美咲「歓迎会をしよう!!」
鈴音「開口1番にどうしたの美咲?」
綾香と杏子が麻雀部に入部して数日が過ぎたある日、美咲がいきなりそう口にした。
未来「歓迎会って綾香と杏子のよね……?」
美咲「うん!折角だから一緒に遊びに行きたいなと思って!!」
鈴音「麻雀部だし麻雀じゃ駄目なの?」
そうすれば自分達の強化にも繋がるし……。
美咲「それだと息がつまるかもしれないし、やっぱりそのための息抜きも必要だと思ってね」
未来「私は構わないわよ。こういうのもいいんじゃないかしら」
まぁたまにはいいかな……?
美咲「鈴音ちゃん……お願い……」
何故か美咲が目を潤ませて上目遣いで此方を見ている。何この子可愛いお持ち帰りしたい。
鈴音「そんな泣きそうにしなくても……まぁ親睦を深めるには一緒に遊びにいくのが1番って言うし……うん、私も賛成」
美咲「やったぁ!じゃあどこに行く?」
未来「それは2人が来てからでいいんじゃないかしら?」
鈴音「そうだね。2人が何をしたいかにもよるし」
というわけで私達は綾香と杏子を待つことにした。
~そして~
杏子「歓迎会……ですか……?」
美咲「うん!私達……もっと杏子ちゃんと綾香ちゃんと仲良くしたくって……だからそのためにね!」
綾香「麻雀じゃ駄目なんですか?」
流石昨年の全中2位。同じことを考えていたか……。
鈴音「まぁたまには他のことをして頭を休めないとね」
綾香「そういうことでしたか……。私達のためにありがとうございます!私も先輩達との親睦を深めたいです!!」
綾香は本当にいい子だなぁ……。美咲とは違うベクトルでいい子だよ……。
杏子「わ、私も……綾香ちゃんがいいなら……賛成です」
ふむ、杏子の方は何処か私達に怯えている感じがする。
麻雀を打っていたときは私が見ていると安心できるって言ってたけど、それは私と一緒にいるときではなくあくまで麻雀に限ったことだからこれを機にもう少し距離が縮まるといいけど……。
~そして~
それぞれの意見を聞いた結果カラオケに行くことになった。予約は綾香がしてくれたようだ。カラオケとなった瞬間に即座に予約を取る電話をしたらしい。
綾香「あっ、ここですここです!」
私達は綾香がよく行ってるらしい店についた。なんでも家がこの近くで週に1度は行っていると言っていた。
美咲「楽しみだね!」
未来「そうね。私はカラオケ自体が久しぶりだから楽しみだわ」
鈴音「今日は楽しんでいこう」
綾香が入室の手続きをして私達は部屋に入った。
~そして~
美咲「じゃあ早速歌おう!!」
綾香「ちょっと待ってください!その前に……!」ピッピッ
歌う前に準備があるらしく綾香がその準備をしている間、未来と美咲が話しているので私は杏子に話しかける。
鈴音「杏子はカラオケにはよく行くの?」
杏子「は、はい……綾香ちゃんとたまに行くくらいですけど」
鈴音「そうなんだ。私は長いこと行ってないからなぁ……。どんなジャンルの曲を歌うの?」
杏子「最近歌ったのは美空ひ○りさんの曲を……」
鈴音「渋いな……」
しかも何時の曲だったっけ?まぁ私も80年代の曲を歌うことはあるけど……。
綾香「お待たせしました!」
話をしていると綾香の準備が終わったらしい。
美咲「何してたの?」
綾香「カラオケといえば採点……なので勝負しましょう!!」
未来「点数が高いほうが勝ち……ということね」
綾香「はい!負けた人は罰ゲームです!!」
えっ……何それ恐い。
美咲「面白そう!どんな罰にするの?」
綾香「それは点数がトップの人に決めてもらいます!では早速順番を決めましょう!!」
どうやら勝負をする流れになってしまった……。だってみんなやる気満々なのに私1人だけが反対しても意味がないもの。
~そして~
歌う順番は杏子、未来、美咲、綾香、私の順番になった。
杏子「い、いきます!中森○菜のスローモーションです……!」
成程、杏子は曲名を言って歌うタイプなのか……。しかもこれも結構古い曲だよね?
