生死を賭ける戦いから麻雀の世界に転生しました。   作:銅英雄

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本編と阿知賀編の2本立てでーす。では今回もよろしくです。


第87話 全国大会決勝戦!先鋒戦⑫

杏子side

 

 

~東1局1本場 ドラ 3萬 親 片岡優希~

 

優希「リーチだじぇ!」タンッ

 

 

清澄 184700-1000=183700

 

 

玄(天和の次はダブルリーチ……。幸い安牌はあるからそれを切ってから考えよう)

 

玄「」タンッ

 

杏子(ダブルリーチ……。でも天和じゃなかったから、まだ干渉できる。問題は……)

 

私の配牌。この形は片岡さんみたくダブルリーチができる状況で、しかもドラがないにも関わらず、かなりの点数が望める。リーチをかければ倍満までは持っていけて、ダマで攻めても跳ね満は確実の良形。

 

杏子(今の点数が13800でリーチをかけて-1000、そこから和了ればダブリー、面前混一色、小三元、発、中の合計9翻で1本場で16300。ツモ和了で4300、8300……。リーチをかけなければ7翻の跳ね満。1巡待ってからリーチをかければ倍満にはなるけど、この局面はどうするべきか……)

 

私が今までリーチ棒を出さなかった意味を考えろ……!この決勝戦においては対戦相手の全てを晒してもらわなきゃいけない。それが私にできること!

 

片岡さんはともかく、宮永さんと松実さんは個人戦にも出てくるんだ……!美咲先輩の、未来師匠の、そして鈴音先輩のために、大好きな先輩達のためにも!!

 

杏子「通らば追っかけです……。リーチ!」タンッ

 

後半戦になった今、私はもう出し惜しみしない。全力で3人に立ち向かう!

 

 

総武 13800-1000=12800

 

 

恒子『な、なんと妹尾杏子!公式戦初のリーチ!しかもダブルリーチだぁーーーっ!!』

 

健夜『配牌から張っていて、尚且つダブルリーチをかければドラなしでも倍満に化ける点数になります。妹尾選手の本来の打ち方は一九字牌を多く取り入れてリーチ棒を出さずに打ち回すスタイルです。今まではリーチ棒を出さなくてもかなりの高打点を叩き出していましたが、この決勝戦ではドラを大量に抱えて麻雀を打つ松実選手がいます』

 

恒子『成程……。ドラによる打点を見込めない阿知賀以外の3校はリーチ棒で少しでも稼ぎたいってことですね!?それがダブリーなら尚更!』

 

健夜『そうですね……。スタイルを曲げてでも点数を少しでも稼ごうという姿勢を今の妹尾選手から感じられます。今までリーチ棒を温存していたという可能性もありますが……』

 

恒子『しかし片岡優希の1発で総武高校は飛んでしまう可能性も出てきました!この局を勝ち取るのは親っパネ以上を和了すれば総武高校を撃沈して優勝をかっさらっていく清澄か!追っかけリーチからの和了を狙う総武か!!はたまた阿知賀か白糸台がかっさらっていくのか!?目が離せません!!』

 

杏子(狙撃……!狙いを片岡さんに定める!)

 

これに失敗すれば、うちは飛んでしまうかもしれない。でも成功させてみせる!

 

優希「」タンッ

 

杏子(来た……!)

 

杏子「ロン……!」

 

優希「!?」

 

杏子「16300です……!」

 

私は全力でこの先鋒戦に挑む。負けるもんか……!

 

 

 

清澄 183700-16300=167400

 

総武 12800+16300+2000=31100

 

 

 

玄(な、なんか妹尾さんが急に鋭くなったよ……)

 

ラム(GWで見た時はオドオドしていた印象でしたが、今の彼女は1人の戦士って感じがしますね)

 

玄(でも東1局は無事に終わったね。次は親番!ラムちゃん、力を貸して!)

 

ラム(もちろんですよ!私達は2人で1つです!!)

 

杏子(次は松実さんの親番。松実さんの奥底に眠る物をきっと解放してくる筈。見せてもらいますよ……!)

 

先輩達なら1度見たらきっと対策をしてくれる筈だからね。




今回はここまでです。


じかいよこく!

遂にリーチ棒を出した杏子。そして東2局に異端とも言える力を見せる松実玄……。先鋒戦は更なる混沌へと……。


では次回もよろしくでーす。阿知賀編の方もおなしゃーす!

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