よろしくお願いします。
「おはよー」
ガラガラッと音を立て、扉を開ける。扉を開けた先には俺のクラスメイトがいた。
「おういえー!おっはよ、龍一くぅーん」
この男は俺の親友の緑 賢治(ゆかり けんじ)で大抵こいつと学校では喋っている。見た目はイケメンだ。
「おっはー佐々木ー」
この女は田中 美羽(たなか みう)で賢治のつれとしてちょくちょく喋る感じだ。見た目は少し小さく可愛らしい。
「オハヨウ!りゅういちくン」
この変な喋り方の男はエドガー・クリューガー。帰国子女だ。転校してきた日に話しかけに言ったら懐かれた。見た目はゴツイ。
そして俺の名前は佐々木龍一(ささきりゅういち)だ。見た目は中の上だと思ってる。...多分だけど。
こんな感じのクラスメイトだから結構楽しく学校生活は過ごせている。
その四人で適当なことを話して今日もいつもと同じように朝のHRは過ごそうと思う。
そう思っていたが、いきなり教室が光で包まれた。
目を開けるとお金持ちさんたちがいっぱいいるような所だった。まぁ簡単に言っちゃえば昔のお城の中って感じだ。
真ん中には王様みたいな人が王座のような場所に座っており、その周りには鎧を着た人たちがいた。
クラスメイト全員が来たようで、みんな混乱していた。
「どこだここ?」
「んだよこれ!!」
「ここどこよ!」
「さっきまでの教室ハ?どこ二?」
うるさいぐらい騒いでいる。うるさい。
まぁ俺も心の中ではパチくってるけど...。
「おぉ、異世界の住人達よ。早速だが私たちの国を救って頂きたい!」
「お願いします!異世界の住人の皆様!」
その人たちの話を聞くと戦争を他の国としていてそれに勝てば俺達を元の世界に返してくれるという。勝てば、か。
さすがに勝手過ぎない?と疑問に思ったがほかの人が代弁して言っていたので口には出さない。は?戦争に勝てば返すのだから別にいいだろうって、言い訳になってないだろ。馬鹿か?
まぁもう起きてしまったことは仕方ない。
異世界人は能力を保持しているらしい。だから戦争に参加させようとしたのだと。ほんとに勝手だなぁ。
なんか目に変なの付いてるおじいさんが出てきた。
能力を見るから並んでくだされと言われ何人かは興奮しながら、何人かは渋々となどそれぞれの反応があった。ちなみに俺は興奮している方だ。
次々と能力を見られていく。思ったよりクラスメイト達はノリノリのようだ。みんな凄いものばかりらしく、さっきから驚かれてばかりだ。よく分からんな。
俺の番だ。何が出るかな。何が出るかな。....
あれ?俺のは.... 【1+1=■■】なんじゃこりゃ?
よく分からないけどゴミ能力らしい。
【1×1= 】というスキルを持った人が前に現れたらしい。弱かったらしいけど。世界No.24393って言われた。ほかの人に教えないよう言われた。なんだろう世界No.って。まぁいいや、後からわかるだろ。
ほかの人の能力を詳しく知りたくなってきたので聞いてみることにした。
「おーい賢治ー能力何だった?」
「おー龍一。えーと【身体能力強化】だってー」
「なんか強そう...。俺なんて【1+1=■■】だってよ。意味わからん」
「うわー...なんか言いにくいけど、弱そう」
「うるさい」
とりあえず戦争に参加することになった。剣を支給されて馬車で移動し現地につくと速攻で走らされた。もう戦争に参加するのか。早くね?
敵がいっぱいいて魔法を使うようだ。いいなーあれ。
気軽に戦争に参加した俺だったがその怖さがだんだん分かってきた。俺は特に戦っていないため(能力の使い方が一切わからないから)傷は付いていないがもう死にかけてるクラスメイトもいた。
とうとう死人が出た。全く喋ったことないやつだが少なくともクラスメイトだ。心が痛い。今まで普通に高校通ってたクラスメイトなのにな。
クラスメイトが次々死んでいく。あれ?俺ってなんでこんなところに来てるんだ?普通の高校生じゃないのか?
残り四人になった。嘘だ。
いつも喋っていたメンバーが残った。少し心強い。
やっぱりスキルの使い方もわからない。やばい
目の前が真っ暗になった。魔法で打ち抜かれたらしい。
俺が目覚めた場所は城の中の救護室だった。
すぐにクラスメイトの所に向かった。どこにいるか分からんけど。
いた。この扉の先から声がする。開けようとしたが、話が気になって手に力が入らなかった。
「あいつ、あのまま死んでいてくれるといいな」
「ね。だって話しててつまらないし使えない能力だし」
「んなこと言うなヨ。可哀想そうではないカ」
あいつって誰だ?俺じゃないよな。だってみんなが言うわけないじゃん。
「ねぇ、皆様。あいつあいつと言っておられますが誰の事なのですか??」
俺の心臓がバクバクと音を立てる。俺じゃない。俺じゃない。オレじゃない。オレジャナイ。
俺じゃ───「ああ、姫様はよく分からないか。龍一の事だよ」──え?
