戦姫絶唱シンフォギア~未来へと響くは始まりの音楽~   作:Dr.クロ

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奏がマリアと出会う中、響とクリスはウェルと出会う。その出会いが齎したのは……


フロンティア事変編
第二十七話~始まりの護衛任務~


ルナアタックと呼ばれる様になった日から三ヵ月たった中

 

コラボレーションライブが開催される事になった。

 

そんな会場の出演者とスタッフ用に用意されたケータリングに特別スタッフの形で奏は来ていた。

 

奏「おー、こりゃ凄いな」

 

その規模に奏は感嘆した後に翼の相手を務めるマリアの詳細を思い返した。

 

マリア・カデンツァヴナ・イヴ

 

2ヵ月前にデビューし、デビューからわずか二ヶ月で全米ヒットチャートの頂点に登り詰めた気鋭の歌姫。

 

ミステリアスにして力強い歌声は国境を越え、世界中に熱狂的なファンを多数獲得している。

 

奏「(えっとどいつだっけ……あ、あれかってえ?)」

 

参加してるかどうかを見渡して…目に入ったのに目を点にする。

 

料理が並べられたテーブル…そこで……ピンク髪の女性がせっせとタッパーに料理を詰め込んでいた。

 

そのピンク髪の人物こそ翼と共に歌うマリア・カデンツァヴナ・イヴ本人である。

 

奏「(なんかイメージと全然違うな…;)」

 

ミステリアスと聞いていたからもっとクールな感じかと思っていた奏にとって目の前のマリアがやってる行動から思い浮かんだ印象は…

 

奏「まるでお母さんみたいだな…」

 

マリア「!」

 

心の中で呟いたつもりがボソリと口から漏れ出てしまい、あ、やばと慌てて口を押さえるがマリアの耳に届いていたらしく、ビクッと体を震わせた後に恐る恐る振り返る様に奏の方に顔を向ける。

 

奏「(あ、やべ。聞こえちまったか…)」

 

マリア「………」

 

冷や汗を流す奏にマリアは無言で近づいて来て、顔を近づける。

 

マリア「見てたのね」

 

奏「え、あ、はい」

 

嘘は付かせないとばかりに真剣な目で問うマリアに奏は正直に頷く。

 

それを聞いたマリアはしばらく無言だったが…段々と顔を赤くしていき…

 

マリア「この事は内密でお願い。いやホントお願いします」

 

奏「へ?」

 

頭を下げて心底お願いするマリアに奏は呆気に取られる。

 

てっきり怒られると思っていただけに奏は安堵しながら笑い返す。

 

奏「別にいいぜ。それにしてもたくさん詰めているんだな」

 

マリア「あ、ありがとう。うちにはこういうのを食べた事のない子たちがいるから…」

 

そうだったのか…と恥ずかしそうに理由を言うマリアに奏は納得した後にふむ…と考える。

 

あんまり見られたくない所を見ちゃったのだからやはりこちらもそれ相応のを相方の面白げふん、恥ずかしいのを教えるべきかと考えた後に…丁度良い翼の画像が自分のスマホに入ってるのを思い出す。

 

奏「そう言えばうちの相棒と今日のライブで歌うんだよな」

 

マリア「相棒?…!そう言えば貴女、ツヴァイウイングの天羽奏…重傷になった事でしばらく顔を見せてなかったそうだけど…」

 

気づいて驚くマリアに奏は苦笑しながらスマホを取り出す。

 

奏「今は怪我でちょっと休業してるんだ。これ、うちの相棒の翼だ」

 

マリア「これが風鳴翼(あの有名な防人…)」

 

そう言って見せたのにマリアは驚きの顔を見せる。

 

ちなみに奏が見せたのは…とある時に参加したバラエティ番組のパイ投げ合戦ので体中にパイを受けてボロ負けた翼の写真であった。

 

ちなみに涙目である。

 

奏「な、可愛いだろ?」

 

マリア「え、ええ…そうね(なんかイメージと違う…でもなんだろう…凄く可愛すぎる)」

 

笑って言う奏にマリアは頷きながら頬を赤らめる。

 

奏「ん?どうしたんだ?頬赤くなってるぞ?」

 

マリア「い、いえ、なんでもないわ」

 

