戦姫絶唱シンフォギア~未来へと響くは始まりの音楽~   作:Dr.クロ

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心傷つきし弓の少女は再び決意を持って歌を纏う。


第十六話~共闘再び~

響と未来の喧嘩から3日経った頃…

 

玉藻「クリスさん、調子はどうですか?」

 

クリス「ああ、凄く調子が良いと言うか、怪我してたのかと疑問に思う位に治り過ぎな気もする」

 

確認する玉藻にクリスは手をグッパさせたり、軽くジャンプしながらそう返す。

 

エル「(私の血で作った薬混ぜたからその効果か出てるのね)」

 

クリス「ノイズ達の方は大丈夫なのか……?」

 

それを見てエルがそう考えているとクリスが聞く。

 

エル「それなら大丈夫よ。響ちゃん達が対処しているみたいだから」

 

玉藻「一応この辺に近づけないように私が結界を張っているので心配ないかと」

 

クリス「そ、そうか…」

 

そう返したエルと玉藻のにクリスは安堵する。

 

ちなみに結界については玉藻がひいこらひいこらしながらノイズが入らないのと出現しない様にこの付近を包み込む形で作り上げている。

 

解呪に関しては玉藻にしか出来ない様にしている。

 

そんな話す2人を見ながらクリスはイチイバルを見る。

 

クリス「(…だがアレがある限り、あいつらは無限に現れる…ソロモンの杖)」

 

グッと握り締めてからクリスは後悔する。

 

クリス「(私があれを起動させちまった……だから)」

 

そう考えていた時…警報が鳴り響く。

 

どうやら街の近くにノイズが現れたみたいだとエルと玉藻が思っているとクリスが駆け出す。

 

エル「クリスちゃん!?」

 

玉藻「ちょ、どこ行くんですか!?」

 

飛び出したクリスにエルと玉藻は驚いた後に玉藻が慌てて追いかけ、エルはああ、もう!とファナに連絡してクリスが飛び出したから響達に知らせる様にと携帯を取り出してかけ始める。

 

エル「(間に合えば良いんだけど……!)」

 

自分の知る限りのでは大丈夫と言えるが現実だからそんなのは当てにならないのを知ってるので繋がるのを待つ。

 

一方、飛び出したクリスはシンフォギアを纏うと壁を叩く様な動作をするノイズへと銃撃を叩き込む。

 

クリス「ぶっ飛びやがれ!!」

 

ズガガガガガガガガガガガガガガガッ!!

 

放たれた銃弾で蜂の巣にされたノイズが塵と消えていった。

 

そのまま上空のをボーガンに変えたアームドギアから放った矢で撃ち抜いて行く。

 

クリス「オララララ!!」

 

ズダダダダダダダダダダダッ!!

 

そのまま撃ち抜いた後に次!と行こうとして…クリスの後ろからノイズが襲い掛かる。

 

クリス「チッ!」

 

ズダダダダッ!

 

咄嗟に撃ち抜いたが良いが至近距離で撃ち抜いたせいで炭となった途端に粉塵となってクリスを包み、歌っていたのもあって喉に入ってしまい咳き込んでしまう。

 

その隙を狙う様にノイズが襲い掛かり、しまっ!と思った時…

 

玉藻「とうっ!」

 

そこに玉藻の声と共に札が飛んで来て、ノイズに張り付くと共にノイズが燃えたり、凍り付いたしていく。

 

クリスがその現象に驚いている間に着ているのを青色の胸元や肩、太ももを露出した改造着物の様なのに変えた玉藻が駆け付けてクリスの隣に立つ。

 

玉藻「大丈夫ですかクリスさん!」

 

クリス「アンタ、その姿は…」

 

声をかけながら札を投げる玉藻にクリスは戸惑いながら問う。

 

玉藻「お話は後程に!今はこいつらを片付けますよ!」

 

クリス「あ、ああ!」

 

そう言う玉藻にクリスは頷きながら背中合わせになって迫るノイズを殲滅していく。

 

玉藻「炎天よ、払え!」

 

ボォォォォォォッ!

 

クリス「食らいやがれ!」

 

ズガガガガガガガガガガッ!

 

玉藻も加わった事でクリスの負担が減ると思いきや、場所を確認出来たからかノイズ達がしつこく現れて襲い掛かる。

 

クリス「チッ!ぞろぞろ現れやがって!」

 

玉藻「と言うか現れ過ぎでしょ!流石の私でも厳しすぎます!」

 

舌打ちするクリスに札を放ちながら玉藻は叫ぶ。

 

どうすれば…と思っていると…

 

???「はあッ!!!」

 

気合の籠った声と共に何かが降り立つと共に衝撃が迸り、隆起したアスファルトに2人に襲い掛かろうとしていたノイズは阻まれる。

 

それを成した人物…弦十郎は2人に振り返る中で玉藻は冷や汗を掻く。

 

玉藻「(な、なんですかこの人!?只の拳でこんなことをできるなんて!?)」

 

弦十郎「大丈夫ですか?」

 

強さに驚く中で弦十郎が玉藻に話しかける。

 

玉藻「え、ええまあ…」

 

クリス「…………」

 

戸惑いながら返事をする玉藻の隣で無言のクリスを一瞥した後に弦十郎は見上げる。

 

釣られて2人も見あげると…飛んでいる未来とその未来により運ばれて来た響が目に入る。

 

響「あ、クリスちゃん!」

 

クリス「!」

 

呼ばれてクリスはビクッと肩を震わせる。

 

響「クリスちゃん!無事でよかった!」

 

未来「そこの人は…?」

 

抱き着く響の跡に未来が玉藻を見て聞く。

 

玉藻「あ、どうも。私、月詠 玉藻と申します。ファナちゃんの家で家政婦をしてます」

 

