戦姫絶唱シンフォギア~未来へと響くは始まりの音楽~   作:Dr.クロ

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突如ミセスSの言った事に戸惑う響達、そしてこの日から歌姫は恋に溺れる。



第三十話~謎の発言と翼の変化!~

ミセスSの口から出て来た言葉に驚く響達

 

だが、すぐさま響が我に返って呟く

 

響「え?フィーネ…了子さん死んでませんよ?」

 

マリア&ウェル「「え?」」

 

まさかの言葉にマリアと見ていたウェルは呆気に取られる。

 

そう、それはありえないのだ。

 

だからこそ翼とクリスも驚いて言う。

 

翼「バカな…あり得ぬ…!フィーネは…まだ眠っているのだぞ…!?」

 

クリス「そうだ!ありえねえよ!だって、あたしらの知るフィーネはまだ…生きてるんだ!」

 

マリア「……は?」

 

出て来た言葉にマリアは唖然とする。

 

だがすぐさま我に返って馬鹿な!と叫ぶ。

 

マリア「フィーネはあの時の戦いで死んだのではなかったの!?」

 

翼「違う!深い眠りに付いてて意識不明だがまだ死んではいない!」

 

叫び返された事にマリアは戸惑ってミセスSへと叫ぶ。

 

マリア「どういう事よミセスS!」

 

ミセスS「分からん!わしも初めて聞いたのじゃ!(ホントは知っとるけどね)」

 

その問いに対してミセスSは内心そう思いながらマリアへと返す。

 

バカなとマリアは信じられない顔を伏せる。

 

マリア「(ど、どういう事よ!?フィーネが死んでないって…これじゃあ私が新たなフィーネと言った意味がないじゃない!?)」

 

翼「(なぜマリアはフィーネを名乗らねばならないのだ?そうしないと成せない事があるのか?)」

 

戸惑いを隠せないマリアを見ながら翼は考える中でふと、同級生に言われた事を思い出すと自分を偽るマリア…いや、フィーネに対して苛立ちが出はじめる。

 

翼「(何故、自分を偽ろうとする。私は歌姫であったお前に凄いと思ってるんだぞ。なのになぜフィーネであろうとする。なぜフィーネの方へと意識を向けるんだ)」

 

同級生に言われてた事でマリアを意識していただけに段々と自身の中に湧き上がるのを抑えられずに翼はマリアに駆け出す。

 

それにマリアは慌てて迎撃に出て槍と剣がぶつかり合う。

 

ガキン!

 

翼「何故だ。何故フィーネの名を騙ろうとするのだマリア!」

 

マリア「騙ってなどない!私はフィーネの魂の器!私はそうでなければならないのよ!」

 

強く叫ぶ翼にマリアはそう返しながらお互いに距離を取る。

 

一方で響達はミセスSと対峙しながら先ほどのマリアの言葉に対して問い詰める。

 

クリス「おい、どういう事だよ。魂の器ってのは…!」

 

ミセスS「文字通りじゃよ。死んだとしても別の自らの遺伝子を持つ子孫がアウフヴァッヘン波形に触れる事で代々のフィーネの記憶を引き継いだ人格が現れ、そして元あった人格を塗り潰すのじゃ」

 

響「そ、そんな…」

 

その言葉に3人は愕然とする。

 

ミューチェ「(そう言えばフィーネもそう言っていたわね…でマリアもその一人ってことなのね)」

 

未来「あ、でもそれって了子さん…今のフィーネが死なない限り新しいフィーネは生まれないって事ですか?」

 

ミセスS「うむ。フィーネは一時代に一人しかおらぬからのう。彼女がいなくならない限りなりえないと言う事じゃ」

 

思い出すミューチェの後に未来の問いにミセスSは肯定する。

 

そんな彼女の後半の言い方にクリスは引っかかった。

 

クリス「おい待て。あんた、今のフィーネの事を知ってるのか?さっきの言い方じゃあ出会ってるって感じたぜ?」

 

ミセスS「ん?」

 

クリスの指摘にあ……と響と未来も先ほどのミセスSの言葉に声を漏らす。

 

確かに先ほどの言葉は知り合っていなければ知りえない事だ。

 

