戦姫絶唱シンフォギア/ブレイドッ!!   作:にゃはっふー

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「バトルファイトを終わらし、君の願いを叶える。だが君はそれでいいのか?」

 構わない、ただそれがうまくいくかどうかだけが心配なんだ………

「………成功はする、理論上。君の肉体を使えば、可能だ」

 なら始の為に、力を貸してくれ………ヒューマンアンデッド

「ああ、君のたった一つの願い、その先へ………」


第7枚・過去

 人類、ヒトが地球を制した背景には、進化論で説明できない理由が存在する。

 

 彼らはそれに仮定を立て、研究する機関。人類基盤史研究所、通称BOARD。

 

 その研究の中、ある事実を彼らは見つけ出す。

 

 それは統制者と呼ばれる存在により、管理された戦い。52種の不死身の存在、アンデッド、『バトルファイト』の存在。

 

 バトルファイトは、種族の始祖とも言える不死の戦士達が戦い合い、たった一人の勝者が現れるまで戦い続ける物である。

 

 敗者は統制者が管理する『モノリス』により封印、一枚のカードにされる。

 

 我々人類は、人類の始祖であるヒューマンアンデッドの勝利の下、万能の力を得て、いまの世界が生まれたのだ。

 

 だが、これはその戦いを語る物語ではない。

 

 万能の力に目がくらみ、終わりを告げた戦いを、もう一度幕開けた男。その陰謀の為に、運命に翻弄されながらも、運命と戦い続ける選択をした戦士。仮面ライダーの話である。

 

 

 ◇

 

 

 仮面ライダーギャレン、橘朔也。

 

 BOARDに所属する人間で、ある人物がアンデッドの封印を開放してしまう。

 

 結果、解放されなかった数枚のカードを利用、彼らの力を安全に運用する為のシステムとして、ライダーシステムを創り出す。

 

 そのシステムは不死身である彼らを再封印することができる、唯一の対抗策。

 

 彼はギャレンと言う第一号のライダーシステムを纏う戦士である。

 

 仮面ライダーレンゲル、上城睦月。

 

 このバトルファイトは、不完全な物と言っていい。

 

 第三者により、不完全に封印されたアンデッド達が解放されただけの戦いで、バトルファイトが新たに始まったと言うより、再開されたと言った方が分かりやすい。

 

 そのバトルファイトでは、敗者のアンデッドがいたとしても、モノリスに封印されないことを知った上級アンデッドの一人が、新たなバトルファイトに勝利する為に、彼らライダーシステムの戦士を利用する方法を選び、その所有者に選ばれた学生。

 

 最初はそのアンデッド並び、封印されたアンデッドに操られたりするが、多くの苦難を乗り越え、完全にレンゲルの力を手に入れた。

 

 仮面ライダーカリス、相川始。

 

 この物語のもう一人の主人公。BOARDの作り出したライダーシステム以外のライダーシステムを使い、アンデッドと戦い、封印できる存在。

 

 当初はすれ違う事が多かったが、その後、この後語る彼のおかげで和解し、全員が仲間として、運命と戦う道を選ぶ。

 

 仮面ライダーブレイド、剣崎一真。

 

 BOARDの新入り、ライダーシステムに適合し、BOARDに入った男であり全てを、運命を変え、そして永遠に一人戦うと決めた。優しくも愚かな男。

 

 おそらく、この本が何年後の世界で読まれていようと、いまだ一人、運命と戦う存在。

 

 彼ら四人が交差する中、運命と戦い、不死身の戦士アンデッドと、万能の力を得ようとした男の戦い。そして始まりだ。

 

 終わらせることのできない戦いを終わらすため、運命と一人戦う男の物語を語ろう。

 

 

 ◇

 

 

 翼はそう語りながら、古い本を読み上げていく。

 

 貸してもらったそれは本当に古く、そして都市伝説として語られるそれは、真実味がある物語であり、そして、本当の話だと、彼らは知る。

 

 

 ◇

 

 

 相川始は、53番目のアンデッド、ジョーカーと言う存在であった。

 

 それは統制者が課した、最後の試練。全ての生物の始祖から外れたそれは、もしも勝者になっても万能の力と、種族の繁栄は無く、世界のリセットを担う存在である。

 

 リセットとは文字通り、生命のリセット。モノリスから無数の怪物が生まれ出て、星の生命体が絶滅するまで生まれ出る。

 

 彼の勝利は新たな世界創造の為に、現在存在する生命の絶滅を意味する。

 

