戦姫絶唱シンフォギア~未来へと響くは始まりの音楽~ 作:Dr.クロ
響「あれがカ・ディンギル…!」
翼「まさか二課のエレベーターシャフトの正体がカ・ディンギルだったとは!」
自分達の目の前に現れたのに響はファナから聞いたのからすぐさま察する隣で翼は呻くと響ーと言う声と共に未来とクリスが飛んで来る。
翼と響の前に来るとクリスを降ろす。
響「未来!クリスちゃん!」
クリス「これがフィーネの言ってたカ・ディンギルかよ…」
未来「エレベーターシャフトがカ・ディンギルだったなんて……。でもこんなことできるのって……」
誰もが伸びるカ・ティンギルに驚く中で響は気づく。
響「あ、皆あれ!」
翼「あれは……!」
誰もが響の指す方を見ると残っていた崩れかけているリディアンの校舎の屋上に立つ了子の姿が目に入る。
翼「櫻井女史?」
未来「はい。そしておそらくですけど了子さんが……!」
クリス「フィーネ!お前の仕業か!?」
目をパチクリさせる翼に未来がそう言った後にクリスが叫ぶ。
翼「なっ!?」
響「フィーネ!?」
それに響と翼が驚く中で了子はにこやかな笑みを浮かべたまま…
了子「フフフハハハハハハハハハハハハ!」
高笑いする。
それにより翼と響は彼女は敵対者だと認識する。
ミューチェ「(やはり彼女がフィーネだったのね……)」
未来「了子さん……」
翼「そうなのか!?その笑いが答えなのか!?櫻井女史!」
クリス「あいつこそ、あたしが決着を付けなければならないクソッタレ!フィーネだ!」
その言葉と共に了子は嘲笑を浮かべたままメガネを放り投げ、アップされた髪をほどく。
すると青い光が了子の身体を包み込み、その姿を晒す。
金色のネフシュタンを纏い、髪の色もプラチナブロンドに染まった了子…いやフィーネが立っていた。
ミューチェ「(この気配…普通の人間じゃないわね彼女)」
響「そ、そんな…了子さんがフィーネ…」
顔を歪めるミューチェの隣で響が代表で声を漏らす。
フィーネ「桜井了子…その名の奴はもうこの世にはいない」
その言葉に誰もが驚く。
響「居ないって…」
未来「どういうこと…?」
誰もが出て来た言葉に戸惑う中でフィーネは語る。
今、響達の目の前にいるフィーネは超先史文明の巫女…つまりはるか昔の人物で、遺伝子に己が意識を刻印し、自身の血を引く者がアウフヴァッヘン波形…聖遺物、あるいは聖遺物の欠片が、歌の力によって起動する際に発する、エネルギーの特殊な波形パターンに接触した際、その身にフィーネとしての記憶と能力が再起動する仕組みを施していたのだ。
昔、翼が偶然引き起こした天羽々斬の覚醒により、実験に立ち合った櫻井了子の内に眠るフィーネの意識を目覚めさせた。
未来「遺伝子に自分の意識を…」
ミューチェ「(なるほど…ようするに彼女は櫻井了子の魂と心を糧にして蘇り、体をそのまま自分のにしてる訳ね…しかし、なんでそんな事を…)」
翼「なぜこの様な事を!そして目的はなんなのだ!」
驚く響の後にミューチェが納得してから疑問を思った後に翼が剣の切っ先を向けながら問う。
フィーネ「我が目的…それは今宵の月を穿つ事だ!」
響「月を…穿つ!?」
未来「ええええ!?」
翼「なぜそんな事をする!」
その言葉に誰もが驚いて翼が代表で聞く。
それに対しフィーネは無表情に一瞥し答える。
フィーネ「私はただ“あのお方”と並びたかった。その為に“あのお方”へと届く塔をシンアルの世に建てようとした。だが“あのお方”は人の身が同じ“高み”に至る事を許しはしなかった。“あのお方”の怒りを買い、雷帝に塔が砕かれたばかりか、人類は交わす言葉まで砕かれる。果てしなき“罰”。バラルの呪詛を掛けられてしまったのだ」
