戦姫絶唱シンフォギア/ブレイドッ!!   作:にゃはっふー

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闇が闇呼ぶシンフォギア。

ついに響は暴走を我が物にし、新たな戦いが始まります。


第2枚・救いの手と滅びの手

 火事災害の中、私はヘリを下りて、火災マンションの救助活動は響がほとんど片付けたらしい。

 

 私はその原因くらい見つけねぇといけない。そう思った時、

 

「!?」

 

 アンデッド、カテゴリー2が現れ、コインを弾いていた。

 

 だが無数にある弾丸のようなそれに、ついに倒れる。

 

「アンデッドっ、それに」

 

 下級アンデッドは倒れた所為で、カードに戻り、どこかに消える。

 

 この現象は知っている。

 

 あまりにもダメージを負い過ぎて自己再生よりも、大本である一真の下に戻った方が治りがより早いためだ。

 

 所詮いまのアンデッドは、本来の不死身の戦士ではない。その器や能力を持った人形。

 

 急いでアンデッドが現れ、倒れたところを目指すと、

 

【ウオォォォォォォォォォォォォォォォ!】

 

「なかなか派手な男、話に聞いていた通りか」

 

 始まりのジョーカーで戦う一真が、コインを弾き、撃ち貫く人の姿をしたなにかと戦っていた。

 

「一真あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

 とりあえず一真ごと殺るッ!!

 

 私はイチイバルを纏って、辺り一帯に鉛玉のオンパレードをお見舞いした。

 

 

 ◇

 

 

「一真一真一真一真ッ、アアァァァァァァァァァァァァア―――!」

 

 俺の名前を連呼しながら、イチイバルの歌を歌うクリス。

 

 人形、確かオートスコアラーと言うそれごと、俺を撃つつもりらしい。

 

【厄介な………】

 

 そう思いながら青のジョーカーになる。

 

 青のジョーカーは完全にイレギュラーにより生まれた、俺自身の姿。人間の特性と言うべきか、アンデッドの武器を呼び出し使用できる。

 

 デスサイズとマンティスを使い、コインと弾丸の雨を防ぎながら、オートスコアラーへと光弾を放つ。

 

【! クリス上だっ】

 

「!?」

 

 そしてクリスの上を見ると、そこには無数の船が投げ込まれていた。

 

「嘘だろっ」

 

 落下して爆発が起きる中で、それでも脱出したのを確認した。

 

 俺はオートスコアラーの方を睨み、すぐに、

 

≪チェンジ≫

 

 ウルフアンデッドに変身して駆ける。

 

 瞬間的に動き回り、コインを躱しながら、接近戦に持ち込む。

 

「私に地味は似合わない、だが貴様は派手すぎる」

 

【ガルルルルルッ】

 

 

 ◇

 

 

【アァァァァァァァァァァァァァイライラするっ、大人しくしろッ!】

 

「それはこっちだッ、一真はオレの物だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

 爆発し、道路はアスファルトが吹き飛び、人がいたら大災害レベルで争っていた。

 

「もー嫌ですよ~ヤンデレ同士の争いわ~」

 

「【違うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!】」

 

 青色の、何者かが現れ、距離を取る二人。

 

「ちっ、ガリィのぞき見か。性根の腐ったガリィらしい」

 

「やめてくださいよ~そういうふうにしたのはマスターじゃないですか」

 

 そんなやり取りの中、渋々と話し合い。そして小瓶を取り出す。

 

「次は決着を付ける、一真の全てはオレの物だ。今度は殺す」

 

【フザケルナアァァァァァァァァァァァァァア】

 

 爆発して向かうが、飛び出した瞬間、左右に何かの紋章か、魔法陣のようなものが現れた。

 

【チイィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ】

 

「ハッ、獣は単純で助かる」

 

 その瞬間、爆発が起きる中で、相手が消えるのを見ることしかできない。

 

 防御したが瓦礫が邪魔で、すぐに動けない。

 

【アァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ―――】

 

 闇を纏う片腕を瓦礫の山から出し、地面を引っかきながら少しずつ這い出る。

 

 ともかく今度会ったら討つぞあのガキッ。

 

 

 ◇

 

 

 会場の一角を爆発させ、その隙に翼の手を握り、皆と外へと逃走する。

 

 途中で緒川に助けられ、いまは不満そうな翼達の顔を見た。

 

