戦姫絶唱シンフォギア/ブレイドッ!!   作:にゃはっふー

25 / 54
第12枚・仮面の戦士と歌姫の歌

 外は重力場がおかしいのか、浮遊する足場などあるが、彼らは気にも留めずにかけている。

 

 そして外にはギアを纏う、弓と刀、槍の歌姫がいた。

 

「クリス、翼ちゃん、奏ちゃんっ」

 

「なっ、なんでギャレンやカリス、レンゲルが!?」

 

 クリスは叫び、それにあえて何も言わず、ブレイド、一真はクリスが持つ物に気づく。

 

「取り戻せたのか、ソロモンの杖」

「………こいつはもう、悪用させない。こいつを起動させた私が取らないといけない責任だ」

「説得するのに苦労した」

「ありがとう、翼ちゃん」

 

 少しばかりちゃん付けはやめて欲しそうな顔をするが、後ろの二人に気づくクリス。

 

 その瞬間、ブレイドの足元に弾幕を張る。

 

「またか………またなのか一真」

「一真、敵に手出すのどうかと思うぞ」

 

「ニャノコト!?」

 

「オヨヨ~」

「やっぱりこわ、ひぃっ」

 

 少し離れていたはずの響が、いつの間にか調の背後に回り、すぐそばにいる。

 

「調ちゃ~ん? なにか言いたいのかな~」

「何も無いですっ」

 

 その時、二課の歌姫達のインカムに連絡が入る。

 

『本部の解析にて、高質量のエネルギー反応地点を特定したっ。一真くんがいるのなら、彼の指示に従い、フロンティアの炉心、心臓部へ急行せよ!!』

 

「だってさ一真、頼むぜ」

「ここに二降りの槍、剣と弓がある。頼もしい二降りの鎌もな。四人の戦士と共に、我々が止めて見せる」

「応っ」

「デスっ」

 

 そしてブレイドの案内で炉心へと向かっていくが、途中で地面が盛り上がっていく。

 

「何か来る、気を付けろ」

 

 カリスの一言と共に、怪獣のようなネフィリムが姿を現す。

 

「これは、自立型完全聖遺物っ!?」

 

「ネフィリムはいま、ドクター達がフロンティアと融合させてるっ。だから」

「その名残デスっ」

 

 無数のミサイルや、炎の火球を吐き出す。

 

 それを見たレンゲルがダガーモードのレンゲルラウザーを取り出し、カードを読み込ませる。

 

≪ブリザード≫

 

 レンゲルの周りに白い霧のように、冷気が集まり、それを放つ。

 

「続けっ」

 

 翼の一振り、響の一撃が放たれたが、甲高い音を鳴らすだけで、何も起きず、それに驚きながら、響は距離を取る。

 

「なら、全部乗せだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 弾幕を張るクリスだが、無傷であり、炎の塊を吐き出すネフィリム。

 

 すぐに奏が担ぎ、その場から離れるが、シンフォギアの攻撃が効かない。

 

 腕を振り下ろし、片腕がうなり上げると、突然伸び、響の下に向かう。

 

「デッスウゥゥゥゥゥゥゥゥゥ」

 

 そのゴムのような、伸びた腕に細い糸が絡みつき、ギロチンのようにその腕を切り落とす切歌。

 

 シュルシャガナを使い、そのわき腹を斬る調。

 

 だが傷が治り出し、奏はクリスを下ろす。

 

「全然効いてない」

 

「これは骨が折れそうデス」

 

 

 

「だけど歌があるっ!!」

 

 

 

 銀色の風が吹き荒れ、それに少しずつ切られていくネフィリム。

 

 二人は振り返り、そこに、

 

「マリアっ、セレナ!!」

 

 全員が集まり、マリアは静かにペンダントを握りしめる。

 

「私は、私達はもう迷わない………本当にしたい事、大事なことを」

 

「歌おうっ、私達の力、シンフォギアの力をッ」

 

 その時、巨大な炎の塊が、歌姫達に放たれるが、

 

≪≪≪アブゾーブクイーン≫≫≫

 

 その音と共に、戦士達が炎の前に現れる。

 

