淀んで染まるシリーズ   作:RASN_Pixiv1本になります

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2016年の11月30日に書かれたものです、フランス語のお勉強してればよかったと思う頃でした。


フラン編

ここはアラマキ島の茶熊学園。

 

早朝、校舎へと向かう生徒が少ない中、昇降口に生徒会のソウマにRASN(赤髪)がいた。

 

「よう、早いなRASN。今日もいい天気だな。」

 

「…!」

 

RASNは赤と黒の配色のマフラーと手袋を外して鞄にしまうとソウマに挨拶した。

 

「へぇ…それちゃんと使ってんだな、それじゃ早いとこ教室へ向かおうぜ?」

 

「…!」

 

二人が靴を脱ぎ下駄箱を開けたらRASNの下駄箱からポタポタと何かが落ちてきた。

 

「…またか…?今度は…2、4…8通か。」

 

ソウマは落ちたそれらを拾い上げて数えていた、それは封蝋で閉じられていた手紙でありまとめてRASNへと手渡した。

 

「…?」

 

「よせ、どうせ中身は前と同じだろ?それより試験前に予習しようぜ。」

 

「…!」

 

ソウマは封を開こうとしたRASNを止めて一緒に教室へと向かった、そしてそんな二人しかいなかった昇降口にコツンと音がしたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

学園では全学年一斉テストが行われていた、教室内はペンの書く音と試験監督の先生の足音も聞こえていた。そして生徒らは机上のテスト用紙に対しすらすらと答案を書いたり、頭を抱えたり、寝たり、白目で口から煙を出していたりしていた。

 

そうして全て試験が終わった、そして結果発表を聞き肩を伸ばす者、頭を抱える者が続出特に後者が多い模様。

 

 

 

 

 

 

そして試験が終わりいつもよりも早めな放課後が始まり生徒会メンバーは生徒会にいた、だが部屋にいたのタラコ組の五人しかいなかった。

 

-茶熊学園 生徒会室-

 

「ふぅぅ…試験疲れたー…」

 

「そうだねー…せんべーいるかいセツナ?」

 

「あ、貰いますねー…ぽりぽり…」

 

生徒会室に設置されている堀炬燵にはセツナとコリンが茶に煎餅で暖をとっていた。

 

「二人とも…試験終わりで怠けたいのは分かるが、やることはまだまだあるんだぞ…?」

 

そう言ってソウマは二人が和んでる堀炬燵に山のような書類と判子を置いた。

 

「おうおうソウマっち…今はゆっくり休ましてよー?おはぎいるー?」

 

「でも仕事はしてくれよ…RASNやフランさんもやってんだしさ…」

 

ソウマはコリンから差し出された何故か小さな鳥の形をしたおはぎを貰いながら二人にデスクで黙々と書類などを片付けているRASNとフランを指差した。

 

「でもさーここ五日は届け出にも目安箱も投書はあんまなかったじゃーん?」

 

「それは先生やゲオルグ副会長が試験前とかを考慮して生徒会活動を遠慮して、投書を無くしてもらってたんだぞ。」

 

「へー…それでその分が今日に…ですか?」

 

「そうだ。だから頼むぞ…?」

 

そう言ってソウマはデスクに戻ってRASN達と同じ作業を始めた。

 

「とりあえずはこれかな…えっと…生徒の転入要望書?意味わかんないよ…」

 

セツナはそう言ってRASN達と同様に作業を始めたが、コリンだけは中々作業をしていなかった。

 

「はぁ…つまんないなー…シャルとかいないからかなー?」

 

なお他の生徒会のメンバーは勉強が苦手そうな三人は再試験を通知され、ゲオルグを筆頭としたメンバーが勉強を見るため図書室で閉じ籠られている。

 

「…いや、多分通ってもこれを知ったら来なさそうだが。」

 

「そりゃ言えてるねー、あたしゃ炬燵でまったりするために来たけどねー?」

 

「私もかなー。あ、でも私は友達からもらったおはぎをみんなにもあげたくて…そうだRASNさんとフランさんにもあげますね。」

 

セツナは鞄の横の風呂敷を解き中の重箱を取り出した、中には先程ソウマに渡されたおはぎが沢山あったのであった。

 