気づいて指摘する奏にマリアは慌てて返す。

 

それに奏は首を傾げるがまっ、良いかと思う。

 

奏「んでこれから翼のところ行くんだけど一緒にどうだ?」

 

マリア「あ、良いけどちょっと待って」

 

ちょっと待っての言葉に奏はタッパーのかなと思った後…

 

マリア「あむ……ん!これだわ!」

 

料理の中でローストビーフを一切れ食べてからむふんと目を輝かせるマリアに気合入れのかな?と奏は相棒を見る感じで微笑ましく見ていた。

 

マリア「さあ、行くわよ!」

 

奏「お、おう…」

 

あ、押してあげるわとマリアは奏の車いすを押す。

 

そんなマリアの扱い方に奏はほうとなる。

 

奏「(優しいんだな…しかも車いすの扱い方も慣れてる感じがするし、そう言う人と長くいたみたいだな)」

 

その感じに奏はふっと笑う。

 

マリア「ん?どうかしたの?」

 

奏「なんでもないさ、お前さん良いアイドルになれるって思ってさ」

 

そう返した奏のにマリアはそう…と呟く。

 

一瞬、ほんの一瞬だが、奏はマリアが自分の言葉に悲しそうな表情になりかけたのを見た。

 

奏「(ん?今一瞬…)」

 

今見えたのはなんだったのか疑問を感じる奏にマリアは怪訝とした顔で見る。

 

マリア「さあ着いたわよ。此処よね?」

 

奏「お、おう」

 

確認するマリアに奏は慌てて返す。

 

ホントにマリアの表情の変化はなんだったのか…奏はその時は分からなかった。

 

しばらくしてその意味に気づく事になるのを奏は知る事になる。

 

ただまぁ、今、奏が思っているのは…

 

翼「彼女はこう、散らかった部屋を片付けられずにべそを掻いている様な…手がかかるけど可愛いタイプに違いない」

 

奏「(翼と似たもの同士って事か)」

 

相棒のマリアの第一印象に苦笑していた。

 

 

 

 

時間を巻き戻し、ソロモンの杖の護衛任務でクリスは目の前のやり取りに何とも言えない顔をしていた。

 

???「確かに風鳴翼は良いアイドルです。ですがマリア・カデンツァヴナ・イヴが一番のアイドルだと僕は押しますね」

 

響「えー!翼さんの方が良いですよ!」

 

1人の男性と響が自分の押しアイドルについて語り合っていた。

 

その男性こそがもう1人の護衛対象であるウェル博士であったが…

 

ウェル「初めまして、私はジョン・ウェイン・ウェルキンゲトリクス。押しアイドルはマリア・カデンツァヴナ・イヴです」

 

と言う自己紹介をしたので響も乗った結果、アイドル談義が始まったのだ。

 

クリス「(まさかこの博士がアイドルのファンだったとはな…)」

 

ミューチェ「(人は見かけにはよらないわね…)」

 

そんな2人のをクリスとミューチェは呆れた感じに見ていた。

 

ウェル「流石です響さん。あなたは良いファンですね」

 

響「ウェルさんこそ凄く良いファンですね!」

 

そして意気投合したのかガッチリと握手しあい互いを褒めていた。

 

ウェル「機会があれば長く語り合いたいものですね」

 

響「はい!そう言えば明日、マリアさんと翼さんがライブするんですよね」

 

そう言ったウェルに響は思い出して言う。

 

ウェル「そうなんですよね……私としてもこの任務がなければすっ飛んで見に行きたかったですよ…ホント残念です。ソロモンの杖のとかやらなければならないのが多くて…」

 

響「お互い大変ですよね」

 

友里「えっと…2人とも、そろそろ出発をしたいんですけど…」

 

ですねとお互いに頷いている所で友里が恐る恐る声をかける。

 

ウェル「おっと、これは失礼、良く知り合いからアイドルの事になると夢中になり過ぎて他をおろそかにする僕の悪い癖と言われたりするので」

 

響「すみません友里さん……」

 

クリス「たくっ、ハシャギ過ぎだろうが」

 

謝罪する2人にクリスは呆れた感じに言う。

 

ミューチェ「(やれやれ…全く響ったら)」

 

それにミューチェは苦笑したがでもまぁ、しょうがないかと思う。

 

