"要塞空母デスピナ" スターティングオペレーション!   作:SAIFA

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最後の更新から約半年も空いてしまいましたが、ようやく一話仕上がりました。
ロクに進展がありませんが……。

一話あたりの文章量が少なくても、短い間隔で投稿している方が羨ましく思います。

12月9日(日)、サブタイトルを書き忘れていたため、追記。


第17話:まともな寝床とちゃんとした食事、そして給仕さん。

デスピナ「知らない天井だ……」

 

この上無くはっきりとした意識で、頭脳の覚醒を確かめるように呟いた。

 

今は何時、いや何日だろうか。

天井の照明は点いておらず、俺の寝ている所の左側に見える窓からは光が差し込んでいる事から、少なくとも夜が明けた事は分かる。

もしかしたら丸一日以上寝てしまい、日付的には2日後になってしまった事も一瞬考えたが、先日の疲労具合を鑑みても24時間越えで寝過ごすなんて事は……あるのか? どっちにしろ、仰向けに寝転がったままの体勢からは推測が難しく、体内時計を少しでも澄ますためのそのそと上体を起こす。

 

俺を寝かせるにあたり紺色の学ランと帽子は脱がされており、すぐ左手にハンガーで引っ掛けられていた。ズボンと、学ランの下に着ていたらしいワイシャツは、どうやらそのままだ。ヘッドセットは、おそらく艤装と一緒に外され、保管されているのだろう。手元には無い。

 

起こしながら、先夜(せんや)までの事を軽く思い返す。上体が起き上がるに従って、掛ける意味があるのか分からないシーツがずり落ちた。

 

無茶をしたものだ。振り返れば艦娘達と邂逅するよりも前に夜は5回も訪れたと言うのに、眠くならないのを良い事にぶっ続けで寝ずの航海を続けた。

その結果が、合流後の警戒航行に悪影響を及ぼす程の疲労と寝不足に繋がり、挙句には昏倒し、どこかの施設のベッドで寝かされると言う始末である。

いつだかに副長も言っていたが、デスピナ艤装の妖精だけでも周辺警戒と機関・舵の制御、兵装の操作は出来たのだから、変に気張り過ぎず頃合を見て少しでも寝ておけば良かった。

 

デスピナ(まぁ、航海……じゃなくて、"後悔先に立たず"とも言うし、最終的には翔鶴さん達と神通さん達の誰にも轟沈者は出なかったし、初陣にしては頑張った方だと思いたいけど……)

 

良いのかねぇ、こんな調子で。

自分の体調管理もマトモに出来ないのに、世界救うとか夢のまた夢だろう。俺の要塞空母デスピナとしての能力を持つ艤装の運用や維持管理をする都合上、やはり俺は日本海軍のいずれかの鎮守府、あるいはどこかの国の軍事組織に身を置くことになるだろうから、先日のような無茶は尚の事出来なくなる。いや二度とやりたくもないけどね。絶対上官や先輩にひっぱたかれるわ。

 

デスピナ(いや待てよ、今の俺はEDF海軍と言う近未来の軍隊で建造された要塞空母艦息、やっぱり戦艦や空母あたりの大型艦娘の下に就く事になるだろうから……ワオ、二次元世界の美人に平手打ち食らうとか何それ超俺得じゃ――)

 

――なんて事考えてる場合じゃ無ぇよバカ。

 

上体を起こした状態――なんつって――で部屋を見渡すと、どうやらこの部屋は医務室か、休養を取るための部屋らしい。頭の位置が壁際に来るように、サイドテーブル付きのベッドが間隔を空けて3台並べられており、反対側の壁にも同様に3台並んでいた。艦これ基準で丁度艦隊一つ分だ。

俺が寝ていたベッドから見て左手に、ベッドを2つ挟んだ壁に窓が取り付けられている。右端から左端まで、よくある左右にスライドして開閉するタイプの、クレセント錠つきのガラス窓だ。締め切られているが、カーテンは開けられているので外の景色が見える。

