生死を賭ける戦いから麻雀の世界に転生しました。   作:銅英雄

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今回もよろしくです。


阿知賀の巻②

穏乃と一緒に部室に向かう途中、憧と合流したのだが何やら深刻な表情をしていた。

 

穏乃「赤土先生が空き教室で不思議な読書をしてた?」

 

憧「なんか心配になるんだけど……」

 

鈴音「あの人が無意味なことをするとは思えないけどね」

 

穏乃「とりあえず赤土先生のところへ行きましょう!」

 

鈴音「そうだね」

 

私達は赤土先生がいる空き教室へと向かい、先生に事情を聞いた。

 

晴絵「違う違う。これは本じゃなくてアルバム!」

 

憧「なんでくるくる回してたの?」

 

晴絵「使いやすいかどうかを見てたんだ」

 

鈴音「……ということはそれ新品ってことですか?」

 

晴絵「そうそう」

 

憧「なんだ……。晴絵の卒アルだったら面白かったのに」

 

晴絵「それだと私が面白くないな……」

 

鈴音「学生時代何かしたんですか……?」

 

晴絵「あの頃はやんちゃしてたからね……。まぁ若気の至りって奴だよ」

 

そういうことは年をとれば黒歴史になるって言ってたな……私の親友が。

 

玄「赤土先生、お待たせしま……しま?」

 

私達が話していると玄が何かを持って入ってきた。しましま?

 

玄「穏乃ちゃんと憧ちゃんに鈴音さんも」

 

穏乃「玄さん」

 

鈴音「何か持ってるみたいだけども何を持ってきたの?」

 

玄「みんなの写真を持ってきたんです」

 

憧「えっ……まさか県大会参加するのに写真審査があるの?ぬかった……」

 

鈴音「そんなわけないでしょ……」

 

玄「?」

 

玄にいたっては何の話かわかってないみたいだし……。

 

憧「しず、制服の写真撮ってもらわないと!」

 

穏乃「えっ!」

 

鈴音「おーい、話を聞いてるかい?証明写真でも撮るつもり?」

 

 

~そして~

 

晴絵「昔のみんなの写真でアルバムを作ろうと思って玄に写真を持ってきてもらったんだ」

 

穏乃「成程!玄さん写真をいっぱい撮ってますからね!」

 

玄「えへへ……。今までの写真プリントしてきたよ!」

 

鈴音「すごい数だね」

 

晴絵「全くだ。これじゃあこのアルバムには荷が重い」

 

鈴音「全部使わなくてもいいのでは?」

 

たくさんある写真の中でみんなが選んだものをアルバムにのせることになった。

 

 

~そして~

 

晴絵「これ、飾り付けの道具ね」

 

憧「やるやる!」

 

鈴音「憧はそういうの好きだよね」

 

憧「はい!マスキングテープいっぱい使おっと!!」

 

なんだか嬉しそうだね憧。楽しそうで何よりだよ。

 

憧「早速1ページできた!」

 

鈴音「これは兎だね。上手いもんだ」

 

晴絵「けど写真使ってないな……」

 

まぁ本来は写真をそのアルバムに入れようって話だからね……。

 

 

~そして~

 

憧「今年度に入ってから急に写真増えたね」

 

鈴音「まぁ私や灼がみんなの輪に入ったのは今年度からだしね」

 

ちなみに私が吉野に引っ越してきたのは高2の中頃である。この世界に転生したときはまだ奈良にはいなかったんだよね。←※阿知賀の巻の設定です。

 

玄「みんなにデジカメもらって嬉しかったからかな」

 

鈴音「玄の誕生日のときだね」

 

憧「あー」

 

確かその日玄は嬉しさの余りたくさん写真を撮ってたね。

 

玄「嬉しさのあまりにたくさん写真撮ったんだけど、使いにくい写真が多くて……」

 

鈴音「まぁそういった写真ってあるよね」

 

私もそんな写真を撮ったことがあったっけ……。

 

 

~そして~

 

玄「この穏乃ちゃん面白い」

 

鈴音「すごくジャンプしてるね」

 

憧「それ採用!!」

 

晴絵「なんだかしずの写真ばかりチョイスしてるねみんな」

 

鈴音「確かに多いですね」

 

穏乃「えっ!もしかしてスターの素質ですか!?」

 

鈴音「う~ん……どっちかと言うと……」

 

憧「おもしろ動物の素質かな?」

 

穏乃「酷い!」

 

まぁ否定しきれない……。済まぬ。

 

ビュオッ!!

