戦姫絶唱シンフォギア~未来へと響くは始まりの音楽~   作:Dr.クロ

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しばらく身を隠す事になった響達。
その一日目で自分達の秘密を明かす。


第二十三話~始祖ばらし~

前回から翌日

 

響達は二課の仮説本部にいた。

 

少し心苦しいが響達には1ヵ月の間は死亡していると言う情報を流すとの事だ。

 

これは響達が狙われない様にする為の処置と弦十郎は言ってたが、本人は乗り気ではないのが普通に表情に出ていたのを響達は知る。

 

なお、創世や弓美、詩織にファナは外部協力者と言う事になった。

 

ちなみにファナはそう言えば創世さん達、響さんの事を知るの遅かったっすと今更ながら思い出していたのは些細である。

 

そして今は…エルや玉藻も一緒に響と未来は弦十郎達に囲まれていた。

 

ちなみにエルと玉藻がいるのは弦十郎の判断で来て貰い、事情を話していた。

 

弦十郎「…と言う訳で、我々も彼女達が普通ではない事を知りまして、それで貴方方にも話を聞こうと思い呼んだんだ」

 

エル「あーなるほどね」

 

玉藻「それなら呼ばれたのも納得ですね。まぁ、私が見せちゃってますからね…」

 

ふうと息を吐いた後にクリスが真っ先に聞く。

 

クリス「んでどういうことなんだよ二人とも。死なないって」

 

響「えっーとね……」

 

未来「それについては…」

 

どう説明しようかと悩む2人にしょうがないわね…とエルが前に出て手をパンパンさせて視線を集める。

 

エル「説明なら二人じゃなくて彼女がしてくれるわ。そうでしょミューチェ」

 

M響「いやまぁ、説明はするけど、あなたも手伝いなさいよ」

 

出て来た言葉に響に憑依しながらミューチェは呆れる。

 

誰もが響の変化に驚くが弦十郎だけは納得した様に頷いている。

 

弦十郎「成程、あの時了子君と話していたのは君なのだな」

 

M響「ええ、そうよ。はじめまして私は元音楽の始祖、ミューチェよ。よろしく」

 

弓美「え、何この時を駆ける列車を使う仮面の戦士みたいな感じ」

 

創世「言う所違う気と思うよ弓美;」

 

詩織「それより元…とは?」

 

自己紹介するM響に弓美がそう言って創世にツッコミを入れられてる間に詩織が聞く。

 

M響「始祖としての力は三年前に響と未来に渡したからね」

 

翼「三年前……まさか!?」

 

答えた事に翼はすぐさま驚きの顔でM響を見て、弦十郎も察したのか険しい顔をする。

 

弦十郎「もしや響くん達の誘拐で2人を助けたと言う女性が…」

 

M響「ええ、私よ」

 

エル「あの事件が始まりだったのよね」

 

ふうと息を吐くエルだがクリスが慌てた様子で待ったをかける。

 

クリス「ちょ、ちょっと待て!あの事件、殺されかけたって聞いてたけど…まさか本当に死にかけたのか!?」

 

弓美「んで、響に憑依してるって事は幽霊だったの!?」

 

驚いて聞くクリスだったが弓美の言葉にビクッとなるがすぐさまどうなんだよと聞く。

 

M響「正確に言うならあの日、人としての二人は死んだって事になるわ」

 

玉藻「だからこの人は自身の力を2人に与えて生き永らえさせたんですよ」

 

翼「そうだったのか…」

 

告げられた事に翼が驚くが奏とファナが驚いてないのに気づく。

 

翼「って二人とも何で驚いていないんだ?」

 

奏「あー実は私、教えてもらったんだよな。二人が始祖って言う事」

 

ファナ「私もっす」

 

弓美「ええ!?」

 

創世「あ、だから結構ビッキー達と一緒にいたんだ」

 

たははと笑って言う奏とファナのに弓美は驚き、創世は納得する。

 

弦十郎「話さなかったのは…それだけ話したらまずい問題…いや問題と言う言葉では済まされないとんでもない事…で宜しいのか?」

 

エル「ええ。それで合ってるわ」

 