 これは予測ではあるが、生命のリセット後、再度バトルファイトを開催されると、我々は相川始からも聞いているため、ジョーカーは報われない戦いを永遠にする存在なのだ。

 

 我々の戦いでは、彼以外のアンデッドが封印された瞬間、統制者の意思の下、世界のリセットが始まった。

 

 すべての生物、文化、何もかもを一度無に帰すシステムは、ジョーカーである彼も望んでいなかった。彼は活動の中、人と手を結ぶと言うこと、誰かと共に生きる事の素晴らしさを知り、それを拒んだ。

 

 だが、統制者はけしてリセットをやめない。我々が助かる為には、アンデッド、全てを封印するしか手が無くなってしまう。

 

 それが例え、相川始と言う存在を慕う者達を悲しませてしまうことでもだ。

 

 その運命を壊したのは、剣崎一真の選択肢であった。

 

 

 ◇

 

 

「選択? それって」

 

 あたしは疑問に思い、翼に問いかけた。読み手である翼も首をかしげたが、

 

「ここに、別のページで黒幕の男のことが書かれてる」

 

「なんだと? それは何者だ」

 

「天王路博史と書かれてます叔父様。彼はバトルファイトを現代で再開させ、自身を研究により、最強のアンデッドになるため、人造アンデッドを創造並び変化させ、自身を勝利者にしようと、ライダーの人達も利用した。と」

 

「それは」

 

 旦那の顔が歪む。そう言ったのは旦那の嫌う人種だ。いや、誰も好きになれない。

 

 そいつは表向きにも、アンデッド解放事件の責任で組織から脱退したが、その後も裏で暗躍していた。

 

 自分が究極のアンデッドになり、現在の人類を消滅させ、新人類の頂点に立ち、万能の力を得ようと計画。

 

 だがそれは仮面ライダー達によって、阻まれた。

 

「けど、自分をアンデッドに変えたりするって話ですが、それを含めて、なにを」

 

「少し待ってください藤尭さん。どうもライダーシステムはカテゴリーA。アンデッドのカード、ラウズカードは、トランプのようなもののようです。そしてライダーはライダーシステムを使い、カテゴリーAの力を借りて変身していたようです」

 

「そう言えば、一真も響が持つ、カブトムシのAを使って、変身してたな」

 

「うん奏。ブレイドはスペード、ギャレンはダイヤ、カリスはハート、レンゲルはクラブのAで、変身してるみたいだよ。カリスはそれが無くても、他のアンデッドの姿になれたみたい」

 

「トランプ………ポーカーでは、ジョーカーは全てのカードの代わりになるからな」

 

「続きを読みます」

 

 

 ◇

 

 

 彼はライダーシステムの中で、上位アンデッドである、スペードのKと融合して、その力を行使するシステムを使用した際、その融合を遥かに超え、13枚のアンデットの力と融合した。

 

 だがそれは人の身には過ぎた力であり、彼の身体や意識は、アンデッド達に操られかける。

 

 それでも彼は、その力を行使した。

 

 最後の戦い、ジョーカーの戦いの中、その力を行使した結果、彼は死んだ。

 

 

 

 人として死んだのだ。

 

 

 

 13枚のアンデッドとの融合は、彼を新たなアンデッドへと変える。これによって二人っきりのアンデッドが世界に存在する。

 

 統制者から戦いを求められるが、彼らは戦うことを放棄。

 

 相川始は人の中で生きる。

 

 剣崎一真は、人の世から離れ、たった一人で居続ける選択をした。

 

 

 ◇

 

 

「なんだよそれ………」

 

 奏はそう呟く。私もそれに驚く。

 

 つまり剣崎さんは、ここに書かれているように、ライダーシステムがアンデッドの力を引き出す機能と適合率が高すぎて、もはや融合の域まで達してしまった人間だった。

 

 まるで響とシンフォギア、彼女のようなものではないか。

 

 だが彼の場合、適合し続けた結果、アンデッドになってしまった。

 

 そして彼は相川さんの為に、人の世界から離れたのだ。

 

「アンデッド同士が側にいれば、本能と、モノリス。統制者の意思で戦い合う宿命………剣崎さんは相川さんの為に、一人、人々から遠ざかったようです」

 

「そのような戦いが、過去にあったのか………」

 

「風鳴機関も当時活動していたはずですが………」

 

「私も疑問に思いましたが、天王路博史を調べた者は闇に消えると書かれています。もしやこの男、風鳴機関や他の国家機関ですら欺き、闇に消していたのだと思います」

 

