Dr.ゲムデウス   作:Haganed

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お久しぶりの投稿です。






SAO───CAO
Nightmareの再来 パート1


 時は過ぎていく。とどまることを知らず、流れの速さは常に普遍を保っている。流れが速く感じたり遅く感じたりするのは、人の意識が関与している為である。

 

 

 そう、時は過ぎて行ったのだ。あの【ゾンビ・クロニクル】から約3ヶ月ほど過ぎた、運命の日にまで。

 

 

 西暦2022年 11月 2日にまで。

 

 

 その日の高山はというと、殆ど何も変わらずに仕事……という訳では無かった。この日は珍しくCRに全員集合しているので、何か重要な事が日向審議官から伝えられるのだろうと思っていた。

 

 

 CRには所属ドクターが全員集まっている。中には1度ゲーム病によって消滅したが、この度復帰した『牧 治郎』も参戦していたりする。西馬ニコに関しては全員海外へ向かった事は花家大我から聞いており、その道を歩んだ事を受け止めた。

 

 

 さて話しを戻そう。今回招集された件……といっても緊急の件としか聞いていなかった全員は、何が伝えられるのかさっぱりであった。

 

 

 

「それにしても……恭太郎さん遅いな。呼んでもう30分経ってるし……」

 

 

「こうも暇だとピヨる〜……」

 

 

「まぁ分からなくもないですけど……何か準備でもしているんでしょうか?」

 

 

「何の準備なんだかねぇ〜……?どう思うんですかね先生方」

 

 

「バグスター関連であれば遅いのは違いない」

 

 

「だとしても、呼び出しておいて放置ってのも可笑しいだろうけどな」

 

 

「まぁ気長に待とうじゃないか。案外忙しくてドタバタしてるだけかもしれないよ?」

 

 

 

 テレビの電源が勝手に着いた。それを気に全員がテレビを見やると……

 

 

 

〔喜べ君達ィ!遂に発見したぞォ!〕

「紛らわしいなオイ!」

 

 

 

 テレビが着いたら檀黎斗であったそうな。これには誰しも紛らわしいと思いつつ、高山1人だけ苦笑いを浮かべており、あとは何処か全員チベットスナギツネみたいな顔を檀黎斗に向けていた。

 

 

 つまるところ、この場の空気どうしてくれんだ。という思想の現れだろう。そして檀黎斗の映った画面が消えたと思いきや、今度は漸く日向審議官の姿がお目見えする。

 

 

 

〔待たせてしまってすまない、先ずはここに全員集まってくれた事を感謝したい〕

 

 

「それは良いから用件を言え。もし厄介事だとすれば、たまったもんじゃねぇからな」

 

 

「ちょっと大我、君何て物言いを!」

 

 

〔まぁ確かに待たせるのは不味い。今この時にも事態は最悪な方向に向かっているのだから〕

 

 

「……最悪な方向、ですか?」

 

 

『もう最悪な方向は懲り懲りだぞ私は』

 

 

〔その事に関してだが、私よりも関係者から話しを聞くのが良い。今繋げる〕

 

 

 

 そして再度黒い画面に早戻り、かと思いきや再三画面が映った。映ったその()()に高山は大層驚いたが。

 

 

 

「茅場先輩?!」

 

 

〔久しぶり高山君、1ヵ月ぶりだな〕

 

 

「茅場って〜と……あの【SAO(ソードアート・オンライン)】の開発者だっけか?」

 

 

〔2年ぶりですね、宝生先生〕

 

 

「お久しぶりです」

 

 

「……そういえば、あの時小児科医に教えてもらったパンケーキのあった大学は精神科医の母校だったか。小児科医が講義に行った時に出会ったという訳か」

 

 

「正確にはカフェでですけど」

 

 

 

 茅場と出会った時を何気なく思い出していく永夢。しかしその思い出を今は留めて欲しい時であったが故に、茅場が話しを切り出す。

 

 

 

