あの日からなるべく、私は出歩くことを控えることにする。
だが私は人間で、一真のように何も食べず、寝ないままはできない。
一真と手を繋ぎながら眠り、起きてはご飯を食べに出向く。こんなご時世だ、コインランドリーなども使ったりして着替えも用意したりしている。
今日はラーメン屋に入り、一真に渡されたお金を見ながら、注文して待っていた。
客は私一人、そう思っていると身体の大きな男の人が入り、一つ席をはずして、座り込んだ。
「親父、俺は豚骨大盛りで頼む」
「はいよ旦那」
そしてしばらく沈黙する中で、
「響くん、だな」
そうワイシャツの男が話しかけてきた。
瞬時に戦闘態勢になり、フードの隙間から睨む。
「そう睨まないでくれ、俺は、まあ、この前の黒服、緒川達の上司だ」
「………彼奴らの………何の用だ」
「君達と話がしたい」
そう呟きながら、外の様子を見ると、黒い車が止まっている。
「準備はできてるようだけど」
「そう言われてもな、ここはダミーカンパニーの一つなんだ」
「………」
そう言われながら、ここに一回通ってから目を付けられたようだ。
ワイシャツの、熊のような男は静かに、
「まあとりあえず飯食ってからでいいだろう、ここは奢るよ」
「ダミーならあんたの金じゃないだろ」
「そう言うところが硬いんだ、なにげに融通が利かなくてな」
「………杏仁豆腐とギョーザ追加」
そう呟きながら、私は食事を楽しむことにした。
◇
それはある日の放課後、
「ねえねえ今日はどうする?」
「せっかくですから、ふらわーに行くのはいかかでしょうか」
「うん、そうだね。おばちゃんのお好み焼き、久々に食べたいもんね~」
そう会話する私達。彼女達とは仲のいい三人であり、できればこの中に、彼女もいて欲しい。
どうして連絡が来ないのだろう。いまなにをして、どうしてるのだろう。
そう思う日々の中、車に乗り込むパーカーの女の子を見た。
「えっ」
すぐに車は動き出し、視界から消えた。
私の様子に、みんなが気づく。
「ヒナ、どうしたの?」
「いま、知り合い、友人がいた気がしたの」
そう、あの日、私の所為で辛い事故に巻き込まれ、音信不通になった。大切な、私の友人。
立花響。その姿を見た。
だけど………
「響なの………」
そう思うほど、私のお日様は、顔が曇っていた………
◇
私を乗せた車は、リディアン学院と言う、女子高の前に止まり、裏ルートを使って地下へと移動する。
「エレベーター」
「手すりにつかまりたまえ、俺ですら時々バランス崩すからな」
そう苦笑するが、周りは本当に苦笑する。
私がここまで来たのは理由がある。一つはまず、この力がなんなのか知る為だ。
身体の中に侵食して、身体の中を書き換えるようなもの、と思っていたが、どうも違うらしい。私がレアケース? とも思う。
もう一つは、このオジサンが強すぎる。奥の手使っても勝てるか分からない。一真が本気の姿をした時のような威圧感を僅かに感じた。
懐のチェンジビートルが蠢く。警戒するレベルらしいのがひしひしと感じる。
高速エレベーターのように、地下へと移動。見たこともない壁画など、よく分からないそれらを見ながら、たどり着く。
「ようこそ、人類守護の砦、特異災害対策機動部二課へっ♪♪」
「………」
簡単なパーティーのようなもので出迎えられる中で、あっそと言う顔で見渡すと、あの二人組もいて、風鳴翼はかなり恥ずかしそうに、天羽奏は楽し気に乗っかってる。
どういう職場なのだろうか?
