生死を賭ける戦いから麻雀の世界に転生しました。   作:銅英雄

42 / 137
今回もよろしくです。


第35話 全国大会2回戦⑩

綾香side

 

副将戦……私の出番になった。今回の私の仕事は大将の鈴音先輩に回すこと……!私は鈴音先輩がさっき言ってたことを思い出す。

 

鈴音『何がなんでも私に回してね。そのためなら点をどれだけ減らしても構わないよ。もちろんこっちの点数が0を下回らなかったらだけど……それに関しては心配ないよね?有珠山と東白楽が飛びそうだからそれに気を付けて打ってくれたら何の問題もないからね』

 

どれだけ点数を減らしても構わないって言ってたから今回の私は準決勝に向けて『見』に徹しようかな?

 

私が会場に着くと有珠山の真屋由暉子(まやゆきこ)さんが先に会場にいた。私が入ってきたすぐ後に残りの2人も会場についたみたい。臨海のメガンダヴァンさんと東白楽の桃山早月(ももやまさつき)さん。

 

この試合はダヴァンさん以外は1年生という副将戦にしては珍しい構図になっている。他の3校はどんな思いでオーダーを決めてるんだろ……?

 

恒子『それでは副将戦開始です!!』

 

総武 268500

 

臨海 88600

 

東白楽 22400

 

有珠山 20500

 

 

~東1局 ドラ 発~

 

 

今の点数がこんな状況だから臨海はともかく他の2校は迂闊には攻められないはず……

 

ダヴァン「リーチデス」タンッ

 

……って思ったそばから臨海がリーチしたね。

 

そういえばダヴァンさんはテンパイすると相手がテンパイしているかどうかわかるって鈴音先輩と未来先輩が言ってたっけ……。なんでも他家がテンパイしたとわかった瞬間にその人に決闘を挑むんだとか。だったら……!

 

綾香「リーチ!」タンッ

 

その決闘とやらがどんなものかじっくりと見させてもらいますよ……!

 

ダヴァン(ホゥ……やはり挑んできまスカ。なら決闘(デュエル)デス!)

 

ダヴァン「」タンッ

 

綾香「」タンッ

 

ダヴァン「」タンッ

 

綾香「」タンッ

 

ダヴァン「」タンッ

 

綾香「」タンッ

 

ダヴァン「」タンッ

 

成程、こんな感じなんだ……。まさに決闘だね。しかも西部劇の早撃ちみたい……!

 

綾香「」タンッ

 

ダヴァン「ロン!12000デス!!」

 

綾香「はい」

 

点数にはかなりの余裕があるから跳ね満くらいならくれてあげますよ。……代償としてあなたのデータをもらいますけどね。

 

 

~東2局 ドラ 1索~

 

由暉子「」タンッ

 

ダヴァン「ポン!」カシャッ タンッ

 

親番だからかダヴァンさんが積極的になってる。私としては真屋さんと桃山さんにも頑張ってほしいところなんだけど……。

 

早月「」タンッ

 

ダヴァン「ロン!2000!!」

 

早月「……はい」

 

あちゃー……桃山さんが振り込んじゃったか……。でも安い手でよかった。親倍だったら飛んでるところだったよ。

 

 

~東2局1本場 ドラ 3萬~

 

綾香「」タンッ

 

由暉子「ポン!」カシャッ タンッ

 

真屋さんが私の切った中でポンする。早いところダヴァンさんの親を真屋さんに終わらせてもらおう!

 

綾香「」タンッ

 

早月「ロン。6700です」

 

綾香「はい」

 

あっ、桃山さんもテンパイしてたんだ。……全然気が付かなかった……。これで東場のダヴァンさんの親は終わりだけどあの決闘っぽいのだけじゃないような気がするからもう少し見る必要があるね。それに桃山さんは全中で打ったことがあるからまだいいけど真屋さんの方は余りよくわかってないんだよね……。

 

私はどちらかというと感覚派だから牌符を見て判断するよりもこうして実際に打った方が相手のことがわかるんだよね。

 

 

~そして~

 

早月「ツモ。1000、2000」

 

早月「ロン。5200」

 

早月「ロン。5800」

 

おぉ……刻む刻む。ちなみに出上がりは全て私が放出したものです。

 

恒子『東白楽の桃山早月、ここにきて勢いが出ました!』

 

健夜『桃山選手は昨年のインターミドルで6位という成績を残しています。彼女は細かく点数を稼ぐことを得意としていますが……』

 

健夜(桃山さんの出上がりが綾瀬さんからばかり……っていうのがちょっと妙だね)

 

 

それにしても桃山さんも全中のときとはくらべものにならないね。やっぱり今回は『見』に専念しようかな。

 

綾香「」タンッ

 

由暉子「ロン。4200です」

 

綾香「はい」

 

……実は1番実力が気になるのは真屋さんなんだよね。この半荘で少しでも情報が多くほしいところだね。

 

~そして~

 

由暉子「ツモ。1300、2600です」

 

ダヴァン「ロン。5200デス」

 

次で前半戦オーラスだけど今のところ私点数減らしてばかりなんだよね。点が減らなかったのって東2局だけだし……。だから流石に……。

 

綾香「ツモ!3000、6000です!!」

 

最後くらいは上がらないとね!

 

恒子『前半戦終了です!この前半は総武以外の3校が点数を取り戻した感じです!!』

 

健夜『逆に綾瀬選手は余り積極的に上がりにいかなかったようですね。後半戦で巻き返すのでしょうか』

 

 

総武 238100

 

臨海 101200

 

東白楽 37800

 

有珠山 22900

 

 

う~ん……有珠山の点数がちょっと少ないかなぁ……。子の3倍満か親の倍満の直撃で飛んじゃうし……。まぁそのあたりは後半戦になったら考えようっと!

 

 

 

綾香sideout

 

 

 

どうやら綾香は完全に見ることに専念したようだ。

 

美咲「綾香ちゃんの1人沈み……前にもこんなことあったよね?」

 

未来「そうね。確かあのときは……」

 

鈴音「私達3人と打ったときだったね」

 

あのときの綾香は私達の実力を見極めようとしてたばかりに美咲の手痛い1発を受けて飛んじゃったんだよね。

 

杏子「今回の綾香ちゃんはあのときのそれですね」

 

鈴音「まぁ多分準決勝のためだろうね。点数に余裕があるから問題ないでしょ」

 

伊吹「それが綾香の良いところでもあって悪いところでもあるんだよね~」

 

今伊吹先生が言ったように綾香は相手の実力を知ろうとするけどそのときの綾香は防御が薄くなるのだ。

 

だからあのときバレバレの美咲の役満に振り込むという悲惨な結果だったわけだけど……今回はそんな心配する必要なしだね。

 

 

 

 

 

 

 

 




今回はここまでです。

前半戦の親番は東白楽、臨海、総武、有珠山の順番でした。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。