未来「バラルの呪詛…?」
クリス「なんだよそりゃあ…」
ミューチェ「(人間が自分と同じ高みに至るを嫌うなんてずいぶんと傲慢な存在ね…器はたかが知れてるわね)」
語ったフィーネのにミューチェは思わず呆れる。
フィーネ「月が何故不和の象徴と伝えられてきたか、それは月こそがバラルの呪詛の源だからだ!人類の相互理解を妨げるこの“呪い”を月を破壊する事で解いてくれる!そして再び世界を一つに束ねる!」
4人へと向けてフィーネが叫ぶと同時にカ・ディンギルがエネルギーをチャージし始める
響「いやいやいや!?月破壊したら世界一つになる前に滅びますよ了子さん!?」
未来「破壊した月の破片が隕石になって地球に降り注いだら確かにそうなるよね…」
クリス「他にも色々と災害が起きちまうだろ!束ねる以前の問題じゃねえか!?」
翼「ならばやる事は1つだ!立花!小日向!雪音!」
各々に叫んだ後に翼が呼びかける。
3人とも頷いた後にフィーネに向けて4人は構える。
フィーネ「やはり邪魔をするか!長年の願いを叶える為にも、邪魔はさせん!」
クリス「時間がねぇ!まずはカ・ディンギルをぶっ壊すぞ!」
響「それじゃあクリスちゃんと未来がカ・ディンギルを。翼さん、私と一緒に了子さんの足止めをお願いできますか?」
未来「分かった!」
翼「承った!行くぞ!」
咄嗟にそう言う響のに3人は賛成してそれぞれ別れる。
フィーネ「私の足止めをするつもりか…」
響「二人の邪魔はさせません!」
翼「参る!」
そう言って飛んで行く2人の方へと攻撃を仕掛けようとするがそれより前に響が攻撃を仕掛ける。
放たれる体術を掃いてから斬りかかろうとする翼の手から鎖で剣を弾き飛ばす。
すぐさま翼は逆立ちをする様に動くと…
逆羅刹
そのままカポエラの様に回りながら足に付いてる剣を展開して攻撃を仕掛け、フィーネはそれを鎖で防いで行く。
そんな翼の体勢を見てミューチェは場違いな事を思った。
ミューチェ「(スーツの奴で色々とギリギリな感じになってるわね…翼ちゃん。そこらへんのは直した方が良いんじゃないかしら…;)」
響「はあっ!」
翼「はあ!」
フィーネ「小賢しい!!」
連続攻撃を仕掛ける2人にフィーネは小型のエネルギー球弾を作り出してそれをわざと爆発させて2人もろとも自分を吹っ飛ばした後に体勢を立て直すと2人に向けてクリスがやった奴よりも大きな巨大光弾を作り出して投げ飛ばす。
翼「しまった!」
響「(クリスちゃんのと同じ技!それなら!)」
それに翼は焦るが響は焦らず…
バシュン!
フィーネ「何!?」
光弾は2人とフィーネの中間で何かに防がれる様に四散するのにフィーネは驚く。
翼「い、今のは?」
ミューチェ「(音のバリアで防いだのね)」
それには翼も戸惑う中でミューチェはすぐさま察した後に響が翼を呼びかけて、翼も我に返ってからフィーネに突撃する。
一方でクリスと未来は発射口に辿り着いていた。
クリス「手早くぶっ壊すぞ未来!」
未来「うん!」
応えた後に未来は回転して勢いを付けてからクリスを上へと投げ飛ばす。
クリス「食らいやがれ!」
MEGA DETH PARTY
上へと投げ飛ばされた後にクリスはカ・ティンギルに向けてミサイルをぶっ放す。
続けて未来も扇子を展開し…
閃光
必殺技の閃光を放つ。
未来「これなら!」
フィーネ「させるものかっ!」
攻撃させないとフィーネは鎖をなげるが…
ガキィン!
途中でまた何かに遮られる。
そして当たりかけた時…
カッ!!!
カ・ティンギルから光線が放たれる。
クリス「なにっ!?」
未来「ええっ!?」
まだ発射されないと思っていた2人にとってそれは驚きで、光線は途中で何かに当たった後…
バキン!