「だって龍一、戦争で役立たねぇじゃん」
「肉壁にもならないでしょうね」
「ハハハまぁ、龍一だしネ」
嘘だ。嘘だ。嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ.....嘘だ。
俺は逃げ出した。何故か簡単に城から出れた。
もう嫌だ。こんな能力の俺も嫌だし、あいつらも嫌だ。
俺は走った。後先考えずに。走って走って走って走って走った。それこそ倒れるまで。
そして倒れた。ここがどこかわからない。変な森だ。目を凝らして見ると何かがいた。こちらに向かってくる。
ライオンみたいな見た目だ。いやライオンではない。翼が生えてたり尻尾に蛇がいるなんてライオンじゃない。化け物だ。
体が動かない。意識ももう落ちる寸前だ。これで俺の人生終わりか....。
なんか嫌な人生だったな。いきなりこんな所にきて、死にかけたり裏切られたり....今更思ったけどとろくなことないな。
ならいっそ意地汚く悪あがきでもするか。
「誰かぁぁぁぁぁ!!助けてくれぇぇぇぇ!!!猛獣がこっちに!!!」
もう森全域に聞こえるくらいの声を出した。誰か来てくんないかなー。
もう無理だ。猛獣の口が身の前で綺麗に開いている。サヨナラ。俺の人生。バイバイ異世界。
「ぜぇアア!」
アニメだったらシャキンッ、という音かつきそうな程綺麗に剣が振り降ろされた。目の前で。
「よく助けを呼びました。ヒーローの到着です」
目の前には体全体を鎧で纏った人がいた。その人の手には綺麗な剣があった。
「大丈夫でしたか?」
問いかけてくるがもう意識が落ちる。ごめんな...さ..。
異世界での2度目の目覚め。ここはどこかわからない。木造で綺麗な所だ。
何処からか美味しそうな匂いがする。その方向に向かってみると、料理を作っている女性がいた。
「あ、起きましたか」
「ど、どうも」
誰だ?この人。
「お腹すいてませんか?」
「え、えーと、空いてます...」
「じゃあそこに座ってください」
「あ、はい。っていや、どなたですか?」
「あ、そう言えば言ってませんでしたね」
忘れていたようだ。
「私の名前はマリー・ドラゴ。世界No.2です」
「へぇー」
「驚かないのですか!?」
「いや、それより俺との接点を教えてくれると....」
「ん?あー気づいてなかったんですか。私はあの猛獣を切った者です。気づいていないとかじゃなく記憶がなかったです?」
この人が鎧を着た人だったのか!じゃあ命の恩人じゃないか!
「助けていただきありがとうございました!」
「わ!」
わ?驚いたのか?可愛いな。
「.....コホン。そこまで言われる筋合いはありません。貴方の運が良かったのです」
どういうことだ?
「なぜなら私が近くにいたからです。貴方の運がよかった。貴方が最後まで足掻いたから私は来たのです」
「いやそれは貴方が...」
「だから誇っていいのです。貴方が勝ち取ったものですよ」
何が言いたいんだ?この人。
「だ、だから貴方が倒したようなものです」
「いや違うだろ」
「え?」
「え、あ、いや。あなたの力で倒したのだから貴方が倒したのだと思うんですけど」
「........」
黙ってしまった。えー...なんでー....。
「あのー」
「うっうっ。」
「え?」
「うわぁぁぁん!!」
泣き出したよ。この人。まじで何がしたいかよくわからないな
「ご、ごめんなさい」
「本に書いてあったのに〜!!何で〜!?ヒック!うぅぅ」
「書いてあった?」
「ううぅぅぅ、これを言ったら感動して泣き出すってヒック」
「えー...」
なんかこの人、美人なのに勿体ないな。これが残念美人って奴か。
「とりあえず泣き止んでください」
「うん...」
か、可愛い!!
あの後なんとか落ち着いてくれて、俺の出来事の話をした。
「それはそれは、クズですね」
「そうですよね。でも前まで仲良かったのに...」
「いえ、そっちもそうですけどクズは召喚した人の方ですね」
「え?そうなんですか?」
「はい、恐らくそれはブロリア王国の王でしょう。傲慢で有名です。友達の方は会ってみないと分かりません」
「.....分かりました」
「とりあえず今日は此処に泊まっていくと宜しいでしょう」
「いいんですか!?」
「ええ。困ってる人を見ると何かしなきゃいけないという衝動に駆られまして」
カッコイイな〜。...さっきのは置いといて。
「ではそちらで寝てください」
「分かりました。ありがとうございます」
「いえいえ、ではとりあえず食べましょう」
はッ、そういえば。
美味すぎるぅ!
美味しかったです!(1年生風)
はい。ということでアレからある程度時間が経って夜になりました。
「これからどうしますか?」
「これからか....」
あんまり考えてなかった。復讐の事しかあまり考えて無かった。
住む場所、食べ物、お金。諸々持ってない。オワタ。
「えーと..」
「住む場所ないんですよね?」
「はい...」
「じゃあご飯と私の家に住む権利を与えてあげましょう」
「ホントですか?」
マジか!ラッキー!こんな美人と一緒に住めるなんて...!
「では、よろしくお願いします」
「はい。分かりました」
優しく微笑んだ顔で俺を見ていた。
「ではこちらで寝てください」
「ありがとうございます。じゃあまた明日」
「はい。おやすみなさい」
フゥー明日のため今日は早く寝よう。
...あの人のおかげで忘れられたけど、 .....裏切られたんだよな。裏切られたんだ。裏切られたんだ。
復讐、か。どうせやることないし一矢報いてやるか。
あのむかつく顔に。そしてあの王をぶち殺す。
「....これで良かったんですか?」
「ええ。これで良かったんです。ご協力ありがとうございました」
「これデ、龍一を殺すのを辞めてもらえるんですネ」
「ええ、殺すのは辞めます」
「これで龍一は、これで....。ごめんね龍一ぃ...」
「何故泣いているのですか!!あのスキル【1+1=■■】がどんな動きをするのか!どんな能力なのか!復讐というのは実に素晴らしいのです!力を限界まで振り絞ってくれる!
さあ、上手く踊って見せなさい。【1+1=■■】!!」
彼女は水晶の前で笑う。周りの者を嘲笑い、水晶の先の龍一に対しても、彼女は嘲笑う。
多分もう出ません