一方窓の正面の、俺から見て右手の壁には、前後でずらして2枚設置するタイプの引き戸で塞がれた出入り口が一つ。ドアの左右には、壁際に丸椅子が3つずつ置いてあった。

 

窓とドアの造りやパッと見の材質や色合いから、技術レベルは前世と同じくらいだろうか。

 

掛けられていたシーツを取り払って足元で一回だけ畳み、ベッドから降りて靴を捜す。ベッドの足元に揃えて置いてあった。

靴を履いて窓の前に立ち、外を眺めると、そこは一面の木、木、木。海じゃなくて木。更に言えば樹。

この医務室のような部屋(以下便宜的に休養室と呼称する)がある建物自体が内陸部にあるのか、それとも単に敷地内に植えてある幾本もの木が目の前に来る位置に窓があるだけなのかは分からないが、先日到着した場所が横須賀鎮守府であろう事を考慮すれば、ほぼ後者であろう。万が一近海に深海棲艦が現れた場合に――そんな事になったらもう横須賀港一帯が壊滅しそうだが――、休んでいる味方を敵からの砲撃で負傷させないための設計だろうか。この施設の位置が分からないから何とも言えないが。

木々にあたる光具合から時刻を予想してみる。空は雲で真っ白なため、昼らしい事以外は分からない。

 

振り返ってみると、窓向かいのドアの上部の壁に、アナログ式の時計が設置されていた。耳を済ませると、数メートル離れた窓辺にも、カチッカチッと、秒針が時間を刻む音が聞こえて来た。

その時計によると、現在時刻は12時少し前のようだ。時計が狂っておらず、通り過ぎた日付変更時間が1回だけだと仮定すると、かれこれ13時間は寝続けていた事になる。

 

デスピナ(寝過ぎだろ俺、超健康的……なわけあるかい。どう考えても、昨日までの無茶の反動をもろに受けたな)

 

もう少しだけ部屋を見渡してみるが、ベッドの1つ1つを囲ってカーテンを閉められるように天井に取り付けられたレールと、時計の右隣にある屋内放送用のスピーカーくらいしか、目に止まる物は無かった。

 

仕方も無いので、大人しく元々寝ていたベッドへ戻り腰掛ける。なんとなく、足も乗せる前に脱いだ靴は元々揃えてあった位置に戻し、さっきの"上体を起こした状態"を再現する。あ、シーツも掛けないと。

 

改めて、今後について少し……いや、"今後"と言う程先の話では無い事について思案する。

 

一つは、先日散々カッコつけておいてぶっ倒れた事がとても気まずいため、あと20分くらいは――ここが艦娘の所属する鎮守府であるのなら――誰も来ませんようにと言うしょうもない願い。

もう一つは、起きた時から徐々に空腹によってお腹が痛くなり始めたため、誰か、軽食でも良いから、何か食べるものを持ってきてくれないだろうかと言う生理的欲求の解消。思案と言うには随分と安っぽいが、俺の心身の健康上とても大事な事だ。

 

デスピナ(いっそ、もう一度寝転がって二度寝してしまおうか……)

 

とも思ったが、最小でも13時間近く眠りこけた俺の頭脳は完全に覚醒しきっており、身体の方も眠りすぎと空腹による倦怠感によって、これ以上の睡眠を拒否していた。

あくまで医学のいの字も分からない俺の推測だが、身体に備蓄してあったエネルギーの素である、炭水化物やらブドウ糖やらが睡眠によって脳に回された結果、"頭は起きているが身体は寝ている"かのような今の状況に繋がっているのではないだろうか。

 

取り合えず、背筋は伸ばさず猫背に、頭は垂れた状態でボーッとして時間を潰してみる。別に誰も見てないから、少しくらい姿勢悪くたって良いよね。

 

 

 

 ……ツカツカ――

 

デスピナ(……ん、誰か来たか?)

