グレイトな人に転生した   作:puni56

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前回より間が空きましたがやっと投稿です。
2話連続投稿とかチャレンジしましたが私には厳しかったので今まで通り1話ずつでいきたいとおもいます。
さて気付いたらお気に入り登録件数が増えていて驚きました。
改めて原作の人気ぶりを実感しました。
今回の話を読む前に一つ注意事項を。「何が起きてもショックを受けるな」です。

読んで下さる皆さんに感謝を。


5話:落日

ディアッカSide

 

 

ザフト軍ジブラルタル基地にて。

 

バルトフェルド隊壊滅後、俺とニコルはジブラルタルへ戻り待機となった。

一週間が経ちアスランとイザーク、クルーゼ隊長、他数名が合流。ブリーフィングルームで

 

「アスラン、イザーク!」

 

「よ、お久しブリーフ!!」

 

「貴様、何だそれは!?」

 

再会を素直に喜ぶニコルに対し某芸人のギャグを真似た俺に怒り出すイザーク。滑ったらしいな。

クルーゼ隊長が話を切り出す。

隊長の話では今後の足つき追跡任務はカーペンタリアの部隊が管轄することになり、俺達にはオペレーションスピットブレイクの準備をしてもらいたいらしい。

当然、足つきにご執心のイザークが黙っているはずもなく

 

「足つきは自分達の手で!」

 

と直談判している。

俺を巻き込むなよイザーク。モラシム隊も失敗したとのことだし、ここまで来て撃破できない以上、ここが引き際だと俺は思うのだが‥

 

「そこでだ‥」

 

おっと隊長の話の途中だった。

 

「そうまで言うなら君達だけでやってみるかね?」

 

「ハイ!」

 

おい、勝手に決めんな!

 

「では君達4人で隊を結成してもらう。指揮はそうだな‥ディアッカ、君がやってみないかね?」

 

「「「「え?」」」」

 

驚く4人。そりゃそうだ。聞き間違いか?俺が隊長だと!?無茶振りが過ぎるゼ!

 

「隊長、何故自分を?」

 

「なに、今までの戦闘の記録を考慮してのことだ。それに指揮官として経験はいずれ役に立つ。

こう見えて私は君を買っているのだがね、ディアッカ‥」

 

「くっ」

 

おい、イザーク、悔しそうにするんじゃない、俺は承諾していないぞ。

 

「とは言え、決めるのは君達だ。私の言ったことは考慮しなくとも構わんよ」

 

よし、それならば

 

「アスランで良いと思います」

 

俺がそう言うと「何ィ!?」とイザークが驚いている。周りを見渡すと皆も驚いているようだ。

 

「ほう、アスランか。確かに悪くはないな」

 

よし、隊長のお墨付きも得た。

 

「ちょっと待てっ!さっきから聞いていれば好き勝手言いおって!どうして俺を推さない!!」

 

自分を指さしながら威張るイザーク。でもな、イザーク‥

 

「お前、すぐヤラレルぜ。指揮官に向いてねえヨ」

 

「き、貴様―!」

 

いかん、また口に出してしまったようだ。しかし、イザーク残念なことに事実なんだ。

お前が良いやつなのは誰よりも俺が知っている。が、それとこれとは別問題だ。

思い出せ、お前の指揮で成功した作戦が無いことを!俺はまだ死にたくはない。

結局アスランが指揮をとることになったのだがイザークは不満たらたらだった。

イザークが「お手並み拝見だな」とか強がっていたので思わず吹き出しそうになったゼ。

 

 

 

一週間後ザラ隊として足つきを攻撃することになった俺達。

この間、アスランが行方不明になってイザークが絶好調だったりもしたが大したことではないので省略する。

 

ドダイみたいなMS支援空中機動飛翔体グウルに乗り足つきを攻撃する4機。

煙を上げる足つき。

 

「何をやっている、ディアッカ!さっさと艦の足を止めろ!!」

 

「うるせー、わかってるって!」

 

攻撃するバスター。甲板上にはストライクが。戦闘機がバスターを狙ってくるが回避する。

ミサイルがデュエルを襲うがギリギリ迎撃する。

 

「くっ」

 

「イザーク、一人で前に出過ぎだぞ!」

 

「うるさい!」

 

指揮官のアスランの指示を無視するイザーク。さすがはイザークだぜ!