そして二つ取り出し懐紙に乗せてRASNとフランの前に置いたのであった。

 

「メルシーでござる!」

 

「…!」

 

RASNとフランは作業の手を止めて貰ったおはぎに舌鼓を打った。

 

「ん?あれ?RASNさんこれなんですか?」

 

するとセツナはRASNのデスクの上に置いてあった手紙を一枚取っていた。

 

「…?!」

 

「ははぁん…副会長様はモテますなー?ではでは不肖このセツナが…あれ開かない?」

 

RASNは手紙を取られて驚いていたが、セツナはニタニタ笑いながら手紙を読み上げようとしたが封蝋が中々取れずに苦戦していた。

 

「…!」

 

「あ、ありがとうございますえっーと…えっ。」

 

見かねたRASNは文具入れからカッターを取り出すと手紙の封を切ってセツナに渡した、そして渡されたセツナは中身を取り出して読み上げようとしていたが次の声が出そうとした途端に声を出すのを止めた。

 

「な…なんですか…これ…?怖いです…」

 

「…。(汗)」

 

「あーセツナも見ちゃったかそれ。」

 

「も、って事はこれだけじゃないんですか?」

 

「そーだね、確か今月入ってからだっけ?RASN?」

 

「…!」

 

RASNはコクりと頷いた。

 

「そういや今朝もあったぞ手紙、しかも過去最多の数だ。」

 

「うぇぇ…マジかよー?お祓いとかした方がいいんじゃね?」

 

「だったら…てぇーい!巫女パンチ!」

 

「ふげっ!?」

 

セツナはそう言うと不意に手紙を空に放ち正拳突きで殴るとソウマの顔に手紙を張り付かせた。

 

「んぐぅ…んはっ!いきなり何を!?」

 

「何って?一応巫女やってるからお祓いをしてみたけど…?」

 

「今のがお祓いかよ?!普通のお祓いは無いのか!?」

 

「普通って…普通にお祓いしたんだけどなー?」

 

「んぐぐ…」

 

「あー、あたしも一応巫女やってんけどこちとら滾々と祈るぐらいしかできないんでねー?」

 

「…お祓いの話は取り合えず置いて…それより…」

 

ソウマは溜め息を吸うと手の中の手紙を見た。

 

「んーと…それって一応ラブレターってことで良いんですかね、チラッとしか見てなかったですけど。」

 

「…まぁそうだな、それに沢山あるがどれもこれも中身は違う内容でな…」

 

「…そーいやこんなのもあったけなー、シンプルだけど中々ね…」

 

するとコリンはRASNのデスクの引き出しを引き出した、そこには大量の手紙がありコリンはある一枚を取り出してセツナに見せた。そこには先程セツナが見た手紙とは違い『ずっと見ています。』と小さく真ん中に書いてあったのであった。

 

「……そんなのもあったんですね…さっきの手紙は事細やかに書かれてましたけどね…」

 

「そうなのか…でも流石にこれはもうどうにかした方がいいよな…」

 

「そーだね、この感じだとRASNが監視されてるみたいだしね。」

 

「…!」

 

「でも誰だかってのは見当は…ついてないですよね?」

 

「あぁ、シャナオウやヨシナカに筆跡鑑定を頼んでみたが…結果は一つずつ違う筆跡で書かれてて癖も変わってるから誰だか分からないと。」

 

「そうなんだよね、どうしたもんかね。」

 

「…それだったからセッシャに妙案があるでござる!」

 

するとここでフランが口を開いたのであった。

 

「妙案…?一体何なんですか?」

 

「ストラテジィ デコイでござるよ!」

 

フランの発した言葉に訳の分からない顔をしたセツナであったが、ソウマは棚からフランス語辞書を引き出した。

 

「えっと…囮作戦ってことか?」

 

「ウィ、そうでござる。誰かがシショーとアンティミティする姿を見せればノンパシオンスした相手が飛び出してくれるかもでござる!」

 

「成る程…そしてそこを俺達が抑えるのか、だが親密をしている姿は誰とやるんだ…?」

 