ここの所、響の周りにはそう言うアイドルのファンが未来を除いていなかった。

 

だからこそウェルと言う同じ趣味の持ち主と出会えたのだからはしゃいでしまったのは仕方がない。

 

クリス「それにしても科学者がアイドルのファンなんて珍しいな」

 

響「でも、良い人で良かったね!」

 

まあなと呟いてからクリスはウェルを見る。

 

クリス「んじゃ出発するか響」

 

響「うん!」

 

頷いてから2人は歩き出す。

 

ミューチェ「(無事に終わると良いんだけど心配ね)」

 

無事に終わる事を祈るミューチェだがその後ろでウェルが悲痛な顔で2人を見ていた事を知らなかった。

 

ウェル「(すいません響さん、クリスさん……)」

 

 

 

 

装甲列車に乗り、響とクリスは同室の部屋で待機していた。

 

出発してから数時間経ってもう夜で大雨であった。

 

響「凄い大雨…」

 

クリス「ホントうんざりするな…」

 

うわぁ…と呟く響にグイグイ引っ付きながらクリスはそう呟く。

 

響「こんな時に敵出てこなければ良いんだけど…」

 

クリス「そうはいかないよな…」

 

不安そうに言う響にクリスも胸をむにゅと押し付けながら頷く。

 

響「クリスちゃん、胸当たっているんだけど…;」

 

クリス「良いだろ別に」

 

そう言って抱き着き始めるクリスにあ、これ爆発しかけてると響は冷や汗を流す。

 

何分、今日まで親が見ていたのもあっておとなしかったが今はいないので響へとくっ付けていなかった。

 

クリス「なあ響、久しぶりにイチャイチャしようぜ…」

 

響「待って待ってクリスちゃん。クリスちゃんには見えてないけどミューチェさんが見てるん…っていない!?」

 

息を荒げ、野獣的な笑みを浮かばせるクリスに響は慌てて止めようとするがミューチェはいないのに気づく。

 

ちなみにミューチェがいないのは爆発しそうだし、発散させとくかなーと言うミューチェの優しい慈悲(と言う名の逃亡)である。

 

クリス「えへへ響~♪」

 

響「く、クリスちゃんまっ…」

 

慌てて止めようとする響だったがクリスは顔を近づけて行き……

 

ミューチェ「(響、南無……!)」

 

一方で列車の上で手を合わせていたミューチェは見上げて目を見開く。

 

大量の飛行型ノイズが向かって来るのだ。

 

ミューチェ「(来たわね…!)」

 

すぐさまミューチェは響に呼びかける。

 

ミューチェ「(響、ノイズが来たわよ!)」

 

響「(ノイズですか!?分かりました!)」

 

すぐさま返って来たのを聞きながらミューチェは合流の為に急いで向かう。

 

連絡を聞いた響とクリスはすぐさま部屋を飛び出した後に前方車両へと避難しようとしてる友里とウェルと合流する。

 

響「友里さん!ウェル博士!立花響行ってきます!」

 

友里「気を付けて!」

 

ウェル「それと、しばらくしたらトンネルが見えて来ますから、屋根で乗って戦う時はぶつからない様に車両内に戻ってください!」

 

分かりました!と言いながら響はシンフォギアを纏うと天井をぶち破って屋根に出て、その後にクリスも続いて出る。

 

クリス「チッ!いいところで出やがってノイズが!」

 

響「やろうクリスちゃん!」

 

舌打ちしてボウガンを構えるクリスに響はそう言って飛行型ノイズをみつえる。

 

クリス「全部撃ち落としてやる!」

 

響「たあっ!」

 

ボウガンで撃ち抜いたクリスの隣で響はラッシュしながら音の衝撃波を飛ばしてクリスの攻撃を避けた飛行型ノイズを粉砕して行く。

 

クリス「ぶっ飛びやがれ!」

 

響「この!!」

 

まだまだ来る飛行型ノイズに2人は必死に堕とす中で一気に決めると考えたのかクリスのボウガンが一際大きくなり、更に大きめのサイズと化した矢をノイズに放つ。

 

GIGA ZEPPELIN

 

放たれた弓は複数のノイズを貫通して飛び、更には空中で矢が小型の矢へと無数に分裂して行き、雨の様に一気に落ちてさらに複数のノイズを貫いて行く。

 