アスランの指示で回り込むブリッツ。足つきの武装を破壊しながら接近するイージス。

イージスに気付くストライク。バリアントの破壊に成功するブリッツ。猛攻を受ける足つき。

 

「下がれアスラン、こいつは俺が!」

 

「イザーク、迂闊に‥」

 

イザークがストライクを狙うも、ストライクのビームがデュエルのグウルを貫き破壊する。

跳躍し足つきに取り付こうとするデュエル。飛翔し応戦するストライク。交差する2機。

が、あっさりとビームサーベルを根本から切断されたデュエル。

 

「イザーク!」

 

接近するブリッツ。デュエルを踏み台にしてさらに飛び上がるストライク。海に落ちたデュエル。

ブリッツに接近するストライク。

 

「う、うわ~」

 

ブリッツを殴り飛ばしそのままグウルを破壊する。ブリッツは為す術無く落下する。

二人して水没とか笑えないぜ‥イージスとストライクが打ち合いになる。

被弾しダメージが蓄積していく足つき。

俺?戦闘機と足付きの2機を相手にして奮戦中だ。足つきも耐えるがもうそろそろだ、と考えていると、レーダーに反応があった。

なんとオーブ軍が展開しているではないか!!

大型水上戦闘艦のイージス艦にクラオカミ級護衛艦が展開している。結構な数だ。

 

「接近中の地球軍艦艇及びザフト軍に通告する。貴艦はオーブ首長国連邦の領海に接近しつつある。

速やかに進路を変更されたし。我が国は武装した船舶、航空機及びMSの事前協議なしの侵入を一切認めない速やかにに転進せよ!」

 

オーブよりオープンチャンネルで警告が発せられるが‥

 

「何を寝言を言っている‥」イザーク、言ったらだめだぜ。

 

「繰り返す‥すみやかに転進せよ!!この通告は最後通達である。

貴艦らがこのまま転進しない場合、貴艦らに対して発砲する権限を有している。」

 

どうするのかアスランは、と考えていると‥

 

「この状況でよくそんな事を言えるな!アークエンジェルはこのまま突っ込む。」

 

「な、何だお前は!」

 

「お前こそなんだ!お前で判断できないなら行政府に繋げ!父を‥ウズミ・ナラ・アスハを出せ!

私は、カガリ・ユラ・アスハだ!」

 

「「「「ええ!?」」」」

 

「何を馬鹿なことを。姫様がそんなところに乗っているわけなかろう!」

 

オープンチャンネルで子供の喧嘩のようなやり取りが続く。

オーブ代表の娘が地球軍の艦に乗っているだと?

事情は分からんがやはりオーブと連合は裏で繋がっていたのか?

だがまあ、

 

「ご心配なく、ってね!領海には入れないゼ!」

 

攻撃を続ける俺。ダメージを負う足つき。

そう、オーブなど知らん、要は領海に入らなければ文句も言われないさ!

相変わらずしつこく攻撃してくる戦闘機からのビームを回避し反撃する。

が、バスターの攻撃がオーブ軍に当たりそうになる。

 

「ディアッカ、オーブ軍に当たる、回り込め!」

 

「おっと、危ない危ない‥」

 

アスランから言われた通り外れた攻撃がオーブ軍に当たりそうになった。

向こうに反撃の口実を与えるところだったぜ‥

気を取られているとストライクのビームがバスターのグウルに被弾する。

 

「何とー!?」

 

出力が低下し降下していく。

その隙に戦闘機がビームを撃ってくるが回避し、足つきに超高インパルス長射程狙撃ライフルモードで足つきに攻撃する。スラスター部分に直撃したようだ。

 

「グウレイト!」

 

フッ、タダではやらせんよ!尚もストライクと交戦するイージス。

 

「警告通り、貴艦らに対し自衛権を行使する」

 

いきなり両軍に攻撃するオーブ軍。おいぃ、領海に入って無いだろうが!訴えるぞ、コラ!!

なおもオーブ軍が展開し攻撃が激しくなる。

 

「アスラン!」

 

「くっ、撤退する!」

 

不満は残るが仕方ない、2機も落とされたからな。

 

 

 

 

 

 

 

少し経ちボズゴロフ級潜水母艦クストーにて。

 

「こんな発表を信じろというのか!?」

 

机を叩き憤るイザーク。まあイザークが怒る気持ちもわかる。

何とオーブが足つきはオーブの領海を発進しもうオーブにはいません、と発表したのだ。

いやいや、そんなわけないだろう。

 

「そんなことはどうでもいい。オーブ正式に発表したものなら、ここで俺達が嘘だと喚いても仕方がない」

 