「…そんならフランがやっちゃえば?発案者だしさ?」

 

「フェ?!セッシャでござるか!?」

 

「まーそうだね、言い出しっぺの法則ってのもあるしね…」

 

「…えっと…シショーはどうでござるか?」

 

「…!」

 

フランはRASNに視線をやるとRASNは快く頷いたのであった。

 

「そんじゃ承諾も得たしどうすっかなー」

 

「あ、そういえばセッシャこういうのを持ってるでござるよ!」

 

フランはそう言うと鞄から少し大きめな一枚の紙を出したそこには遊園地特別招待券でありしかも20名様まで御招待と書かれていた。

 

「20名って…こんなの何時の間に…」

 

「前に商店街の福引きで引けたでござる、いつか皆と一緒に行こうと仕込んでいたでござるよ。」

 

「でもこんなことに使っていいんでしょうか…?」

 

「まぁ、仕方ないんじゃない?今他のメンバーは再試験とその準備で手一杯だし、それに都合よく明日は土曜日だしね。」

 

「それじゃストラテジィは明日でござるな。」

 

「…!」

 

「あぁ、だがまずは済ませることを済ませるぞ。」

 

そうして五人はまた席に着いて書類を相手にし始めた。

 

 

 

 

 

そして時間は過ぎて下校時間の少し前になり生徒会室にも夕日が差し込んできた。

 

「…よ…ようやく終わった…。」

 

「おう、お疲れさーん?」

 

炬燵組のセツナは自身の課された書類を片付け終わり炬燵に倒れ込んだ、そしてデスク組の方もようやく終わっていた。

 

「なんとか終わったな…数が少なめで助かったな。」

 

「…!」

 

「そうでござるな、明日にお仕事を持ち越したらストラテジィに響くでござる。」

 

「そうですね…それじゃ私は明日に備えてもう寮に帰りますね…」

 

「そんじゃあたしも戻ろうかね、明日は頼むぜー?」

 

そしてセツナとコリンは自身の鞄を持って生徒会室を後にした。

 

「…俺達もそろそろお開きにするか。」

 

「…!」

 

残っていた三人は戸締まりを確認してから生徒会室を後にした。

 

「そういやさっきゲオルグ副会長の方もお開きにしたって連絡あったぞ。」

 

そう言いながらソウマはスニャホをいじっていた。

 

「それにさっきの事を話したがやっぱ再試験準備で手が離せないらしい。」

 

「…!」

 

「オーララ、そうでござったか…」

 

「あぁ、それと明日についての詳しいことは今夜連絡を記しとくからな。」

 

「ダコール!」

 

「…!」

 

「よし、それじゃまた明日だな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

-アラマキ島 遊園地-

 

翌日、遊園地の前には制服姿ではなく私服姿のRASNがいた。

 

「…。…!」

 

「シショー!お待たせたでござる!」

 

するとRASN同様に制服姿ではなく私服でセーター姿のフランがやって来たのであった。

 

「…!」

 

「丁度でござったか?それはイレティボンでござる…」

 

「…?」

 

「そうでござるな、それじゃディパーでござる!」

 

「…!」

 

そうして二人はゲートを通って遊園地へと入っていった。

 

「…よし、あたし達も行くかー?」

 

「楽しみですね!」

 

「…それより何だその格好は…?」

 

RASN達が入っていってからそこにソウマら三人がやってきた、だがソウマ以外はスーツでシルクハットにサングラスと異様な格好をしていた。

 

「何だって、こういうのはこういう姿が似合うんだぜ?」

 

「似合うって…逆に怪しまれるんじゃ…?」

 

「大丈夫ですって、ソウマさんの分も用意してますよ?」

 

そう言ってセツナは紙袋をソウマに差し出した、中には二人が着ているスーツが入っていた。

 

「いや…俺は着ないからな?」

 

「えー?ノリ悪いなー?」

 

「そうですよ、こういう時は雰囲気が大事なんですよ?」

 

「仮装パーティじゃあるまいし…」

 

「まーいいや、早くいこうぜ?早くしないと見失っちまうしなー?」

 

「…そうだなそれじゃ行くか…」

 