〔さて……CRドクター全員に集まって貰ったのは他でもありません。私から頼みたい事があるのです〕

 

 

「頼みごと……?俺達にか」

 

 

〔えぇ。その件なのですが、今1万人が一斉にプレイしている【SAO】についてお話しが〕

 

 

 

 すると高山からゲムデウスへと人格が交代する。しかし人格交代の所要時間が短くなったせいか、何時変わったのか誰にも分からない。

 

 

 

「何か不備でもあったのか、茅場晶彦。にしては大掛かりの様だが」

 

 

〔君は……ゲムデウスだったね。高山君のバグスターの〕

 

 

「かれこれ2年以上になるな。うむ」

 

 

 

 ゲムデウスが目を細めながら頷く。そして茅場は話しを再開した。

 

 

 

〔その不備が大掛かりだったからこそ、CRの皆さんに頼んだのです。このままではSAO……いやVR界の危機に陥ってしまう事になりかねない〕

 

 

「VR界の……」

「危機?」

 

 

 

 

 

 

 

 

〔SAOプレイヤー1万人が、()()()()()()()()()()()

「「「「「「 なっ!? 」」」」」」

 

 

 

 SAOというゲーム内に囚われた1万人……これ即ち、1万という命が閉じ込められたと同意義となる。今は午後2時前、流石に仕様なのであれば茅場を疑うが、流石に疑われそうな事を態々CRドクターや衛生省に伝える筈がない。

 

 

 つまり何者かによる人為的な行い、SAOというゲームを牢獄にする為の最悪な出来事が起こってしまった。

 

 

 

〔勿論、ナーヴギアも危険性が確認された場合即刻電源を停止させプレイを強制終了させる事も出来る様設計した……だが、その強制終了機能が全く作用しなくなってしまったのだ〕

 

 

「ピプペポパニックだよー!そんな状態が続いたら1万人の命が危ないよ!」

 

 

「確かに……強制的にナーヴギアを外すことは?」

 

 

〔システムを確認してみた結果、無理矢理外そうとすると高出力マイクロウェーブが脳にダメージを与えて……プレイヤーは死んでしまう〕

 

 

「って、それだと早くSAOプレイヤーを搬送しなきゃ不味いじゃないか!」

 

 

〔そう、だがそうしたとしましょう。そのままでは解決策にはならない……だからこそ、私から提案があります〕

 

 

「提案?」

 

 

〔SAOに敢えて参加し内部から解決する役割と、外部から直接解決させる役割と2手に別れて行動する……これが私からの提案です〕

 

 

 

 要は内部でプレイヤーを助ける為の()と外部から犯人を捜し出す人間に分かれることになる方法である。片や命の危機はあるが、少なくともプレイヤーの精神状態を把握し命を救う役割を。

 

 

 片や患者の命を救いつつ、突き止める役割を担う。この役割に分けられるとなると必然的に救えることが出来るのは少なくとも1人決まる。

 

 

 

「……マイティークリエイターVRXを使えば、救える可能性はあります。だったら僕が出ましょう」

 

 

「永夢!でもそれだと……!」

 

 

「大丈夫」

 

 

 

 永夢はポッピーの両肩に自身の両手を置き、安心させる様に真っ直ぐ見つめる。

 

 

 

「必ず救い出して、こんなゲームを終わらせる。ポッピーはそれまで待っててくれないかな?」

 

 

「永夢…………」

 

 

〔……1人は決まった様ですが、あと1人は〕

「僕が行きますよ、茅場先輩」

 

 

 

 ゲムデウスから高山へと人格交代をし、声を挙げた。それに対し黙り気味だった檀黎斗がテレビ画面に割り込んできた。

 

 

 

〔君はまたそうやって……!少しは自分の身を休ませたまえ!前回の事から時は経ったとはいえ、さらに酷使すれば君がもたない!〕

 

 

「黎斗さん……また心配かけちゃいますね、僕。

 