「何を!?」

 

「押し切って通れば本国を巻き込んだ外交問題だ」

 

「ほう、さすがは冷静だ。いや、ザ・ラ・隊長?」

 

アスランは冷静なようだがしかし、はい、そうですかと引き下がるわけにもいかないぜ。

 

「一応カーペンタリアから圧力は掛けてもらうがすぐに解決しないようなら潜入する」

 

「「「うん?」」」

 

「それでいいか?」

 

「…」黙るイザーク。

 

「仮にも相手は一国家なんだ。俺達の独断で確証もないまま行動するわけにはいかない」

 

アスランはそう言うが‥

 

「さっきのオーブ軍と足つきのオープンチャンネルでのやり取り。それを追及するのは無理なのか?中立を謳うオーブの姫が地球軍艦に乗っていたのはどういうことか!ってね」

 

俺はイケルと思ったのだが

 

「いや、おそらく無理だろう。あの場でオーブ軍も否定していたし、足つきが攻撃を逃れる為に一芝居うったのかもしれない。そもそも表向きは中立でも裏ではどうなっているか計り知れない、厄介な国なんだ」

 

まあ、そりゃそうか。

 

「ふん、OK従おう。俺なら突っ込んでますけどねぇ。さすがはザラ委員長閣下のご子息だ。ま、潜入っていうのも面白そうだし?あんがいやつの、ストライクのパイロットの顔を拝めるかもしれないな。」

 

部屋から出るイザーク。ツンデレ乙!

 

 

 

 

 

さて、オーブに潜入したものの一向に手掛かりが見つからない。

偽装IDじゃ入れる区画も決まっているし、何より広大だ。4人で調べるには無理があるぜ。

時刻は夕方。公園にて小休止しているところだ。

イザークも最初は誰よりも張り切ってノリノリだったのだが、今では疲れたのか大人しい。

皆が諦めかけたその時

 

「ん?」

 

謎の物体がモルゲンレーテの敷地内から飛んできてアスランの腕に止まる。

 

「あっ」

 

「トリィ!」

 

「うん?何だそりゃあ?」

 

「へえ、ロボット鳥だ」

 

変な鳴き声をする鳥だと思ったらロボットとはな。

MSが作れる世界だし野生のロボット鳥がいても可笑しくはない。可笑しくはない、のか?

俺が首を傾げていると‥

 

「おーい、トリィ!」

 

人が建物から出てくる。

 

「あれ、あの人のじゃないかな」

 

「あっ」

 

「もう、どこいっちゃったんだよ」

 

ニコルの言う通り持ち主らしき人がこちらに近づいてくる。

お互いに気付くモルゲンレーテ社員の人(推測)とアスラン。

フェンスに近づく両者。

見つめ合う二人。

 

「おい、行くぞ!」

 

車に乗りアスランを呼ぶイザーク。踵を返し戻ってくるアスラン。

 

「どうかしましたか、アスラン?」

 

「いや、何でもない」

 

ニコルの問いにそう答えるアスランだが‥

 

「わかる、俺にはわかるゼ、アスラン」

 

腕を組みうんうん、と頷く俺。そう、アスランの調子が変な理由が俺にはわかってしまったのだ。

 

「ディアッカには心当たりがあるのですか?」

 

「もちろんだぜ!アスラン、お前は‥‥‥あの娘に一目惚れしたんだろ?」

 

時が止まった。

 

「は?」

 

「えええー!?」

 

「何だと!?」

 

「どういうことですか、ディアッカ?」

 

「何故そうなる?」

 

イザークとニコルが質問に俺は答える。

 

「まあまあ、みんな落ち着け。いいか?さっきのロボット鳥の持ち主の娘の顔は見たか?」

 

「ええ」

 

「少しはな」

 

「俺はハッキリと見たのだが‥可愛かった!」

 

「は?」

 

「すごく可愛かったんだよ!!」

 

「おい、ディアッカお前が落ち着け」

 

イザークが俺を宥めるが‥

 

「馬鹿野郎!?これが落ち着いていられるか!

美少女だぞ!?

あの少し茶色がかかった黒髪にショートカット!

クリッとした大きい目!

桜色の唇!

白い肌!