そうしてソウマ達もゲートを通って遊園地へと入っていった。

 

 

 

 

 

そしてすでに遊園地に歩を進めていた二人は入り口近くの案内板の前にいた。

 

「シショーとりあえずどうするでござるか?」

 

「…、…?」

 

RASNは少し悩んでからある場所へと指差したそこにはホラーハウスと書かれていた。

 

「いいでござるな!それじゃそこにヴィザージュでござる!」

 

「…!?」

 

フランは嬉しそうにRASNの手を引っ張っていった。

 

 

 

 

 

 

-遊園地 ホラーハウス-

 

「オーララ…物々しい雰囲気でござるな…?」

 

「…?」

 

「タハハ…少し苦手でござるが行くでござるか…?」

 

「…!」

 

そうして二人はホラーハウスへと入っていった、そしてそれに遅れて三人もやって来た。

 

「ここに入ったか…」

 

「ホ…ホラーハウスですか…?」

 

「そうだねー、怖さにこだわっているって書いてあるしね…はむはむ。」

 

コリンはパンフレット片手にもう片方をチョロスで手を塞いでいた。

 

「だがあいつらもそこに入っていったからな、俺達も行くぞ。」

 

「え…入るんですか?」

 

セツナはプルプルと震えていた。

 

「そうだよ、でなきゃ私ら来た意味無いじゃん?」

 

「そ…そうですけど…わ、私は皆さんが入ってる間にこのホラーハウスの回りを…」

 

「…泣き言は言うな、早く行かないと見失うしな。」

 

セツナが言い終わる前にソウマはセツナの腕を引いてホラーハウスへと入っていった。

 

「やっ…やめてー?!私は勘弁したいですー?!」

 

そうして三人も入っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

-ホラーハウス内-

 

「中々の出来映えで…ござるな…?」

 

ホラーハウスの中ではフランとRASNが人魂が漂う暗い中を歩いていた。

 

「…?」

 

「だ…大丈夫でござる!セッシャはリタイアなんてしないでござるよ…」

 

そう言いながらフランは震える手をRASNの腕に掴ませていた。

 

 

「うぅぅぅ…大丈夫ですか何も無いですか…?」

 

一方その二人の後方の三人はコリンの腰にセツナが前が見えないように抱き着いており、ここに入ってからずっとこの体勢である。

 

「ここまで怖がるのか…いくら怖いものが苦手だっていってもな…」

 

「だって!怖いものは怖いんですもん!!」

 

「大丈夫だ今のところ人魂が漂っていて…おっそこにミイラおと…」

 

「えぎゃー!?」

 

「のわっ?!」

 

ソウマは言い切る前にセツナに拳を入れられかけた、だが寸での所で回避したのであった。

 

「脅かさないで下さいよ?!」

 

「脅してない?!それに前に何も無いですかって…」

 

「あったら言わないで下さいよ!無いなら言って下さい!!」

 

セツナは涙目で拳を構えながらそう言っていた。

 

「あー…セツナ…?」

 

「今度は何ですか?!」

 

「後ろ…てか肩…」

 

「えっ? ……いっ……!?」

 

コリン言う通りにセツナが自身の肩を見るとそこには細長く爪のように鋭い指が置かれていた。

 

「…っ?!」

 

そして恐る恐る振り返るとそこには紫色のマントを頭から被り、その合間から眼光を赤く光らせ指をくしりくしりと動かして揺れてる人形があった。

 

「でっ…ででで…ででっで…でた……。」

 

「おっと?!」

 

セツナがそれを見ると消え入る声でそう言って後方へと倒れ、ソウマはそれを察知してすかさず受け止めた。

 

「…てかこれってもしかして…?」

 

「あら?あなた達もいたのね…?」

 

コリンがその正体を見定めようとチラリとマントを捲るとそれの背後から水色と一本の紫のメッシュが入った髪でナースハットを被った女性が姿を現した。

 

「おっ、やっぱハーブ先生かーってことはこの中はミントちゃんだなー?」

 

「わっー剥がさないでよー」

 

そう言うとコリンがミントちゃんのマントを引っぺがそうとすると、ハーブはミントちゃんにマントを取らせまいと指を動かしていた。

 