ミセスS「そりゃまああの事件の時会っていたからのう」

 

その言葉にやっぱりかよとクリスは思った後に問う。

 

クリス「んじゃまさか、フィーネが起きねえのはあんたの仕業か?」

 

ミセスS「さて、どうじゃろうなぁ…」

 

はぐらかすミセスSにクリスは答えろよ!と銃を突きつけようと構えようとして…飛んで来た鎌や丸ノコを避ける。

 

切歌「Sちゃん!助けに来たデスよ!」

 

調「この場から逃げよう」

 

むふんと気合を入れて言う切歌と未来を見て震えながら言う調に頷きながらミセスSは響達へと顔を向け…

 

ミセスS「じゃ今日はこの辺で失礼するのじゃ」

 

ボフン!

 

その言葉の後に地面に何かを投げつけると煙が溢れ出す。

 

クリス「うおっ!?」

 

響「煙幕!?」

 

それに3人はせき込んだ後に響がパンチを放ってそのインパクトで煙を掃うと3人の姿はなく、どこに行ったと探しているとジェット機な音が耳に入って見るとジェットパックの様なのを背負ったミセスSと抱き着いた切歌と調が目に入り、飛んで行く先を見ると突然飛行艇が現れ、開いた所から翼と戦っていたマリアが入り込むと同時に飛び去って行く。

 

クリス「逃がすかよっ!撃ち落としてやるっ!」

 

未来「クリスっ!?」

 

響「ってあれ!?翼さんいないよ!?」

 

そう言って構えたクリスと慌てた未来は響の言葉にえ?となって見ると確かに翼がいないのに気づき、どこに…と見渡し…

 

翼「逃がすと思っているのか…!」

 

空高く飛び上がり、巨大になったアームドギアを飛行艇に振り下ろそうとしていた。

 

響「ちょっ、翼さん!?」

 

未来「それは流石にやりすぎですよ!?」

 

クリス「死ぬ死ぬ!!?確保だから止めろよ!!」

 

それに3人は慌てて叫ぶが翼は止まらずアームドギアは振り下ろされ…

 

ガシッ!!

 

飛び出したミセスSが片手で受け止める。

 

もう片方の手にはマリアが掴まれていた。

 

翼「なっ…!」

 

まさか自分の剣を受け止められた事に翼は驚く。

 

響達もただの人と思っていただけに止められた事に驚いていた。

 

ミセスS「やれやれ、いきなり危ないじゃろうが」

 

なんで自分掴まれてるの?と戸惑うマリアを掴みながらミセスSは呆れる様に呟いた後にちょいと失礼とマリアをそのまま翼に向けて突き出し……2人の唇が重なった。

 

マリア&翼「!?」

 

ミューチェ「(ちょ!?キスさせた!?)」

 

未来「ええええ!?」

 

いきなりの展開に誰もが驚く中でミセスSは思わずアームドギアを手放した翼を掴んで響達の方へと投げつけ、そのまま顔が真っ赤で口を押さえたマリアを連れて戻る。

 

ドゴーン!

 

響き渡る音に我に返った響達は翼さん!と慌てて翼が落ちた場所へと向かう。

 

そこでは地面に倒れた翼がおり、3人は駆け寄る。

 

翼自身は目を開けた状態で大の字で横たわっていた。

 

響「翼さん、大丈夫ですかッ!?」

 

翼「ああ…………」

 

声をかけた響にそう返した後に体を起こした翼は口を撫でた後にマリア達が乗った飛空艇の飛んで行った方を見る。

 

その後にふふふふと笑いだす。

 

クリス「お、おい…?」

 

未来「つ、翼さん…?」

 

突然狂った様に笑い出した翼に3人が引く中で翼はゆらりと立ち上がった後に落ちていたアームドギアを掴んで飛空艇が飛び去った方へと付き出し…笑みを浮かばせて叫ぶ。

 

翼「決めたぞ。絶対に…絶対にフィーネだと言う己から歌姫であるお前に戻し…そして、奪ってくれた私の心と共にお前を得る!