≪≪≪エボリューションキング≫≫≫≪エボリューション≫

 

 炎が激突すると共に、歌が響く。

 

 その瞬間、無数の光がネフィリムを貫いた。

 

「間に合ったかな?」

 

 そう呟いて、鏡の装者は首をかしげながらも、シンフォギアの戦慄が流れる輝きの中に加わっていた。

 

「これは」

 

「セレナがいる、調や切歌がいる。この程度の奇跡、安いものよっ」

 

 黄金の輝きから、三人の王が現れる。13枚のレリーフを持つ装甲、鎧を纏い、剣を、銃を、杖を構えながら輝く。

 

 風と共に、13のカードを一つに束ね、また一人の王も鎌を構えながら揃う。

 

 キングの姿で現れた四人の戦士は、どこからか現れたバイクに乗り、大地を駆ける。

 

「歌が終わるまで俺達が時間を稼ぐぞっ」

 

「ウエェイィィィィィィ」

 

 炎を集め、装着時に発生するフィールドで防いだ歌姫を守る為、彼らは駆けだす。

 

 

 ◇

 

 

「俺は運命と戦うッ」

 

 無数の炎の弾丸が放たれながら、ワイルドスラッシャーで斬りかかるカリス。

 

 重醒杖キングラウザーと化した杖を、こん棒のように何度も叩き続けるレンゲル。

 

 無駄だろうが関係なく、三人のラッシュにネフィリムが悲鳴を上げ、後ろに下げる瞬間を見逃さなかった。

 

 カリスは己のラウザーにカードを読み込ませる。

 

≪シャッフル≫

 

 全員がすでにカードを取り出していて、それが全員入れ替わる。

 

≪ダイヤⅡ スペードⅢ ダイヤⅣ ハートⅤ ダイヤⅥ ストレート≫

 

 ギャレンは炎を巻き起こしながら、アルマジロは回転し、ライオンはその拳を振り下ろし、キツツキは何度もくちばしを振るい、巻貝が回転。ホタルが炎を灯す。

 

 放たれた弾丸は無数であり、全てが貫通しながら粉々に肉体を破壊する。

 

≪スペードⅣ Ⅴ Ⅵ クラブⅦ Ⅷ ストレート≫

 

 猪のように突進し、バッタの脚力を鹿の雷鳴を纏い。クラゲのように肉体をほぼ液体にし、さそりの毒として突き刺すレンゲル。

 

 それに雄たけびが響き渡る瞬間、二人は構える。

 

 二枚のカードを別に取り出し、ブレイドは走り出す。

 

≪ハートⅥ ダイヤⅥ スペードⅦ ダイヤⅦ ハートⅦ フルハウス≫

 

 カリスはワイルドスラッシャーとカリスアローを合わせ、輝きの中でカードを読み込ませた。

 

 鷹の竜巻、シロクマの凍気、三葉虫が鉄、岩の亀が動き、毒草のプラントがネフィリムをその場に固定する。

 

≪スペードⅡ スペードⅡ(ジョーカー) スペードⅨ ダイヤⅨ ダイヤⅨ(ジョーカー) フルハウス≫

 

 ブレイドが四人に分裂し、鋭く研ぎ澄まされた剣が、ネフィリムを切り払う。

 

 拘束ごと切り払い、うめき声をあげながらも火を噴く。

 

「しまったっ」

 

「いや………」

 

 

 ◇

 

 

「歌を束ねる、みんなの歌………私なんかがおかしいけど」

「ばーか、おかしくねぇよ」

「それよりさっさとするぞ、あのままじゃなーんもやることなくなる」

 

 そう言いながら全員が手を繋ぎ、歌を束ねながら、静かに前を向く。

 

「私らのやることは正しいか何かなんて分からない。ただ言えるのは、私達は正しいと思ったから、こうして手を取り、前に進むんだ」

 

 そう、一真の姿を見ながら、

 

「未来ごめん、巻き込んだ………」

「ううん、私が選んだんだよ響」

「………私が守る」

 

 そう強く握りしめ、

 

「一真達がくれた明日を守るのは、私達なんだっ」

 

