早速ですが、話をパート毎に別けると言ったな。あれは嘘だ。というのも話数が多いので纏めようかという話です。
後書きでは独自設定纏めの様なものを出しておきます。
では、本編どうぞ
通報から数分かかり、アパートの一角から担架に乗せられた男が救急車に運び込まれていく。付き添いとして行こうとしている女性は、患者の事を聞き出すのに必要と決定し聖都大学附属病院に搬送される。
またも数分かかり、その男はCRに存在する診療台に乗せられる。女性は寝かされている男の手を握って無事を祈り続けている。そんな様子を見ていた永夢たちは女性から話を聞くため落ち着けさせ、現在は椅子に座り対面している。
「では、
「…………はい」
彼女の名は『
「2人で暮らしてるアパートの一室に帰ると、明の凄い苦しんでいる様子を見て……体が薄れてきているのを見て、直ぐにゲーム病だと分かって通報したんです」
「そうだったんですか……」
「ただ…………」
藍原優美の発言を聞くと、少し疑問の表情をする永夢たちドクター。その口から言われた内容は、にわかには信じがたいものでもあった。
「ただ、通報のあと彼の容態を見てみたんです。そしたら、急に元に戻っていて……糸が切れた人形みたいに動かなくなって…………それで…………!」
明日那が藍原に寄り添う様にして安心させる。口を抑え泣きながらに言葉を綴っていく。
「彼に……何があったんですか…………。最初に見た時、目や髪の色が変わっていて苦しんでたのに……急に……」
「色……?」
「……はい。彼、元は普通の黒目と黒髪だったんです」
その発言で貴利矢は高山明の様子を見る。藍原の証言では髪と目は共に黒色なのだが、今の場合髪は白が混ざった金色であった。さらに目を確認するため手袋を着けて上瞼を上げると角膜が全体的に淡い黄色に染まっている。
「その姉ちゃんの言う通り、だ。それと永夢」
「何でしょうか?」
「ちょっと来てみろ」
永夢は一言だけ伝えて貴利矢の元に向かう。やって来た永夢に見せる様にゲームスコープを使い高山の感染状態を確認させる。
映されたのは高山の感染状態。だが高山に感染したウィルスは銀色で、インフルエンザウィルスの形とそう変わりは無かった。これを見た永夢は確信する。
「貴利矢さん、これは……!」
「……ゲムデウスウィルス、コイツが感染者だったみたいだな」
その場に居たドクターたちは一斉に患者『高山明』を見る。先程話に出ていたゲムデウスの感染者が、この高山明だと分かった瞬間誰も何も言えなかった。
「……だが今は、少し念を入れておかなきゃな。永夢、ドクターマイティのガシャットを」
永夢は白衣の内ポケットから真っ白なガシャットを取り出す。これこそ、貴利矢が製作法を発見し黎斗神の体内で培養したワクチンが入ったガシャット。
【ドクターマイティXX】である。貴利矢はこのガシャットを高山の体に刺すことで、体内にあるゲムデウスウィルスを抑制させようと考えていた。
「!」
「「ッ!?」」
しかし予想外のことが起きる。“高山が目を覚ました”のだ。だが、それだけで終わるのならば本当に良かった。
高山の左手が永夢と貴利矢に向けられると、その手から魔方陣が発生される。
『ッ!?永夢!避けろ!』
「うわっ!」
「おわわっ!」
パラドによって素早く永夢と貴利矢がしゃがんだ途端、魔方陣から雷が発生し扉が損傷する。これを見ていた飛彩と大我、安心させる為に居た明日那や泣いていた藍原が注目する。
『今のは……アランブラの魔法!』
「ッ!?まさか、バグスターの力が!?」
寝ていた体を起こすように高山は上半身だけを起こす。しかし何処か可笑しい。自身の左手で拳を作り、開く。その作業を3回行った後、今度は診療台から勢い良く降りて立ち上がり右手を出す。
すると高山の右手が変化する。今度は重火器の様な形をしており、それを発砲する。明日那は藍原を連れて避難し飛彩と大我は咄嗟に避ける。
『今度はリボルの能力だ!』
「どうやら、ゲムデウスが乗っ取ってるみたいだな。だがゲームエリアも展開されてねぇのにバグスターの能力を使えるってことは……単なる感染者じゃなさそうだなっ!」