 

響「つ、翼さん…!」

 

未来「目が獲物を狙う狼の様に!」

 

クリス「(やっと自覚したんだな…全く、困った先輩だぜ)」

 

戸惑う2人の隣でクリスはあの時からの翼の様子からうすうす感じていたので肩を竦める。

 

捕縛は失敗したが彼女達がステルス機能を持つ飛空艇を持っている事、ミセスSの存在が分かったのが行幸だろうと弦十郎の諫めの言葉を聞いてからそれぞれ帰宅した。

 

なお、翼はこの日を境に映像のから取り出したマリアの写真を前に黒い笑みを浮かべながら薄気味悪い笑い声を漏らして素振りをすると言うのをし始め、その様子にこええよと後輩に言われ、これヤンデレになったか?と相方に言われるのであった。

 

 

 

 

ファナ「翼さんがヤンデレにっすか…;」

 

響&未来「なんかなっちゃった様で;」

 

帰りを待っていたファナは一部始終を聞いて冷や汗を流す。

 

ちなみにミューチェが未来も同じよね…と思いながら言わないでおいた。

 

ファナ「それは大変なことになったっすね;特にマリアさんが」

 

未来「うん、しかもキスをしてるものね…」

 

うわーとなるファナに未来も困った感じに呟く。

 

ファナ「(そこまでやったんっすかー;)」

 

響「それにしてもミセスSって言う人凄いよね…」

 

またもうわおーとなっていたファナは響の口から出た名前に首を傾げる。

 

ファナ「ミセスS?誰っすかそれは?」

 

未来「マリアさん達の協力者である女性の人で、普通じゃなかったね」

 

聞いたファナに答えた未来のにだよねと響も頷いて続ける。

 

響「ファナちゃんなら何か知っているのかなって思っていたんだけどその様子じゃ知らないんだね」

 

ファナ「は、はいっす!と言うか原作…私の知る歴史でそんな人、出てきてないっすよ!?」

 

手を振るファナにそっかーと2人は納得する。

 

ファナ「(一体何者っすかそのミセスSってのは…まさか私と同じ転生者っすか?)」

 

響「後、翼さんの大きくした剣を素手で受け止めていたね」

 

あれには驚いたよねーと言う響のにファナはうえ!?となる。

 

ファナ「翼さんの攻撃を素手で!?」

 

未来「ホント、驚いたよね…」

 

響「しかも片手でだよね。マリアさんも片手で余裕そうに持ち上げてたし…」

 

片手!?とまたも驚く中でファナはうむむと唸る。

 

ミューチェ「(まあ彼女ならそれぐらい普通に出来るわね…)」

 

一方でミューチェは会った際の異様な気配から片手で普通に出来そうだと思っていた。

 

ファナ「(これは義母さんたちに言った方が良いっすかね…)」

 

それを聞いて知ってるかどうかを聞く事にして別の話題にする事にした。

 

ファナ「と、ところで身体の方は大丈夫っすか?」

 

響「体の?」

 

未来「特に問題はないけど…」

 

そう聞いたファナのに2人は顔を見合わせる。

 

ファナ「(どうやらまだ大丈夫なようっすね…良かったっす)」

 

本当に…とファナは自身の知る記憶のから安堵する。

 

ならば今する事は後日ある学校の祭りを楽しむ為の事をするだけだ。

 

ファナ「そう言えばもうすぐっすね、学祭。響さん達のクラスは何するんっすか?」

 

響「私達のは…何だったけ未来?」

 

未来「もう…響ったら…」

 

ワイワイ話し合う2人にファナはくすくす笑う。

 

しばらくしてお休みとあいさつした後にファナはベッドに寝転がってふうと息を吐いた後に自分の神獣鏡のギアを見る。

 

ファナ「ホント、どうするっすかね…」

 

ミセスSと言う自分が知らない存在がいる事でファナは自分に何か出来ないかを考えていた。

 

最近は見守り続けるのが良いと思っていたので条件が揃えば戦う術を持っているだけにじれったくなる。

 

ファナ「…とりあえず義母さんたちに報告するっすか」

 

夜で遅いが早めにしといた方が良いかなと思い、電話をかける。

 

何回かコール音がした後に繋がり、玉藻の声が聞こえだす。

 

玉藻『もしもし、アインツベルンですが?』

 

ファナ「あ、玉藻さんっすか。実は母さんたちに報告したいことがあって…」

 