「その明日を、私達も守る」

「九人の絶唱………」

「違う、そんなんじゃ足りない」

 

 炎が迫る。一真が見てる。なら、

 

「七十億人、世界中の、絶唱ォォォォォォォォォォォ!!」

 

 無数の光が、歌が沸き起こる。

 

「響き合うみんながくれた………」

 

 

 

『シンフォギアァァァァァァァァァァァァァァァアアッ!!』

 

 

 

 煌めく光が、ネフィリムを消し飛ばし、それに四人の戦士達は見守っていた………

 

 

 ◇

 

 

「ん」

 

「一真、いまさっき、弦十郎司令から連絡が」

 

「分かってる、フロンティアのエネルギーが。このままじゃ広範囲爆発が起きる」

 

 バイクに乗り込み走る仮面ライダーと、空を飛ぶシンフォギア装者達。

 

 その先に、爆発と共に現れる、ネフィリムのコア。

 

 フロンティアと言う施設を食らい、巨大化し、暴走している爆弾が現れる。

 

 爆発の中、飛び散る大地を次々に乗り捨てながら、大気圏の間際へと躍り出た。

 

「………地球は青い」

 

「殺すぞ一真」

 

「んなときに冗談言ってるんじゃねぇッ!」

 

 その時、炎が集まり出す。

 

「見ろっ」

 

「あれが司令さんが言っていた」

 

「ネフィリムと言う聖遺物のコアか」

 

 それは再生し、ネフィリムとして姿を現す。

 

 咆哮するそれに、調のアームドギアはロボットのようになり、切歌は巨大な鎌を振り下ろす。

 

 だが、

 

「うあぁぁぁぁぁぁぁ」

 

「ああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

 

「二人ともっ」

 

「聖遺物どころか、そこから発生するエネルギーも食らっているのか」

 

「なら私の神獣鏡でっ」

 

「だめだ、その力で消し飛ばせば、いまここで高密度のエネルギーが爆発するっ。切り離されたもの以外に光を放つなっ」

 

 一真の言葉に、未来は驚き、翼は顔を歪ませる。

 

「だがこのままエネルギーを放っておけば」

 

「地上が蒸発しちまうっ」

 

 奏の言葉に、クリスはソロモンの杖を構え、

 

「バビロニア、フルオープンだ!!」

 

 ソロモンの杖から光が放たれ、ネフィリムの後ろへ空間の扉を開けだす。

 

「エクスドライブの影響で、ソロモンの杖を機能拡張したのかっ」

 

「ゲートの向こう、バビロニアの宝庫にネフィリムを格納できれば」

 

「人を殺すこと以外、やってみせろよ。ソロモォォォォンウゥゥゥゥゥゥゥゥゥ」

 

 光が放たれると共に、一真が手を伸ばす。

 

「………開け」

 

 その時、黄金の輝きに鼓動し、空間にヒビが入り、ソロモンの杖も輝く。

 

「万能の力っ」

 

 空間が開くが、その時、

 

「っ!? 避けろっ」

 

 ギャレンの叫びは一手遅く、手で払うようにネフィリムがクリスを叩き落し、ソロモンの杖が宇宙空間に舞う。

 

 だがそれを掴み取るマリア。

 

「明日をぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ」

 

 そして巨大な入口ができ、ネフィリムが手を伸ばし、触手を伸ばしてマリアを掴む。

 

「格納後、私が内部よりゲートを閉じるッ、ネフィリムは、わた」

 

「違うだろッ」

 

 その時、重醒剣キングラウザーで斬り込み、熱エネルギーが伝わらないように阻む。

 

「あなた、逃げなさいっ。私は」

「諦めるなッ」

 

 そう叫び、片腕で抱き寄せる。

 

「例えあの空間に入っても、俺はあんたを救い出す。放しはしないっ、あんたを」

「!」

 

 その時、

 

「「「「「「ふざけるなあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」」」」」」

 

 何名かが叫びながら、まだ触手を伸ばすネフィリムを阻む装者。

 

「一真あぁぁ、てめぇぇぇまた………」

 

「やっぱ殺そう、うん殺そう………」

 

「テメェ、ほいほいほいほい手ぇだしやがって」

 