 車を運転しながら、私はセレナと奏を見る。

 

「姉さん、どうして逃走を?」

「あのオートスコアラーというものの狙いは、一真と装者。少なくてもここじゃ翼を初めとした貴方達よ」

 

 あれと戦っている時、人の姿をした異形の物だと感じ取った。実際そうだ。

 

 剣と風を振りながら迫るそれ。被害を最小限にするのに人から離れるべきと判断したと聞くと落ち着いて話をする。

 

 その時、翼のマネージャーから連絡が入るが、

 

「マリア前っ」

 

 奏の声に急いで身体を反らす。ギリギリ斬られなかったが、車は斬られた。

 

 車は両断され、翼とセレナは再度ギアを纏う。ギアを纏えないのは、私と奏。

 

 セレナが私達を抱え、翼が斬りかかり、距離を取った瞬間、何かをばらまく。

 

 そして私達は、

 

「あれはっ」

「なんでノイズが現れるっ」

 

 ノイズ。バビロニアの宝庫で全て消し飛んだはずのそれが現れ、私達は驚愕する。

 

「ちっ、ならまた」

「ダメです奏さんっ、またリンカー無しにギアを纏うのは」

「チッ!」

 

 奏は静止されてペンダントを握りしめたまま、戦いを見る。

 

 向こうはセレナと翼の視線が交差する。おそらく私達の保護をセレナに任せるかのアイコンタクトだろう。

 

 もしも私達の前にあるのがノイズなら、私達は足手まといだ。

 

 

 ◇

 

 

「なっ、先輩たちんとこでノイズで、響からの連絡無しだとっ!?」

 

 どうなってやがるッ。今さっき錬金術と言うものを使うのが、私が保護した奴から聞いた。

 

 もし襲撃してる奴と、一真が対峙していたのが同じなら、錬金術はノイズまで操るのか。

 

 それを報告しながら、現状連絡を受けて驚く。あれは全部熱蒸発したと思ったのに。

 

 そう思っている時だった………

 

「! クリスさんっ」

 

 助け出した奴、名前はエルフナインが私の後ろに下がる。

 

「敵かッ」

 

 そして銃を構え、静かに暗闇の中を見たとき………

 

「! 一真っ」

 

「………」

 

 一真が静かに現れ、エルフナインは後ろに下がる。

 

 なんだ? エルフナインの前でジョーカーに………

 

【アァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ―――】

 

 手に武器を出現させ、青のジョーカーが迫る。

 

 それに慌てて構えた銃口が火を噴くが、全ての弾丸はジョーカーの鎧に阻まれながら、剣が振り下ろされる。

 

「一真っ、アンデッドの暴走じゃねぇよなおいッ」

 

【悪いが、いまの俺はお前の敵だ!!】

 

 攻撃をかわしながら、オッサンから仕入れた接近戦の銃撃戦をして、一真の攻撃を捌くと共に、エルフナインを担いで逃げる。

 

 攻撃を防ぐことも躱すこともせず、全てを受けながら傷はすぐに癒えて、私を追って来るのは、不死身の勝利者。

 

「くそがッ!! ぜんっぜん嬉しくねえぇぇぇ」

 

 ともかく、まさか一真から逃げることになりながら、逃走劇が始まる。

 

 

 ◇

 

 

「くっそおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ」

 

≪リモート≫

 

 無数のアンデッド達が現れ、弾丸を撃ちこむが、鉛玉がこいつらには効かない。

 

 正確に言えば、効いても意味が無いんだ。

 

 傷を負っても無視でき、生命活動の停止が無い以上、封印以外には倒せない。

 

 さっきのように一定のダメージで、解放状態で傷を癒すより優先的にカードに戻ったり、一真の下に戻るほどのダメージを負う。

 

 いまのアンデッドはそれしか対処方法は無いが………

 

 一真は違う、違うんだ。本当に不死身の戦士なんだ。

 

 何十、何百の弾丸を受けながら、突進してくる。

 

「一真、どうして」

 

【その子を渡せ】

 

 殺す。

 

【な、なんで無言で正確なヘッドショット!?】

 

 一回殺した。

 

「テメェェェ、しばらく見ないうちに、ガキに手ェ出すのか」

 

【なんの話だっ!?】

 

 だから後輩にも手を出したのか。合点がいった。

 