 でも行かせて下さい、VR空間でも僕なら現実と同じ様に動ける筈です。それに、ここは精神科医の出番ですしね」

 

 

〔……確かに君なら、だが正直私も気が進まない〕

 

 

「茅場先輩、今は悠長なこと言ってられませんでしょ?早くプレイヤーを救い出して、その巫山戯た牢獄から解き放ちましょう。全ての命を」

 

 

 

 少しの間静寂が訪れた、ここで今までの高山が死にかけた回数を数えてみよう。

 

 

 最初に死にかけたのはLv99のガットンと戦闘になった際。これはゲムデウスに存在する“他バグスターの能力使用”で乗り切るも、無茶な行いが生じて入院沙汰。

 

 

 次に死にかけたのは4体のバイラスバグスターとの戦闘に使ったギアデュアルγのデータ移植。ゲムデウスウィルス内にガシャットデータをコピーする際にダメージまでもフィードバックし、戦闘終了後気絶。

 

 

 その次に死にかけたのは檀黎斗のゴッドマキシマムマイティX対貴利矢との共闘による能力併用。様々なバグスターの能力によって体が耐えきれない状態にまで陥った。

 

 

 さらに次は対ゾンビ対決の際に使った2つのガシャットデータ。ゲムデウスウィルスによってバグを引き起こし何とか使おうと試みるも、変身解除後に吐血。

 

 

 そして次に死にかけたのは強制変身解除を無理矢理バグらせてキメ技を発動したこと。バグ自体が体に影響しやすいのに、侵蝕を進めさせた結果を作ってしまった。

 

 

 最後に、バイクの横転。死にかけるどころか死ぬ1歩手前の事故を引き起こしておいて生きてる高山の生命力を疑いたい。

 

 

 とまぁこの様に異常なまでの無謀さが目立つ高山。ほぼ全員の考えは、高山をここで行かせる訳にはいかない。ドクターなのに自分の命を考えないというのも、些かどうにかしている。

 

 

 すると高山からまたしてもゲムデウスへと人格が変わり、何とあろう事か高山を擁護する発言を取ってしまった。

 

 

 

「宿主を説得しようとしても無駄だ。底なしのお人好しで救い続ける面倒なバカだ」

 

 

『誰がバカだよ!?』

 

 

「まぁ、もしも危険だと判断した場合は私が強制的に止めさせる。確かに我々の場合であればVR世界にも対応はできる筈だしな」

 

 

〔……ゲムデウス、貴様の発言の重さは分かっているのだろうな?〕

 

 

「充分に理解している。だからこそだ、ここで有力な者を出さなければ不味いことになりかねんぞ。適材適所を怠るな」

 

 

 

 

 

 

 

〔……こうまで言う事は予想していたが、実に清々しいな全くもって。

 

 

 わかった。ゲムデウスと高山君の参戦を推そう〕

 

 

「よしきた」

 

 

〔他のドクターの方々は、何か異議の方は?〕

 

 

「……いや、正直俺でも精神科医は止められそうにない」

 

 

「俺でも無理だな。ゲムデウスの猪突猛進ぶりはこの目で見過ぎた」

 

 

「付き合いは浅いけど……僕も難しいかも」

 

 

「俺だって無理だわ。ケツにダメージ来そうだし」

 

 

「決まりだな。檀黎斗はどうだ?」

 

 

〔……正直気乗りはしない。だがそうしたいのであれば、私からも全力でバックアップしよう。不本意だがな〕

 

 

『黎斗さん…………』

 

 

〔ならば早く行動しなければな。早速ゲンムVRの用意をしろ!他はすぐに他の大型病院と連携して搬送の準備を行えぇ!〕

 

 

「「「 お前が指図するな! 」」」

 

 

 

 取り敢えず一悶着あったが、何とかチーム分けが決定した。ゲーム内に行くのは高山&ゲムデウスと、永夢&パラドの4名。他が外部チームとして定まった。

 

 

 これから始まるゲームの、()()()として。

 

 

 

 

 

 

 

 

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