響「ファナちゃんの家の家政婦さん!?」

 

名乗る玉藻のに響は驚く。

 

玉藻「ええ、そうです。ファナちゃんからいつも話を聞いていますよ響さん」

 

響「で、でもなんでその家政婦さんがクリスちゃんと!?」

 

玉藻「怪我していた彼女をうちで匿っていたんですよ」

 

驚いて聞く響に玉藻はそう返す。

 

そうなのと未来も聞き、そうだよと返される。

 

弦十郎「それでしたらありがとうございます。こちらも彼女の事を気にしていたので」

 

玉藻「いえいえ、……ところで普通の喋りで良いですよ?無理してません?」

 

そう言って礼を述べる弦十郎に玉藻はそう言う。

 

弦十郎「そうか、敬語だったのは初対面の人にはなるべく口調を気にしてるんだ。何分、上に立つ者として相手がどう言う人物か知らない時はあんまりタメ口で接するのは良くないと思ってな」

 

玉藻「そうでしたか。ところで貴方、かなりお強いみたいですが…流石に生身では危ないので」

 

最初が敬語な理由を聞いて納得してからお札を取り出してちょちょいと札の上で指を動かしてから弦十郎に張り付ける。

 

玉藻「これで少しの間、ノイズに触れても大丈夫になれました」

 

未来「……え?」

 

響「えええええ!?」

 

クリス「マジかよ…」

 

弦十郎「(佇まいから普通の人物ではないと思ってはいたが…)これはありがたい!皆!とにかくノイズ達を殲滅するんだ!今この場にいるのが最後だ!気を引き締めるんだ!」

 

告げられた事に驚く奏者たちへと弦十郎は発破をかけながら向かって来たノイズを殴り飛ばす。

 

すると自身は炭化はしなかったのでホントだなと弦十郎は驚嘆した後にだが、なるべく触れない様に…と考えながら隆起したアスファルトを殴り飛ばしてノイズを潰す。

 

それに響達も動き出してノイズを殲滅していく。

 

響「師匠、凄い!」

 

クリス「いや、あれは凄いを通り越して異常だろ;」

 

未来「私もそう思う…」

 

ミューチェ「(あの人、もはや無敵じゃない?)」

 

ノイズを倒しながらノイズを圧倒する弦十郎のに目を輝かせる響にクリスは冷や汗を掻き、未来も攻撃しながら同意し、ミューチェもノイズ対策すればマジで1人だけで十分ではないかと本気で思った。

 

しばらくしてノイズは殲滅され、さて…と弦十郎はクリスの方へと顔を向ける。

 

弦十郎「久々だなクリスくん。元気そうでなによりだ」

 

響「師匠、久々って…」

 

クリス「………」

 

そう声をかける弦十郎に響は首を傾げ、クリスは無言である。

 

弦十郎「彼女を引き取ろうとしたのは俺だったからね…会おうとして行方を眩まれてしまったんだ」

 

響「そうだったんですか!?」

 

告げられた事に響や未来が驚く中で弦十郎は玉藻へと顔を向ける。

 

弦十郎「少しお願いしても宜しいだろうか?」

 

玉藻「何でしょうか?」

 

お願いと聞いて玉藻は首を傾げる。

 

弦十郎「そちらがよろしければ良いのだが…クリスくんをそちらに住ませて貰えないだろうか?」

 

クリス「なっ!?」

 

玉藻「それは良いんですがよろしいので?」

 

まさかのに驚くクリスの後に玉藻も驚きを隠せずに問う。

 

弦十郎「ええ、現状では俺達よりもそちらに信用を持っているからクリスくんも安心できると思うからな」

 

玉藻「なるほど。それならOKですよ」

 

クリス「いやちょ、あたしのは!?」

 

話を進める2人にクリスが噛み付くが未来と響がまあまあと宥める。

 

響「落ち着いてよクリスちゃん」

 

未来「クリスも別に嫌じゃないんでしょ?」

 

クリス「そ、それは…」

 

チラチラッと響を見るクリスに未来は静かにオーラを纏う中で弦十郎は宜しく頼むと玉藻に頭を下げ、いえいえ~と玉藻も頭を下げ…

 

弦十郎「それとこれとは別に事情説明とそちらのを聞きたいので同行して欲しい」

 

玉藻「あーそれは…」

 

ミューチェ「(説明しずらいわよね…)」

 

そう聞く弦十郎に玉藻は困った顔をして、事情を知るミューチェも困った顔をする。

 

弦十郎「いやなに、クリス君がそちらにいるまでの経緯やどうして此処にいたかのを聞くだけなので深くは聞くつもりはないさ」

 

玉藻「まあそれぐらいなら大丈夫ですね」

 

ただ、安心させる様にいった弦十郎のに玉藻は安堵して承諾する。

 

クリス「ひ、響!」

 

響「ん?何クリスちゃん?」

 

声を掛けられて響は顔を向けるとクリスはモジモジする。

 

クリス「あ、その…まぁ、助けてくれてありがとよ」

 

響「クリスちゃん……こっちこそ、私が暴走した時、助けてくれてありがとう!」

 

未来「確かにクリスもいてくれたのもあったからね」

 

顔を赤くして礼を言うクリスに響も返し、未来も頷く。

 

響「ねぇ、これからは一緒に戦えるよねクリスちゃん」

 

クリス「お、おう…」

 

コクリと頷くクリスに良かったと響は笑う。

 

玉藻「(おやおや、顔真っ赤ですねクリスちゃん)」

 

ミューチェ「(響は罪な女よね)」

 

未来も近寄るのに玉藻とミューチェに弦十郎は微笑ましそうに見守った。




クリス「次回!『防人とのデート』…響とデート…♪」

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