響「凄いよクリスちゃん!」

 

クリス「まだまだ来るぞ!油断するなよ響!」

 

BILLION MAIDEN

 

褒める響にクリスはガトリングガンに変えながらそう返す。

 

確かに減らした筈がまだノイズは残っている。

 

その中で響は1体だけ素早い動きをしてる大型ノイズを見つける。

 

響「あのノイズだけ素早い!」

 

クリス「クッ!」

 

リーダー格と判断してクリスは攻撃を続けるが上手く避けられてしまう。

 

クリス「クソっ!素早すぎて当たらねェ!」

 

響「それならバリアで囲めば…!」

 

顔を歪めるクリスに響はそう言って音のバリアで囲もうとするが直感を働かせてかリーダー格のノイズは素早く動いて阻むのをさせない。

 

響「は、早すぎて囲めない!?」

 

このままじゃあと響とクリスが焦った時…

 

後ろを見ていたミューチェが響に慌てて言う。

 

ミューチェ「二人共!後ろトンネル!」

 

響「トンネル…!そうだ!」

 

トンネルと聞いて響は思いついたとすぐさま屋根をぶち破って中にクリスともども入ってトンネルにぶつかるのを避けた後に響はクリスに向き直る。

 

響「クリスちゃん!前に師匠の映画で見たあれやるよ!」

 

クリス「あれって、まさかあれか!?」

 

確認するクリスに響は頷く。

 

響「うん!だからクリスちゃん、列車の連結を破壊して!そしたら後は私がするから!」

 

クリス「たく、大胆な事を考えやがって…だがそれが良いかもな!」

 

そう言って2人は準備する。

 

響「それじゃあやるよクリスちゃん!」

 

クリス「おう!」

 

合図と共にクリスは連結部分を破壊し、破壊された連結部から先の車両が入って来たノイズへと向かって行く。

 

それと共に響も右腕のガントレットを変形させ…

 

響「たぁああああああ!!!」

 

通り抜けようとしていた巨大飛行型ノイズへと一撃を叩き込んで後ろにいた飛行型ノイズともども粉砕して行く。

 

ミューチェ「(お~凄いわね)」

 

それにミューチェは感嘆する。

 

相手の視界を封じてから裏側から障害物ごと敵を吹っ飛ばすと言う作戦だ。

 

クリス「流石だな響」

 

褒めるクリスに上って来た太陽に照らされながら響はへへっと笑う。

 

クリス「それにしても最近お前のギアの形、なんかパワーアップしたよな」

 

響「そういうクリスちゃんも頭のヘッドギアの黒い所が赤くなってて、ソックスも白くなってるよ」

 

そう言うクリスに響も見て返す。

 

ルナアタックの後、響達のギアは色や形を変化させたのだ。

 

後から聞いたが弦十郎曰く、シンフォギアシステムには総数301,655,722種類のロックが施されており、装者の技量やバトルスタイルに応じて系統的、段階的に限定解除されるんだそうだ。

 

ギアの変化も響達の成長の表れだろうとの事だ

 

ミューチェ「(この短い間に成長したのね二人とも)」

 

そんな2人をミューチェは感慨深く見る。

 

ノイズの襲撃がもうない事を確認し、2人はウェルと友里と合流する。

 

ウェル「流石はルナアタックを食い止めた人達だ。本当に感謝します」

 

響「いえいえ!お二人共大丈夫ですか?」

 

クリス「まぁ、ノイズに触れられたら一発OUTだから大丈夫なのは確実だろ」

 

礼を述べるウェルに響はそう聞き、クリスが言う。

 

ウェル「そうですね。さて、基地へはもうすぐですね。最後まで気を抜かずに行きましょう」

 

響「はい!」

 

クリス「だな」

 

そういうウェルのに響とクリスも同意する。

 

ミューチェ「(なんとか無事に終わりそうね…)」

 

そう思うミューチェだがなぜか不安が拭えない。

 

見上げて蒼く広がる空を見ながらミューチェはなんだろうかと考える。

 

ミューチェ「(気のせいだと良いんだけど…)」

 

だが、そのミューチェの不安は後に当たる事になる。




ファナ「次回!『起こる事件!新たな装者!』っす!」
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