 特に調だなっ。彼奴が一番好感度高そうだし、納得だッ。

 

 背の小ささじゃ私だって………

 

「殺すッ」

 

 ともかくでかいの、威力マシマシでぶっ放すしかない。

 

 ミサイルを撃ち放ち、辺りの被害は一真がかばうだろう。だから撃つ。

 

 案の定、周りの被害を考慮してか、不死性だからか避けずに命中する。

 

 黒煙が舞う。これなら………

 

「ともかく、これで止まるっ。いまはそれだけにしといてや」

 

 

 

≪チェンジ≫

 

 

 

 炎、風、雷、氷の嵐が吹き荒れ、バニティアンデッドが姿を表す。

 

 肩のコイン状の盾が回転しながら、銀の不死身が現れた。

 

「なん、でだ………んなに、こいつが欲しいのかッ」

 

【なんの話だ………俺はその子の持つ、ダインスレイフをもらうだけだ】

 

「ダインスレイフ?」

 

「だ、ダメですっ。それだけはできません!!」

 

 そうエルフナインが叫ぶが、一真は静かにスペードの剣、クラブのメイスを取り出す。

 

 本気だ。

 

「………一真」

 

【その聖遺物だけは世には出させないッ、それは俺が封印する!!】

 

 肩のアーマーが腕のように動き、ダイヤを司るコインの盾と、ハートを司る杯を持つ腕になり、剣とメイスが腕と一体化し、甲の部分から刃が生えている。

 

 まだ変化があったのか。

 

「一真………」

 

 両手の爪も伸び、竜の頭部が首を長くし、翼を広げた。

 

【アァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ】

 

「チッ、話も何も無しかッ」

 

 無数の弾丸を放つが、気を付けなければいけない。バニティアンデッドの顔は胸だ。

 

 その口は全てを飲み込む。弾丸を張りながら距離を稼ぐ。

 

 

 ◇

 

 

「肉体一つで、四大元素全てを司る………」

 

 キャロルの知識から、あの人のことは知っていました。

 

 勝利者剣崎一真。一つの肉体、一の意思で、世界を現し、世界に君臨する全。

 

 全ての生物に当てはまる肉体を持ちながら、それ故に生物では無い。

 

 そんな人がなぜドヴェルグ=ダインの遺産を狙うか分からない。だけどこれがなければ、プロジェクトイグナイト。ボクの償い、そしてキャロルを止めるために必要不可欠。

 

 ボクは何重にも封印した箱を抱きしめ、彼を見る。

 

 ケンタウロスと呼ぶにもおかしなほど、足が四足、いえ六足になっている。まるでスレイプニルのようであり、全て獣の足を持ち大地を駆けながら、迫ってくる。

 

【! チイィィィ】

 

 突如舌打ちし、ブレーキを掛けながら地面を砕き、ボクらに腕を伸ばす。

 

 瞬間、眼を閉じたから分かりました。無数の金属音が響き渡り、ボクは目を開けるとボクらは守られていました。

 

「えっ………」

 

「やはり貴様は派手だ勝利者」

 

 そうディーラーのような姿のレイアがいて、無数のアルカノイズが向かって来ます。

 

 それに気づくと、ボクらを掴む腕がボクらを遠くへと投げ、レイアへと向かっていきます。

 

【ガアァアアァァァァァァァア】

 

「胸が口とはやはり派手だッ」

 

 ボクらにはアルカノイズが迫り、クリスさんはボクを遠くに投げ、すぐに応戦。

 

「ダメですっ」

 

 そうダメです、アルカノイズには、

 

 

 ◇

 

 

「なっ」

 

【!?】

 

 突如、私のギアが解け、勝手に素っ裸にさらされた。

 

「なんでギアが、って一真見るなあぁぁぁ!」

 

 み、見られた。一真に………

 

 

 ◇

 

 

 って言ってられないかッ。

 

【変身ッ】

 

 いくつかのノイズを食らい、すぐにベルトを変化させた。

 

『ターンアップ』≪アブゾーブクイーン エボリューションキング≫

 

 キングラウザーを振り回し、ノイズを払うと共にブルースペイダーを呼び出し、それに乗る。

 

≪サンダー≫

 

 雷鳴を纏うブルースペイダーは回転しながらノイズを討ち、体内で滅ぼすそれを見る。

 

 ノイズとは違うノイズ。性質が違う。

 