貴利矢が高山に向かって走り出す。手に持っているガシャットを刺せば良いのだが、またも右手を向けられ発砲される。
「うおあっ!」
避けようとして体を下に反らしたが、反らしすぎて逆に尻餅を付いてしまう貴利矢。その状態の貴利矢に銃口を向けていく。正しく絶対絶命のピンチ。
『ぶぅははははははははぁッ!』
「ッ!?」
だが高山の後ろで両腕を拘束する誰かが居た。その誰かは御存じ、黎斗神である。急に拘束されたことで一瞬戸惑う高山。
「九条貴利矢ァ!さっさと刺せぇ!」
「!あぁ!」
その隙を狙い一気に距離を縮め高山の体にドクターマイティXXのガシャットを差し込む。高山は苦しむ様子を見せていたが、徐々に力が抜けていき終いには床に倒れる。
「明ッ!」
倒れた高山を心配し、藍原は高山を抱き締める。成功したと安堵した貴利矢は床に座り込み、黎斗神は危なげな表情をしていた。
「いーやー……今回ばかりは助かった」
「まぁな。私だから出来た作戦だったのだからなッ!」
「どや顔かよ……引くわ」
訂正、やはり黎斗神はネタキャラの表情をしていた。
「……ッう……あ……」
「ッ!明!」
高山の意識が戻る。目が覚めた高山は視線を移動させて現在の状況を確認する。ここが何処なのかはイマイチ理解していない。
「先……輩……此処は…………?」
「このバカー!!」
「むごふっ!?」
高山は何がなんだか分からず、藍原の豊満な胸囲に埋もれる結果となり息ができていない。そんな様子を見ていたドクターたちは一気に緊張の糸がほどける様に脱力する。
「一安心……ってところか」
「どうやら、そのようですね。でも……」
「まーだ色が変わってねぇ所を見ると、抑制しただけみてぇだな」
貴利矢の言う通り、まだ高山の目と髪の色は元に戻っていない。謂わば脅威そのものは去っていない。何時、何が起こるのかは全く分からない。
「優美さん、彼氏さん呼吸困難になってます」
「へっ…………あっ」
気が付いたかの様に拘束を解くと高山は離れて呼吸を深くする。そんな様子を見ていたドクターたちも心なしか表情が柔らかくなっている。無事な様子を見ていた藍原も嬉しそうに微笑んでいた。
しかし、そんな平穏というのは早く終わってしまう。
「ッ!?ゴホッ!」
「!?先輩!」
心配している様子で藍原に近付く。藍原は突然咳き込み、胸を抑える。次第に床に倒れ込み飛彩がドクタースコープを使う。
映された映像には銀色とオレンジ色の模様が存在するバグスターウィルスが確認できた。
「急患だ、急げ!」
「はい!」
またも慌ただしくなるCR内。但し今度は高山ではなく藍原がゲーム病に掛かったということだが。
「さて……この様な部屋ですまないね。えっと……」
「高山です。高山明」
「失礼。宜しく高山さん」
現在、高山はCRで目の前に居る黎斗神と対面している。今回ゲーム病に発症した藍原について、高山が発症したウィルスについて説明するのだ。
だが何故黎斗神が選ばれたのか?その答えはただ1つ。“唯一”ゲムデウスウィルスに対する抗体が存在するバグスターだからだ。さらに言うなれば、人間にもバグスターにも発症するゲムデウスウィルスに発症しないのが黎斗神しか居ないためである。
「さて、君の発症したゲーム病についてなんだが……君のはとても特殊過ぎる」
「…………と、申しますと?」
「貴方は感染しているんじゃあない。貴方はそのウィルスに“適合している”。しかも“過剰”に」
「つまり…………【過剰適合者】で、合ってるんですか?」
「あぁ。それについては、先ずこれを見てほしい」
用意されていたパソコンに高山が気絶していた状態の時の体の様子を映像を映す。
「これは…………?」
「君の体内にあるウィルスだ。だが普通は“有り得ない”んだ」
黎斗神の言っていることが理解できない様子で首を傾げる。次、黎斗神は映像を縮小させる。すると、映像には黄色く染色された螺旋状のもの。
「これは……DNAですか?」
「正解だ。でも、この映像は本来おかしい筈なんだ。だが、それが君の体で起きているという事実だ」