「どうしてこんなとこに先生が?」

 

「…その質問はこっちがしたいけど…まぁいいわ、私はスカウトされてここにいるわね。」

 

「スカウト…ですか。」

 

「そうよ、それで貴方達は?もしかして両手に花デートかしら、ソウマ君?」

 

「そっ…そんなわけありません!」

 

「それじゃ何かしら?」

 

「…実は…」

 

ソウマはハーブに昨日の事と現在進行している作戦を話した。

 

「…と言うことなんです。」

 

「大変ねRASN君も、そんな事になって。」

 

「ま、半分は遊園地楽しみながらやってんけどね。」

 

「…ところでその二人は今どこなのかしら?」

 

「あっ…。」

 

「あ…。」

 

コリンとソウマは唖然としてから前を見た、そこには少し前まで見えていたRASNとフランの姿は消えていたのであった。

 

「足を止めさせた私だけど…追跡するならちゃんとした方がいいわよ?」

 

「おいおい…どーすんのソウマっち?」

 

「…手当たり次第に探すしかないな…発信器とか付けてないしな…」

 

「連絡してみたら?彼らもスニャホとか持ってるでしょ?」

 

「いやー…実はここに。」

 

そう言うとコリンはスーツの内ポケットから二個のスニャホを取り出した。一つは白く洋梨のストラップを付けており、もう一つは青く星たぬきのストラップが付いていた。

 

「そうなの…困ったわね。」

 

「…仕方ない、取りあえず手分けして探すか…。」

 

そうして今だ気を失ってるセツナをコリンがおんぶして二人を探し始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

-遊園地 喫食エリア-

 

ソウマらがハーブと合流し探し始めた頃二人は既にホラーハウスから抜け出して様々な物が食べれる喫食エリアへと足を踏み入れていた。

 

「シショー!これも美味しそうでござるよー?」

 

「…!」

 

二人はそれぞれトレイに好きな物を乗せていたがフランが取るのはどれもRASNが取った物と同じであった、そして取り終わって二人は席に着いた。

 

「それにしてもさっきのホラーハウスは中々イフレイオンで…思わず抱き着いて…」

 

「…?」

 

「アハハ…何でもないでござる…。それよりもシショー、次はどこに…」

 

フランが赤い頬を指で掻いてからパンフレットで地図のページを開こうとした、だが二人の座る席に近づく三つの影がやって来た。

 

「それにしても触れ合いエリアのブラッド中々可愛かったわよ?」

 

「いっ…その事は忘れてくれよ…」

 

「駄目だぜー?んな事もあろうかと用意してたカメラにバッチリおさえてんだよなー?」

 

「んなっ?!ニイさんそれはカンベンしてくれ!?」

 

三人は茶熊学園で先生をしている三人であった。

 

ブラッドはRASNらのクラスの副担任でヴィンセントはシャルロットやシャナオウらのクラスの副担任である、そしてファルファラは美術担任の先生である。

 

「あら?そこにいるのって…あなたの受け持ってるクラスの子じゃない?」

 

「お?本当だな、おーい!」

 

「…?!」

 

「フェ?!これは…プロフェッサーの方々でござるか?」

 

「おう、悪いが邪魔するぜぇ?」

 

声をかけられた二人はビックリし、先生らは二人の座る席にへと腰を着けた。

 

そして流れで五人で食事を食べていた。

 

「そういえば二人で遊園地って…そういう事かしら?」

 

「へぇー…中々隅に置けねぇなー?このこのー?」

 

「そっ…それよりプロフェッサー方はどうしてここに…?」

 

「俺達か?まぁ学長からチケット貰ってな、羽休めに来てるって訳だな。」

 

「羽休めね…そういえばブラッドがさっきまでね…」

 

「だぁー?!ファルファラ先生それは言わないでくれ?!」

 

ファルファラがなにか言おうとしたがブラッドが差し止めたのであった。

 

「えー、面白いのに?」

 

「そっちが面白くても話されると恥ずかしいんだよ!」

 

「そんじゃ…ホレホレこれ見な二人とも。」

 

「何でござるか…?」

 

