戦姫絶唱シンフォギア/ブレイドッ!!   作:にゃはっふー

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いま、彼は動く。


第5枚・抜剣される魔剣・前編

 

 

 

 無数の攻撃を受けても、それは強固な姿でオレを見る。

 

「それがバトルファイトの勝利者、万能の力、アンデッドジョーカーか」

 

【………】

 

 全てを知った、全部わかった、だからこそッ、

 

「その力はオレの物だッ、世界を知るため………そしてお前の言う奇跡を壊すッ。剣崎一真、お前はオレの物だッ!!」

 

 必ず手に入れる。世界を生み出した、万能の力を………

 

 

 ◇

 

 

 外部協力の下、プロジェクトイグナイトは進む。

 

 全員で話し合う中、弦十郎は腕を組む。

 

「さすがに神獣鏡はプロジェクトイグナイト対象外か」

 

 魔を払う鏡であるため、魔剣ダインスレイフの力を弾いてしまう。

 

 現在奏、翼、クリス、マリアの聖遺物を対象に、魔剣ダインスレイフを組み込みだす。

 

「だが必ず敵となるか、一真くん」

 

 不死身の戦士がそう告げた。

 

 いくつか倒す方法は上がるものだが、どれもこれも数日間無力化できると言うものでしかない。

 

 なにより、それら全て、剣崎一真と言うリミッターがあるからなると、彼を良く知る二人から言われていた。

 

「これからどうなる………」

 

 その時、アラームが鳴る。

 

「アルカノイズの反応を検知」

 

「座標、絞りこみます」

 

 だが爆発が響き、地面が揺れる。

 

「まさか、敵の狙いは、我々が補給を受けている。この基地発電施設っ!?」

 

「ここだけではありませんっ、都内複数個所各地にて、同様の被害を確認っ」

 

「強化型ギアの回収はまだか」

 

 連絡を付けるが、了子はハイスピードで作業し出す。

 

「響くん、セレナくんはここの防衛を。時間稼ぎだっ」

 

「はいっ」

 

 二人の装者が抜け出る中、響は考える。

 

 彼はどうするかと………

 

 

 ◇

 

 

 某発電施設、1。

 

「私に地味は似合わない」

 

 そう言い、コインをばらまき、破壊するレイア。だが、

 

「ん………」

 

 

 ◇

 

 

 風力発電所にて、

 

「これはこれは」

 

 

 ◇

 

 

【うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ】

 

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

 

 セレナと共にこの基地の発電システムを守るのだが、

 

「数が多い」

 

【ああ】

 

 そして赤い鉱石の弾丸が放たれ、それを睨む。

 

【人形】

 

「アタシはミカだって言ってるんだゾっ」

 

 攻撃をけして受けず、こいつらの退治しなければいけない。

 

 そう思っていると、少しでもと言わんばかりに、基地内の者達が銃で応戦している。

 

「ダメッ!!」

 

 セレナが叫ぶが、無数のアルカノイズが迫る。

 

 だが、

 

「デスッ」

 

 翠の鎌と、

 

「はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

 

 紅の鎌の装者が現れ、兵士たちを助けるが、

 

「二人ともっ!?」

 

【ギアが感電してない、まさか、リンカーを使ったのかっ!!?】

 

「私達だって、見ているだけはいやっ」

 

「ここからはザババの鎌が、相手するデスっ」

 

 それに舌打ちしながら、ミカへと対峙するが、

 

【壊れないっ】

 

 

 ◇

 

 

 黒い塊のように、響さんはミカと言うオートスコアラーと戦っている。

 

 私達はアルカノイズに触れずに、発電施設を守りながら戦う。

 

「切ちゃん、へいき?」

「ま、まだ平気、デス」

 

 平気じゃないね、私も………

 

 これが時限式の限界なの?

 

 セレナは銀のナイフを辺りにばらまき、けして近づけさせずに倒している。

 

「切ちゃん」

「デス」

 

「! 二人ともそれ」

 

「二人一緒なら」

「怖くない………」

 

 私達は再度リンカーを投与し合い、ギアを振るう。

 

 響さんから激昂に似た雄たけびが聞こえた。怖いけど、前に感じた怖いじゃない。

 

 私達の過ち、その償いの為に、いま戦わないでどうする。

 

 切ちゃんから鼻血が出る。けれど手を取り合い、前に進む。

 

「はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

 

 無数のアルカノイズ、このままなら、

 

 

 

「させると思うか」

 

 

 