一息付いて、黎斗神は口を開いた。
「君は……体内でウィルスを培養できる体質になっている」
「ッ!」
「……酷だと思うが、もしかすると君の体内で培養されたウィルスが彼女の体内に侵入し、存在していたバグスターウィルスを活性化させたと私は考えている」
高山の目から光が消えた様に見えた黎斗神。だが、これは仕方が無いとしか言い様が無い。自分の体内でウィルスが製造され、それが関係者に感染して今の状態になっているからだ。自分の性という訳ではない。だが人は自らを中心に不幸な出来事が起きた場合、自分が居たから起きたと勘違いする。
この高山もその例に当てはまる。これ以上は何も言えない黎斗神は一言告げてCRを後にする。残されているのは高山1人のみ。
外に出た黎斗神は待機していたドクターたちに報告をしていく。
「黎斗、どうだった?」
「……呆然としていた。罪の意識を感じているらしい。……だが、実に惜しい」
「黎斗神さん。どういうことですか?」
黎斗神は永夢の質問を待っていたかと言わんばかりに答える。
「あのゲムデウスウィルスに感染したのに“適合”したという事実を踏まえると、新たなドクターライダーとして戦力になれるということだ。但し過剰適合者故に、もし外に出したとしよう……最悪、パンデミックが再発する可能性も十分だ」
黎斗神が言うことは事実である。そんな話題や空気を変えたのは飛彩であった。
「……今はバグスターを捜すことが先決だ。行くぞ」
「…………はい」
「言われなくても」
永夢、飛彩、大我の3名はバグスターを探す。命を預かる医者として、命を守るために。
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未だCR内に居る高山は1人呟いていた。何を呟いているのかは知り得ない。現在はゲムデウスウィルスの感染というのも相まって、もしもゲムデウスウィルスを散布でもされてしまっては患者がさらに増える一方だ。つまり1人。入ってきたとしても黎斗神だけである。
高山は呟く。自分しか居ない部屋で、誰かに言うわけでもなく、自分に聞こえる声で。
「───俺は……どうしたら良いんだよ……………
自分のせいで……先輩が危険な状態なのに…………何で?
何で俺は………………“生きたい”んだよ?
誰かに迷惑かけて、それでも生きたいって……虫が良すぎるだろ…………」
高山は先程より声を荒げながら、自分の思いを吐き出す。本心では無い、誰かのことを考えた結果の思考であった。
「死にてぇよ……死にてぇよッ!こんな体!無くたって良い!このウィルスのせいで迷惑かける位なら!死んだ方がマシだ!」
嗚咽や渇望に近い。これが高山の考えであった。だが……
─────生きる。私は生き延びてみせる。
「なぁ………………」
─────どんなことをしてでも、生き延びる。
「…………なぁ!」
─────生きて、生き続ける。
「お前がそうなのか!?お前が俺の中で思いを届けているのか!?お前が俺の中に居るウィルスなのか!?」
────犠牲が生まれようと、私は生きる。
「俺は死にてぇ!お前のせいで!お前が俺の中に入ったせいで!」
「どうしたんですか!?高山さん!」
声を荒げていたのが外まで聞こえた為、黎斗神が駆け付け近寄った。体勢では高山は床に座り込んでいるため、それに合わせる様に黎斗神もしゃがむ。
「俺は犠牲なんて出したくねぇんだよ!そうまでして生きるのは嫌なんだよ!」
「ッ!…………」
「これ以上……誰かが苦しんでる姿を見るのは…………嫌なんだよぉ…………」
涙が出る。目を押さえ、溢れ出る涙を見られたく無い様な状態であった。
「…………高山さん」
「ハァ…………ぁぐ…………ぅぐぃ…………」
「高山さん!」
近くで、それも大声で名前を呼ばれた高山は思わずビクリと体を震えさせた。顔を上げれば黎斗神の顔が真正面にあった。
「黎斗神さん…………?」
そして突如、黎斗神が高山の頬をビンタした。
「ッ!?」
何が起きたのか理解出来ない高山はゆっくりと黎斗神の方に目線を向ける。そこには怒りが少しだけ露となった黎斗神の顔があった。