壊す様に突き破って来る。
響「(バリアが!?)」
ミューチェ「(うそっ!?)」
それに驚いている間に光線はミサイルを爆発させ、未来の閃光とぶつかり合う。
未来「なにあれ!?」
クリス「迎撃装置みたいだな…」
フィーネ「(あいつの仕業か。いつの間にあんなのを……まあ良い。おかげで助かった)」
驚く2人の後にフィーネはすぐさま察してニヤリと笑う。
その間も光線は閃光を押し続け、未来は力を籠める。
クリス「未来、大丈夫か!?」
未来「ぎ、ギリギリ…だけどこのままじゃあ…」
その言葉にクリスはどうすると考える。
クリス「(砲身の部分が駄目なら砲口の方からやれば良いか…)」
そう考えた後にクリスは未来から離れるとミサイルを作り出してそれに飛び乗って砲口へと向かう。
未来「クリス!?一体どこに……」
クリス「先に行く!このままだと本命のが発射されるだろうからな!」
その言葉に未来もま、待って!と音の壁を何重に展開して光線を防いでからクリスの後を追う。
クリス「(絶対に防いでやる!あたしの歌で…!)」
そのまま成層圏まで着いた所でミサイルから降りるとアームドギアを構えながら歌を紡ぐ。
クリス「~~~~♪~~~~♪edenal♪」
それはかつて奏が2年前に歌った絶唱であった。
続けざまに未来が辿り着いてクリスの紡いでいる歌に驚く。
未来「(あの歌って絶唱……!?)」
それにすぐさま未来は自分のするべき事を察するとクリスと並んで彼女と同じ様に負担を軽くする為にも同じ様に歌う。
クリス「(未来!?お前……)」
未来「(ゴメン響、無茶をしないでって言う私が無茶をするね)」
それにクリスは驚く中で未来は響に内心謝罪すると共に足のアーマーを円状に展開する。
クリスもリフレクターを出して集まったエネルギーを、二丁のライフルを繋げて組み上げたロングライフルに集中させる。
クリス「(あいつが守ろうとする世界を……)」
未来&クリス「(絶対に壊させない!)」
ROSE OF DEATH
流星 撃
思いが重なると共に絶唱を歌い終わった後、カ・ディンギルから月を破壊しようとする光が壁をぶち破って2人に迫る。
それと同時に、クリスと未来も絶唱により高まったのを放ち、互いのエネルギーがぶつかり合う。
ぶつかり合う中でクリスと未来は顔を歪める。
一見互角そうに見えるぶつかり合いだが…若干…そう若干とも言える僅差で…
クリス「(チッ、あたしと未来の二人がかりでも防げねぇのか)」
未来「(でも防げはしなくても少しだけ……ほんの少しだけ軌道を変えれれば……!)」
ビシッ、ビシッビシッ
歯を食い縛って耐える2人だが2人の持つアームドギアに音と共にひび割れが起こり始める。
クリス「(壊すことしか出来ないと思っていた。あたしの歌は、パパやママみたいに優しい歌じゃないって、ずっと思っていた。でも、この町のみんな、響やおっさん達……そして、パパやママが教えてくれた)」
徐々に迫る光を見ながらクリスの脳裏に過ぎるのは、幼い頃に父と母に連れられ世界中を回っていた時と、響の強い眼差し。
未来「(響……あとは任せるね。大丈夫、響なら…)」
そして未来は自分の親友でもあり最愛の人を思い浮かべる。
クリス「(ああ、そうだ。あたしはずっと、パパとママのことが大好きだった。だから、二人の夢を引き継ぐんだ。パパとママの代わりに、歌で平和を掴んでみせる。壊すんじゃない、平和の、誰かの為。あたしの歌は、その為に―――)」
そして…2人のアームドギアが壊れた後に咄嗟に未来はクリスを抱き抱え、音の膜で包み込んだ直後…光に飲まれる。
☆
それは地上でも見えていた。
軌道が逸れ、月を一部だけ破壊する光とその光の中から出て来て落ちる2人を…
響「未来……クリスちゃん……」
呆然と呟く響だが翼はカ・ティンギルが再びチャージし始めてるのに気づく。
なぜ?と動揺する翼だがすぐさま出来る理由に行きつく。
翼「まさか、デュランダルの力か!?」