 

暫くの間項垂れていると、廊下から何やら聞こえてきた。音は規則的なリズムで、段々と大きくなり、発生源はこちらに近づいて来ているようだ。

大方人間か、それに類する人型の生命体の足音だと思われるが、ここが高確率で横須賀鎮守府である事を鑑みれば(確証は全く無いが)、ほぼ確実に艦娘の誰かと言う事になる。

 

 ツカツカツカ――

 

デスピナ(ちょっと待ってちょっと待って待て待て待て……!)

 

うわ、本当に誰か来てしまった。まだ心の準備が出来ていな――て時計の短針と長針は12時過ぎを示しているからそろそろ20分は経過した事になるし、変な風に俺の願いが通じてしまったようだ。

それならいっそ、前世では原作艦これゲーム内でプレイヤーの分身として艦娘を指揮する立場であった提督にきて貰えれば……いやいやそんないきなりエライ階級が高い人に来られたら余計に俺の心の準備が不足しているわけであって……。

 

 ツカツカツカ――

 

デスピナ(ひぇーッ!)

 

もうすぐ傍におる! ベッドの足元から右手にあるドアから数メートル以内のところに確実におる!

よしOK、いや何がオーケーだよ。そうじゃなくて、アレだ、今近づいて来ている人はきっと……そう、鎮守府の職員だ、それも人間の! 階級そこまで高くない、それでいて俺の昨日の失態について深く知ることも無く、詮索する事も無いであろう普通の人間なんだ。そう言うことにしておこう。でないと俺の心が緊張でヤバい。

 

 ツカツカ……――

 

ピタリ、と足音が止んだ。しかもこの休養室のドアの前で。

 

デスピナ(そしてその人間(ひと)は、鎮守府で勤務するスタッフに配給される、中途半端に冷めた仕出し弁当を持ってきてくれるんだ。あ、でもこの部屋は病室っぽいからプラスチックの容器に配膳された病院食的なものがプラスチックのお盆に載せられて運ばれて来るんだ。きっとそうだ絶対そうだ)

 

 コンコンッ――

 ガララッ――

 

目の前のスライド式のドアがノックされ、開かれる音を聞きながら、俺は半ば現実逃避とも取れる妄想を以下の形に完結させた。

 

デスピナ(提督以下、艦娘以外の、鎮守府勤務でいて事情に深く関わらない、何て事の無いごく普通の一般職員がお昼ご飯を持って、職務以外に他意は無い事務的な感じでお見舞いに来てくれた筈だッ!)

 

現実主義者じゃ無かったんかい。思いっきり妄想に逃げてるじゃねぇか。

 

しかし、いくら俺が念じようが思考だけ現実から逃避しようが、いっその事この休養室には何の用も無い清掃員のおじさん的な人が通り過ぎるだけでありますようにと強く願おうが、結局の所この部屋に――つまりは俺に用がある人物や立場が入れ替わる筈も無く、彼女はドアを開け、当人から見て左手のベッドを見やり、上半身を起こして固まる俺の姿を認めたのだった。

 

 

 

緊張しまくる時と言うのは、大抵、事情が訪れる直前だと、俺の短くてあまり参考にならない人生経験は語っている。

具体的には、高校の入試の際とかである。とか、と言っても、俺の前世は高校生の内に終わってしまったので、それ以外の事情は経験した事は無いのだが。試験開始のチャイムが鳴る寸前まで暗記するのに使った蛍光ペン跡だらけのノートや問題集を眺め、心臓の鼓動が体全体に伝わったりするあの感覚を、俺は今先ほど久しぶりに経験した。

 

いや、実際には4日前の6月17日にも、翔鶴さん達と通話する時に、艤装のシステムリンク機能を使って通話リクエストを発信して同じ経験をした事があった。

 

では通話で同行許可を得て、実際に会って会話した事がある相手であれば、少しはその緊張が和らぐのかと言えば、全くもってそんな事は無い。

 

翔鶴「お口には、合いますでしょうか?」

デスピナ「ムグムグ……はい、美味しいです」

 