「……君は何を寝惚けているんだ?」
「黎斗神……さん?」
少しだけ怒りが混じった様な声が、このCRに響く。
「君は、“犠牲を出してまで生きたくない”。そう言った。だが、犠牲を出さない生き方なんてこの世に存在すると思うのか?」
「ッ…………」
「生きるということは、何かを犠牲にして成り立っているのだ。誰かの苦しんでる姿を見たくない?違う、君が生きる為に誰かが苦しむのは当然のことだ!そして……自ら死ぬというのは、その苦しんだ人々を見捨てることと同じだ!」
怒気を含んだ物言いに、何も言えなくなる高山。確かにこの世の摂理はそういうものだ。生きるというのは何かの犠牲の上で成り立っている。自殺をするということは、今まで犠牲となった者たちの1つの冒涜行為に等しいのだから。
「誰かが苦しむのを見たくないから自殺する!?違う!君がするのは自殺じゃあない!その犠牲となった人々の為にも、“生きなければ”ならないんだ!これは1つの義務だ!私たちに与えられた義務なんだ!」
「じゃあどうすれば良いんですか!?僕に出来ることなんて……何も、残されていない…………」
高山がそう告げると、突如立ち上がり外へと出た。少しすると再び戻って来た。さらに黎斗神は何かを取り出し、それらを高山に見せる。
「これ……は…………?」
「【ゲーマドライバー】と【ガシャット】だ。この2つを使うことで、『仮面ライダー』になれる」
一旦その2つを床に置き、高山の両肩に黎斗神は手を乗せて話していく。
「これで君の……贖罪を果たせる。そして……君が生きていくのに必要な“義務”だ」
「ッ!?…………なん……で…………?」
「あくまでも、これは義務だ。君が生きる為には、君自身が仮面ライダーと成り、バグスターを倒し患者を救う。これが君の課せられた義務だ。受け取りたまえ」
床に置かれたゲーマドライバーとガシャットを手に取る。自分が生きる為には、自分が誰かを救わねばならないという義務の証として。皮肉にも自分のウィルスが原因の1つなのに、自分でケリを付けるという様なものなのだ。
しかし、受け取った高山の目からは涙は出なかった。それどころか、涙を拭い息を整えて立ち上がった。黎斗神もそれに合わせて立ち上がる。
「……これが義務なら、僕はします。それが……僕の生きる義務にも成るのなら」
「そうか……なら話は早い。先ずはゲーマドライバーを腰に装着してくれ」
そう言われて高山は左手に持っているゲーマドライバーを腰に当てる。するとベルトが自動で展開され腰に巻き付く。
「次に君が外でも活動できる様に、そのガシャットをゲーマドライバーに差し込んでくれ」
コクリと頷くと、右手に持っているガシャットを差し込もうとした。しかし、それは不意に動いた左手によって止められ高山は苦しみ床に座り込んだ。
「うぐぅ!」
「やはりそのガシャットに反応するか……仕方無い、他のガシャットを「黎斗神……さん」なんだね?」
「ハァ……ハァ……大丈夫ですから……」
立ち上がり、もう一度差し込もうと試みた。案の定またも左手によって止められ、もう一度苦しみ始めた。しかし、今度は倒れなかった。意地なのか、苦しんでいるのに立っている。
「あがっ!…………ぐぅ………!よく聞けよ!ウィルス!」
「高山さん!?」
「良いか!俺が……お前が……俺たちが生きるには!これを差し込まないと駄目なんだ!お前が生きていくには、これを差して患者を救わなきゃいけないんだ!」
高山の体の色素がドンドン黄色に染まっていっている。進行が激しいのか、抗うかの様にウィルスを増やしていっている様だ。
「ッ!…………俺だって……本当は生きてぇよ!でも、今のままじゃ駄目なんだ!俺が本当の意味で生きるには、これが必要なんだよ!お前だって生きたいのなら、お前も俺も何かをしなきゃいけないんだよ!」
今度はウィルスが徐々に体から排出されている。しかも目は淡い黄色から徐々に赤へと変貌しつつあった。