「…?」

 

立ち向かい合う二人を余所にルーンカメラをフランとRASNに見せた、そこにはブラッドが映っていたが猫やらウサギやらモルモット可愛がってる姿であった。

 

「わぁー?!見せんなってニイさん!?」

 

「別に良いじゃない?減るもんじゃ無いんだし。」

 

「そんな問題じゃねーだろが?!それよりニイさんそれをよこせ!」

 

するとブラッドはヴィンセントに飛びかかったがヴィンセントはそれをいなしてかわしたのであった。

 

「おっと、危ねェなぁ…渡すわけねーだろ?あばーよっと、帰って現像しねーとなぁ…」

 

そしてヴィンセントはルーンカメラを持って逃げ出したのであった。

 

「痛ぇ…待ちやがれぇ!」

 

立ち上がったブラッドはヴィンセントを追って喫食エリアを出たのであった。

 

「あらあら…ごめんなさいね騒がせちゃって、あとは…ね?」

 

ファルファラはウインクして飛び出した二人を追っていった。

 

「…ムッ…」

 

「…?」

 

「…フェ?どうしたでござるかシショー?」

 

「…。(フルフル) …?」

 

RASN首を横に振るとフランの持ってるパンフレットの地図を指さした。

 

「…そうでござるな、次を楽しむでござるよ!」

 

「…!」

 

そうして二人は席を立った。

 

「えっと…シショー?」

 

「…?」

 

喫食エリアからでようとすると急にフランは立ち止まったのであった、そしてそんなフランの顔は少し赤くなっていた。

 

「…次のアトラクションまで…手を繋いでリードしてほしい…でござる。」

 

フランはそう言って手持ち無沙汰なRASNの手に手のひらを差し出したのだった。

 

「…!」

 

「ジェイユ…メルシーでござる…。」

 

そうして二人は手を繋いで再び歩きだしたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

一方その二人を探しているソウマ達は中々見つけられずにいたのであった。

 

「いやー…見つかんないねー?」

 

「そうね、こんなに探しても見つからないなんてね…。」

 

四人はベンチに座って息を調えており、セツナの肩には白く丸い鳥が乗っていた。

 

「ふんふん…空から探しても見当たらない…ありがとダイフク。」

 

「そうなると…アトラクションとか施設の中か…?厄介だな…」

 

「まぁそうさね…でも厄介でも調べないとね…?」

 

「あっ、私は怖い系のモノはスルーしたいです…」

 

「そうなったら手分けした方がいいわね…それじゃコリンは私と来なさい?」

 

「えぇー…?」

 

「何でそんな残念そうな声を…」

 

「だってさー、ハーブ先生だとふざけられないんだもんー」

 

「…先生コリンをお願いしますね?」

 

「分かってるわ、さぁ行くわよ。」

 

「こんっ?!」

 

そうしてコリンはハーブに掴まれてソウマとセツナの元を離れていった。

 

「それじゃ俺達も行くか…」

 

「はいよー、あっまず喫食エリア行きましょうよ!」

 

「……あぁ…分かった…。」

 

そしてソウマもセツナに連れられてベンチから離れた。

 

 

 

そして時は過ぎていき遊園地は夕刻となって陽の影が延び始めていた、探されている二人は未だに遊園地内を歩き回っていた。

 

「ムムッ…随分とソリィになってきたでござるなシショー?」

 

「…!」

 

二人が手を繋いでた手は掴んでいるのではなく組んで歩いていたのであった。

 

「そうなると次行けるので終わりでござるな…」

 

「…。」

 

「それじゃ…あそこはどうでござろうか?」

 

フランが指差す先には大きな観覧車がそびえ立っていたのであった。

 

「…!」

 

「良かったでござる、それじゃ…行くてござるよ?」

 

そう言ってフランはRASNの腕を組んだのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

-遊園地 観覧車内-

 

「ふぉおおー!すごい景色でござるぅ!」

 

「…!」

 

観覧車に入っていった二人は徐々に上がり広がる景色に見とれていた。

 

「あっ!あそこにセッシャ達が通ってるイコールが見えるでござるよ!」

 

「…!」

 

