戦姫絶唱シンフォギア/ブレイドッ!!   作:にゃはっふー

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第9枚・防人のつるぎと運命のけん

 その日私達装者は、風鳴司令によるミーティングをしていた。

 

 切歌と調はもう問題ない、響も回復した。マムもモニター越しに作戦会議に参加している。

 

「先のオートスコアラーや敵の動きから、次の襲撃地点が予測された」

 

「それはホントか旦那?」

 

「ああ。場所は深淵の竜宮、異端技術による危険物や機密性が高い物を封印した、絶対禁区。その性質上、我々ですら全貌を知らないと言う場所だ」

 

「地図からして海中、深海か」

 

 マムとは別に映し出されるモニターを見る。確かにこの位置は海底でしょうね。

 

 響の言葉に、風鳴司令は頷く。

 

「オートスコアラーがそこの位置を割り出していたと言うことは」

 

「そこにある危険物」

 

「なら話は簡単だっ、先回りして迎え撃つだけのこと」

 

「だが、襲撃予測地点は、もう一つある」

 

 それは緒川さんが気になるため捜索したところ、神社などの関係物が何者による襲撃にあった。

 

 全ての施設は竜脈を収める機能を持つもので、マムの話でもそれにより、レイライン、星の力が操作されているらしい。

 

「つまり、そこにもキャロル達が現れると」

 

「その通りですマリアさん」

 

 その時、少しだけ顔を曇らせ、響の前に出る風鳴司令。

 

「未来くんには悪いが………こいつを渡しておく必要があるだろう」

 

「神獣鏡………」

 

「アルカノイズ対策はすでされている………」

 

 そう言い渡される、神獣鏡のペンダント。

 

 それは少しでも戦力が欲しい、いまを考えての事。

 

 一般人を巻き込む………彼、一真がそれを知れば、きっと悲しむだろう。

 

 だけど、結局選ぶのは私達だ。

 

「もちろん、他のアルカノイズ対策は万全よ」

 

「どこにアルカノイズが出てもモニタリングします」

 

「皆さんの体調管理なども任せてください」

 

 フィーネ、じゃなく櫻井了子、藤尭さん、友里さんもそう宣言してくれた。

 

「すまないとは思う、だが」

 

「きっと未来はだめって言っても聞かない………私も聞かないんだから、止める権利はない」

 

 後でそれを渡すために、話を通さなければいけない。

 

「………君と未来くんは同じ班にしよう」

 

 そしてチーム分けがされた。

 

 深淵の竜宮にはクリス、切歌、調。

 

 有事の際に動くために、響が残り、私と翼がもう一つの要石なる物がある翼の実家へと向かうことになる。

 

 

 ◇

 

 

「十年ぶり………こんな形で帰るとは」

 

「了解しました。クリスさんたちも、深淵の竜宮に到着するようです」

 

 色々揉めたものだ。深海なら剣崎さんが出る可能性があると言う声や、一人なら剣崎さんが現れるだので揉めた。

 

 いまの状態でようやく落ち着き、私はこうしてここにいる。

 

「………」

 

「? 翼さん」

 

「あっ、いえ。少し………」

 

 思えば、もしもあの人が剣崎さんなら、もしかすれば………

 

 時間を見つけて、少し見に行くか。

 

 

 ◇

 

 

 静かにバイクを走らせ、気配を追う。

 

「海にイガリマ、イチイバル………シャシュラガマ? いや違う………ザババの鎌。地上は響が残って、ここには天羽々斬とアガートラームか」

 

 気配を追う中、天羽々斬とアガートラームが活性化する。これは力を使っている。

 

(となるとキャロルか)

 

 バイクを走らせ、とある屋敷を見つけ出し、そこにいると分かる。

 

 翼ちゃんの巨大な剣にて攻撃する技が見えたが、それが緑の光で砕かれていた。

 

 すぐにフロートをバイクへ使う。

 

「変身っ」

 

『ターンアップ』

 

 力の安定を第一に、かつ一番使いやすいブレイドになる。

 

 風が中庭で巻き起こり、アルカノイズがうろうろしていた。

 