 緒川さんの疑問にそう答える。

 

 まさかと思うが、この二課設立に深く関わる風鳴機関ですら欺き、情報を消す男。そんな男は、自分を異形の姿に変え、いまいる人類を滅ぼし、新たな人類の頂点に立とうとした。恐ろしい計画であり、思考だと思う。

 

「た、戦いは、それで終わったんですか?」

 

 藤尭さんが震えた声の中で、私は続きを読む。

 

「………いえ、どうも戦いは終わっていません」

 

 

 ◇

 

 

 その数年後、54体目のアンデッド、アルビノジョーカーが暗躍し、統制者による強制バトルファイトが行われかけるが、剣崎一真達が戦い、全てを終わらせる。

 

 だが、剣崎一真はその時、全てを悟った。

 

 おそらくだが、彼はその時に気づいたのだろう。だからあのようなことをしたと我々は思う。

 

 統制者、モノリスと言うシステムが、アンデッドの本能に働きかけ、いずれ一体になるまで戦わせようとする。

 

 これは封印されたアンデッドを管理する、元BOARD所長、烏丸啓が研究の中、封印が弱まっていると言う推測から、何十年後、またバトルファイトが始まると推測された。

 

 だからこそ彼は最低で、悲しい選択を選んだ。

 

「剣崎………」

 

「橘さん………終わりです」

 

「な、なぜ………」

 

 突如封印が解かれたアンデッドの一体を再封印した後、アンデッド解放を察し、人の前に現れた彼は、突如昔の仲間に刃を向けた。

 

 初めはアンデッドの闘争本能により、戦いだしたと思われた為、我々は困惑の中、彼と戦うことになる。

 

 キングラウザーがギャレンを討ち、ギャレンが持つカードが舞う。

 

 全て舞い上がり、それと同時に、全てのカードが剣崎一真の中へと入り込む。

 

「………行くぞ、睦月」

 

 レンゲルも同じように倒し、全てのカードが彼の中に、そして、

 

「剣崎ィィィィィィィィィィィ」

 

「始ェェェェェェェェェェェェ」

 

 その日、彼は戦わないため、最も救おうとした仲間。相川始、人を愛したアンデッドの為、離れたはずの彼らが我々の目の前で戦い始めた。

 

 二人は戦い、そしてモノリスの前で、決着を付ける。

 

 だが、

 

「ウオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ」

 

 倒されたカリスからも、無数のカードが舞い上がるが、一つだけカリスラウザーを通る。

 

 それは意思を持つように、彼に合わせるように………

 

≪スピリット≫

 

 それに驚く中、カリスラウザーを通ったハートの2も、一真の下へ飛んでいく。

 

 現れたモノリス、勝利者を宣言するために現れたのだろう。

 

 だが、

 

「待っていたぞ!! この瞬間っ」

 

 モノリスへと彼は拳を放ち、モノリスが彼の中に吸い込まれていく。

 

「俺は、俺はバトルファイトを、戦いを、封印する!! 俺の中に封印されろッ、全て、全てをッ」

 

 その瞬間、彼から理解できない音のような言葉が鳴り響き、この音が鳴り響いた。

 

≪バニティ≫

 

 それは生贄を封印し、邪神を呼び出す為のカード。

 

 彼は融合するシステム、そしてカードの力、自分と言う全てを使い。

 

 万能の力も、統制者も、モノリスも、ジョーカーも、ライダーシステムも。

 

 

 

 何もかも全て自分の中に封印した。

 

 

 

 輝きが止み、全ての力、概念、何もかも。

 

 モノリスすら、剣崎一真と言う生物の中に封印された。

 

「剣崎………お前は」

 

【全て俺の中に、アンデッド、モノリス、万能の力。全てを封印した………】

 

 そして彼は手を掲げた。その手のひらから光が現れ、無数の空間に亀裂が走り、いくつもの光が空間を壊して溶け込む。

 

「これ、は………」

 

【アンデッド達の意思、始祖である彼らの、彼らだけの新たな世界を創造したよ。俺の願い、全ての救い】

 

「剣崎、お前、まさか全てのアンデッド達の世界を、創り出したのかッ!?」

 

 それに静かに頷く。彼は全てのアンデッドの意識を別の次元に送り、新たな星、新たな世界で、始祖になる権利を与えた。

 

 そう告げたとき、我々は相川始から流れるそれを見て、全員が驚愕する。

 

「これは………」

 