「フェ!?」

 

「…?!」

 

そうして二人を乗せてるゴンドラは観覧車の天辺まで行こうとしていた、だが天辺まで行った途端にゴンドラはガタンと揺れたのであった。

 

「…?」

 

「セッシャは大丈夫でござる…それより…止まっているで…ござるか?」

 

揺れた拍子によろけたフランをRASNは体を使って受け止めていたが、フランの言う通りに観覧車は止まっていたのであった。

 

「…!」

 

「…そうでござるか………。」

 

「…?」

 

状況を確認したフランは暫くRASNに受け止められていた、受け止めているRASNは少し首をかしげながらもそのままにしていた。

 

「…?」

 

「…大丈夫で…ノン、もう少しこのままがいいでござる…高くて揺れてるでござるから…」

 

RASNはフランの事を気にかけたがフランはそのままRASNの体に身を預けていた。

 

「……。」

 

「……。」

 

そうして暫く観覧車は止まり続けていてフランもRASNの体に預け続けていた。二人の間には沈黙が続いていたがRASNが口を開いたのであった。

 

「…。」

 

「ん?ソウマ殿達でござるか?…あぁ…そういえばそうでござった…連絡も通達もないでござるな…」

 

「?」

 

「『そういえば』って?それはそのままのソーンでござるよシショー…」

 

「…!?」

 

フランはそう言うとギュッとRASNを抱きしめその胸に顔を寄せたのであった。

 

「こうなるのに随分とイタープを踏んだでござる…」

 

「…?!」

 

「どういうことって…色々したでござるよ…朝早く起きて出来たばかりの手紙を下駄箱にオシニィしたり、シショーの部屋にシュビリオンス用のルーンカメラを仕掛けたりしたでござるよ…」

 

「…!?」

 

RASNはフランの言ったことが信じられずに目を見開いていた。

 

「それにこの観覧車も…今はセッシャの分身が止めているでござる。」

 

「?!」

 

「…セッシャらの後や前にも乗ってる人がいるでござるな…まぁ迷惑してるでござろうな…?」

 

「…!」

 

「…駄目でござるよ、セッシャとシショー…いやRASN殿とのムーモントは邪魔されたくないでござる…!」

 

フランは熱っぽい顔と潤みと淀みのある目でRASNの顔を見上げてそう言ったのであった。

 

「…!!」

 

「…どうしてもでござるか?やっぱりRASN殿はアニカルでござる…だったら…それをセッシャだけに向けて欲しいでござる。」

 

「…?!」

 

「…プロメィスしてほしいでござる…そのブーシュとレェブで…」

 

そしてフランは目を閉じると頬に光を一筋走らせてRASNへと顔を近づけた、RASNはそれに対してただただ困惑していた。

 

「RASN殿…アムゥでござる…イラヴでござる…ビジィしてほしいでござる…シャクタアムゥしたいでござる…ジュフルフレクションでござる…!」

 

「…………。…!」

 

RASNはそう言うフランを苦しげな表情見せていた、だが何か覚悟を決めた様に表情を引き締めるとフランの後頭部に手を当て引き寄せた。

 

「アッ……RASN…」

 

「……。」

 

二人の距離は徐々に近づいた、そして今まさにくっつきそうな時ガタンと二人の乗るゴンドラが揺れたのであった。

 

「フェ?!」

 

「…!?」

 

そしてその揺れの衝撃でフランはRASNの方へと倒れゴツンと鈍い音と共に二人は気を失っていたのであった。

 

「うーん…」

 

「……、…?!」

 

ゴンドラが残り四分の一に差し掛かった頃二人は目を覚ましたのであった。

 

「オララ…?シショーで…ござるか?」

 

「…?」

 

「フェ…セッシャは大丈夫でござるが…どうしてシショーと…?」

 

「…、…?」

 

フランは心配するRASNに少し困惑していたが辺りの事を確認すると顔を赤らめていた、そしてRASNはフランに先程までの事をある程度聞こうとした。

 

「セッシャが観覧車を…?そんなヴィノンズになりそうな事はしないでござるよ…?」

 

「…?」

 