ちゃんと飲み込んでから返事したからね。

結局、俺が寝ていた休養室にやって来たのは、昨日まで同行させて貰った横須賀鎮守府所属の機動艦隊旗艦である翔鶴さんだった。

しかも、俺が起きる頃合を見計らい、わざわざ鎮守府の食堂で出されていると言う昼食まで賄って頂いたのだ。

それも会社の仕出し弁当のような安っぽいものではなく、プラスチックの四角いトレーの上に、器ごとに盛り付けられた、定食形式のちゃんとした"食事"である。

陶器の茶碗に程よく盛られた白米に、木製…に見える塗装を施したプラスチックの丸い容器(ふた付)に注がれた味噌汁、長方形の浅い皿には焼いた鮭の切り身が一つと千切りキャベツの小山、そして、小皿にはお新香が少々。

 

翔鶴さんが運んで来た時には、ご飯と鮭の皿にはラップフィルムが掛けてあったが、水滴の付き方から、まず作り立てからさほど時間が経っていない事が分かり、いざフィルムを剥がしてみると僅かに湯気が立ち、熱気が感じられた。

 

そして今俺は、ベッドのすぐ右の丸椅子に腰掛けた、一度限りの給仕さんを視界の隅に捉えつつ、ベッドの上に天板が来る構造のサイドテーブルで、今まで食べた中で最も美味しい鮭の塩焼き定食を夢中で頬張っている。

元々、前世から好き嫌いは無い嗜好ゆえ、出された膳は全て平らげるつもりではいたが、思い返せば、翔鶴さん達と合流するよりも1日前だか2日前だかに口にした、テキトーに釣った変な魚を雑に焼いたモノ以来のちゃんとした"食事"である。

あの時食中毒にならなくて良かったぜ。

何気に転生して以来始めての他人が作った食事でもある。

 

"空腹は最高のスパイス"とは誰の格言だったか。

どうでも良い。腹が減った時には何食べても美味いのは誰もが分かりきっている事だ。もちろん俺にも分かる。

 

一つ、また一つと器の中身を空にする。

全て平らげるのに、さして時間は掛からなかった。

 

箸をトレーの手前に揃えて置き、食事を用意して頂いた鎮守府の食堂の方と、俺の所まで持ってきて頂いた翔鶴さんに感謝の意を込めて手を合わせる。

両手でトレーを保持しながら一人で歩いて来た事を鑑みるに、どうやら身体の負傷は完治したようだ。服も真新しい。

 

おっと、食材への感謝も忘れずに…と。

 

デスピナ「ご馳走様でした。美味しかったです」

翔鶴「お粗末様でした。"いちばん高いやつ"ではありませんが、良かったです」

デスピナ「…? あぁ、アイツの言っていた事は気にしないで下さい。――あっ」

 

忘れてた! 俺にとってはこの世界で生きていく上でのガイドも兼ねる最も大事なデスピナ妖精達(アイツら)の事すっかり忘れてた!

俺は、空になった食器類が乗ったサイドテーブルを壁際に戻す翔鶴さんに向かい、彼らの所在を尋ねた。

 

デスピナ「あの、俺と一緒にいた、副長と砲雷長と…あとクゥと航空隊の皆は?」

翔鶴「デスピナさんの艤装の保管場所に、一緒にいますよ」

デスピナ「そうですか……すみません、お手数なのですが、あいつらにも何か、その――」

翔鶴「はい。あの子達もお腹がすいているみたいでしたから、小さめのおにぎりを、いくつかお渡ししました」

 

何かテキトーに角砂糖でもやってくれ、と言おうとしたのだが、結構な好待遇で良かった。いや、俺のアイツらに対する扱いが雑なのか。

いずれにせよ、今後は――と言うより最初からだが、デスピナ妖精達は皆俺の指揮下で動く事になるわけだから、アイツらの健康管理もしっかりせねば。

 

デスピナ(小さめの握り飯か、どんなだろう。大方小さい丸型か三角型のやつを2~3個くらい分けさせているのだろうが、もしかしたら、あいつらのサイズに合わせて少ない米粒で妖精さん用のバクダンオニギリでもわざわざ用意したのだろうか。アイツらめ、感謝して食えよ)