「はいは~いっ♪ せっかくだからツーショット」
「嫌ですめんどくさい。いいから要件なりなんなり言ってください。ここなら人質いるから、暴れられますよ」
「それでも止めるぞ」
「止められそうでやだこの人、人間ですか」
「俺は人間だぞっ」
それには周りは苦笑するしかない。ちなみになにを言っているのだろうと言う顔だ。
◇
少し場を整えてから、改めて数名と共に、会話が始まる。
「それでは改めて、俺は特異災害対策機動部二課の司令官、風鳴弦十郎。こっちが」
「できる女っ♪ 櫻井了子よ♪♪ よろしくね」
「響、苗字無し。で、あんたたちが聞きたいことはなに?」
響はそうぶっきら棒に答えながら、それに考え込む者がいる。
(警戒は、してる。が、こちらが手を出さなければなにもしない、か。どんな事が、この子に起きたと言うんだ)
そう心配しながらも、立場上、聞かなければいけないことがある。
「まずは君達のことだ。君はガングニール、聖遺物、シンフォギアについて、どこまで知っている?」
「どれも初耳だよ、なにそれ?」
その言葉は真実であると思い、逆に疑問に思う。何も知らずにシンフォギア装者として動いていたのかと。
「シンフォギアについて、了子くん」
「はいは~いっ、翼ちゃん、奏ちゃん」
そう言われ、二人はペンダントのようなものを見せながら説明する。
聖遺物、世界各地の伝承に語られる、現代では作り出されない物。その欠片しか遺跡から出ず、完全な物はそう見つからない。
ロストテクノロジーにより作られたその聖遺物を起動させるには、歌が必要である。
それが鎧のように姿を変え、使用できる状態があの姿らしいと、かみ砕きながらも、理解した部分を口にし、説明を受ける。
「それが私の中にあるのか」
「私の中? 君は」
「その聖遺物の、欠片。私の心臓近くにあって、私に根付く形で身体の中にあるんだよ。だから私は聖遺物を持っているようで持ってない」
「なんだとっ!?」
周りが驚く中、いまさらなので気には留めず、淡々と事実だけ伝える。
「なぜ君の中に聖遺物、ガングニールがある」
「………答える気はない」
それに全員が黙り込むが、ともかく、
「聖遺物による、ノイズを倒す理論を作ったのが櫻井さんで、聖遺物を纏う装者ってのが適合者。あんたたちからすれば、それ以外にノイズを倒す術が無い。でいい?」
「ああ、現状我々人類は、ノイズと戦えるのは、ガングニールと天羽々斬の装者である、奏、翼。そして君だけだ」
「ま、人類ってくくりは合ってるよ」
その言葉に僅かに弦十郎は眉を動かし、周りも疑問に思う。
そう言いながら、聞きたいことが分かったと、響は内心頷く。
「それではもう一つ、彼は何者だ」
「化け物」
一真のことだと思い、響は事実しか言わない。
あまりの即答に、なぜと言う疑問より、そのまま話をした方がいいと彼は思い、周りの困惑をそのままに、話を続けることにする。
「化け物とは」
「不死身の化け物だよ、バトル・ロワイヤルの勝利者。ま、一真の話じゃ大昔の話だし、その事実は消し去られて、もう二度とバトルファイトが起きないように完全封印されたから、知らないだろうけどね」
困惑する周りだが、二人の大人はその言葉と単語を深く聞く。
そう告げてから、響は静かに立ち上がる。
「おいどこに行くんだよっ」
奏は慌ててそう言うが、フードをかぶりながら、
「聞きたいことも言うことも言った。ようはあんたらは戦力が欲しいだけでしょ。なら問題ない、私や一真の目的は、ノイズを滅ぼすことだッ」
その時の顔は酷く、拳が握りしめられる。
「ノイズは私と一真が滅ぼしつくす、あんたらと協力する気は無いけど、邪魔はする気は無い。後は自分達で調べなよ、一真の話じゃ、ボード?、は日本政府機関だったらしいし」
「ボード? それは」
その時、言葉をさえぎるように、響が懐のポケットに手を入れていたが、突然取り出す。その手には一枚のカードが握られていた。