 

憧「わっ!風が……」

 

穏乃「写真が廊下に飛んでっちゃった……」

 

鈴音「今廊下に飛んでいった写真は確か……」

 

確か灼の顔写真だったような……。

 

ガララッ!!

 

灼「いきなり自分の顔写真が目の前に飛んでくるってすごいホラーなんだけど」

 

わーお、それは確かにホラーかもしんない。サーセン。マジでサーセン……。

 

憧「ドッキリ大成功……」

 

灼「狙ってやってたら怒るよ……」

 

鈴音「灼……ごめん」

 

灼「いえ、鈴音さんのせいじゃないです……」

 

玄「そうだ!灼ちゃんも空いてるところに写真貼る?」

 

灼「……じゃあ」

 

灼が写真を貼ったところは赤土先生の顔写真の隣だった。右のページ空いてたのに……。

 

 

~そして~

 

宥「わぁ……素敵なアルバム」

 

まだ来ていなかった宥が来てこれで麻雀部が全員揃った。

 

宥「でも玄ちゃんの写真が少ないかも……」

 

憧「そうなんだよねー」

 

鈴音「まぁ玄が私達の写真を撮ってるからね」

 

そう、私達の写真は玄が撮っているから必然的に玄が写っている写真は少ないのである。ちなみに玄が写っているのは赤土先生が撮っている。

 

晴絵「まだページ余ってるし、私が撮った玄の写真から選んでくれる?」

 

宥「わぁ~……」

 

玄「なんだか照れるね」

 

私達が選んだ玄の写真は宥がマスキングテープでマフラーを装備させたものになった。……なんで?

 

 

~そして~

 

晴絵「最後に集合写真みたいな感じで撮るよー!鈴音を中心に寄って寄ってー」

 

えっ……私が中心……?

 

晴絵「鈴音が部長だからね」

 

鈴音「はあ……」

 

晴絵「小さい写真になるからギリギリまで寄ってね」

 

えっ……ちょっ……まっ……。

 

この後私は5人によって揉みくちゃにされた。

 

 

~そして~

 

晴絵「アルバム完成!」

 

玄「わー!」

 

鈴音「けほっ……」

 

灼「大丈夫ですか……?」

 

そう思うなら止めてほしかったんだよ……。

 

 

アルバムの名前は『みんなの色々アルバム』になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回はここまでです。

キャラ紹介

大宮鈴音……ある世界から転生してきた主人公。阿知賀女子学院の3年生で麻雀部部長。阿知賀に転校してきたのは高2で、麻雀をしようと麻雀部まで行ったものの部員が1人もいなくて困っていたときに玄と出会った。毎週月曜日に部室を掃除している。

高鴨穏乃……原作阿知賀編の主人公。阿知賀女子学院の1年生で麻雀部部員。ジャージ大好き。おもしろ動物は素質を持っている?

新子憧……阿知賀女子学院の1年生で麻雀部部員。洒落乙な今時女子高生。小学生の頃は誰かに似ていたそうです。

松実玄……阿知賀女子学院の2年生で麻雀部部員。鈴音が麻雀部に入部した日が木曜日だったのでクラブのときに決めていた掃除当番に来たら鈴音と出会う。入部希望の鈴音が来たときに漸く部員が増えたと号泣した。

松実宥……阿知賀女子学院の3年生で麻雀部部員。寒がりでマフラー装備ナウな人。写真でもみんなにマフラーを着ける。

鷺森灼……阿知賀女子学院の2年生で麻雀部副部長。赤土先生大好きな人。私服のセンスが壊滅的(自分は最高のセンスだと思っている)で鈴音と憧によって後日私服が増えることになる。

赤土晴絵……阿知賀女子学院の麻雀部顧問。学生時代はとてもやんちゃだったらしい。何をしていたのやら……。


次回もお楽しみに!

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