フィーネ「そうだ、一発しか撃てぬなら兵器としては欠陥品だからな。一撃を逸らしたのは流石クリスと小日向未来と言うべきか……だが、終わりが伸びただけだ。カ・ディンギルがある限り、何度でもエネルギーは充填され、月を穿つ一撃となる!クリスも、小日向未来も、全ては来る終わりを先延ばしにしただけだ。気概は良いが、所詮は無駄な足掻きでしかない!」
気づいた翼にフィーネはそう返す。
それに翼は、剣の切っ先をフィーネに向けながら、静かに怒りを滲ませる。
翼「無駄だと言ったか。命を賭して大切なものを護ろうとした、雪音と小日向の行いを、お前は無駄とせせら笑ったか!」
フィーネ「事実であろう?雪音クリスと小日向未来は一撃こそ止めたが、それも僅かな時間稼ぎにしかならない。奴らの行いは無駄だったのだ」
その言葉に見上げていた響は拳を握り締める。
響「許さない……」
フィーネ「む?」
自分へと顔を向けるフィーネをみつえながら響は拳をさらに強く握り締める。
響「未来とクリスちゃんの命がけでやってくれたことを無駄なんて言うなんて……絶対に許さナイ!」
その言葉と共に響の体が足から黒く染まっていく。
その現象に翼はデュランダル輸送の際のを思い出す。
翼「立花、お前まさか!」
響「すみまセン、翼さン。私、今から暴走しマス。2人ノ決死ノ行動ヲ侮辱サレテ黙ッテラレルカァァァァァァァァ!!!」
その言葉と共に体が完全に黒く染まり、目が赤一色となった響はフィーネへと突撃する。
フィーネ「狂戦士のごとき、理性なき一撃なぞ!」
それに対してフィーネは受け止めようとして…想定よりも強い衝撃に吹き飛んで瓦礫にぶつかる。
フィーネ「ガハッ!?」
響「ガァアアアアアアア!!」
続けざまにガントレットを変形させて槍の様にしてフィーネへと叩き込む。
狂装咆哮(無印バージョン)
フィーネ「ぐぁああああ!?」
瓦礫を突き破って地面を転がったフィーネは自身の体を再生させながら膝を付く。
フィーネ「グッ…なんだこの規格外の強さは…!?」
彼女から見れば暴走とも言える響の姿に彼女は当初見下していたが次第にその強さに焦りが出始める。
翼「立花……っ、私はどうしたら…!」
見ていた翼はジレンマを抱いていた。
響と共にフィーネと戦うべきか、カ・ディンギルを破壊するべきかと…
こういう状況ならば後者であるべきだろうが翼は響がこのままではやばいと感じてるのもあってそれに踏み込めないのだ。
そんな迷う翼を押したのは…響の言葉であった。
響「ツバ……ササン…!」
翼「!立花!」
戦いながら声を出した響に翼は響を見る。
響「ココ………ハ……ワタ……シガ……引キ……受ケマス……カ・ディ……ン……ギル…ヲ…」
翼「……!」
その言葉に翼は決意を固めた後にカ・ディンギルへと駆け出しながらこれまでを思い出す。
翼「(私はこれまで立花達に迷惑をかけて来た。奏の事もあって彼女達の事を知らずに否定し、そして後悔した。自分の世界がどれだけ狭かったのかと…だからこそ…)」
カ・ディンギルに駆け出しながら翼もまた絶唱を歌う。
翼「(私の命に賭けてでもカ・ディンギル破壊を成し遂げてみせる!それが立花が託してくれた事に対する返しだ!)」
飛び上がるとアームドギアを巨大化させる。
フィーネ「ッ!させるもの…」
響「ガァアアアアアアアア!!」
それを妨害しようとしたフィーネを響は吹き飛ばす。
フィーネ「クッ!」
それにより出来た好機を逃さずに翼はカ・ティンギルをみつえながら叫ぶ。
翼「これが立花達に教えて貰った防人の一撃だぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
蒼ノ一閃・極撃
強く輝く刃が振り下ろされ…月を破壊しようとする塔を両断した。
そのまま翼は着地した瞬間、塔から光が迸り……
ズドォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!
