享年25歳 博麗の巫女こと博麗霊夢は若くしてこの世を去った
死因は、勿論寿命ではなく かと言って自殺なんかあるわけがない
以前戦った妖怪によって負わされたキズから菌が入り込み それが脳にまで侵食し死んだのだ
そう死因は感染症による病死...その事実は幻想郷中を震撼させた
永琳による必死の治療もむなしく
ある日突然倒れた霊夢はそのまま意識を取り戻す事無く眠る様に死んでいったそうだ...
霊夢が妖怪によって死んだと聞かされた生前霊夢と親しかった人妖...神まで怒り狂い
元凶であるその妖怪は霊夢が死んだその日のうちに殺された
その妖怪は名のある大妖怪でも何でもなく ただ普通の雑魚妖怪だったそうだ
...ただ 私にはそんな復讐劇なんてどうでも良かった
霊夢が死んだ その事実だけで私を絶望のどん底に突き落とすには十分だった
私が霊夢の訃報を聞いたのはその日の早朝
いよいよ起きようか という時に私の家に 目に涙を浮かべた私の友人アリス が血相を変えて入ってきた
そして開口一番「魔理沙早く来て!霊夢が!」と言った
その言葉を聞き終わると同時に私は箒に乗り アリスを乗せ永遠亭へと向かった
余談であるがその日以来 アリスが私の箒に乗ることは少なくなった
「霊夢!」
霊夢のいる病室の扉を力任せに開く すると既に霊夢が寝ているベッドの周りには鬼やら天狗やら山の巫女やら多くの人妖が霊夢の事を心配そうに見つめていた
「クッ!どけ!」
私はその人混みをかき分け 霊夢の所へと近寄る...
すると霊夢の口元にある筈の酸素マスクは外され 体中に貼ってあった器具も全て外されていた
それを見るなりアリスは「...嘘」と言ってその場に崩れ落ちる 周りからは誰かがすすり泣く声が聞こえてくる
「まさか...そんな」
そう 私は間に合わなかった...霊夢の最後を看取ってやれなかったのだ
目の前の霊夢は既に死んでいた...それを理解した瞬間 頭を誰かに殴られたような衝撃と共に頭の中が真っ白になる
「おい!嘘だろ霊夢!なぁ返事してくれよ...頼むよ」
声をかけても返事などするわけがない...だが私は声を掛け続けた
「うぅ...霊夢」ギュッ
強く手を握る...霊夢の手はまだ少し温かかった
―しばらく病室には 私の虚しい独り言と数人のすすり泣く声だけが響いていた―
そして霊夢の遺体はひとまず博麗神社に移された...
神社には霊夢が生きていた頃に関わった様々な人妖がやって来た
みんな泣いていた あの天邪鬼さえも目を赤くし泣いていた、これを見れば霊夢は生前どれだけ愛されていたのかが良く分かる
そして皮肉な事には皆 賽銭箱の大量のお金を入れて行った...霊夢がこれを見たらどう思うのか
葬式は人里の寺で行われる事になった
巫女が寺で葬式とは変かも知れないが、寺の住職が紫に 是非ともうちの寺で葬式をあげさせてほしい と土下座半分で頼んできたらしい
異例中の異例だが もともと博麗神社は何の神を祭っているのかも分からないし別に良い とすんなり承諾されたようだ
そして今日
私は霊夢の友人代表として葬式でお悔やみの言葉を言うことになっている
思えば霊夢が死んでから私はろくに寝ていない
毎日々々ひたすら泣いていた 泣き止もうとしても次から次えと生前の霊夢との懐かしい思い出が走馬灯の様に頭の中に出て来て余計悲しくなって泣く...
果たして今日は ちゃんと大勢の前でお悔やみの言葉を言えるのだろうか?
いや、無理だ 絶対途中で泣き出し言葉すら発せられなくなるほどに号泣するだろう
そして皆私につられて泣くのだ そんなのは大体察しがつく
そんな事を考えていると外への扉がノックされる
「魔理沙~そろそろ行かないと間に合わないわよ」
アリスの声だ その声は少し震えていてさっきまで泣いていたのがすぐに分かった
「あぁ、すぐに行くぜ ちょっと待っててくれ」
そう言って私は涙を拭き 扉を開けアリスと一緒に霊夢の葬式へと向かった