戦姫絶唱シンフォギア/ブレイドッ!!   作:にゃはっふー

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番外編、大詰めです。


第10枚・小さな願いの果て

「それはある男が願った偶然からだ」

 

 神は車の中、指揮者に手を動かしながら語る。

 

「どうもその男は娘がいて、不治の病らしい。そんな中どういう経緯かは知らないが、鏡を手に入れた。異次元に通じる鏡を」

 

「聖遺物か」

 

 剣崎響が、立花響たちと共に聞く中、神は頷く。

 

「そこである魔法使いが現れたらしい」

 

「魔法使いだあ?」

 

「驚くことでは無い、我々の世界、ライダーの世界では太古に錬金術師や魔法使いと言った者たちがいたのだ。ともかく」

 

「そいつの力で娘さんは治ったと?」

 

 合流した面々と共に、神は頷き、だがと続けた。

 

「娘はまた唐突に病気により倒れた、魔法使いが言うには、力が足りないと」

 

「まさかその人」

 

「魔法使いに言われるがまま、鏡の力を開放し続けた。魔法使いが管理しているから、化け物たちは大人しいらしい。私も、その中で呼ばれた」

 

「そうなのか」

 

 翼が真剣な顔で頷くと、

 

 

 

「まあ、娘の病の正体は鏡の所為なのだがな」

 

 

 

 その言葉に全員が神を見る。神は無駄にその視線を浴びた。

 

「考えてもみたまえ、なぜ私がここまで知識があるのかを。神と自負する才能があろうと、異世界の知識まで持ち合わせていない。私は鏡の力で呼ばれた、ゆ・え・に」

 

「鏡からある程度の知識を与えられたのか」

 

「その通りだ左翔太郎」

 

「その子が聖遺物の装者なんだきっと」

 

 その言葉に、エルフナインも通話越しに話しかけてきた。

 

『おそらく響さんの言う通りなのでしょう。完全聖遺物かは分かりませんが、起動には必ず装者がいなければなりません』

 

「魔法使いはそれを良い事に、うまく男を騙していると言うところだ。自分の世界をこの世界に創造するために。私もそれを断った瞬間、殺されかけたが、データになり逃げた」

 

 その時、緒川が叫ぶ。

 

「そろそろ見えてきました」

 

 車の前に無数の怪物が現れ、町を壊していた。

 

 人は避難していて、その先に建物らしき建造物が生まれたのこと。

 

「ともかく、その鏡を破壊すればいいのか」

 

『いや、鏡だけを壊しても、効果は消えるかどうか』

 

「俺が封印する」

 

『………しかないか』

 

 キャロルの言葉に、彼らの行動は決まった。

 

「行くぜフィリップ」

 

「僕の身体、お願いするね」

 

「分かりました、ご武運を」

 

 緒川にそう呼びかけ、左翔太郎と一真を始め、車から装者が出て来る。

 

「派手に歌うか」

 

「絶望は道を開けろ………」

 

「一直線に真っ直ぐにッ」

 

「デース」

 

「神の才能を見せてやろう」

 

 瞬間、姿を変えて、怪物たちへ流れ込む。

 

 

 ◇

 

 

「これは、これで娘はまた元気になるのか」

 

「ああ、また元気に学園に通え、普通の人間として、生を謳歌する」

 

「………本当に」

 

「星から力を奪わなければいけない、お前は、またベットの上にいるだけの人生を、娘に強いるのか?」

 

「………」

 

 苦しそうにうなりながら、鏡に祈りを捧げる男。

 

 それが許されないことは分かっている。

 

 だが、だがと………

 

「………」

 

 ローブの男は外に出て、喉を鳴らす。

 

「やはり人間は愚かだ、全ての元凶に、救いを祈るとは」

 

 静かにそこに、イカデビルが現れ、笑いながら告げる。

 

「準備はできた、お前の、世界創造の準備が」

 

「他の怪物たちも愚かだ、自分たちがフォニックゲインを集める端末に改造されていると知らずに町に出向き暴れ、装者たちに撃たれるたびに力が集まる」

 

