構える。
二枚のカードを別に取り出し、ブレイドは走り出す。
≪ハートⅥ ダイヤⅥ スペードⅦ ダイヤⅦ ハートⅦ フルハウス≫
カリスはワイルドスラッシャーとカリスアローを合わせ、輝きの中でカードを読み込ませた。
鷹の竜巻、シロクマの凍気、三葉虫が鉄、岩の亀が動き、毒草のプラントがネフィリムをその場に固定する。
≪スペードⅡ
ブレイドが四人に分裂し、鋭く研ぎ澄まされた剣が、ネフィリムを切り払う。
拘束ごと切り払い、うめき声をあげながらも火を噴く。
「しまったっ」
「いや………」
◇
「歌を束ねる、みんなの歌………私なんかがおかしいけど」
「ばーか、おかしくねぇよ」
「それよりさっさとするぞ、あのままじゃなーんもやることなくなる」
そう言いながら全員が手を繋ぎ、歌を束ねながら、静かに前を向く。
「私らのやることは正しいか何かなんて分からない。ただ言えるのは、私達は正しいと思ったから、こうして手を取り、前に進むんだ」
そう、一真の姿を見ながら、
「未来ごめん、巻き込んだ………」
「ううん、私が選んだんだよ響」
「………私が守る」
そう強く握りしめ、
「一真達がくれた明日を守るのは、私達なんだっ」
「その明日を、私達も守る」
「九人の絶唱………」
「違う、そんなんじゃ足りない」
炎が迫る。一真が見てる。なら、
「七十億人、世界中の、絶唱ォォォォォォォォォォォ!!」
無数の光が、歌が沸き起こる。
「響き合うみんながくれた………」
『シンフォギアァァァァァァァァァァァァァァァアアッ!!』
煌めく光が、ネフィリムを消し飛ばし、それに四人の戦士達は見守っていた………
◇
「ん」
「一真、いまさっき、弦十郎司令から連絡が」
「分かってる、フロンティアのエネルギーが。このままじゃ広範囲爆発が起きる」
バイクに乗り込み走る仮面ライダーと、空を飛ぶシンフォギア装者達。
その先に、爆発と共に現れる、ネフィリムのコア。
フロンティアと言う施設を食らい、巨大化し、暴走している爆弾が現れる。
爆発の中、飛び散る大地を次々に乗り捨てながら、大気圏の間際へと躍り出た。
「………地球は青い」
「殺すぞ一真」
「んなときに冗談言ってるんじゃねぇッ!」
その時、炎が集まり出す。
「見ろっ」
「あれが司令さんが言っていた」
「ネフィリムと言う聖遺物のコアか」
それは再生し、ネフィリムとして姿を現す。
咆哮するそれに、調のアームドギアはロボットのようになり、切歌は巨大な鎌を振り下ろす。
だが、
「うあぁぁぁぁぁぁぁ」
「ああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
「二人ともっ」
「聖遺物どころか、そこから発生するエネルギーも食らっているのか」
「なら私の神獣鏡でっ」
「だめだ、その力で消し飛ばせば、いまここで高密度のエネルギーが爆発するっ。切り離されたもの以外に光を放つなっ」
一真の言葉に、未来は驚き、翼は顔を歪ませる。
「だがこのままエネルギーを放っておけば」
「地上が蒸発しちまうっ」
奏の言葉に、クリスはソロモンの杖を構え、
「バビロニア、フルオープンだ!!」
ソロモンの杖から光が放たれ、ネフィリムの後ろへ空間の扉を開けだす。
「エクスドライブの影響で、ソロモンの杖を機能拡張したのかっ」
「ゲートの向こう、バビロニアの宝庫にネフィリムを格納できれば」
「人を殺すこと以外、やってみせろよ。ソロモォォォォンウゥゥゥゥゥゥゥゥゥ」
光が放たれると共に、一真が手を伸ばす。
「………開け」
その時、黄金の輝きに鼓動し、空間にヒビが入り、ソロモンの杖も輝く。
「万能の力っ」
空間が開くが、その時、
「っ!? 避けろっ」
ギャレンの叫びは一手遅く、手で払うようにネフィリムがクリスを叩き落し、ソロモンの杖が宇宙空間に舞う。
だがそれを掴み取るマリア。
「明日をぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ」
そして巨大な入口ができ、ネフィリムが手を伸ばし、触手を伸ばしてマリアを掴む。
「格納後、私が内部よりゲートを閉じるッ、ネフィリムは、わた」