そして何よりも…身長と顔に不釣り合いな服を押し上げるあの巨乳!!!!」

 

思わず大声が出てしまうが男として仕方がないことだろう。

イザークは下らん、とソッポを向いてしまったがまあいい、これだからお坊ちゃんは‥

 

「わかったか?アスランが一目惚れしたわけを。

許されるなら俺だってあの「許されるなら‥何ですか?」へ?」

 

ニコルの声がしたと同時に悪寒を感じ後ろを振り返るとそこには、光を感じない目をしたニコルが微笑んでいた。

 

「許されるなら‥ディアッカは、どうするつもりなんですか?」

 

ヤ、ヤベー!!!何だかわからないがニコルがヤバイと俺の本能が警告を鳴らす。

体の自由が利かずガタガタと震えだす。

くっ鎮まれ、俺の体よ!無意識のうちに体が白旗を揚げている。

 

「答えてください、ディアッカ。ナ・ニ・ををしようとするのですか?」

 

このプレッシャーは一体!?馬鹿な!!この俺が年下の少女に怖気づいているだと!!?

イザーク、イザーク!助けを求める視線を送るが逸らされてしまった。

この野郎!俺が無言でいると‥

 

「ねえ?どうして黙っているのですか?」

 

イカン、プレッシャーが増してきた!!

考えろ、考えるんだ俺!失敗すれば死が待っているぞ!!

 

「い、いや、あの‥そう、写真。写真だ!

可愛いからア、アスランの為に写真を撮りたいと思っただけだゼ!」

 

復活したアスランは「俺を巻き込むな!」という目をしていたがそんなこと知らんわ!

俺の命の方が重要だ!!ニコルの方をチラリと窺うと‥

 

「なあ~んだ、そうだったんですか。それならそうと言って下さいよ~」

 

いつものニコルに戻っていた。

 

「へ?」

 

どういうことだ?

 

「アスランの為、なんですよね。流石、ディアッカは仲間思いですね!」

 

「そ、そうかな?いや、な、なーに、アスランには世話になっているからな。偶には何かしなければと思ただけなんだゼ」

 

「そうですか優しいですね!」

 

「「アハ、アハハハハハ!!」

 

二人して笑い合う。

プレッシャーが消失した。

良かった、何とか切り抜けたゼ!!

やれやれ戦闘より疲れたぜ。

さーて夕飯は何かな?と安堵していると

 

「それで、本当は何をしたかったのですか?」

 

と不意に聞かれたので反射的に

 

「もちろん、おっぱいを揉むに決まってるゼ!」

 

と答えてしまった。そう、答えてしまったのだ‥

 

「あ、やっぱりそうなんですか~ウフフフ‥」

 

再びプレッシャーが俺に襲い掛かった。

こ、このプレッシャーは!?

発生源は‥わかるな?

 

「結局大きい方が好きなんですね、ディアッカは‥」

 

し、しまったー!!戦場では気を抜くなと教わっていたじゃないか。

 

「ニコル、聞いてくれ。確かに突然の事でテンションが上がってしまったが、大きさに拘らないのは本当だ!それにニコルはまだ成長期だ、心配しなくても大丈《ヒュッ》」夫?」

 

ハラリと金髪の髪が車内に落ちる。

 

「え?」

 

「知っていますかディアッカ。爪でも人を切ることは出来るんですよ?」

 

「OH‥」

 

その声を最後に俺の意識は暗転した。

 

 

 

 

 

 

「‥出てくれば北‥するはずだ。ここで‥‥る。」

 

うん?なんだ?

 

「ああ?ちょっと‥て、何を根拠に言って‥‥‥それは?」

 

「一度カ‥ンタリアに戻って情報‥‥直したほうがいいのではないですか?‥がないのでしたら‥」

 

目が覚めるそこはブリーフィングルームで、俺は椅子の上で寝ていた。体が痛い。

状況が把握できないのだが?ボーっとしていると

 

「あ、ディアッカ気が付いたんですね!」

 

ニコルが近づいてくる。

 

「何でおれはこんな所で寝ているんだ?」

 

と尋ねると

 

「いやだな~忘れてしまったのですか?オーブから戻ってきてからのブリーフィング中に

急に寝ちゃったんですよ、ね!」

 

ニコルがアスランとイザークに呼び掛けると二人とも微妙な顔をしていた。

はて?何か大事な事を忘れているような?