「完璧な作戦だっ」

 

「後はッ」

 

 憎々し気に、彼は三人の戦士を睨む。

 

「仮面ライダーどもッ」

 

 

 ◇

 

 

「お熱いの行くぜ!」

 

「邪魔だッ」

 

「ふはははははははっ」

 

 0の力を振るうゲンム。数を見ながら、渋々ガシャットを取り出す。

 

「神の力は終わらない………」

 

≪バーコードウォーリアーディケイド!≫

 

 破壊者の力を振るいだすゲンムに呆れながら、カリスへ変わり、ワイルドカリスに成る。

 

≪ワイルド≫

 

 何体も巻き込み吹き飛ばし、切りがないため、響がすでに抜剣状態で暴れていた。

 

「数が多いよっ、私たちも抜剣を」

 

「待てっ、彼女と違い、我々はそう長く持たないぞ!」

 

「だからってえぇぇぇぇぇぇぇッ」

 

 ミサイルや弾丸、途中から全員集合して突破を図るが、先に進めないでいた。

 

「どうします? このままじゃ」

 

「おい神っ、どうにかできないのかよ!」

 

 敵を倒していたゲンムが、静かに考え込み、

 

「致し方ない、神の才能。最高神の力を見せよう………」

 

 白い塊のガシャットを取り出し、ゲーマドライバーにセットした。

 

「いまはまだ神の中の神になる時ではないが、いいだろう」

 

 その時、何かを取り出し、

 

「ドゥ!」

 

 キメワザスロットホルダーに差し込んだ。

 

「? この気配………貴様、そのガシャットは」

 

「最高神への頂きは、万能の力にて降り立つのさ………変身!」

 

【ゴットマキシマムガシャットトトトトトト―――】

 

 まるでバグっているかのように音が鳴り響き、緑の輝きと紫の発光がゲンムを駆け巡る。

 

「私はアァァァァァァァァァァァァァァァ、神の中の神になる、オトコダアァァァァ」

 

【フフフフフフメメメメメメメツツツツツツツツツツ】

 

【最上級の神みみみみの才のののう~クロトトトトトダダダダン!】

 

「そしてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」

 

 一枚のコイン、エナジーアイテムを取り出す。

 

≪巨大化!≫

 

【ゴットマキシマムX!】

 

 巨大になりながら、高笑いと共に、町を壊し、ロボットのような鎧を纏うゲンム。

 

「町まで壊すなっ」

 

『万能の力だとっ、オレよりも先に………』

 

 高笑いをしながら発光して、感電しているそのフォームは、

 

「………長くはなさそうだ」

 

「あれについて行こう」

 

「了解」

 

 

 ◇

 

 

「来たか」

 

 巨大な何かが迫る中、男はいまだに祈りを捧げていた。

 

 すでに男は何も見えていない。

 

「我が魔法の力に、もはや抗えない。欲望をさらし、そして世界を絶望に染めろ」

 

 その時、巨大な何かが、何かをぶん投げた。

 

≪サンダー キック ライトニングブラスト≫

 

≪ジョーカーマキシマムドライブ≫

 

 壁を蹴り破り、二人のライダーが現れ、男がそれを睨む。

 

「怪物のライダー………またもやたてつくか!」

 

「貴様、まさか」

 

「私は」

 

 指輪を取り出し、構え出す。

 

「変身」

 

≪チェンジ!ナウ!≫

 

 金色の魔法陣が辺りを包み、そこに現れるのは、ハルバートを持つ金色の魔法使い。

 

「ファントムのライダー………」

 

「貴様と同じ、私は仮面ライダーの力を持つ。仮面ライダーソーサラー」

 

「怪物のライダーか」

 

 ダブルがそう言うと、イカデビルも出て来る中、静かに歩き出す。

 

「そうだ、貴様と同じだブレイド。だというのに貴様は怪物を裏切り、ライダーの真似事をする。怪物でもライダーでもない貴様は、醜悪の極みだッ!!」

 