M響「悪用なんてされたら簡単に世界が崩壊するわ。カ・ティンギルなんかよりもね」

 

藤尭「カ・ティンギルよりも!?」

 

あおい「それだけ始祖と言うのは凄いの!?」

 

その言葉に誰もが息を飲む。

 

M響「もちろん凄いわ。昔、ある始祖が幾つもの世界を滅ぼしたこともあるし」

 

弦十郎「成程、下手な制御出来ない完全聖遺物より質が悪いな…始祖ではなく利用しようとする者に対してな」

 

奏「だから秘密にしてたんだな……でも、そのお蔭で響達が生きているんだ…ありがとうなミューチェさん。あんたが2人を助けてくれたからあたし達はこうやって出会えたんだ」

 

顔を顰める弦十郎の後に奏がそう言って頭を下げる。

 

M響「お礼はいいわ。それに私が油断さえしなければ…」

 

クリス「なあ、そもそも二人を誘拐したのは一体何者なんだよ?」

 

翼「確かに、不明との事だったからな…」

 

そう言われるとM響と未来は複雑な顔をする。

 

弦十郎「あまり詮索しない方が良いかもしれないが…もし宜しければ教えてくれないだろうか?」

 

M響「良いわ。奴……いえ奴らの名は『蛇の残党』」

 

ファナ「蛇の残党……?」

 

弦十郎の言葉に答えたM響のにファナやクリス達は騒めく。

 

エル「かつて蛇の始祖って言う始祖がいて、その始祖のクローン達で構成された組織なの…所々で再起を図ろうと暗躍してる訳」

 

こっちにとってはいい迷惑よとエルはため息を吐いて言う。

 

奏「蛇の始祖?」

 

M響「文字通り始まりの蛇で…始祖の中で一番質の悪い奴でさっき言った始祖の世界崩壊にも関わってるのよ…ホント、顔を見たくないわ」

 

エル「始祖の中でも最悪の始祖とでも言っても良いわ」

 

クリス「マジかよ…」

 

告げられた事に誰もが絶句する。

 

弓美「えっと、ミューチェさんで良いんだよね?始祖ってそれぞれ特有の能力を持ってるの?」

 

M響「ええ持っているわ」

 

気になったので恐る恐る手を上げて質問する弓美にM響は肯定する。

 

弦十郎「ちなみに共通項はあるのだろうか?」

 

エル「共通なのは…不老不死みたいなのと、始祖は始祖を殺せるとかかしら」

 

創世「それじゃあビッキーとヒナは同じ存在でなければ死なないって事?」

 

クリス「寿命とかそう言うのねえって事かよ」

 

エル「まあ死ぬって言っても始まりの世界で長い間魂だけの状態になるってだけよ」

 

例外を除いてねとエルは肩を竦めて付け加える。

 

弦十郎「これはまた…報告してはいけない事が増えたな……(特にあの男にはしてはならないな……)」

 

そんな面々を見ながら弦十郎は内心、ある人物を思い浮かべて険しい顔をする。

 

玉藻「さて次は私達の事を話しますか」

 

エル「そうね。私の名はエル・レジェンドラ、この世界ではエル・アインツベルンで通してるわ。ファナの義母で女神の始祖よ」

 

詩織「女神様…ですか!?」

 

奏「義母って……」

 

告げられた事に誰もが驚く中で奏が聞く。

 

ジェル「文字通りでお嬢はエル様の義理の娘で色々とやんごとなきしょうもなくめんどくさいミスで迷惑をかけたので養子にしたんですよ」

 

ファナ「まあだいたいはあってるっすね」

 

エル「と言うかジェル!?いつの間に!?」

 

そんなエルに変わって何時の間にかいたジェルが変わって答え、誰もがいきなり現れたジェルに驚く。

 

ジェル「え、そりゃあ自分の醜態を話すのに抵抗あるだろう上司に変わって颯爽と来て簡略に答えたんですけど何か?」

 

エル「ヒドッ!?」

 

クリス「えっと、アンタは……?」

 

心底めんどくさそうな顔で答えるジェルにクリスは聞く。

 