 瞬間、私達の身体が動かなくなる。

 

 気付いたとき、糸のようなそれが張られ、アルカノイズの攻撃が当たってしまう。

 

【!?】

 

「切歌、調っ!!」

 

「およ、マスタ~」

 

 ギアが分解されながら、私達が見たのは、私達を見下ろす。エルフナインによく似た、

 

「錬金術師、キャロル………」

 

「シュルシャガナ、イガリマの分解完了………後はお前達だけだ」

 

 何かをばらまくと、そこからアルカノイズが現れる。

 

 ギアが完全に分解された。

 

「!」

 

 無数のアルカノイズが向かってくる。

 

「しら、しらべえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」

 

 私は………

 

≪マッハ≫

 

 その時、一陣の風が駆け抜けた。

 

 アルカノイズを赤い煤に変え、私と切ちゃんを担ぎ、狼は飛び上がる。

 

「剣崎一真ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

 

 キャロルの叫び声が聞こえる。怒りに満ちたように、喜びに満ちたようなそれを聞きながら、

 

(………私達、いま裸だ………)

 

 頬を赤く、真っ赤にしながら、赤いラウザーのベルトを見る。

 

 その時、獣のような叫び声が聞こえた。これは怖い………

 

 

 ◇

 

 

 ウルフアンデッド、狼の始祖なんだろういまの彼は、私達を安全な場所へ連れていき、むっ、胸を触りゅ。

 

「にゃっ!?」

「!!!」

 

 真っ赤になるけど、すぐにそれは素肌を通り抜け、身体の中、リンカーの悪影響を取り除いているのか、身体が軽くなり始めた。

 

【悪いけど、我慢してくれ………】

 

 狼から聞こえたのは、一真さんの声。

 

 一枚のカードが浮き上がり、ラウザーを通る。

 

≪リカバー≫

 

 身体が軽く、手を引き抜くと、リンカーの液体、身体に負荷を与えるものだろうか? それが取り出された。

 

 そして手のひらをかざすと、人の姿に成ると共に、衣類を取り出す。

 

「ぶかぶかだが、これを着なさい」

「は、はひ」

 

 噛んじゃった、恥ずかしいっ。

 

 切ちゃん以外に私の恥ずかしいところ、いや本当に見られちゃったよっ。

 

「デ、デデス」

 

 なにも言えない私達、だけど一真さんから感じる雰囲気は、人間ではない。

 

 落ち着いて話すときの一真さんは、人間ではなく、ジョーカーとしての一真さんだと聞いている。

 

「ここにいろ、他の所は、ほかのアンデッドに任せている」

 

 そう告げたとき、爆発音が先ほどの場所から響く。

 

「………」

 

 それを見たとき、悲しそうな顔をして、歩き出す。

 

「ぁ」

 

 なぜか私達は、その手を握りしめた。

 

 それに少し止まる。だけど………

 

「ごめん」

 

 そう、小さく呟いた。

 

 その手は暖かく寂しい手………

 

 少しだけ、響さんやクリス先輩が妬ましい。

 

 この手の優しさだけは伝わり、だけどこの人は………

 

 先輩達と戦うために、戦場に戻っていく。

 

 

 ◇

 

 

【調ちゃん達を女の子しか愛せないようにしてやろうか?】

 

 静かにそう考えながら、クリスと翼がギアを纏って現れた。

 

 そこには奏もいて、槍を振り回す。

 

「やめてやれよ」

 

「ともかく」

 

「強化型シンフォギア、完成だくそったれッ」

 

 クリスはギリギリ間に合わなかったことに腹を立てながら、キャロルを見る。

 

 キャロルも歯を食いしばりながら、周りを睨む。

 

「一真の大切な者達か」

 

「マスタ~ヤンデレかだゾ?」

 

「ガリィの言葉を真に受けるなっ。時限式並び、分解したはずのギア。そして」

 

【………】

 

「暴走しながらまともな奴か」

 

 クリスは静かに睨みながら、キャロルは、

 

「全てに優先するべきは計画の遂行、ミカ、ここからはオレがやる」

 

「分かったゾ」

 

 そう言い、ミカは小瓶を割り立ち去る。

 

「一人で私たちを相手にする気ですか」

「いや、悪いがセレナとあたしは下がるように言われている。セレナは強化前、あたしは時限式だ。響も下がれッ」

 

 それにセレナは押し黙りながら、翼は剣を構える。

 

「案ずるな、剣と弓があれば、問題ない」

 