「覚えていることでござるか…?ビィアンシュウ…今月の頭辺りの生徒会での勉強会で…化学で分からないことがあったでござったからカティア先生に聞きに行ったのは覚えているでござるな…」

 

「…?」

 

「そこから先は覚えないでござる…これはラフティブリメモアでござるか?」

 

「…。」

 

RASNは首をかしげたのであった。

 

「でもラプリィしてないのは大変でござる…大変と言えば…この体勢も中々大変でござる…。」

 

「…!」

 

フランが言う通りに二人の体勢はRASNにフランが覆い被さっている状況であった。

 

「こっ…こんな姿見られたら…恥ずかしいでござるな…?」

 

「……///」

 

そして二人はお互いに顔を赤くしていたのであった。

 

「あー…ゴホンゴホン…大変申し訳にくいが…見られてるぞ…?」

 

「フェッ…?!」

 

「…!?」

 

たが途端にソウマの声が聞こえたのであった、そして驚く二人は辺りを見て今自分達が乗ってたゴンドラはもう下に着いていたのであった。

 

「ソ…ソウマ殿?!何故ここに!?」

 

「何故って…作戦を提案してチケットも提供したのはフランさんだろ?」

 

「…!」

 

するとRASNはソウマに先程フランと頭をぶつけた事を話したのであった。

 

「…そうだったのか…それは大変だな… お前は大丈夫なのか?」

 

「…!」

 

「そうか…それより早く出た方がいいぞ、まだ残されている人もいるからな。 」

 

「…!」

 

「コンプラーションでござる!」

 

そうしてソウマに連れられて二人は腕を組ながら観覧車を後にした。





-茶熊学園 カティアの実験室-

RASNらが観覧車を離れた頃の同時刻…ここはカティアが勝手に校内に作った実験室である、そして部屋の主あるカティアは不満そうな顔で手元のキーボードを操作しつつモニターを見ていた。

「うむむ…効果を遅延性にしてみたけど…意外なものに弱いわのねん…」

そうカティアは呟きモニターの映像を操作していた、モニターにはRASNとフランが映っており先程二人がゴンドラ内で頭をぶつけ合った姿が映し出されていた。

「これは改良の余地があるわね、今度できるのは誰が犠せ…じゃなくて被検体にしようかしらん?」

そう言ってカティアは手元にあるSKM-MYーⅡとラベルが書かれてるアンプルをくるくると回していた。

「んふふ…思うだけでも興奮するわ…おっほー!!」

「やはりお主であったか…」

すると実験室の扉が水飛沫と共に弾け飛んだ、そして扉の先には数学を受け持ってる人魚のユーリエが半目でカティアを見ていた。

「せっ…先生?!」

「ほっほっほ…そうじゃな、ところで一つ聞きたいことがあるが…よいか?」

ユーリエはカティアの返事を待たずにズイズイと部屋に押し入ってモニターを見始めた。

「ふんふん…カティアよこれは一体なんじゃ?」

「えっと…観察です、被検体の。」

「ふーん…それで?何を調べてるんじゃ?」

「こっ…これです…。」

カティアはユーリエにアンプルを見せた、ユーリエはひょいとアンプルを取るとをじっくり観察していた。

「SKM-MY…これは未だ未解明なものじゃな…」

「そうですね、ですが二回の実験を通して効果の現れ方を変える事ができました。」

「ほほー、中々やるではないか…先生が花丸をあげようか。」

そう言ってユーリエはカティアに指を指して花丸を空に描いた。

「ありがとうございま…って!そうじゃなくって!何故先生がここに?!」

「おっと、忘れるところであった…まぁなんというかお主が何か良からぬ事でも考えてないかと思ったら…まぁ案の定であったから灸を添えにな…」

「良からぬ事って…悪いことはしてま…おほっ?!」

カティアが言い切る前にユーリエは首根っこを掴むとずるずると引きずり始めた。

「何するんですかぁ?!」

「んー?昔のようにな少しお説教を…じゃな?」

「ムキッィィ!先生のアレは説教じゃありませんってば!?」

カティアは雄叫びならぬ雌叫びを上げるとユーリエに連れられて何処かへと消えたのであった。
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