ジェル「そこにいるおバカでサボりが多くなってる女神の始祖の部下してます天使の始祖のジェル・カンターレです。あー、そんじゃあ仕事があるんでこれで」

 

エル「もうジェルは……」

 

翼「な、なんと言うべきか…」

 

弓美「性格が凄くめんどくさがり屋でギャップがありますな」

 

未来「ギャップって;」

 

ささっと出て行くジェルに弓美のずれた感想に未来は冷や汗を掻く。

 

エル「それじゃ話を戻すけどファナちゃんはこの世界の人間じゃないのよ」

 

M響「ちょ、エル!あなた!」

 

その後にエルの言葉にM響は声をあげる。

 

翼「この世界の人間ではない…?」

 

エル「魂と言う意味でね。彼女は前世を持ってるのよ」

 

首を傾げる翼にエルにはそう言う。

 

弓美「え、何そのアニメとか特撮であるような感じ!」

 

創世「弓美、黙っとこうね;」

 

クリス「んでどういうことなんだ?」

 

ジェル「ホントなら死ぬ筈じゃなかったけど、バカな神が転生させる奴のに巻き込んで、んで先ほど言ったエル様の色々とやんごとなきしょうもなくめんどくさいミスで転生しちゃった子なんですよ。それもあって娘として見てあげてると言う事です」

 

思わず反応する弓美を宥める創世を横目で見つつ聞いたクリスに対してにょろんと先ほど退出した筈のジェルが天井から顔を出してそう言って引っ込む。

 

緒川「…彼も忍者なんでしょうか?」

 

エル「一応忍者じゃないわよ……たぶん」

 

その様子に思わず聞く緒川にエルは自信なさげに返す。

 

玉藻「彼って結構、めんどくさがりな所ありますけど仕事はちゃんとやる人なんですよね…最近は神出鬼没ですけど;」

 

奏「そ、そうなのか;」

 

未来「し、始祖になったけど本当に分からない事多いですね;」

 

補足する玉藻のに奏は冷や汗を掻き、未来はそう言う。

 

エル「…………なんかの時にパーティな感じで呼ぶ?」

 

M響「それがいいかもしれないわね…」

 

弦十郎「…話を戻すがもしやファナくんはこれから先の事も知ってたりするだろうか?」

 

そう言うエルのにM響が賛同した所で弦十郎が咳払いして確認する。

 

ファナ「ま、一応そうっす…」

 

翼「何だと…!?」

 

それを肯定したファナに翼や他のメンバーは驚く。

 

弦十郎「そうか…だが、深くは聞かない」

 

藤尭「え、良いんですか司令!?」

 

ファナ「私もその方が助かるっす。色々と流れが変わったら困りますし……」

 

そう言った弦十郎のに藤尭は驚く中でファナはそう述べる。

 

弦十郎「藤尭、確かに先を知ると言うのは良い事だ。だがな、それが返って状況判断を鈍らせる枷になってしまう恐れがある。知らないからこそ出来る事だってあるんだ。それに…先を知ってアニメや映画を見るよりも、知らないで見た方がハラハラドキドキするだろう?」

 

奏「旦那…;」

 

M響「面白い考え方するわね貴方…」

 

ファナ「(まあそれが弦十郎さんっすよね……)」

 

最後に二っと笑う弦十郎のに奏や二課の面々は苦笑し、M響は呆れ交じりに感嘆する中でファナはそれでこそOTONAっすとうんうんと頷く。

 

緒川「あ、けど僕的に気になる事が1つあるので聞いても宜しいでしょうか?」

 

ファナ「気になる事っすか?」

 

エル「一応聞くけど大丈夫なら答えられると思うわよね」

 

ええ…と緒川は神妙な顔で2人を見て…

 

緒川「………翼さんの女子力はこの先上がりますか?」

 

エル&ファナ「…………ノーコメントで」

 

翼「なっ……!?」

 

質問された事に2人は異口同音で顔を逸らすのに翼は驚く。

 

知る面々はあーとなる。

 

奏「翼…流石にこう言われるとお前、誰かに嫁になって貰わないと無理だな」

 

翼「よ、嫁!?」

 

未来「確かに翼さんはお嫁さんより旦那さんって感じが似合いそうですよね。響と同じように」

 

