戦姫絶唱シンフォギア~未来へと響くは始まりの音楽~   作:Dr.クロ

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両親のお参りをするクリス。しかしそこである事を知る事になる!


第二十五話~墓参りと守護霊~

チーン

 

クリスは目の前に置かれてるのに手を合わせて黙祷する。

 

その後ろでは響や未来も同じようにしていた。

 

しばらくしてクリスは顔を上げ、目の前のもの…仏壇に置かれた自分の両親の写真を見る。

 

1ヵ月経ち、落ち着いたのを機にクリスは両親のお参りをしていたのだ。

 

クリスの両親の遺骨を弦十郎が預かっていて、住む場所が決まってから仏壇などを計らって貰ったのだ。

 

先ほど墓を参ってから住んでる家で再び黙祷してたのだ。

 

響と未来は付き添いだ。

 

クリス「父さん、母さん。墓参りするの遅くなっちまって悪いな」

 

響「クリスちゃんは元気に過ごしてます」

 

未来「クリスの事を見守ってあげてくださいね」

 

声をかけるクリスの後に響と未来が言う。

 

クリス「ありがとな二人とも。母さんたちの墓参りに付き合ってくれて」

 

振り返ってお礼を言うクリスに未来はどういたしましてと返し、響もうんうんと頷く。

 

響「それにしてもさっき見に行った時のクリスちゃんのお父さんとお母さんのお墓は立派な御墓だったね」

 

未来「ホントだね。弦十郎さんが手入れしていたのかも」

 

お墓を思い出して言う響にそう言った未来のにクリスも教えて貰った時の言葉を思い出す。

 

弦十郎『しっかり手入れされてるから安心して報告するんだぞ』

 

クリス「(手入れありがとなおっさん)」

 

笑って見送ってくれた弦十郎にクリスは心から感謝する。

 

微笑ましく見ていたミューチェは一度ん?となる。

 

なんだか仏壇の上に何かぼんやり見えるのだ。

 

ミューチェ「(何かしら……え?)」

 

ちょっと集中して見ると…驚愕した。

 

なぜなら見えたのは…クリスの両親だったからだ。

 

ミューチェ「えええええええええええええ!?」

 

思わず絶叫してしまったので響と未来はギョッとなり、そんな2人の反応にクリスはビクッとなる。

 

クリス「な、なんだよ二人とも」

 

響「ど、どうかしたんですかミューチェさん?」

 

未来「そ、そうですよ。例え他の人に聞こえないだろうけど仏壇前で叫ぶのはダメですよ」

 

ミューチェ「あれあれ!」

 

恐る恐る話しかけるクリスを後目に響は戸惑いながら話しかけ、未来が注意するがミューチェはそれを気にせず指さす。

 

それに2人は振り返ってミューチェの見ている所をじ~~~~と見る。

 

すると見えて来たので驚く2人にクリスの両親?は頭をペコリと下げる。

 

響&未来「ええええええええええええええええええ!?!?」

 

クリス「!?」

 

思わず2人も絶叫してしまい、クリスはホントなんなんだよ~と涙目になるのであった。

 

 

 

 

弦十郎「あー…うん。その…」

 

翌日、3人を出迎えた弦十郎は状況に戸惑いを見せる。

 

何とも言えない顔をした未来の後ろでクリスが響に抱き着いてうーうーと泣いていて、抱き着かれてる響はよしよしと慰めていた。

 

弦十郎「どう聞こうか悩んだが…昨日、墓参りに向かった時に何があったのかね未来くん;」

 

未来「それが幽霊に出会ってしまったんです……その、クリスの両親の……」

 

奏「え、ものほんの幽霊にか;」

 

戸惑った顔で聞く弦十郎に未来はそう返し、奏は冷や汗を掻く。

 

ホント驚いたわーと様子が変わってそう漏らした未来にミューチェが憑依したと弦十郎は判断して質問する。

 

弦十郎「質問だがミューチェさん。クリスくんのご両親は今もいるのかね?」

 

M未来「うん、居るわよ」

 

成程と納得して…

 

弦十郎「さらに聞くと…なぜクリスくんは泣いてるんだい;」

 

M未来「えっとね…幽霊と聞いて驚いてから自分の両親に驚いた事から自己嫌悪しちゃってああなったの」

 

それには藤尭やあおい達はあー…となる。

 

藤尭「確かにそれは;」

 

奏「仕方ないね…」

 

弦十郎「確かに親御さんに驚いたとなれば仕方がない反応か;」

 

誰もが困った顔をする中でM未来もホントにねと同意するとさっきまで泣いているクリスの頭を撫でていたソネットが近くに来てるのに気づく。

 