「こいつは怪物でも、ライダーの心は本物だ」

 

「それは僕ら、仮面ライダーが一番分かっている」

 

「真に醜悪なのは貴様だソーサラー………」

 

 鏡の前で操られたように、ずっと娘のために祈る男性を見る。

 

 その前にあるのは、禍々しく、数多の世界を映し続ける異形の鏡。

 

「貴様は俺の本能を刺激したッ」

 

「「さあ、お前の罪を数えろ!」」

 

 その瞬間、彼らは駆けだす。

 

 

 ◇

 

 

「砕けて散れ絶望ども!」

 

 壊して壊して壊し続けて、やっと海上に浮かぶ塔を見る。

 

「やっとたどり着けた」

 

「デスっ」

 

「黒い人がおかしい」

 

 突然感電して、元の大きさに戻り、白いガシャットを取り出す。

 

「………ふん、やはり天才ゲーマーである彼の力、条件が揃わなさ過ぎたか。だが前座はできた」

 

 紫の光を纏うガシャットをしまい、敵を倒しだす。

 

 響は黒い咆哮を上げ、敵と言う敵を壊す。

 

 

 ◇

 

 

≪ライトニング!ナウ!≫

 

≪サンダー≫

 

 雷撃がぶつかり合う中、剣と斧が激突する。

 

「貴様は我らと同じ怪物ッ、人に忌み嫌われ、人を絶望に起こす。それでもなお抗うか愚か者めッ」

 

「それでも、俺はライダーだ!」

 

「真の姿を見せてもまただ言えるか!?」

 

≪エクスプロージョン!≫

 

 その指輪の方角に、祈る男がいる。

 

「きさ」

 

≪ナウ!≫

 

 バニティアンデッドに変わり、それを防ぐ。緑の血をまき散らし、膝をつく。

 

「それが貴様だアンデッドッ。その姿こそが貴様なのだ」

 

 その瞬間、鏡が無数の鎖を吐き出し、彼を捕らえる。

 

「このまま鏡の栄養になれ!」

 

 

 ◇

 

 

「っ!? なに」

 

「あれは」

 

 塔がより浮上し、無数のドラゴンの顔を出す。

 

「まさか塔自体が怪物か………どうする、ブレイド!」

 

 

 ◇

 

 

【ふざけるな………】

 

 その鎖を握りしめ、力が吸われるのに抵抗する。

 

「無駄だ、怪物である貴様に、抵抗することはできないッ。その鏡は怪物の出入り口、貴様をそのまま異世界に飛ばしてくれる!」

 

 だが、

 

【俺は………俺は!】

 

 

 ◇

 

 

「っ!? なんだ………」

 

 ゲンムは手に持つ輝くガシャットを見る。

 

 それを見て、しばらく考え込み、ふんと笑う。

 

「いいだろう、神の才能を、くれてやるッ」

 

 そう言い、輝くそれらを塔へと投げた。

 

 

 ◇

 

 

「なんだっ!?」

 

「なめるなッ」

 

≪ジョーカーマキシマムドライブ≫

 

 イカデビルを倒し終えた後、ダブルは叫ぶ。

 

「彼奴は怪物だろうが関係ない、彼奴は」

 

「僕たち同じ」

 

「「仮面ライダーだッ」」

 

≪ハーフボイルド! 数えろ!お前の罪を! 名探偵ダブル!≫

 

 その瞬間、目の前にガシャットが現れ鳴り響き、彼の中に入る。

 

「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

 

≪キング!キング!キング! キングオブポーカーブレイド!≫

 

 彼の中にブレイドのガシャットが鳴り響くと共に、一つの赤と青のガシャットが降り立つ。

 

≪ラビットタンク! ウサギと戦車! ベストベストマッチ! イエーイ!≫

 

 その瞬間、一人の仮面ライダーが現れ、ソーサラーは武器を構える。

 

「なんだ、何者だっ。貴様は仮面ライダーかッ!?」

 

「俺の名はビルド、作る、形成すると言う意味の、ビルドだ」

 