「ぁがぁ!……ハァ……ハァ…………こうしなきゃ……お前だって生き残れねぇんだよ!誰かに倒されるんだよ!お前だって生きたいんだろ!?生きたいのなら……生き続けたいのなら……コイツを差して、患者を救え!それが俺たちの生きる術なんだよ!それしかねぇんだよ!だからよぉ!」
その瞬間、ゆっくりとだが左手が外れていく。そして一言だけ叫んだ。
「俺たちの生きる義務を……果たしやがれえぇぇ!」
漸く、ガシャットは差し込まれた。
【ダブルガシャット!!】
その音声は、2人の声が混じった様な音声であった。
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現在、外に出ている永夢、飛彩、大我はバグスターと対峙していた。一旦患者の藍原を大我が運営しているゲーム病専門病院に搬送されていたが、バグスターが出現し患者を救う為に戦っている。
だが永夢たちは目の前のバグスターに既視感は感じられ無かった。つまり新種のバグスターであった。間接辺りにインフルエンザウィルスをモチーフとした様な模様が存在し、嘴が4方向に開くというグロテスク要素が含まれている。
ただ、永夢たちは容姿がそれだけと思っていた。その考えは簡単に打ち砕かれてしまったが。
攻撃する度にライダーゲージが徐々に減り、射撃武器での攻撃でもウィルスの様なものが散布されゲージが減る始末。挙げ句の果てにバグスターもウィルスの様なものを散布しゲージが減っていく始末。ガシャットを変えても同じで倒れる様子すら無い。永夢の持つ【ハイパームテキガシャット】でも散布は止められないので迂闊に手が出せない状況なのだ。
「ほれほれぇ~!攻撃しないのかよぉ~?良いのかなぁ~?」
「ッ!のヤロッ!」
「大我さん!相手の挑発に乗らないで!」
「分かってる!けどこのままじゃあ…………!」
そんなピンチの中、何処から途もなくエンジン音が聞こえてくる。バグスターやライダーたちは、そのエンジン音の正体を知ろうと辺りを見渡す。
どんどん近付いていき、その音は近くなるとブレーキ音が響いた。その音の方向を見ると、貴利矢ともう一人がバイクに乗って駆け付けていた。
「貴利矢さん!」
「よぉ永夢、待たせたな。助っ人呼んで来たぜ」
『エグゼイド』に変身している永夢、『ブレイブ』に変身している飛彩、『スナイプ』に変身している大我は貴利矢の発言に疑問を浮かべる。そんなことを知ってか知らずか、後ろに乗っていた人物がヘルメットを脱ぐ。
そこには淡い黄色の髪と目をした『高山明』が立っていた。腰にはゲーマドライバーが装着され、ガシャットも差し込まれている。
「た、高山さん!?何で此処に!?」
「おい監察医!何故コイツが居る!?」
そんな永夢と飛彩の言い分を無視するかの如く、高山はバグスターにどんどん歩んでいっている。
「なんだぁ~?お前?」
「ッ!高山さん!」
「これでも食らえッ!」
すると、バグスターが嘴を開く前に高山は右手をバグスターの方に向けて何かを散布し始めた。それを受けた影響なのか、バグスターはとても苦しんでいた。
「ギャアアアアアアアァァァ!」
腰にあるゲーマドライバーには“真っ白なガシャット”が差し込まれていた。それを見た永夢たちは驚愕の表情をする。
「あれは、まさかッ!」
高山の方はバグスターを見て、口を開く。
「皆さん……ここは僕にやらせてください」
「ッ!?しかしッ!」
「やらせて下さい。これは僕の贖罪なんです。これは僕が生きてくための義務なんです。…………僕は、生きる。生きていく!その為に、永遠の贖罪を、義務を!果たしてやる!」
高山は両腕を前に交差させ“X”という文字を作り、戦う戦士となる為の合言葉を言い放つ。
「Mark
ゲーマドライバーのレバーを開き、遂に変身する。
【ガッチャーン!レベルアップ!】
【ドクターマイティ!2人で作る!ドクターマイティ!2人でメイキーング!
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【ガッチャーン!レベルアップ!】
【ドクターマイティ!2人で作る!ドクターマイティ!2人でメイキーング!