【人間になったんだ、お前は】

 

 相川始から赤い血が流れる中、我々の前にいるのは、もはや始祖でもなんでもない、ジョーカー(怪物)と化した、彼だった。

 

【万能の力、その名の通りだ。統制者から無理矢理奪ったかいはある】

 

「剣崎………お前、お前はどうなんだッ。例え統制者がいなくても、意識を奪われなくても、アンデッドの本能がお前を獣、怪物に変えるッ。お前だけ永遠を生きると言うのか!?」

 

 その叫び声を聞きながらも、彼は何も答えず、静かに後ろに下がる。

 

 後で分かったが、彼は統制者やモノリス。バトルファイトを統制する力、バトルファイト関係、万能の力もまた己の中に封印した。

 

 だからと言って、アンデッドである限り、他の生物との闘い、闘争本能は消えない。

 

 永遠にそれと戦い合う関係に、彼はなった。

 

【始、お前は人間たちの中で生きろ………これは俺だけが背負う。もう二度と、バトルファイトは起こさせない、もうお前は、運命から解放された】

 

 彼は穏やかに言うが、その時の我々は、叫び声として放たれる。

 

 彼はアンデッドの戦うと言う本能と戦いながら、いずれ一人になる。我々は人間、彼は不老不死の存在。それがどういう意味かはすぐに分かった。

 

「答えろ剣崎ッ、お前だけ、お前だけに俺達は、全てを背負わせるのか!!?」

 

【俺はこれでいい………幸せになってくれ。さよなら、みんな………】

 

「剣崎ィィィィィィィイイイイイイイ」

 

 それが我々が最後に見た、彼の姿だ。異形になった彼だった。

 

 彼は世界でたった一人、いまもなお一人戦う。

 

 独りぼっちと言う運命と、いまも戦っている。

 

 私がこれを書き上げている中、紛争地域などに謎の化け物が現れ、人々を救うという都市伝説が語られる。

 

 これは都市伝説では無く、一人運命と戦う選択をした、一人の怪物の物語。

 

 どうか彼が何年後、何十年、どれほどの時が過ぎても、一人でいないことを祈ろう。

 

 

 ◇

 

 

「白井虎太郎………」

 

 その言葉に全員が黙り込む。

 

「この話、もし本当なら」

 

「彼は不死身の存在であり、全ての始祖を取り込んだ、元人間………」

 

 驚きを通り越して信じられない。だが、合点が行く。

 

 彼はこうして人で無くなり、響を始めとした者達を守る為に戦う。

 

 ずっと一人で………

 

「本では、組織の情報などは、当時の所長が全て闇に消し去った。残ったのは都市伝説としての物語だけと書かれています」

 

「すでに話に出た人物の情報操作と相まって、それで完全に組織の情報が消されたんでしょうね」

 

「全部背負ったと言うのか、彼は。なにもかもッ」

 

 そしていまも背負い戦う。

 

 彼は静かに、運命と戦い続けていた。

 

 

 ◇

 

 

「………響」

 

 響は一人小さく座り込み、帰りを待っていた。

 

「遅い」

 

 小さく呟きながら、その手を握る。

 

 隣に座り、それに体重を預けて来た。

 

「一真、一真はこの世界をどう思う」

「俺は」

「私は一人だよ一真、ううん。一人がいい、一人ならもう」

「………響」

 

 そして静かに眠りにつく、膝を枕に、手を握りしめながら、

 

「………俺は」

 

 いつからか分からない。あの日、クリスと出会った日から、俺は人の意識を取り戻した。

 

 人として、剣崎一真としての人格なんて必要ない。

 

 長い時の中、俺は獣と人、その繰り返しの中に意識を置いていた。

 

 だが時折取り戻す人の意思が、俺をクリスと会わせて、五年も維持される。

 

 クリスと言う少女の面倒を見ながら戦う中、俺は人としての色々な感情を取り戻した。

 

(俺はクリスを失い、今度は響で繋ぎ止めている………)

 

 やはり俺は、一人が嫌なだけなのではないか?