 そう言い、静かにドリルクラッシャーを取り出す。

 

「さあ、実験を始めよう」

 

 

 ◇

 

 

 無数の頭部を持つ塔の怪物の周りに、ガシャットが現れる。

 

 一つのガシャットが空間から現れた。

 

 無数のガシャットからライダーたちが舞い降りて、塔のドラゴンと戦いだす。

 

 

 ◇

 

 

「あり得ない………なぜ、なぜライダーがここに来たッ」

 

「仮面ライダーはどこからでも現れるッ、大切な、祈りの声が俺たちを呼んだ!」

 

「祈りだと、あの操り人形かッ」

 

「彼の祈りは間違っていただろう。だがそれは方法だけだッ」

 

 雷を避けながら、ビルドはドリルクラッシャーを鳴り響かせ、斬り込むと共に、ブレイドも駆けつけ、共に斬りかかる。

 

「娘を思う彼の祈りは本物だッ、だからこそ俺たちは来たッ」

 

「仮面ライダーが怪人と言うのならそれでいいッ、それでも俺たちは」

 

「「俺たちは戦うと決めたんだ!」」

 

 斬撃が決まり、鏡へとぶつかるが、ソーサラーはまるで鏡と同化したように建物と一体化した。

 

【ふざけるなッ。我々は悪だッ、それ以上も以下でもないッ】

 

「貴様の価値観なんて」

 

「俺たちが知るかッ」

 

 その瞬間、二つの黒い影が壁を壊して、男とイカデビルだった男を攫う。

 

【!?】

 

「救助は任せてくださいッ」

 

「思いっきり行けライダーっ」

 

 二つの顔を見て、三人のライダーは構える。

 

「勝利の法則は、決まった!」

 

「終わりだ」

 

「決めるぜ」

 

 

 ◇

 

 

 19人のライダーが飛び上がり、各々の必殺技が輝く。

 

「セイッヤアァァァァァァ」

 

「セイハアァァァァァァァァァァァ」

 

「フィナーレだッ」

 

「だあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

 

 弾丸のように貫かれる中、ソーサラーはそれを見た。

 

 雷を纏い、キャタピラを高速回転させて向かってくるそれらを、

 

【アァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ】

 

 貫かれた中、一枚のカードが舞い上がり、鏡の破片を全てのみ込み、ソーサラーの指輪は粉々に砕け散る。

 

 二人のライダーは手を取り合い、勝利を収めた。

 

 

 ◇

 

 

「………スカイウォールが無い日本か」

 

 ビルドはそう呟くと、身体が発光し出す。

 

「どうやら、俺たちはここまでのようだ」

 

「ああ、ありがとうビルド」

 

「いやいいさ、久しぶりに………な」

 

 そう呟き、手を振るビルド。他のライダーたちも帰っていく。

 

「………俺も帰るか」

 

 そう呟き、ジョーカーは静かにその場を後にした。

 

 

 ◇

 

 

「離せッ」

 

「キャロルを確保してれば一真が出て来るッ、放してなるものか!」

 

「一真の奴、オレを忘れているな………コロス、殺して中のものを取り出す!」

 

「ねえねえわたし~、キャロルちゃんここにいるなら、私一緒に寝たいんだけど」

 

「くっつくな抱き着くなオレに近づくなあぁぁぁぁぁぁ」

 

「セレナ、あなたしばらくここにいるのね、私もしばらくいるわ」

 

「泊まりますね姉さん」

 

「翼あんがと」

 

「違う世界の奏であろうと、私と奏の仲だろう」

 

「………うまく利用されてる」

 

「オヨヨ~」

 

「もうなにも言うまい」

 

 クリスが呆れながら、そんな光景を見ていて、早く迎えに来いと、一人のライダーの顔を思い返す………

 

 一つ言えるのは、一つの親子だけは、幸せになった。

 

 ただそれだけの話だ………




別の番外編はまだやります。あと三話、気楽なものなのでお楽しみに。

それではお読みいただきありがとうございます。
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