高山は目の前に現れたキャラクターセレクト画面から2つの?マークを選択する。選択した画面からはドクターライダーである4人は見たことのある姿だが、違うことが理解できた。
そして2つのセレクトパネルが高山の体を通ると、そこからもう1人現れた。それが誰なのかは直ぐには理解できなかったが、高山とそのもう1人は見たことのあるライダーへと変身する。
一言で表すならば“白”。ドクターたちの白衣の色であった。見慣れた姿だが、何処か違う。
現れたのは“白いレーザーターボ”と“白いゲンム”であった。違う箇所といえば、黄色や紫の装甲色が全て白で統一されていたこと。さらに言えば白いレーザーターボは左手首の辺りに、白いゲンムは右手首辺りに長方形のタッチパネルの様なものが装備されている。
変身した高山もとい白いレーザーターボは自身の手の甲をマジマジと見つめ、自分の姿が変わったのだと自覚した。ふと視界にもう1人が入ったのか、高山は横を向く。同じ白い装甲色のゲンムであった。
「…………まさか、お前か?」
「………………」
何も喋らなかった。白いゲンムは前方に居るバグスターに焦点を当てている。あまり意味は無いと感じたのか白いレーザーターボもバグスターの方向に向く。
「……ゲムデウス」
「んぁ?」
「私の名だ。何時までも“お前”呼ばわりされるのは面倒だからな」
「…………そうかよ」
仮面の下だからこそ表情は分からなかったが、声からして高山は少しだけ嬉しさを感じている様だ。お互いの右腕と左腕を交差させてXの文字を作る。
「「これより製薬実験を開始する」」
「ま、俺精神科医志望だけどさッ!」
2名のライダーはバグスターに向かって走り出す。
「たかが2人増えただけッ!食らいやがれ!」
バグスターは嘴を開きウィルスを散布させる。だが1度攻略された技を再度放つのは愚の骨頂とも言える。白のレーザーターボは右手、白のゲンムは左手を出すと青い粒子の様なものを散布させる。
その青い粒子はウィルスを消滅させ、その先に居るバグスターに当たるとまたも苦しんだ。
「ギィイヤアァァァ!?」
「ハァッ!」
「ぐぼッ!」【HIT!】
バグスターは仰け反り後退するも、体勢を整えようとしたが。
「サアッ!」
「おぉぐッ!?」【HIT!】
白いゲンムの後ろから走ってバグスターの腹部にヤクザ蹴りをかました
ここで思うことは攻撃した場合、ウィルスが散布される危険性があるのでは無いのか?という疑問だ。答えは……大丈夫だ。ウィルスは散布されていない。
「な、何でぇ?何でウィルスが……?」
「ウィルス抑制効果さぁ」
白いレーザーターボとゲンムの後ろから声が聞こえたが、振り向いたのは白いレーザーターボのみ。
「黎斗神さん!?何故ここに!?」
「その話は後だぁ!そのガシャットで変身したライダーには、私と九条貴利矢のレベル0の力が備わっているゥ!つまりは……バグスターウィルスを抑制するゲームエリアとなったのだぁ!さらに補足するならば、先程散布したのはゲムデウスワクチンだぁ!並みのバグスターならば能力を無効化するなんぞ容易いワァ!」
黎斗神が説明していた間、白いゲンムはバグスターに接近する。バグスターも反撃する様に大振りのパンチを放つが、最低限の動きで避け肘で反撃を加える。
「フッ!」
「ぐあっ!?」【HIT!】
少しだけ後退したバグスターは体勢を立て直し左フックを放つが、白いゲンムはバグスターの外側に避け左腕を掴み後ろに回る。
すると、バグスターの近くから何やら数字が載っている電子板が出現した。そして数字が60からドンドン減っている。
「あれは……レベルダウンしている!」
「あれはレベル0のゲンムが使ってたヤツじゃねぇか!」
「当たり前だぁ!ドクターマイティ自体のスペックは低いのだから、この様にレベルダウンすることで有利な状況を作ることが出来るゥ!」
「成る程……ゲムデウス!」
白いレーザーターボはバグスターに向かって走り出し、ある程度の距離で飛び蹴りを放つ。
「フッ」
「んぉう?おぉわッ!?」
白いゲンムはバグスターの拘束を解くとジャンプしてその場を離れる。バグスターは先程飛び蹴りを放った白いレーザーターボの攻撃に衝突し体勢を崩し倒れる。