大爆発を起こし、崩壊して行く。
フィーネ「ば、バカな……!?」
ミューチェ「(あの大きさの塔を両断するなんて…やるじゃないの)」
壊れ行くカ・ティンギルに目を見開くフィーネの隣でミューチェは息を荒げる翼へと称賛する。
翼「はあ…はあ…」
響「ヤリ……マシタネ……翼……サン……グゥゥ!」
近づいてそう言った響は胸を押さえて膝を付く。
翼「立花!」
フィーネ「よくも……よくもやってくれたな貴様らァアア!!」
慌てる翼を前に怒気を纏ったフィーネは咆哮するとその体を光らせる。
☆
それはシェルターにて見ていたファナ達も見ていた。
翼がカ・ディンギルを破壊したのに喜んだのもつかの間、フィーネに起きた変化に誰もが驚く。
弦十郎「な、なんだ!?」
ファナ「(そんなバカな…!?何故
それに弦十郎達も驚く中でファナはその現象にありえないと考える中で光が収まる。
光が収まったフィーネの纏うネフシュタンの鎧が変化していた。
肩アーマーの形状が変化してまるで龍の顔の様になり、その左右に羽の様なのが浮かび、胸は上部分覆っていたのが下を覆う形に変わり、下部分は……パンストの様なのが消えて大事な所がちょこんとしたので守られてるだけになっていて、腰左右にアーマーが追加されて肩の鎧から伸びていた鎖が伸び、その色はピンクから水色に変貌していて、腰の裏側に金色で裏地が赤のマントが追加されていた。
弓美「な、なんか特撮で良くある女幹部の大胆な恰好に変化してる!?」
藤尭「oh…」
あおい「…(げしっ)」
それに弓美が叫び、思わず鼻を伸ばした藤尭はあおいに足を踏まれる。
踏まれた足を抑えて悶える藤尭を背に弦十郎は手を握り締める。
弦十郎「まさか完全聖遺物が変化するとは…」
ファナ「(もしかしてカ・ディンギルを破壊された怒りで……?ヤバイっす。このままでは響さん達が殺されてしまうっす!)」
顔を歪める弦十郎の隣でファナは必死に2人の無事を祈る。
☆
翼「完全聖遺物が…変化した!?」
フィーネ「これこそネフシュタンの進化した姿だ」
響「ウソ……」
驚く2人へとフィーネはそう言った後に…羽の一部を杭の様にして翼へと飛ばす。
咄嗟に響が動き…翼を庇い、杭が刺さる。
翼「立花!?」
響「ガッ……」
フィーネ「すぐには殺さぬ……徹底的に苦しめてから殺してやる!」
血を吐き出しながら膝を付くと共に体中の黒が剥がれ落ちる響を見ながらフィーネは睨む。
この!!と翼は絶唱の負担が残る体に鞭を振るってアームドギアを握り締めて突撃するが受け止められ…
フィーネ「フンッ!」
翼「がはっ!?」
そのまま地面にたたきつけられた後に勢いよくカ・ティンギルの残骸へと投げ飛ばされてしまう。
ドゴーン!!
響「翼さん……!」
フィーネ「まずは奴から殺す。カ・ディンギルを壊した大罪をその身で償って貰う」
そう言って向かおうとするフィーネの前に響がよろけながらも立ち塞がる。
フィーネ「その傷でまだ私に抗うと言うのか」
響「止めますよ。月を破壊したら大災害が起こりかねないんですから」
そう言う響にフィーネは鞭を地面に叩き付け八つ当たりしながら、苛立った様子で叫ぶ。
フィーネ「忌々しいッ! あともう一手で、手が届いたというに!月の破壊はバラルの呪詛を解除すると同時に、重力崩壊を引き起こし惑星規模の天変地異となる。未曾有の災害に人類は恐怖し、聖遺物の力を振るう私の元へと帰順するはずだった!痛みだけが、人の心を繋ぐ唯一つの絆。それが、数千年で見出した真実だと言うのに……ッ!」
ミューチェ「(痛みだけが人の心を繋ぐ唯一の絆ですって?ふざけてるの?そんなの絆な訳ないでしょ)」
そう叫んだフィーネのにミューチェは怒る。
響もまた苦悩があったとはいえ、彼女のやった事を認められない。
例え涙を流す姿にどれだけ長く見て来ただろうが、彼女のやろうとしてる事を認める訳にはいかない。