アスランから再度今後の方針を聞いた俺は暇なので甲板上に出ていた。

アスランの情報では足つきがオーブにいるらしい。

補給用潜水艦から物資の積み込み作業中なのはその為だ。

あれ、俺達が調べに行ったの何だったの?と思ったがまあ、いるのなら別にいいか。

イザークはご立腹だったがいつものことだしな、言っても無駄だろう。

寝そべりウトウトしていると

 

「ディアッカー!補給、終わりましたよ!」

 

ニコルが来た。

 

「向こうの海で飛び魚の群れが見えますよ」

 

海を指さしながらはしゃぐニコル。

 

「行きませんか?」

 

「行かない」

 

「えぇ!?行きましょうよ!」

 

「今は放課後ティータイムなんだゼ」

 

「意味わかんないですよ、それ」

 

溜息をつきながら俺の横に座るニコル。

 

「どうしたんだ?アスランなら仮眠室で悶々としていたぞ?」

 

「アスラン?いえ、私はディアッカに話しがあって‥」

 

「ふ~ん?」

 

話ねぇ。何だろうか?

ちょうどいい機会だし聞いてみるか。

 

「ニコルは何で軍に志願したんだ?」

 

「え?」

 

「ニコルはさ、ピアノが上手いだろ?それに女の子だ。可愛いし。別に戦場は男のものだ、とか考えは無いけど、態々こんな危険な職業に就かなくてもいいんじゃないの?」

 

「可愛いって‥」

 

顔が赤くなるニコル。

 

「コホン!‥戦わなきゃいけないな~私も、と思って。‥ユニウスセブンのニュースを見て。

ディアッカは?」

 

ユニウスセブン、血のバレンタインか。

 

「俺は‥MSに乗りたかったからだゼ!」

 

「は?」

 

ニコルが唖然としている。可愛いな、おい。

 

「ジンがTVに出ているのを見てこれだ!と思ったわけよ。男なら乗るしかない!ってね。」

 

「そんな理由で?」

 

「おいおい、そんなとか言わないでくれよ。

もちろん、プラントを守りたいという気持ちもあるゼ!

罪なき人達に核を撃ったあいつらは許せない!!だから俺はここにいるわけだしな。

それに‥ジンに乗って地球軍の奴ら相手に無双することを妄想していたぐらいさ!!」

 

「も、妄想‥」

 

ニコルが少し引いている。むぅ、男のロマンはわからないか。

 

「私からも質問良い?」

 

「うん?構わないゼ」

 

「ディアッカの好きな女性のタイプなんだけど‥」

 

「ほう‥」

 

ニコルは恥ずかしいのか俯いていて表情が窺えないが、なるほど、お年頃というわけか。

いつの間にか素の話し方に戻っているしな。ならば期待に応えようではないか!

 

「胸が大きくて「うっ」、クビレが凄くて‥「くぅっ」、料理が上手で「良し!」、

ぶっちゃけ年上だな!!」

 

「えええぇ!?」

 

ニコルの反応が面白かったので調子に乗っていたらニコルがorz状態になった。やり過ぎたゼ‥

 

「ニコル‥」

 

俺はニコルの肩に手を置きこう言った。

 

「スマン、冗談だ」

 

「え?」

 

ニコルが顔を上げる。

 

「ニコルの反応が面白かったからつい調子に乗ってしまったゼ。ハハハハ、本当スマン!!」

 

手を合わせて謝る。ニコルはというと

 

「この馬鹿ぁ!本気にしちゃったじゃない!」

 

ポカポカと俺の胸を叩くニコル。

何この可愛い生物。思わず手が伸びる。

右手でニコルの左頬を撫でる。

 

「え?え?え?」

 

ニコルは顔を赤くし、混乱しているのか変な声を出している。

だが手を休めない俺。

だってスベスベで気持ちいいんだもん。

 

「えっと‥ディアッカ?」

 

数分が経ち、落ち着いたのかニコルが声を掛けてくる。

 

「本当はさ」

 

「え?」

 

「可愛くて、家庭的な娘がタイプなんだゼ」

 

先程の問いに真面目に答える俺。

 

「あ、そ、そうなんですか‥」

 

再び俯くニコル。

 

「ニコルみたいな娘が、ね」

 

「えええええ!?」

 

勢いよく顔を上げるニコル。

 

「本当ですか!?」

 

真っ赤な顔をしながら聞いてくるニコル。

 

「ああ。俺の好みに照らし合わせると身近な人でいうとニコルぐらいしか思い当たらないゼ」

 

そう、軍人だから出会いが皆無なのだよ!

他の部隊には女性もいるらしいが機会がないからな~。

ニコルを見ると甲板上なのにクルクル回っていた。

危ないぞ?

わが世の春が来た~とか言っているが何の事だ?

どうした、陽気にあてられたか?