「一真っ」

 

 すぐに緑の、ドレスの裾をつまみ上げていたオートスコアラーを見つけたため、醒剣ブレイラウザーで斬りかかる。

 

 だが緑のオートスコアラーは気にもせず、余裕のまま、

 

「剣崎さんっ、だめだッ!」

 

 オートスコアラーが持つ剣から放たれる光が触れると、醒剣ブレイラウザーの剣先が砕け散る。

 

「ッ!?」

 

「残念、私の武器剣殺し(ソードブレイカー)は、剣と定義される物ならば、硬度も精度も関係」

 

「ウッイイィィィィィィィィィィィィ」

 

「!!?」

 

 いまだ崩壊する剣を使い、そのまま醒剣ブレイラウザーで叩き斬った。

 

 かすかに吹き飛び、大地が砕け散る。

 

「なぜっ、哲学兵器剣殺し(ソードブレイカー)がっ!?」

 

 醒剣ブレイラウザーは刀身が消えて、残る箇所もヒビ、亀裂が走っているが、光が崩壊を止め、ブレイドは剣を握りしめる。

 

「バカな、剣と定義されているはずの武器が、砕けない!? イモータルには哲学兵器は効かないと言うの?」

 

「俺の剣は折れないッ、何度も折れても、俺の心が折れない限り折れない!!」

 

「哲学兵器を概念、信念で防いだとッ!?」

 

「ウッイィィィィィィィィィィィィィィィ」

 

「くっ」

 

 かすかにある部分でカードを使う。

 

≪スラッシュ≫

 

 斬撃で建物ごと吹っ飛ばすが、それにノイズしか巻き込めない。

 

 瞬間風が吹きだされ、それを避けると、巨大な石、いや、何か特別な処理をされたものが破壊された。

 

「今日はここまで、イモータル相手では分が悪い………」

 

 風が巻き起こり、姿を消す。

 

 瞬間、ブレイラウザーは完全に砕け散る。

 

 ブレイドの姿もまた、簡単に砕け散った。

 

 

 ◇

 

 

「………剣崎さん」

 

「………」

 

 翼ちゃんはこちらを見る。何か動揺している。

 

 緒川さんが後ろから拳銃を構えている。だが、

 

「俺に拳銃は効かない」

 

「それでも、いま翼さん達の聖遺物を、お渡しする訳にはいきません」

 

「………危険と、俺は警告している」

 

「それでも」

 

 マリアちゃんが前に出る。静かに、

 

「切歌達から聞いているわ………私達はそれでも手放す気は無い、みんな、戦う力を、貴方が守った明日を守る力を求める」

 

「もしもそうなら、魔剣の力を使ってほしくは無い。俺はそんなことのために、戦っていたわけじゃない。なにより………」

 

「なにより………」

 

「………俺はこんな明日の為に、戦ったわけじゃない」

 

 それにマリアちゃんは黙り込む。

 

「俺が守りたかった明日は、戦いの無い世界だ」

 

「それは」

 

「分かっている、そんな明日が無いのは。けれど、俺の戦う理由は変わらない。戦えない人たちの為に戦う。だからこそ、俺は魔剣を回収する。俺が、装者が暴走する可能性があるのなら」

 

 そう告げるが、人が近づく気配がする。ここは引くしかない………

 

「装者が、二課が誰かの為に力を持つのは分かる。だからと言って、だからこそ………俺は魔剣を見過ごせないんだ」

 

「………剣崎さん」

 

 翼ちゃんが呟くと共に、カメレオンアンデッドにかわり、その場から消える。

 

 

 ◇

 

 

 とある場所で、俺はアンデッドの目を使う。

 

 キャロルがどこかの海底、施設の中でコインのオートスコアラーと行動して、クリス、切歌ちゃん、調ちゃんが、弦十郎さんたちの潜水艦で向かっている。

 

 ………キャロルのホムンクルスもいるのか。

 

 そうしていると、

 

「なぜここが分かった」

 

 そう呟くと、静かに現れたのは、マリアちゃんだった。

 

「翼から聞いたの」

 