【HIT!】
白いレーザーターボはバックステップを取りバグスターから距離を取り、白いゲンムと合流する。
「高山明ァ!ゲムデウスゥ!君たちの手首に取り付けてあるタッチパネルに触れろ!」
「ふぁッ?とと……」
白いゲンムとレーザーターボは取り付けられているタッチパネルに触れる。すると何やら円形の映像が出現した。さらにスクロールすると他の種類もある。
「黎斗神さん!これは一体!?」
「それがドクターマイティの固有能力の1つ、【エナジーアイテムの生成】だぁ!」
「エナジーアイテムの生成!?」
永夢や他のドクターたちも驚くのも無理はない。本来エナジーアイテムはゲーム起動と共にゲームエリア内に展開される為、エナジーアイテムを“作る”という概念が無かったからだ。
「そのタッチパネルの右端には、エナジーアイテムを生成する為のエネルギーバーが表示されている!君たちの攻撃によってそれは蓄積され、御互いのエネルギーが満タンになればエナジーアイテムを1つ生成できる仕組みだぁ!使いたいエナジーアイテムはスクロールして選択したものをタッチしろ!」
「ならば……おい宿主」
「な、何っ?」
「高速化を選べ。黄色のエナジーアイテムだ」
「お、おう」
白いゲンムが最初に、次にレーザーターボがタッチパネルをスクロールし高速化を選ぶ。するとレーザーターボのタッチパネルから黄色のメダルが排出される。
「これが……」
「それを私に使え」
「オッケー!」
手に持っている黄色のメダルを白いゲンムに投げると、それは大きくなり白いゲンムに取り込まれる。
【高速化!】
「ハアァッ!」
「ウボァ!?」【HIT!】
高速化の効果により移動速度が上昇され目で追い付けない程の早さでバグスターに攻撃を加える。高速移動によって異常な速さで攻撃されたことでバグスターは吹っ飛ぶ。
「スゲェ……俺も何か…………おっ、これは?」
白いレーザーターボは辺りを見渡すと、近くに紫色のエナジーアイテムを発見し、それに触れる。
【予知!】
「ッ!?……こ、これは?」
白いレーザーターボは何故かバグスターの方ではなく、その光景を見ていた永夢たちに向かって走る。
【HIT!】
調度その時、白いゲンムがバグスターを吹っ飛ばす。その吹っ飛ばされたバグスターは見ている永夢たちに向かう。
「せあッ!」
「オボァ!」【HIT!】
しかし先に着いた白いレーザーターボによって蹴られ地面を転がりながら離れていく。その後で白いゲンムが白いレーザーターボの隣に立つ。
「お前なぁ、人が居るんだから考えて攻撃してくれよ」
「それは俺たちが生きる為に必要か?」
「俺たちが生きる為には人を守る“義務”がある。これは必須事項だ、忘れんなよ」
「……ならば仕方ない」
「お、おのれぇ…………!」
吹っ飛ばしたバグスターがよろよろと立ち上がる。この状態ではそろそろ終いという辺りであるが、調度黎斗神が声を荒げて言い放つ。
「レバーを閉じて開け!必殺技だ!」
「なるほど、フィニッシュは十八番で!ゲムデウス!」
「あぁ」
白いレーザーターボとゲンムは御互い同時にレバーを戻す。
【【ガッチョーン キメワザ!】】
軽快な音楽が流れる中、2名はベルトのレバーを開く。
【【ガッチャーン!】】
【【DoCTER MIGHTY!CRITICAL STRIKE!】】
白いレーザーターボとゲンムは御互い右足にエネルギーが込められ、跳ぶ。そしてバグスターに一気に接近しエネルギーの込められた足で攻撃をする。
「「ハアッ!」」
「ォボォ!」【【HIT!】】
さらに一旦距離を取ると空中で白いレーザーターボは踵で右回り、白いゲンムは膝蹴りで左回りをして挟む様に攻撃を入れる。
【HIT!】【HIT!】
そして軸足で着地し再度回転しながら蹴りを放つ。
【HIT!】【HIT!】
「ハアッ!」
「テアッ!」
白いレーザーターボとゲンムは同時に飛び上がり、バグスターの真上から踵落としを放った。
「「セアアアアアアッ!」」
【PERFECT!】【PERFECT!】
「ウガアアアアアアアアアアィ!」