~そして~
杏子「あ、ありがとうございました」
やばい……無茶苦茶上手かった。なんかこう……感動しちゃった。
『93』
しかも初っぱなから90点越えるとかヤバい。私カラオケで90点狙える曲とか片手で数えるくらいしかないんだけど……。
~そして~
『93』
『92』
『90』
『91』
……なんで揃いも揃って90点以上とれるんだよ。コイツら歌上手すぎでしょ。私罰ゲーム不可避なんだけど。
綾香「ふぅ……何とか最下位は回避しました。言い出しっぺが罰ゲームって何だか恥ずかしいですからね」
しかも綾香は言い出しっぺの法則を回避できる人間らしい。ちなみに私は法則にどっぷりとはまります。
美咲「最後は鈴音ちゃんだね!」
未来「罰ゲームを回避することができるかしら?」
ふっ、甘いね未来。
鈴音「私の本気を見せるときがきたようだね……」
元の世界でヒトカラマイスターと自称している私の本気を……底力を見せてやるぜ!!
~そして~
『89』
現実は非常だった……。ヒトカラマイスター(笑)だったよ……。
未来「鈴音が罰ゲームを受けるみたいね」
美咲「内容を決めるのは杏子ちゃんだね!どんなことをお願いするのかな?」
綾香「罰ゲームですから命令って言った方が適切な気もしますけどね」
鈴音「……私の負け。潔くお願いを聞くよ。何をすればいい?」
杏子「あ、あの……!」
~そして~
鈴音「こんなことでよかったの?」
杏子「は、はい……鈴音先輩と親睦を深めたかったので……」
杏子が私に言ってきたのは家の近くまで杏子を送ることだった。ちなみに他の3人は先に帰った。
鈴音「しかし杏子の歌は綺麗だったよ。歌手とか向いてるんじゃないかな」
杏子「ふぇ……?///」
鈴音「うん、そうだ。杏子さえよかったら今度は2人でカラオケに行かない?」
本来はヒトカラマイスター(自称)である私だけど杏子と一緒に歌うことで歌唱力向上に繋がるかもしれない。まぁ別に歌手を目指しているわけじゃないけど。
杏子「ふぁぁ……///」
鈴音「杏子……?大丈夫?」
杏子「な、なんれもないれしゅ……///」
鈴音「呂律回ってないけど本当に大丈夫?」
杏子「は、はい……!」
しかも顔が真っ赤だし……。
杏子「あ……ここまでで大丈夫です。今日はありがとうございました」
鈴音「うん、また部活でね」
杏子「はい……!」
杏子は返事をして帰っていった。これで少しは杏子との距離を縮められてるといいなぁ……。
今回はここまでです。総武の巻は他とは違って咲日和要素がない……。話のベースがないからやっぱり難しいなぁ……。
キャラ紹介
大宮鈴音……ある世界から転生してきた主人公。総武高校の3年生で麻雀部部長。カラオケの得意ジャンルはアニメソング。自称ヒトカラマイスター。
響未来……鈴音と一緒にある世界から転生してきた。総武高校の3年生で麻雀部副部長。カラオケでは井口○香の曲やキャラクターソングが持ち歌。
佐野美咲……総武高校の3年生で麻雀部部員。いいとこのお嬢様だけど庶民(美咲はそう思っていない)と遊ぶことが令嬢のパーティよりも好き。カラオケはかなり大好きでいつか鈴音や未来と行ってみたかったらしいけど家の仕事が忙しく、余り自由に遊べなかった。現在は未来がたまに遊びにくる。
綾瀬綾香……総武高校の1年生で麻雀部部員。金髪碧眼だけど地毛でカラコンも特にしていない日本人。実はアニメとかが好きでこの前秋葉原に遊びに行ったときにロシア語で話しかけられたことがある。カラオケは週一で行っている。
妹尾杏子……総武高校の1年生で麻雀部部員。麻雀部に入るまでは綾香以外の人とは余り会話をしなかったが今回の親睦で特に鈴音との距離がグッと縮まった。鈴音を見ると顔が熱くなったり胸がドキドキしている。好きな歌手は美空ひ○りと桑田○祐。
次回もお楽しみに!