 マリアちゃんがベンチに座る俺の側に来ていて、静かに腕を組む。

 

「翼ちゃんが、なんで」

 

 ここは少しばかり記憶にある、ただそれだけで選んだ場所だ。

 

 そうここは、ただの公園。

 

 それに少し考え込みながら、

 

「………あなた、昔ここで猫を助けなかった? 小さな女の子の歌を聴いて」

 

「? ああ………十年前かそこらか」

 

 一生懸命に歌いながら、時々歌詞を忘れたりした子。なぜか演歌だったりとおかしく、可愛い子だった。

 

 確かクリスに会う前か………

 

 一度だけ会話した記憶はある。だが、なぜ?

 

「あれ、翼よ」

 

「………そうか」

 

 静かに立ち上がりながら、どうするべきか考える。

 

 やはり魔剣は回収するべきか、あれに俺の中にある魔剣が強く反応している。あれの力は不幸しか呼ばない。

 

【いまは彼女一人、回収するのは簡単だ】

 

「………」

 

 声を振り払い、俺はマリアちゃんを見る。いまは敵なのに、彼女は構えない。

 

 この魔剣、欠片を集めるたびに、どれほど悲しい出来事があったことを聞いたか分からない。

 

 だからこそ、この手で回収して、封印するべきものなんだ。

 

 だが首を振り、静かに聞く。

 

「魔剣の欠片がある土地は争いが絶えず、欠片の所有者は暴君として国を治めた」

 

「………貴方が欠片を集めたときから」

 

「持っているだけで、あれは人の闘争本能を引き出す。だからこそ、俺は人間達から回収し続けている」

 

「………一真」

 

「翼ちゃんがあの子なら、悪いがますます置いておけない。あの不器用な人の為にも」

 

「不器用な、人?」

 

 そして俺は静かに、あることを伝える。

 

 

 ◇

 

 

「なぜだッ、ここにヤントラ・サルヴァスパがあるはず!? 一度はここに収められているのは調査済みだ、なのに、なぜ無いッ!?」

 

 それはありとあらゆる機械を、ダイレクトに所有者と繋げ、自在に行使する聖遺物。

 

 ここにあるはずのそれが無く、キャロルは叫ぶように探す。

 

「派手に偽の情報に踊らされているのか?」

 

 そうレイアがポーズしながら聞くが、それは無い。

 

「情報元は奴らからだッ、ならここにあるのは間違いない。一応は協力関係だ、奴らが偽の情報を渡す意味は無い」

 

 そう考え、静かに思考する。

 

 その時、ふと、何かに気づく

 

「いや待て、レイア、外の聖遺物、他にもあるか分かるかッ!?」

 

「?」

 

 すぐにコインであたりの倉庫を破壊するが、なにも無い。

 

 それにキャロルは愕然となる。

 

「クソッタレがッ、一番重要と思い、オレ自身が動いたが、やられたッ」

 

「どういう意味だマスター?」

 

「剣崎一真だッ、こんな深海の、世界政府の目が光る施設に、何人も気づかれずに危険物を回収できるのは奴しかいない!!」

 

 

 

「へえ、ならあの時の紙が例のもんってことか」

 

 

 

 無数の弾幕を放つが、レイアはすぐ無数のコインを放ち防ぐ。

 

「雪音クリス………一真と長くいた」

 

 突然の来訪者にして、キャロルが最も嫌悪する装者の一人でもあるクリスは、ニヤリと笑う。

 

「オレと一真は数年程度の関係じゃない、とか言ってたが、一真のことな~んも知らないんだな」

 

「なんだと」

 

 お互いけん制し合いながら、それでも愉快そうにクリスは笑う。

 

「私は一真が変な紙束をある探偵に渡してるとこ見たことあるんだ」

 

「なっ………」

 

 驚愕する内容に、キャロルは一瞬頭の中が真っ白になる。

 

 側にいる切歌と調も、えぇ~と言う顔で驚いていた。

 

「なぜかは知らないが、機械やらなんやら簡単に動かしていたな。確か返却もされてないからな、もう二度と誰にも触れることは無い」

 