【GAME CLEAR!】
バグスターは最後の攻撃に耐えられず爆散。同時にGAMECLEARの文字がエリアに広がり、漸くバグスターは消滅した。それを確認した高山はベルトのレバーを閉めガシャットを取り出す。
【ガッチョーン ガッシューン】
白いレーザーターボとゲンムは融合し、高山明という1人の人間に戻った。永夢たちも変身を解き高山の元に集う。
「高山さん!」
「えっ……あ、はい」
「すみませんでした!」
「へっ?はっ?…………はゑッ?」
何故謝られるのかは理解できない高山。
「僕等が不甲斐ないばかりに高山さんに迷惑をかけてしまって、すみまs「あ、あの、大丈夫ですから」へっ?」
「それに……漸く生きる決意も芽生えましたから」
「そうかい……まぁこれだと警戒は厳重にしなきゃな」
「で、ですよねぇ…………ハハハ……」
「あー……その事なんだが、高山さん」
ふと黎斗神が高山の後ろから声をかける。何なのかは予想が付かない。
「はい、何でしょうか?」
「君には暫くの間CRに居てほしい、この意味は分かるかな?」
「あー……唯一のゲムデウスウィルス感染者で、過剰適合者。体内でウィルスを培養できるからですよね?」
「理解が早くて助かる、出来るか?」
「強いて言うなら……明日受けなきゃいけない授業がありまして……」
「そうか……ならば早急に相談せねばな」
「あ、そうだ。すみません!彼女の方は?」
「それなら心配は無い。バグスターを倒したことで治っている筈だ」
「な、なら良かった……ホッ」
「では行きましょうか高山さん」
「はい。えーっと……」
「宝生永夢です」
「改めまして、高山明です。宜しくお願い致します、宝生さん」
宝生永夢と高山明は握手を交わす。
ここからは高山明の運命は変わり始めた。ゲムデウスに感染し、適合したことで予想もしていない未来に変わりつつある。
ここから何が始まるのかは、誰にも分からない。
・Age 21 ・182㎝ ・72㎏
SAO名『デウス』
東都総合大学3年生医学部所属。精神科を目指しているが、ゲムデウスウィルスに感染。そして適合した。顔は普通の部類に入るが優しさは他の追随を許さない程で、高校時代に生徒会で知り合った藍原優美に交際を迫られ承諾。今は藍原優美とアパートの一室を借りて同棲している。
・Age 22 ・178㎝ ・75㎏
ゲームキャラ(コード・レジスタより)
SAO名 『リーゼ・ロッテ』
東都総合大学4年生経済学部所属。何時か自身の会社というのを持つことを夢見ている。周囲からの評判は『頼れる
【過剰適合者】
読んで字の如く過剰なまでに適合した者を指す。過剰適合者になった場合、バグスターの能力をゲームエリアを展開せずに使用可能。さらに体内でウィルスの培養もされ、接触感染で広まる危険性もある。
しかし過剰適合者なだけに運動能力や情報処理能力は向上され通常の適合者や人物よりも遥かに性能は上。
オリジナルバグスター名
【バイラスバグスター】
・4つに別れる嘴と、間接にあるウィルスの形をしている模様が特徴。目は存在せず、これまでのバグスターよりグロテスク要素が追加されている。
・攻撃を受ける度にダメージを与えるウィルスを散布する。また嘴を開くことでもウィルスを散布する能力を持つ。
【エナジーアイテム生成】
ドクターマイティXXを使用しレベルアップした状態でのみ使える固有能力。装着されているタッチパネルには全エナジーアイテムが選択可能であり、ライダーの攻撃によって生成に必須のエネルギーを蓄積できる。
エナジーアイテムを生成する場合、御互いのエネルギーが満タンでなければ生成不可。さらに選択するエナジーアイテムが御互い違っていれば生成不可。
尚最後に選択したライダーがエナジーアイテムを持てる。誰に与えるかはどちらかの意思や選択。
次回!Dr.ゲムデウスは!
新たなライダーの誕生!
「仮面ライダー……ゲムデウス」
大学生活に元凶がッ!?
「私の神の才能を受けとれぇ!」
そして発現する、レベルアップのその先へ!
【ガッチャーン!ダブルアーップ!】
『第3話 school lifeは波瀾万丈!』