「違うだろッ」
その時、重醒剣キングラウザーで斬り込み、熱エネルギーが伝わらないように阻む。
「あなた、逃げなさいっ。私は」
「諦めるなッ」
そう叫び、片腕で抱き寄せる。
「例えあの空間に入っても、俺はあんたを救い出す。放しはしないっ、あんたを」
「!」
その時、
「「「「「「ふざけるなあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」」」」」」
何名かが叫びながら、まだ触手を伸ばすネフィリムを阻む装者。
「一真あぁぁ、てめぇぇぇまた………」
「やっぱ殺そう、うん殺そう………」
「テメェ、ほいほいほいほい手ぇだしやがって」
三人はそう言いながら現れ、セレナ達も、
「姉さんずるいですっ、このままなんてさせませんからっ」
「デスッ」
「一人だけダメ」
そして翼は静かに睨み、未来はムゥ~と言う顔で、バビロニアの宝庫を睨む者はいない。
無数のノイズが蠢く空間に、全員がほぼ無視していた。
「………剣崎、長い年月の中、妙なことに」
「………大変だな」
「剣崎さん………」
三人の仮面ライダーも呆れながら、ブレイドだけ困惑しながら、大剣を片手に触手を斬る。
響はそれにイライラしながら、叫ぶように拳の爪をとがらせた。
「英雄じゃない私でも、あれくらい壊し尽くせて見せるッ」
◇
「フォニックゲイン、照射検測………」
光に満ちる星、聞こえる歌声。それに、
「星が、音楽と成った………」
◇
「ウエィィィィィィィィイ」
無数の場所に破壊し出す装者と仮面ライダーたち。
「マリア」
マリアを助け出した後、次は脱出。
「中から閉じ開けることもできるはず、マリア」
「ええっ」
開く扉、そこに向かって飛ぶ者達。
だがネフィリムが前に出るが、
「道を開けろぉぉぉぉぉぉぉぉぉ」
「最短で最速、この手をもう放さないっ!!」
『一直線にィィィィィィィィィィィ』
装者の手が合わさり、巨大なアームドギアが生まれ、それと共に、外へと出ていく。
◇
ネフィリムを貫くが、アームドギアが壊れ、倒れる装者達。
その時、ソロモンの杖を一真が拾う。
「早くゲートを閉じな………」
その時ハッとなる。
ネフィリムの身体の一部が、すでにゲートに手をかけている。
だが、
「始、橘さん、睦月っ」
「ああっ」
「分かった」
「はいッ」
三人が頷き合い、カードを取り出す。それによる、最強の一撃へと構える。
瞬間、四つの黄金と共に、彼らが四人は飛び上がり、ゲートへと向かって放たれていく。
「一真っ」
そしてゲートの中へと、放たれた………
◇
バラルの呪詛がまた世界を覆う。
どこかの砂浜、夕焼けを見つめる装者。
四人の装者は起こしたこともあり、二課の人達に連れていかれる少し前。
「………一真」
一真達、仮面ライダーの姿はいない。
そう思いながら夕焼けを見ていた。
「彼のおかげで助かりましたね」
「「「「マムっ」」」」
四人の顔が晴れ、ナスターシャ教授も車いすがボロボロだが、どうにか帰ってこれたらしい。
「デスけど、どうやって」
「崩落し、ほぼ宇宙空間だったフロンティアから、彼が助けてくれました」
「………かれ」
「………緑の血を流しながら、私を助けてくれました」
それに全員が顔を見合わせる。
「彼は言いました、『あなたは生きていなければいけない。あの子達のためにも』と………リカバーでしたか、その光が私を包み、いまは身体が軽く、不思議なほど安定してます」
「あいつは………」
奏は呆れながら、またどこかに行った男を思う。
「今度こそ、今度は逃がさないぞ。一真あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
少女の叫び、静かに海に響き渡った。
◇
「………響?」
青年は振り返る。だが誰もいない、いまは傷を癒すことにする。
だが………
「………もう反応は無いか」
三つのAのカードを見つめながら、静かに考え込む。
だが、もう気にせず、静かに歩き出す。
自分が選んだ明日を………
フロンティア事変完結と同時に、また逃げる一真。
響の思いはどうなるか………
それでは、お読みいただきありがとうございます。