「それは」
「またかノイズ………」
響は忌々しくそう言うと、藤尭は小さく悲鳴を出す。カードの絵柄、カブトムシが蠢き、何かに反応している。
「もうすぐノイズが出るから、私は出る。悪いけど話はここまでだ」
「ノイズがッ!? 待ちたまえ、それはどういう」
「ノイズ感知はこっちの方が早いんだよ。いいから外に出せ、ノイズを駆逐するッ」
「なんだとっ!?」
それに驚きながら、弦十郎は現状彼女を信じることにした。
「分かった。だが我々も参加させてもらう、翼、奏」
「ああ」
「承知」
彼女を出すと言う選択をするとともに、翼や奏も、彼女についていくことになる。
「………」
何も言わないが彼女は不満そうな顔のままだが、静かに彼女達は外に出ていく。
彼女が外に出ると、一台のバイクが現れ、それに乗り、彼女はノイズの下に向かう。
バイクなどの乗り物に乗る二人。その数分後、ノイズ警報が鳴り響く。
◇
バイクを走らせながら、深夜の夜、ノイズがすでに湧き出るのを見つけたのは、
「変身」
『ターンアップ』
クワガタのゲートを通り、赤き戦士へと変わると共に、片手に『醒銃ギャレンラウザー』を取り出し、即座に撃ちながらカードを取り出し、バイクへ。
≪ファイア≫
バイクは『レッドランバス』へ変わり、ファイアランバスをノイズ達に放ち、吹き飛ばす。
同時に下り、銃を乱射しながら、向かってくるノイズを裏拳や蹴りで吹き飛ばす。
「邪魔だ」
≪アッパー≫
ラウザーにカードを通し、拳を振り上げると側にいるノイズは爆砕する。
「スゥ………」
≪バレット≫
アルマジロのカードが身体を丸めて高速回転し、
≪ラピッド≫
キツツキがカード内でクチバシで突き、
≪スコープ≫
コウモリがカード内を飛び回り、そのカードが光に成り、銃へと宿る。
≪ホーミングショット≫
天に向かって弾丸が乱射されるが、すぐに軌道を変え、ノイズ達へと降り注ぐ。
それでも数が多いが、身体を弾丸のようにして突進しギャレンを貫こうとするが、踏ん張るだけで逆に身体を壊すノイズ。
「………」
無言のまま、ノイズの攻撃すら効かないギャレンは静かに銃と格闘でノイズの数を減らしている。ノイズの如何なる攻撃も、ギャレンには効かない。
そうこうしていると、三つの歌が聴こえ、後ろを振り返った。
「響?」
さすがに驚きながら、見ずにノイズを蹴り飛ばす。
「一真、さっさと終わらすよ」
「………ああ」
翼は空高く跳び、無数の剣を放ち、地面に下り『逆羅刹』を放つ。
奏も槍を回転させ、ノイズを巻き込んだり、響はその剛腕から放つ拳風で吹き飛ばす。このように全員で一気にノイズを倒し始めるが、
「でかいのが出てきたッ」
突如ノイズ達が集まり、巨大ノイズが現れるが、響はすぐに一真を見る。
すでに三枚のカードを取り出し、構えていた。
≪ドロップ ファイア ジェミニ≫
三枚のカードが光と変わり、鯨は飛び跳ね、蛍は火を灯し、シマウマは二つに分かれながら、一斉に取り込まれる。
足より炎をまき散らし、紅蓮の炎が両足へと集まり始めたとき、
「邪魔になるっ、退けッ」
≪バーニングディバイド≫
瞬間、足をそろえ、飛び上がると共に地面が割れ、身体をひねりながら、爆炎の炎が渦を巻きながら彼へとまとわりつく。
ノイズが無数槍のように向かってくるが、瞬間二人に分かれ、片方に激突するが何も起きず、そのままつま先蹴りを叩き付けた。
それにより炎に巻き込まれ、爆発する周囲。
二人の歌姫はただ見ていることしかできなかった。
◇
「凄い………」
翼はそう呟くと共に、光の門が現れ、元の姿へと戻る。
「響」
「一真、お疲れ。ギャレンで戦うのは珍しいね」
「ああ、あれは橘さんのだからな」
そう言いながら、煤の中で二人は気にも留めず、そのまま帰ろうとする。
「待て一真とやら」
「響待て」
二人が前に出ると、反射的に響よりも一真が前に出る。
