夜。
男は酒を飲みながらソファーにどっかりと座ってドラマを見ていた。
ドラマでは若い男が大きな屋敷で優雅に
「あぁ。いつかでっかい家に住んで誰もが
「フッ」
弟の独り言をたまたま通りかかった姉が鼻で笑った。
「お前なんかがそんな
「……だったら姉さんは何か夢があるのかよ!」
バカにされた弟は姉を
「私?私かぁ……」
そんな視線を気にする様子もなく、姉は腕を組んで考え込む。
そして。
「今より給与が1万円多くもらいたいなぁ」
「ブッ!」
その言葉に男は腹を抱えて笑った。
「はぁ?
「……バカはお前だよ。バカ」
弟の侮辱の言葉に激怒することなく、姉は一つ大きなため息をついてから口を開く。
「お前は
「うぅ……」
叶えられない夢。そう切り捨てられた男は何か言おうとするが適当な言葉が浮かばず、ただただ
「例え他人にバカにされるような小さな望みでも、その手に届く小さな夢を実現し続ければ、いずれ大きな夢に手が届く。積み重ねをせずに実現不可能な夢をほざく今のお前は運頼みで宝くじや油田で一発当てようとする奴と変わらん。仮に何かの
「……」
姉の反論を許さない言葉に、男は歯をかみ締め、ただ黙るしか出来なかった。
「まあ、本当に『でっかい家に住んで誰もが
そう言って姉は歯を磨くため洗面所に足を進めて男の前から姿を消した。
「……」
姉の言葉が心に重くのしかかった男は、ドラマが終わっても