 三人はそう言いながら現れ、セレナ達も、

 

「姉さんずるいですっ、このままなんてさせませんからっ」

 

「デスッ」

 

「一人だけダメ」

 

 そして翼は静かに睨み、未来はムゥ~と言う顔で、バビロニアの宝庫を睨む者はいない。

 

 無数のノイズが蠢く空間に、全員がほぼ無視していた。

 

「………剣崎、長い年月の中、妙なことに」

 

「………大変だな」

 

「剣崎さん………」

 

 三人の仮面ライダーも呆れながら、ブレイドだけ困惑しながら、大剣を片手に触手を斬る。

 

 響はそれにイライラしながら、叫ぶように拳の爪をとがらせた。

 

「英雄じゃない私でも、あれくらい壊し尽くせて見せるッ」

 

 

 ◇

 

 

「フォニックゲイン、照射検測………」

 

 光に満ちる星、聞こえる歌声。それに、

 

「星が、音楽と成った………」

 

 

 ◇

 

 

「ウエィィィィィィィィイ」

 

 無数の場所に破壊し出す装者と仮面ライダーたち。

 

「マリア」

 

 マリアを助け出した後、次は脱出。

 

「中から閉じ開けることもできるはず、マリア」

「ええっ」

 

 開く扉、そこに向かって飛ぶ者達。

 

 だがネフィリムが前に出るが、

 

「道を開けろぉぉぉぉぉぉぉぉぉ」

「最短で最速、この手をもう放さないっ!!」

 

『一直線にィィィィィィィィィィィ』

 

 装者の手が合わさり、巨大なアームドギアが生まれ、それと共に、外へと出ていく。

 

 

 ◇

 

 

 ネフィリムを貫くが、アームドギアが壊れ、倒れる装者達。

 

 その時、ソロモンの杖を一真が拾う。

 

「早くゲートを閉じな………」

 

 その時ハッとなる。

 

 ネフィリムの身体の一部が、すでにゲートに手をかけている。

 

 だが、

 

「始、橘さん、睦月っ」

 

「ああっ」

 

「分かった」

 

「はいッ」

 

 三人が頷き合い、カードを取り出す。それによる、最強の一撃へと構える。

 

 瞬間、四つの黄金と共に、彼らが四人は飛び上がり、ゲートへと向かって放たれていく。

 

「一真っ」

 

 そしてゲートの中へと、放たれた………

 

 

 ◇

 

 

 バラルの呪詛がまた世界を覆う。

 

 どこかの砂浜、夕焼けを見つめる装者。

 

 四人の装者は起こしたこともあり、二課の人達に連れていかれる少し前。

 

「………一真」

 

 一真達、仮面ライダーの姿はいない。

 

 そう思いながら夕焼けを見ていた。

 

「彼のおかげで助かりましたね」

 

「「「「マムっ」」」」

 

 四人の顔が晴れ、ナスターシャ教授も車いすがボロボロだが、どうにか帰ってこれたらしい。

 

「デスけど、どうやって」

「崩落し、ほぼ宇宙空間だったフロンティアから、彼が助けてくれました」

 

「………かれ」

 

「………緑の血を流しながら、私を助けてくれました」

 

 それに全員が顔を見合わせる。

 

「彼は言いました、『あなたは生きていなければいけない。あの子達のためにも』と………リカバーでしたか、その光が私を包み、いまは身体が軽く、不思議なほど安定してます」

 

「あいつは………」

 

 奏は呆れながら、またどこかに行った男を思う。

 

「今度こそ、今度は逃がさないぞ。一真あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

 

 少女の叫び、静かに海に響き渡った。

 

 

 ◇

 

 

「………響?」

 

 青年は振り返る。だが誰もいない、いまは傷を癒すことにする。

 

 だが………

 

「………もう反応は無いか」

 

 三つのAのカードを見つめながら、静かに考え込む。

 

 だが、もう気にせず、静かに歩き出す。

 

 自分が選んだ明日を………




フロンティア事変完結と同時に、また逃げる一真。

響の思いはどうなるか………

それでは、お読みいただきありがとうございます。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。