響「未来!?」

 

ポンと肩を優しく叩いて言う奏に翼は驚き、賛同した未来のに響はミューチェの憑依を退かして驚く。

 

クリスは嫁が合うと思うけどなとさりげなく響に抱き着きつつ思った。

 

緒川「そうですか……悲しい運命(さだめ)なんですね」

 

翼「ちょ、緒川さんなんでそこまで悲しそうにしてるんですか!?」

 

ファナ「(まあ良いお嫁さんになる人は数ヶ月すれば会えるっすね)」

 

凄く悲しげに顔を伏せる緒川にガビーンとなる翼を見ながらファナはそう心の中で呟く。

 

詩織「そんなに翼さんは女子力が低いんですか?」

 

弓美「あーけど分かるかも、翼さんってクールとか男前が先に出そうだし」

 

クリス「まあそれも少しはあるがほとんどは……」

 

翼「ほとんどとはなんだ雪音!た、確かに掃除は苦手だが絵は可愛いのを描ける…って叔父様に奏、なぜ目を逸らすんだ!?」

 

弦十郎「あーすまん。そこはフォローできん」

 

奏「私もだ。わりぃな翼」

 

ファナ「(まあこれに関してはクリスさんも同じなんっすよね…)」

 

反論しようとして身内と相方の反応にガビーンとなる翼に本当に仕方ないとファナとエルはうんうん頷く。

 

翼「うう…2人とも意地悪だぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!(ダッ)」

 

それに耐え切れなくなったのか翼は涙目で飛び出す。

 

奏「あ、翼!」

 

響「行っちゃいましたね…」

 

詩織「こうしてみると女の子らしい所ありますわね」

 

創世「その認識の仕方はどうよと思うな;」

 

あらーと誰もがなる中で詩織のに創世はツッコミを入れる。

 

エル「さて、他には何か聞きたいことある?」

 

確認してないのを見てからそれじゃあ帰りましょうかとファナの背をポンとする。

 

ファナ「あ、はいっす!」

 

玉藻「それじゃあ皆さん、失礼します」

 

そう言って3人は出て行く。

 

創世「それじゃあ私達も帰ろうか」

 

弓美「ビッキー、ヒナ、またね」

 

詩織「お暇だったら電話してくださいね」

 

響「うん!皆、今日はありがとう!」

 

未来「またね」

 

同じ様に立つ創世たちに響と未来もそう返し、3人は緒川に案内されて出て行く。

 

藤尭「そう言えば…さっきのミューチェさんだっけ…響ちゃんや未来ちゃんには見えてるんだよね?」

 

響「あ、はい」

 

未来「私達以外には始祖の皆さんには見えているみたいです」

 

見送ってからふとそう聞く藤尭に響と未来は答える。

 

あおい「そういう言い方をされると本当に幽霊みたいね」

 

クリス「ゆ、幽霊……!?」

 

ミューチェ「ふふふ、うらめしや~」

 

響「あ、今クリスちゃんの後ろに……」

 

そう感想を述べるあおいのにクリスはビクッとなった後に響の言葉にうひっ!?と響の後ろに隠れる。

 

ミューチェ「ふふっ、可愛いわねこの子」

 

未来「クリス、お化けが苦手なんだね」

 

クリス「べべべ別にこわかねえし」

 

面白そうに笑うミューチェに苦笑しながらそう言う未来にクリスは響に抱き着きながらそういう。

 

響「強がってるクリスちゃん、可愛いね」

 

クリス「か、可愛い言うんじゃねえ」

 

そんなクリスに響はそう言うと言われた本人は顔を真っ赤にする。

 

奏「(凄く赤いな…)」

 

響をポカポカするクリスを見ながら奏は苦笑しながら感慨深くなる。

 

昔では考えられない程楽しい日常。

 

二課に来た時はあれだけノイズを憎んで他はいらないと思っていたのが嘘の様だ。

 

奏「(こんなのが続けばいいな…)」

 

そう心に願うのだった。




玉藻「次回『まさかのバトル、エル VS OTONA』…いやーOTONAはホント凄いですね…」
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