 

改めて給仕さん、もとい翔鶴さんに向かって頭を下げる。食事を持ってきて頂いてから食べ終わるまでの約10分の間、俺の昨日までの"失態"について謝罪出来ずにいた。

 

デスピナ「そうですか……色々と、ご迷惑をお掛けしてしまいました」

翔鶴「いいえ、私達の方こそ、終始デスピナさんに頼りきりになってしまって、ご無理をさせてしまいました。本当に申し訳ありません」

 

俺に習うように、翔鶴さんも頭を下げた。

頼りきり、と言っているあたり、一応は俺のお節介――ありがた迷惑とも言う――が役に立っていた事にして貰えているようだ。そのお世辞への感謝も兼ね、重ねて俺は詫び台詞を続けた。

 

デスピナ「ですが、皆さんを戦場で不用意に呼止め、自身の体調の管理もまともに出来ずに、勝手な無理をしたのは私です。挙句には倒れてしまって、お手数をお掛けしました。こちらこそ、申し訳ありませんでした」

 

前世では特に何とも思っていなかった全国のサラリーマンのビジネスマナーや、進路指導担当の先生達のご教授が恋しくなったのは久しぶりだ。

何とか有り合わせの知識で、出来る限りの謝罪の意を表したつもりだが、生憎、コミュ力が人並みかそれ以下だった俺には、場面ごとの喋るときの速さだとか、相手の目を真っ直ぐ見つめるべきか足元に落とすべきかとか、細々とした部分をどうしたら良いのかが全く分からなかった。

 

仕方が無いので、視線は翔鶴さんの目から少し下の、口元から鼻のあたりに――意図したわけでは無く、緊張で目を泳がせつつ、出来るだけ明朗に、かつ少しでもこちらの謝罪の気持ちが伝わるよう、若干発話の速度を落として、噛んだりつっかえたりせぬよう、丁寧に声帯を振るわせた。

 

もう一度だけ深めに頭と上半身を垂れ、戻す。しかし頭と視線だけは、自分が乗っているベッドの縁から更に手前の手元にまで下げてしまった。向きだけはまだ翔鶴さんの方を向いているものの、一度垂れた角度を戻す事が中々出来ず、視界の左下に軽く握り合わせた自身の拳が映りつづけた。

 

翔鶴さんも似たような心境なのかは定かではない。少なくとも、俺と彼女の間にはしばし無言の空間が出来ていた。

その静寂は長くは続かず、先に沈黙を解いたのは翔鶴さんの方だった。

 

翔鶴「……提督が、デスピナさんからお話を伺いたいと言っていました」

 

久しぶりに彼女の口から聞いた肩書きは、俺の背筋に嫌な感触を奔らせた。

先ほどまで俺が述べていた、先日の失態の始末に関してかと思いきや、続けて発せられた事柄はその更に前の時系列上にあった。

 

翔鶴「一つは、デスピナさんが所属していた"Earth Defence Forces(連合地球軍)"と言う組織の事について。もう一つは、離島棲鬼――本来私達が攻略するはずだった目標に関して、南鳥島周辺で深海棲艦と交戦した際の状況を、詳しく聞きたい、と」

デスピナ「あ……そうでした」(うへぇ……)

 

すっかり忘れてた。先日、翔鶴さんを通して、提督に面会を要求したのは俺のほうじゃないか。

多分戦果報告ついでに、横須賀に到着するまでの間の事も追求される流れな気がする。翔鶴さんは直接口にしてはいないが、前世では呼び出されたついでに別件で説教食らったりした事が何度かあったためか、やっぱり怒られそうな予感がするのだ。

 

翔鶴「その前に、お風呂で汗をお流し下さい」

 

そう言われて俺は、自身の頭皮から分泌される皮脂と、先日までの長距離航海によって受けた潮風によるべたつきによって頭髪が重たくなっている事を自覚した。




なんだか、作中の物語の進展と次話更新までの空き時間が反比例しているような……。
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