現在、フィールドは大いに荒れていた。突如出現したBeast the oneが突如出現したことで皆は逃げ仰せていた。だが先程攻略組が戦っていたエリアボスに対して、そこまで
だが今居るBeast the oneは、その規模が違っていた。ボス部屋にも収まりきらない程の大きさ……しかし全員の予想を悪い意味で裏切っていた。
体長は凡そ
そんな中バダンはフィールドに居るBeast the oneに向かっていた。唯一の宇宙人プレイヤーであるバダンは、あの化け物のことを昔見たアーカイブで知っていた。あの化け物がなぜ居るのかは、まだ知る由もない。だがあの化け物をここで倒さなければ多くの犠牲者が出てしまう。それだけは避けなければならない。
「(ビースト・ザ・ワン〈ベルゼブア〉……アイツが何故この世界に居るのかは知らんが、このまま蹂躙されるのは御免だ!)」
バダンが標的に近付いていくと、今度はバイクのエンジン音が聞こえ始めた。Beast the oneもその音に気付き、音の方を見下ろすとバイクに乗って移動しているデウスを発見する。
そのデウスは前方に居るBeast the oneの向こう側に居るバダンを見つけるとバイクを全速力で走らせる。途中厄介な妨害もあったが、デウスはそれらを避けきるとバダンの近くに到着する。
「デウスか」
「バダン、ゼロは何処に居る!?」
「ゼロ……だと?悠長な事は言ってられんが、フレンド登録したから分かるのでは?」
「
「なにっ!?」
「ゼロが急に変なアイテムを取り出して掲げたと思ったら、ボス部屋に光が広がって……光が収まって目を開けたらゼロが居なくなってたんだよ!」
「
Beast the oneはデウスとバダンを見ると、“手始めにお前達2人からだ”と謂わんばかりにニタリと嗤うと青白い光線を2人に向けて放つ。
その光線に気付いた2人は対処が遅く、咄嗟に防御の姿勢を取っていた。Beast the oneからしてみれば滑稽以外の何物でもない。
しかし一向に攻撃が当たらない。なぜ攻撃が当たらないのかを確かめるべく、2人は恐る恐る見た。
2人の視線に映っているのは、2人を庇うように背を向けて攻撃に耐えた
バダンはその銀色の巨人を見上げてただ一言、こう言った。
「ウルトラマン……」
そう言った直後、ウルトラマンの背中に何かダメージが入ったらしく苦痛の声を挙げた。その後ろではBeast the oneがウルトラマンの背中に尻尾で執拗に攻撃していたのだ。
「ッ、シュオッ!」
「『なっ!?』」
ウルトラマンはBeast the oneの攻撃を、後ろに振り返る勢いを利用して受け流し尻尾を掴み取る。そのまま立ち上がったウルトラマンは、尻尾を掴んでいる方とは逆の手で拳を作りBeast the oneに攻撃した。
「デュアッ!」
「『おごっ!』」
攻撃が当たると直ぐにウルトラマンはハイキックを与えて倒れさせる。倒れたBeast the oneの尻尾を利用し、ウルトラマンはハンマー投げの要領でBeast the oneを回し続けると、主街区とは逆方向に投げ飛ばした。
「デュォア!」
「『ぐぅ……!何故……アイツと同じ存在が、ここに居る!?』」
ウルトラマンは投げ飛ばした後、自分の両手を見つつ開いたり閉じたりと繰り返し再度Beast the oneを見据え、攻め始めた。
よろよろと起き上がるBeast the oneであったが、起き上がった隙を狙われウルトラマンに顎と首を右、左のワンツーで殴打される。ウルトラマンはその後、Beast the oneの腕に自分の両脚を組みつかせ腕を捻らせることを利用してBeast the oneの体勢を崩した。
バダンは何やら気付いたみたいだが、そのようなことを考えていてもウルトラマンの猛攻は止まらない。すぐに拘束を解いたウルトラマンは、Beast the oneの近くで空中前一回転すると顔面に右足の蹴りを入れた。
「『調子に……乗るなァ!』」
「ッ!デュオッ!?」
Beast the oneは倒された状態であの青白い光を放つと、ウルトラマンはそのまま後ろに倒れる。その間にBeast the oneが立ち上がると、ウルトラマンの首を尻尾で締め付けた。
「デュアッ…………!」
「『今度は……俺の番だァ!』」