(だからクリスのギアが)

 

 よく見ればペンダントはある。おそらく強制解除なのだろう。だから服を戻すこともせず、あのような事態に。

 

 二人を担ぎ、ジョーカーラウザーへ変化させ、リモートを取り出す。

 

≪リモート≫

 

 複数のアンデッドを放ち、バイクを走らせた。

 

「やはり派手だッ」

 

 そう言い放ち、目の前にノイズが現れた。

 

「読まれてたかっ」

 

 

 

「デッスゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥウ」

 

 

 

 だがイガリマの緑の子、切歌ちゃんが突然ギアを纏って出て来て、ノイズを切り裂き、丸鋸が無数に放たれ、道が開く。

 

 バイクの後ろに切歌ちゃんが下りて、側に調ちゃんが来る。

 

「一真さんこんにちはデ」

「あのノイズと戦うなっ、あのノイズ、性質が違う。ギアが触れ続けるのは危険だっ」

「「!?」」

 

 ともかくそう言い放ち、急いでその場から離れる。

 

 

 ◇

 

 

 海岸付近へ下り、クリスにコートをかけ、二人の容態を診る。

 

「平気、のようだな。クリスは」

 

「平気なもんかッ」

 

 クリスはそう言い、切歌ちゃん達はギアを解かせている。この子達は時限式。薬が必要な奏ちゃんと同じだったはずだ。

 

 そして一通り終えた後、俺は、

 

「!」

 

 視線が合うと、猫のようにびっくりするが、箱は離さない。

 

「一真っ」

 

「………君はその箱の中身を知っているか」

 

「………はい、ですが悪用はしませんっ。ボクは、ボクの罪を償う為、キャロルを止める為に、これを使います!!」

 

 はっきり言うその子の姿に、あの日、自分の、父親の命題を語るあの子と重なった。

 

「キャロル………そう言えば、君はキャロ」

 

 その時、なぜかクリスに刺された。

 

「ひぃ」

 

「デデスっ!」

 

「なっ」

 

「………」

 

 クリスの目に光は無く、ただ無表情だった。

 

 なにか尖った石を掴まれ、腹を………

 

「な、なんで………」

 

「一真さんっ」

 

「せ、先輩っ?」

 

「オメェ………まだ手出すのか」

 

「なんの話………」

 

「小さいほうがいいのか………小さければいいのか?」

 

 無機質に喋られるが何が言いたいのか分からない。どうしてこうなった?

 

 その時、耳で車の音を拾う。人が来る。

 

 その中にはおそらく………

 

「………クリス、弦十郎さんに伝えてくれ。それを使うのなら、俺は貴方達の敵だ」

 

『!』

 

 全員が驚く中、もう時間が無い。

 

「………」

 

≪チェンジ≫

 

 そして俺は空を飛べるアンデッドに変わり、飛翔してその場から去っていく。

 

 いまは願わくば、血の剣が解放されないことを願うことしかできない………

 

 

 ◇

 

 

【あーあ見逃した~♪ 災いが解き放たれる、君の所為で】

 

【………】

 

 地面に下りれば声が響く。

 

【君が悪い、君の所為で世界が壊れる】

 

【………】

 

【ああ楽しい、君の所為で世界が壊れる。ふふ、ふふふふ………】

 

【黙れ】

 

 たまらず声を出す。だが声は消えない。

 

【黙れ、だまれ、黙れ? ねぇ………】

 

 それは間を置きながら、頭の中に響く。

 

 楽し気に、ただ語る。

 

【君は知っているはずだよ、僕の、声が、聴こえなくなる、方法、を】

 

【………】

 

【滑稽だね。どうすればいいのか分かっているのに、答えは出ているはずなのに】

 

【………】

 

【何度も、何度も、何度だって………僕はいる、君を苦しめた声として、君が弱まったときに】

 

 笑い声と共に、声が聴こえなくなり、それを確認してから元の姿に戻る。

 

 声がなんなのか分かっている、だがどうすることもできない。

 

 いや………

 

「………俺は」

 

 どうするべきか分かり切っている。

 

 だができない………

 

 考えても仕方なく、静かにその場を後にする。

 

 矛盾を抱えたまま、まだ歩く。

 

 それしか、彼には残されていないから………




そして瓦礫から獣が吠える。

次に出会ったら倒す、そう吠えるのだった。

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