生死を賭ける戦いから麻雀の世界に転生しました。   作:銅英雄

49 / 137
今回はここまでです。


第42話 準決勝前の休息②

一難去ってまた一難とはこのことをいうんだね……。

 

咲「お、お姉ちゃん!」

 

照「…………」

 

お菓子でも買おうかと思って売店に来たらこの状況である。……どうしたものかな?

 

とりあえずこの場から離れよう。大宮鈴音はクールに去るぜ!!

 

咲&照「大宮さん?」

 

しかしこちらに気が付いてしまった!……あるよね。普段仲が良くない人達がどうでもいいこと、或いは共通の敵を見つけたときに急に意見が一致したり、手を組んで共闘しようとすることって……。

 

照「……咲、大宮さんとは知り合いなの?」

 

咲「う、うん……5月に麻雀を打ったの」

 

照「そう……彼女は強かったでしょ」

 

咲「うん、手も足も出なかったよ……。お姉ちゃんは大宮さんのことを知ってるの?」

 

照「一応ね。去年会場に来たときにすれ違ったくらいなんだけど……」

 

しかも呼び止めといて私はおいてけぼりですか?お菓子買って会場の席に向かいたいんだけど……。君達仲違いしてなかったっけ?

 

鈴音「あの……何か用があるんだよね?」

 

咲「あ、すみません!大宮さんを見かけたから声をかけたんです!」

 

そこまで仲良くなった覚えはないような……。しかもいい印象を持たれた覚えもないし……。

 

照「それに大宮さん率いる総武高校はシードの臨海を破ったところだから話をしてみたかった」

 

鈴音「そ、そうなんだ……」

 

宮永照ってこんな性格だったっけ?

 

鈴音「あ、そうだ。私会場で試合を見たいんだけど、今先鋒戦が終わったところ?」

 

照「……うん、千里山の園城寺さんが倒れてしまってその騒ぎの影響で次鋒戦までまだ少し時間があるから売店でお菓子でも買おうかと思ったんだけど……」

 

咲「そこで私がお姉ちゃんを見つけたんです」

 

怜……倒れちゃったんだ……。今からでもお見舞い行こうかな……?いや、でも……。

 

咲「お姉ちゃん!」

 

照「……何?」

 

咲「私はあのことを謝りたくてそれでお姉ちゃんに会いに来たの」

 

照「そう……」

 

あっ、話がそっちに戻った。

 

咲「それで……お姉ちゃんと話したくて……!」

 

照「……それだけなら行くね。私には……」

 

鈴音「ちょっといいかな?宮永さん」

 

咲「なんですか……?」

 

照「何……?」

 

……今のは私が悪いな。だって彼女達は姉妹なんだから呼び名ははっきりとしなくっちゃ。

 

鈴音「宮永さん……は2人いるから姉の方の……照って呼ばせてもらうよ。私のことも鈴音でいいから。……それでなんで妹と話さないの?」

 

照「……鈴音には関係ない」

 

鈴音「そうだね。私には関係ない。さっきも2人がこっちに気付かなかったら見て見ぬふりのつもりだった。でも咲の照に謝りたい、話がしたいという想いを聞いてしまった以上は私も決して無関係じゃなくなったんだよ」

 

咲「鈴音さん……」

 

照「…………」

 

鈴音「照が咲のことをどう思ってるのかは知らないけど咲の話だけでも聞いてあげてほしいんだ」

 

照「…………わかった」

 

ふぅ……。とりあえず話だけは聞いてくれるようだ。

 

鈴音「咲、私にできるのはここまで……と言っても私の勝手なお節介だけど、あとは咲が照と一対一で話し合いをするんだよ」

 

咲「鈴音さん……ありがとうございます!」

 

鈴音「その言葉は照との仲を修復してから聞くよ」

 

咲「はいっ……!」

 

鈴音「じゃあ私は行くよ」

 

そう言って私はこの場を離れた。次会うときには宮永姉妹が和解してるといいなぁ……。

 

 

 

……お菓子は外のコンビニで買うことにしよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回はここまでです。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。