響「だめ……ですよ了子さん…そんな事では、人が人と繋がるなんて出来ませんよ…そんなのは絆じゃないです。ただ恐怖で従えてるだけなんです。なぜこんな事をしてまで月を破壊しようとするんですか…!」
ミューチェ「(それよね。確かに月を破壊するのに固執するのにね)」
そう問う響にフィーネは月を見上げながら口を開く。
フィーネ「遠い昔、私はあのお方、創造主に仕える巫女だった。私はいつしか創造主を愛したが、この胸の思いを届ける前にバラルの呪詛によって統一言語を奪われ、その思いを伝えることが出来なくなった。私は数千年に渡り、たった一人でバラルの呪詛を解く為に抗ってきた。いつの日か統一言語を取り戻し、あの方に胸の思いを届けるために……!」
その言葉にミューチェは響に体借りるわよと言って憑依し…
M響「なるほどね。それが貴女の願い…誰もが持っている恋心が貴方を動かしていたのね」
フィーネ「そうだ!それが私の願いだ!」
確認する様に言うM響にフィーネはそう返す。
M響「そう。恋心ってホント凄いわね。でも貴女は…本当に創造主に恋してるの?」
フィーネ「なんだと…?」
出て来た言葉にフィーネは顔を歪める中でM響は続ける。
M響「だって人間が自分と同じ高みに来るのを嫌っている奴なんでしょ?そんな奴を本当に愛せられる?さらに言うならあなたを信用してたの?」
フィーネ「黙れ……それ以上あの方を…!」
怒りで身を震わせていたフィーネだったがすぐさまハッとなってM響を見る。
フィーネ「待て…誰だ貴様は?立花響ではない…一体何者だ?!」
M響「さて、何の事やら」
しらばっくれるな!と叫んで鞭を振るうフィーネにすぐさま主導権を返して貰って響は避けた後に杭に手をかけ…
響「はぁっ!」
杭を引き抜いた後にフィーネへと投げ飛ばす。
それにフィーネは意表を突かれて肩に命中する。
フィーネ「グゥ!!」
響「はあはあ…了子さん…絶対に止めます…」
杭が刺さっていた所を抑えながら響は強い光を灯す瞳でフィーネを見る。
その瞳にフィーネはたじろく。
ミューチェ「(響の強い意思の光に恐れているわね)」
フィーネ「何故だ…何故貴様の心は折れぬ…何故諦めない…一体何なんのだ貴様は!?」
叫ぶフィーネに響は構える。
すると…声が聞こえて来る。
それも歌で、響にとって聞き慣れたリディアンの校歌であった。
響「この歌って……」
ミューチェ「(この力は……!)」
聞こえて来る歌に響とミューチェは気持ちが熱くなっていくのを感じる。
フィーネは流れるのに顔を歪める。
フィーネ「なんだこれは?何処から聞こえてくるのだこの不快な歌……歌だとっ!?」
響「そうですよ。了子さんが言っていたのとは違う…繋がりの歌です」
その言葉にフィーネは鞭を振るうが響は殴り飛ばすと共にその体を光り輝かせる。
フィーネ「なんだそれは……!?先ほどの不快な歌の仕業か!?なんだと言うのだ!?」
起こりし現象にフィーネは動揺して叫ぶ中でカ・ティンギルの頂上とリディアンから離れた森から青と赤、紫の光が響から溢れ出すのと同じように空へと伸びて行く。
その光景にフィーネは言い様の無い何かを感じて後退りながら再び問う。
フィーネ「何だ、お前達が纏っている、ソレは一体何だ、何なのだッ……!?」
ミューチェ「(なんだって?そんなの決まっているじゃない。彼女達が纏っているのは―――)」
信じられないとばかりに叫ぶフィーネと輝きを目に焼き付けるミューチェにその身に纏うのを純白のに染め、出現した翼で舞い上がった響は同じ様に光から飛び出した翼、クリス、未来を前に浮かんで答えを叫ぶ。
響「シンフォギアアアアアアアアアアアアッ!!!」
光を放つ純白を纏いし装者は巫女へと視線を向ける。
今、最終決戦が始まる。
響「次回!『エクスドライブ!』だよ!了子さん。止めて見せます!」