 

 本当は救いたいと言っていながら、救われたいから、響を縛り付けているのではないのか。

 

「………響」

「かずま………行かないで………」

 

 小さな声で呟かれた言葉が、心に響く。

 

「響、一人ってのは辛いよな。苦しいよな………だから、必ず」

 

 握りしめながら、クリスを思う。

 

 あの子も救う。俺が俺であるために………

 

 

 ◇

 

 

「あたしはなにしてるんだろうな………」

「奏………」

 

 全てを話し終え、小日向、リディアンの生徒が帰ってから、もうぐちゃぐちゃだ。

 

「助けたと思った子は、あんなになるまで心が壊れてて………生きるのを諦めるなって言っておきながら、その後なーんもしないで」

「奏………」

「………あの日から歌いたいって思うことより、ノイズをいち早く倒すことが一番って思って、翼のフォローに回ったからよくなったと思ったけど、全然じゃねぇか」

 

 もうあたしは疲れてきた。全部彼奴、一真に任せてしまってる。

 

 そう考えていると、パンッと言う音が鳴り響いた。

 

「………」

 

 痛いと言う感情より、目の前の、泣いてる相棒が視界に入る。

 

「私とて同じだッ!!」

 

 そう叫び、その場に座り込む。

 

「何が剣だ、何が防人だッ!? 本当の防人、剣が人の世から離れ戦っているのに、私は気づかなかった。響のことは私達の責任だっ、奏一人で背負わないでくれッ」

「………翼」

「まだだ、剣崎さんが言ってたじゃないか。『人じゃないといけないのに』と………彼は響が救われてほしいと思うから、奏が来ていることに何も言わなかったんじゃないのか!?」

「それは」

「私達はもう過去の立花響を救えないのかもしれない、けれど、いまの彼女を救おうとするのは彼だけじゃない。彼は諦めないと言っていたじゃないかッ」

「!」

 

 そうだ。彼奴は、響が救われることを、諦めていない。

 

 どんな状態であろうと受け入れてる。諦めていないと言っていたのに、

 

「なにあたしは………勝手に救った気になって、勝手に諦めて………あたしは」

「考えよう、私達がするべきこと。彼がいまに繋げた可能性、響を救う。あの子が本当に幸せなことを。剣崎さんが傷が治るからと言って傷つけるような、あの状態だけは間違ってる」

「………今度は傷付けるかもしれない」

「それでも、あの状態が救いでない」

「………ああ」

 

 諦めない。響の為にも、一真の為にも。

 

 あたし達も諦めるわけにはいかない。

 

 

 ◇

 

 

「一真………」

 

 目を覚ますと一真はいない。一真のコートだけが私にかけられていた。

 

 一真がいない中、私は一人小さくなりながら座る。

 

 彼奴は誰かの為に戦う。私だけじゃない。

 

「あめ………」

 

 その日の雨が降る日だった。

 

 私はあの後倒れ、一真に救われたんだ。

 

 一真………

 

「私には、一真しか」

 

 その時、私はある子を思い出す。まだ親友と呼べていた頃の、あの子を………

 

「違うッ、ダメだっ」

 

 そう言って、雨の中小さくなる。

 

 一真に側にいて欲しい。一真しか側にいてくれないんだ。

 

 一真しか………

 

「一真………」

 

 私は一真がいなくなった後、ただ静かに一真を待つ。

 

 世界で私の側にいてくれる。優しい化け物を待つ………

 

 

 ◇

 

 

 全部話を聞いた。響のこと、剣崎一真と言う人のこと。

 

 私はどうすればいいのだろう? どうすればいいのか分からない。

 

 初めて学校を休みたいと思う中、私は、

 

「………えっ」

 

 雨の中、倒れている赤い服の子と出会う。

 

 そして交差する物語は、どんな変化を起こすか、誰も分からない。

 

 

 ◇

 

 

 二人の人間を救おうとする。だが反発するように争い、どちらの少女も心が壊れかけている。

 

 俺はもう救えないのか?

 

「いや」

 

 ………諦めない、俺は、俺である限り、救いたいと願う限り、

 

「諦められないんだ………俺は、弱いな………」

 

 そう思いながらも、ただ足掻くことしかできず、クリスを探す為に、歩き続けた。




彼は仮面ライダーブレイドの物語に、何度も統制者、モノリスのバトルファイト再開があった世界の剣崎一真です。

選んだ選択肢は、バトルファイトでモノリスや統制者の不意を衝き、バニティカードで取り込むと言う選択肢。

万能の力を先に取り込み、それを使いさらに統制者を初めとした者達を自分の中に取り込む。

それが彼が思いついた、バトルファイトを本当に終わらせる選択。アンデッドと言う存在と融合、適合できる自分が選べる方法と思い、行動しました。

こうしてたった一人のアンデッドだけが残り、バトルファイトは幕を閉じたのです。

それでは、お読みいただきありがとうございます。
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