「それはそれで問題発言の気が」

 

「デデス………」

 

 盛大に舌打ちするキャロル。そしてここで、

 

「とりあえず、一真のこともある。死んでもらうか!」

 

「抜かせガキッ、一真と歳の差考えろ!」

 

「派手に天に唾を放つな」

 

 レイアの一言に二人は鋭い目つきで攻撃し合う。

 

 その光景に二人の装者は、

 

「いやそれは」

 

「ダメデース………」

 

 

 ◇

 

 

 また爆発が起きて、急いで屋敷へと来ると、翼ちゃんと、

 

「子煩悩の」

 

「き、君は」

 

「えっ………」

 

 なぜか、可愛い娘に家を継がせたくないと常日頃愚痴っていた人がいた。もう年を取っていたが間違いない。

 

 マリアちゃんにも話したそれを、静かにマリアちゃんは叫んだ。

 

「翼っ、一真の話したことは本当らしいわよ」

 

「お父様………」

 

 そして何か吹っ切れた顔をし、ブローチ、魔剣の力を使う。

 

「翼ちゃん」

 

 俺が止めようと前に出たが、その顔を見て止まる。

 

「剣崎さん、私は、私達は貴方から明日をもらった。だからこそ、私達は、いまを救う為に、貴方からもらったこの未来を守る為に、私は羽ばたくっ」

 

 そして炎が舞い上がり、鳥が舞う。

 

 

 ◇

 

 

「………翼ちゃん」

 

「剣崎、いや一真さん。あの日、私の歌をほめてもらって、嬉しかった………だが、だからこそ私は信じて欲しいっ、魔剣の力に我々は未来を閉ざすことはない。ですから」

 

「あっはははははははははははははははははは」

 

 突如、壊れているオートスコアラーは笑い出す。すでに壊れかけだと言うのに。

 

「魔剣の戦慄はいまもなお歌われ、満ちているっ」

 

「なん………!」

 

 そして一真の顔が歪む。

 

「魔剣の力、歌がお前を通して別の場所に転写されているっ!?」

 

「なっ」

 

 それに全員が驚く中、オートスコアラーはにやりと笑う。

 

「すでに滅びの歌は奏でられ、残るは二つ」

 

「呪われた旋律を手に入れるため、わざとイグナイトを受けた………それでなにかをするために」

 

「ならば、倒されることが鍵なら」

 

「残るは響とクリス、だけどクリスは」

 

 すぐに目を使い、クリスを見るが、

 

「!? フロノティアラでマリアたちと一緒に居た博士がいるぞ」

 

「フロンティアねっ、って、なんでドクターウェルが深淵の竜宮にっ。そもそも見えるの」

 

「万能の力はレイラインを通して、見通すこともできる。だが声は届けられない、クリスはいつ魔剣を使うか分からない」

 

「連絡は」

 

「無理ねっ、その為の妨害は張っているわっ。それじゃ、歌姫さん、これで」

 

 そして爆発し、完全に歌を届け終えた。こうなると、

 

「ちっ」

 

≪チェンジ≫

 

 イーグルアンデッドにかわり、羽ばたく前に、

 

【俺は響のもとに飛ぶ、君らも】

 

「ええっ」

 

「分かりました一真さんっ」

 

 そして動き出す。

 

 

 ◇

 

 

「………」

 

 猫と戯れる響。子猫が母猫に甘える様子、父猫が尻尾で遊ばせたりする様子を見ながら、

 

「………」

 

 ただ静かに見続けた………




ファインプレーをする一真。

クリスとキャロルのヤンデレ大戦で、竜宮滅びる。

ドクター復活。

カットした、だがヤンデレの大戦以外原作と変わらない。だからカットした、申し訳ない。

クリスちゃんとキャロルの大戦は、まさしく呪われた戦慄っぽい戦闘があったと思ってください。クリス覚醒イベ? すまないたぶん無い。

ここの施設を大破させた原因は、4割クリス、4割キャロル、2割レイアなどの通常戦闘。

それでは、お読みいただきありがとうございます。
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