 

 

 

 

 

そんなこんなで足つきを捉えたので出撃する俺達。

攻撃する為射程圏内に近づくと足つきからミサイルが発射された。

かと思ったら煙幕が張られた。

レーダーにはストライクと足付きの反応があるが‥念のため散開し、俺は皆よりも後方に移動する。煙の中から戦闘機が二機飛び出してきた。イザークがビームを撃つが回避される。

突如ビームが俺達の間に打ち込まれた。

 

「「「「くっ」」」」

 

「散開!」

 

アスランが叫ぶ。このビームは砲撃仕様のやつか!?

ビームが連射され回避することしかできない俺達。飛翔するストライク。

 

「ストライク~!!」

 

攻撃するイザーク。

俺も援護するが回避されバルカンでグウルを破壊され後に蹴られて落下するイザーク。

俺?イザークがやられた時点で足つきの攻撃に移っていますが何か?

飛翔してこちらに接近できることが判明した以上、このままストライクを相手にするのは危険だからな。やつはアスラン達に任せて俺は足つきを墜とす!

砲撃用機体だからな、拠点(母艦)攻撃するしかないでしょ。

 

 

 

 

 

 

 

 

アスランSide

 

 

 

 

「こいつっ」

 

後退するストライクに攻撃するニコルとアスラン。

ストライクに接近したところで足つきに気付くアスラン。

主砲のビームが発射され回避を余儀なくされる。

 

「「くっ」」

 

続いてレールガン、ミサイルが次々に撃たれる。

 

「あいつ、空中で換装を!?」

 

そう、なんとストライクは空中で高機動タイプに換装したのだった。

ビームサーベルを起動しブリッツに突っ込んでくる。

 

「ハアァー!」

 

ブリッツがグレイプニールを放つが切断、破壊されてしまう。

ビームサーベルで切り結ぶブリッツとストライク。

決定打が出ない中、ブリッツがビームを撃とうとすると後ろからミサイルが。

直撃するがフェイズシフト装甲のためダメージはない。

 

「うわ、こいつ」

 

その隙を突き戦闘機の陰からストライクが切りかかりブリッツの左腕を肩から切断した。

蹴り飛ばされ落下するブリッツ。そのままブリッツのグウルを奪い使用するストライク。

イージスと打ち合いになる。ついにグウルを破壊されたイージス。

落下中にスキュラを撃つも回避される。足つきの甲板に戻るストライク。

ゴットフリートが掠りMS形態に戻り孤島に着地するイージス。

警報音が鳴りモニターを見るとエネルギーが危険域に‥なおも足つきの猛攻は続き防御するので手一杯。ふと上を見るとソードに換装したストライクが。

ビームを撃とうとするがビームライフルを切られるイージス。

 

「もう下がれ!君たちの負けだ!」

 

「何を!?」

 

キラから通信が入る。ビームサーベルで切りかかるイージス、それをかわして防御するストライク。

 

「やめろアスラン、君を撃ちたくない!」

 

「何を今更、撃てばいいだろう!お前もそう言ったはず!お前も俺を撃つと、言ったはずだ!」

 

そうだ、なのに今更撃ちたくないだって?くそっ!

切り合いの後、ストライクの右手で殴られ後ろに吹き飛ぶイージス。

スラスターで制動をかけるが間に合わず岩盤に叩きつけられるイージス。

それが止めとなったのかフェイズシフトダウンするイージス。

ソードを振りかぶるストライク。

 

「アスラン!」

 

キラから再度呼びかけがあるが‥動けないイージス。

 

「くっ」

 

このまま、やられるのか?そう考えていると

 

「アスラン下がって!!」

 

ミラージュコロイドを解除し左腕を失い右腕のトリケロスのビームサーベルを展開して突撃するブリッツの姿が!

 

「ハアアァ!」

 

右上から振り下ろされたそれをブリッツの左側に踏み込むことで回避しながら隙だらけの腹部へ右薙ぎにソードを振るストライク。

 

‥瞬間、世界から音が消えた。

その光景はスローモーション映像をみているかのようだった。

ほんの一瞬の事なのに俺にはとてつもなく長く感じた。

やめろ、キラ!ニコルは!

声に出したかったがそれは無理で、機体を動かそうにもイージスは動かなくて‥

そしてストライクのソードがブリッツを‥‥

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ニコルー!!!!」

 

 

 

 

 

 

ただ、叫び声だけがハッキリと聞こえた。

 

 

 

 

 




敢えて何も言うまい…

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