M未来「あ、ソネットがこっちに……」

 

弦十郎「ううむ。こうも見えないとは不便だな」

 

藤尭「いや司令、見えてたら見えてたで怖いと思いますよ;」

 

翼「まあ居るのは分かるのに見えない話せないのは確かに不便だな…」

 

奏「んで、なんで来たんだ?」

 

呻く弦十郎に藤尭がツッコミを入れて、弦十郎のに同意してる翼の隣で奏が聞く。

 

するとM未来から見てソネットは口をパクパクさせ、それにM未来は動きからふむふむと頷き…

 

M未来「えっと……『クリスがお世話になっている事に凄く感謝してます。これからもあの子の事を宜しくお願いします』ですって」

 

弦十郎「…………私達こそクリスくんに助けられてる所がありますからお互い様です。責任をもってクリスくんを見守ります」

 

告げられた事に弦十郎はソネットがいる方を向いて頭を下げる。

 

M未来「(愛されてるわね…ホントクリスや響達は果報者ね)」

 

それにM未来はしみじみとなった後にただ…とチラリとある人物を見る。

 

その人物は翼で、家族の話になった時に複雑な顔を見せていた。

 

M未来「(あら?どうしたのかしら翼?)」

 

未来「(翼さん…?)」

 

なぜあんな顔をしたのかその時のミューチェと未来は分からなかった。

 

2人が彼女がそんな顔をした理由を知る事になるのはしばらく先の事である。

 

ちなみに…

 

M未来「えっとそろそろ泣き止んだら?クリスちゃん」

 

クリス「(ぐすぐす)」

 

まだ泣き止まずのクリスを元通りにするのに苦労したのであった。

 

翌日の放課後

 

特訓を終えたクリスに響が話しかける。

 

響「クリスちゃーん!」

 

クリス「おう、お疲れさん」

 

うんとクリスの言葉に響は頷いた後に少し上を見る。

 

それにクリスはげんなりとした顔をする。

 

クリス「やっぱり居るのか母さんたち…」

 

響「あー、うん。さっきもお母さんはクリスちゃんが歌ってるのを褒めてる感じだったし、お父さんはお父さんで複雑な感じで見てたり…」

 

うわぁ…と顔を抑えるクリスにあははははと響は苦笑いするしなかった。

 

ほとんど授業参観の様な感じになっているのだから恥ずかしくて仕方がないのだ。

 

だが心配させていたと未来経由でミューチェから聞いているのであっち行けなどと強く言えないのだ。

 

クリス「はぁ……どうすればいいんだアタシは…」

 

響「あはははは;」

 

ため息を吐くクリスに響は困った感じに頬を掻く。

 

何分、親が過保護的な意味では響もクリスの気持ちは分かるからだ。

 

響も落ち着いてからしばらくは父親である洸の大丈夫だったコールが多かったので本当に宥めるのが大変であった。

 

ちなみに遊びに来た際にファナが洸のを聞いて驚いた反応を見せていたのに響は不思議そうだったが前世関連のかなと思って不覚は聞かなかった。

 

ちなみにその際のファナの心境は…

 

ファナ「(この世界の洸はまともで良かったっす……)」

 

心底安堵していた。

 

流石に親友の親を呼び捨てはどうかと思うがそれだけ彼女の知るのだと許せない行為を行っているからだ。

 

安堵されてるのを知らない響はクリスの肩をポンポン叩いて励ます。

 

響「まあまあ、それだけ愛されてるって事だよ。ホント良かったねクリスちゃん」

 

クリス「響……」

 

微笑む響にクリスはジーンとなる。

 

ただ、そんな響だがクリスの今の内心を知らない。

 

確かに両親に見守られてると言うのは嬉しい事だが…甘える事が出来ているが響にキスとかそう言うのが出来ないのでフラストレーションが溜まっていた。

 

クリス「(あークソッ!響にキスしたい。唇を嘗め回してえけど、2人がいると全然出来ない~~~~~全然出来てないから凄くキスしてぇぇぇぇ)」

 

うーうーと唸るクリスに響はん?と首を傾げるが未来だけは分かり、うんうんと頷いていた。

 

未来「(分かる。凄く分かるよクリス…)」

 

ミューチェ「(この2人…ホント響の事になると気が合うわね…絶対にANからの治療以外の薬は貰っては駄目と言わないとね)」

 

子供欲しいならそう言うのが出来そうなANを思い浮かんでからそう決意するのであった。

 

とにもかくにも、クリスは親の愛を再び感じ取れるようになったのに響は嬉しく思うのであった。

 




翼「次回『Gの前日』…どういう意味だ奏?」

奏「さあ?」


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