出て来た玉藻にファナは報告するとあちゃあ…な声の後に少しお待ちを…と言ってエルを呼ぶ声がした後に少ししてエルが変わって出る。

 

エル『もしもし、変わったわよファナちゃん。報告したいことってなに?』

 

ファナ「実は転生者かもしれない人を見つけたんっす。ミセスSって言う人なんっすが…」

 

そう言った瞬間、エルははぁーーーーーーーと長い溜息を吐いたのが聞こえた後にあいつかーとめんどくさそうに呟いたのが聞こえた後に返事が来る。

 

エル『大丈夫よ。彼女は転生者ではないわ』

 

ファナ「え、違うんっすか!?」

 

驚くファナにええと答えてからエルは続ける。

 

エル『詳しくは言えないけど彼女は転生者ではないことは確かよ。答えられるのは長く生きてる女ね』

 

ファナ「そうなんっすか…」

 

詳しく言えないと言うのにファナは少し物足りないがありがとうっすとお礼を述べる。

 

エル『それでファナちゃん、学校生活の方は大丈夫?』

 

ファナ「はいっす!近々始まる文化祭も楽しく満喫するっす!」

 

確認するエルにファナは嬉しそうに言う。

 

エル『あら良いわね文化祭。私たちも行けたら行こうかしら』

 

ファナ「あ、それなら楽しみにしてるっす!」

 

そう言ったエルにファナはそう言った後に時間を確認してそろそろ寝た方が良いかなと考える。

 

ファナ「それじゃあ義母さん。自分そろそろ寝るのでここいらで切るっすね」

 

エル『あら、もうそんな時間なのね。おやすみなさいファナ』

 

おやすみなさいっす!と返した後に通話を終えてファナはシャワーを浴びてから寝ようと寝間着を持って向かう。

 

 

 

 

一方で通話を終えたエルははぁー…と再びため息を吐いてソファーに横たわる。

 

玉藻「どうかしたんですかエルさん?」

 

エル「面倒なことになったわ…」

 

面倒と言うのに先ほどのミセスSのだと察して玉藻もああ…とエル同様めんどくさそうな顔になる。

 

エル「まさか彼女が介入してくるとは思ってもいなかったわ…」

 

玉藻「それにしてもなんで介入したんでしょうかね?」

 

愚問よ…とエルは玉藻の疑問に対してどこからともなくウェルの顔写真を取り出して翳す。

 

エル「この世界のウェル博士が善人すぎてしまったからでしょうね」

 

玉藻「…は?」

 

出て来た言葉に呆気に取られる玉藻へエルは続ける。

 

エル「実はね。ミセスSがやっていることはほとんどが原作でウェル博士がやっていることなのよ。ソロモンの杖強奪とかは博士じゃないと無理だから彼に持ち出せる様にしてね…と言うかこの世界のウェル博士ってとある平行世界でアイドルのマネージャーをやりたい性格のに近いし、普通に善人だから諸々首を突っ込まないといけなくなった訳」

 

玉藻「え?つまりその博士さんが善人過ぎて悪だくみが出来なさそうだから急遽悪役を買って出たと?」

 

そういう事と唖然とする玉藻にエルは頷いてから仰向けからうつ伏せになって頬杖を付く。

 

エル「あとは神獣鏡が未来ちゃんの手に既にあるのも理由の一つかしらね」

 

玉藻「あー…そう言えば…今の時期だと重要な1つなんですよね;」

 

これはまた…と呟く玉藻にそこもなのよねー…とエルは心底疲れた顔をする。

 

玉藻「まさか誰も思いませんよねー夜空に浮かんでる月が落ちて来るなんて……」

 

エル「そうね……ミセスSなら月を戻すなんて1人だけで簡単に戻しそうだけど…あの性格だからな…」

 

見える月を見て呟く玉藻にエルは頷いてから困った様に頭を抱える。

 

エル「絶対なるべく原作の方の歴史にしつつ、面倒な方へと変えていくんでしょうね……」

 

玉藻「ですよねー…」

 

はぁ…とため息を吐く。

 

2人が不安がる中、文化祭の始まりは近い…




奏「次回、『始まりの文化祭』……いやぁ、ホント、翼ぇ……」

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