「なめられたものだ、それとも、この風貌だからそう言うのか?」

 

 そう言いながら突然何かの術を使い、竪琴を取り出す。

 

「括目せよっ」

 

 それを鳴らす瞬間、聖遺物の起動が始まる。

 

【竪琴の聖遺物っ!?】

 

 そしてそれを纏う瞬間、キャロルは大人の姿に成り、鼻で笑う。

 

「これくらいあれば不足なかろう………ハッ」

 

 糸が全てを切り裂きながら迫る。

 

 それを避けると共に、私達の攻撃が始まる。

 

 歌う訳でもないのに、炎や氷の錬金術を使う。それに驚くが、アルカノイズでない以上、

 

【私は勝手に、前に出るッ】

 

 

 ◇

 

 

「歌う訳でもないのに、この質量。いったいどこから」

 

「キャロル達錬金術は、本来思い出の焼却にて力を使用します。ですが、ある日を境に、キャロルは無尽蔵に思い出の焼却を可能にする術を手に入れました」

 

「なんですってっ!?」

 

 エルフナインの説明から、キャロルは思い出の焼却と言う術を使い、記憶を失う代わりに巨大な力の行使する術。それによる錬金術を使う。

 

 代価として記憶の消失があったのだが、それはいつしか無くなった。

 

「それはある生物が持つ、自然治癒能力による肉体強化の副産物です」

 

「ある生物? まさか」

 

「はい、全ての生物、始祖達の争いから選ばれた戦士達。イモータル。アンデッドのDNAデータから、記憶の焼却を無くしながらも力の行使を可能にしました。ボクの身体にも、アンデッドのデータが使用されてます」

 

「なん、だと………」

 

 

 ◇

 

 

「まさか、剣崎さんの力を利用しているのかっ!?」

 

 翼の叫び声に、キャロルは得意げな顔をする。

 

「奴との邂逅、オレにとってまさに予期せぬ出会いだった。オレの目的に近い存在であり、こうして計画に利用できるのだから、この世はやはりどうかしている」

 

【一真の力、一真の、クソガキがッ】

 

「ハッ、妬ましいか小娘ども。貴様らと違い、オレと一真は数年程度の関係じゃない。何よりも、エルフナインやいま現在利用しているこの肉体、すでに一真の情報を使用している。エルフナインはある意味で、オレと一真の子供だッ!!」

 

 瞬間、私達から黒い何かが放たれる。

 

「雪音」

 

「抜ッ剣ッ」

 

 胸のブローチを起動させ、二人はイグナイトモジュール。魔剣の力を使用する。

 

 私は黒いオーラを纏いながら、獣のように向かう。

 

「時間かせ、!?」

 

 瞬間、黒い姿に成り、二人のギアが強化され、現れる。

 

「初起動ですでに掌握しているだとっ!?」

 

「ぶっ飛べダブルだクソッタレガアァァァァァァァァァァァァァァア!!」

 

 ミサイルが離れ、三人の歌を歌う。

 

 歌を歌いながら、接近する。

 

「まさか、こんなにも早く順応するなん、!」

 

【よそ見しすぎだ、キャロルちゃん】

 

 その腹に重い物を叩き込み、それにキャロルは、

 

「まさか、お前も」

 

【終われ】

 

 その顔面に拳を叩き込み、エルフナインはその光景に驚く。強化前のイグナイトの力を使う訳でも無く、気合いでギアを強化したのだから………

 

 

 ◇

 

 

「エルフナインには後でお話ししよう」

「いややめてやれよ」

 

 奏がそう言うが認めない。一真の情報使っただけだ。認めないッ。

 

 もしも覆せない事実なのならば………

 

 一真ごと私の物だッ。

 

「ガキが………たかがその程度で」

 

「一真は私のだッ、エルフナインも私のだっ」

 

「いやおかしなこと」

 

「アァ!? 一真は私のだッ、テメェに関係無い。エルフナインも私のだっ」

 

「雪音っ!?」

 

 どうやらお話合いは増えたようだ。無理矢理にでもエルフナインを手に入れなくてはいけなくなった。

 

 だけど………

 

「………一真」

 

 すべてが終わったと思った時、そこに、

 

「魔剣を使用したな、シンフォギア」

 

 不死身の戦士として姿を現した一真は、ジョーカーの姿に成りながら、

 

【聖遺物、貴様達を封印するッ】

 

 瞬間、無数の武器が飛来した………




後編へ続くッ。

お読みいただき、ありがとうございます。
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