「なにかようか」
「当たり前だ、ノイズを倒す力、このまま見過ごせない」
「それはお前たちの言い分だ。俺達には関係ない」
「それでもここで帰すわけにはいかない」
そう言う中で、一真は奏を見る。
「薬か、人が治癒したのに、もうか」
「! 分かるのか………」
「お前は………」
「一真」
呆れながら奏を見ていると、響は一枚のカードを渡す。
「言っても分からないよ、なにも」
「………だな」
そう言って、響から受け取ったカード、チェンジビートル。
手を静かにかざすと、片手に収まる機械、バックルが突如現れ、バックルにカードを差し込む。
二人が突然のことに驚きながら、それを取り出すところを見て驚いてた。その間に、それはベルトへ変化しながら浮遊し、彼の周りを回る。そのまま彼の腰に巻かれた。
「話があるなら、その刃で語れ人間」
「それは」
鼓動するように音が鳴り響き、響は少し離れ、構える一真。静かに、
「変身ッ」
『ターンアップ』
光の門が現れ、それが彼に迫り、姿を変えた。それに二人は驚く。
「その姿」
それは黄金の戦士に酷似した、銀と青の戦士。
腰に下げた『醒剣ブレイラウザー』を静かに構えながら、歩き出す。
「剣か、奏下がって、ここは私が」
「待て翼ッ」
だが二人とも歩き出すとともに走り出し、激突し出す。
翼は歌を詠いながらだが、剣を片腕で振るいながら、その一撃一撃を受け流す。
(強いッ)
剣と剣がぶつかり合う中、こちらは両手で振るう中、彼は自分よりも短い剣で、片腕で扱い、はじき返す。
剣の構えでは無い。ただ剣を持つ者と、剣を振るう者。だが実力は、向こうが上と、防人を自負する彼女は、顔をゆがめた。
(だが、ここで終わる防人では無い)
瞬時空へと飛び、『千ノ落涙』を放つが、一枚のカードを取り出す。
≪サンダー≫
剣へスライドした瞬間、鳴り響き、爆雷と言うほどの轟音を響かせ、剣先から放たれた雷鳴が、全て撃ち落とす。
着地を確認した瞬間、剣より二枚、カードを取り出す。
≪スラッシュ マッハ≫
瞬間、それは近づき、重々しい一撃を放ち、翼の剣を吹き飛ばす。
「くっ」
「!」
追撃しようとしたが、身体が止まる一真。翼の『影縫い』が決まり、瞬時空へ飛び上がり、
「これにて決めるッ」
それは巨大な剣と共に飛来する、『天ノ逆燐』である。
巨大な剣へと変化する跳び蹴りのようなものの中、ブレイドと化した一真は、
「はあぁぁぁぁぁぁぁ」
静かに息を吐き、その瞬間赤いレンズのような目が輝き、青く輝いたと思った瞬間、影縫いの短刀が外れ、拳をぶつける。
その一撃はただの一撃では無い。
【Aaaaaaaaaaaa―――――――――ッ!!】
それは彼の本気の片燐であり、巨大な刀を粉砕して吹き飛ばす。
◇
道路から水が湧き出る。水道管を破壊したのだろうか。
「お、おいっ」
その中で青年の姿に成ると、奏は気づく。
天ノ逆燐を破壊した手を見ると、その手から流れるのは、緑の血。
「お前………」
驚きで困惑する彼女を静かに見る。何も感じないように、静かにたたずむが、その瞳は青い。
「………」
何も言わず、その目は静かに黒に戻った。
「行こ、一真」
「………ああ」
翼は己の剣を砕かれ、そして目の前の存在に驚き、何も言えない。
そのまま後のことを無視して、バイクに乗り、二人は去っていく。
止められる者は誰もいない。
オリジナル技、ギャレン炸裂。スコープは追尾射撃可能、暗視能力の高めるから、一真の目は高い性能ですね。
元に成る彼やシステムは人の手から離れた存在ですので、通常よりも強さは増しています。現代科学ですら再現不可能なほど、アンデッド、そのカテゴリーA達よりも高い性能を引き出します。
ここのレンゲルはちゃんとした最凶ライダーです(出番がちゃんとあるとは言って無い
あるといいな~
では、お読みいただき、ありがとうございます。