尻尾で拘束し空中に上げると、Beast the oneは連続して青白い光線をウルトラマンに放つ。何度も何度も攻撃が当たり、ウルトラマンは先程より苦痛の声を挙げる。
その拘束をどうにかしようとプレイヤー達が考えても、あのスケールでは助けようがない。しかしウルトラマンは頭部にある3つの飾りの内、両端の2つを手に取る。すると頭の飾りと思わしきものはウルトラマンの手元に渡り、短刀の様に扱って尻尾を切った。
「『ッ!テメェ……死に損ないの癖しやがってェ!』」
ウルトラマンは2つの武器を投擲する。回転しながらBeast the oneの身体を斬りつけていくとウルトラマンの頭に戻った。
しかしそれと同時にウルトラマンの胸の青いタイマーが赤色に変わり点滅している。警告すべき状態になっている故に、そうせざるをえないのだろう。ウルトラマンは疲弊した様子を見せながら体勢を崩す。
「デュォ……」
「『やはり貴様も、不完全な形で同化しているんだな……だから限界が来るんだよ馬鹿が!』」
「ッ!デュッ!」
尻尾での薙ぎ払いをウルトラマンは下に屈んで避けると、Beast the oneは狙い通りと謂わんばかりに青白い光線を放つ。結果、ウルトラマンに直撃しダメージを負わせることに成功した。
だがウルトラマンも立ち上がる。しかし点滅のペースが早くなっているので、時間が足りない。ウルトラマンは今放てる威力の高い攻撃として、頭部の真ん中にある湾曲している角にエネルギーを溜めると勢いをつけて発射させた。
Beast the oneも負けじと光線を放つ。だがウルトラマンの意地が光線を割って入りこませ、ウルトラマンの放った攻撃がBeast the oneの元に届いた。
「『グオォッ!……っ、ダメージが多いか。ここは一旦、引いてやる』」
Beast the oneは青白い光に包まれると消えていった。残されたウルトラマンは体力の限界だったのか、膝を着いて姿を消した。
「おいデウス、急ぐぞ」
「えっ、ってバダン。何で勝手に」
「置いていくぞ」
「でぇっ、ちょっと!」
何故かバダンがバイクを操縦し、デウスが後ろに乗るということが起きつつもバダンはバイクを走らせた。あの状況にたった1人で対処しきれる存在に、心当たりがあるのだから。
「ッウ…………っ?」
「目覚めたか、ゼロ」
「ゼロ、大丈夫かい?」
バダンとデウスが、あのウルトラマンが居た場所に
「っ……!おい、あの化け物はっ!?」
「落ち着け、お前が追っ払っただろ」
「っあ……あぁ、そうだっt
ってバダン、お前何で知ってんだよ?」
ゼロはバダンの発言に確かな疑問を持った。あの時戦っていたウルトラマンと呼べる存在は、確かにゼロ本人が戦っていたが誰にもそんなことを言っていない。勿論バダンにもデウスにも。
バダンはデウスとアイコンタクトを取ると、バダンはゼロに歩み寄る。視線をゼロに合わせるとバダンは今言える真実を話した。
「私達“地球外生命体”は、先程のゼロの状態のことを【ウルトラマン】と呼んでいる。それだけだ」
「…………はっ?いやいや待てよオイ、さっきなんつった?は?」
「地球外生命体のことか……それならば」
バダンは立ち上がり、ゼロから少し離れると本当の姿を現す。人間特有の体付きや顔立ち、声質から全く別のものへと変化したバダンを見てゼロは口をパクパクさせて驚いている。
「……これが私だ。先程デウスにも見せたが、私は本来地球に住まう存在では無く地球に移住してきた
「…………え、ちょまっ……えっ?なに、何々々?ドッキリじゃないよな、ほぇ?」
「残念ながら……!本当の事だ、ゼロ」
バダンは地球人に姿を変えると、デウスがゼロに近付いて少し落ち着かせる。精神科医だけあって人を落ち着かせることに長けている故に、ゼロも少しだけ落ち着いた。
その落ち着いたゼロに再度目線を合わせてしゃがんだバダンは、ゼロに向けて言った。
「ゼロ、お前はこの世界でウルトラマンとなった。ウルトラマンとは宇宙を守る為に日々戦い続ける者を指す。
ゼロ、これは私の忠告だ。私とデウス以外に秘密を洩らすな。先のウルトラマンがゼロと知られれば混乱を招く恐れがある、この事は秘密にするんだ。良いな?」
「……お、おぅ。秘密、秘密なんだな?誰にも」
「私たち以外、誰にもだ。わかったな?」
ゼロは未だに思考回路が纏まっていないが、バダンの言い分に従うこととなった。疲れているだろうがゼロを連れて主街区に戻って行く3人の間には、何やら疲れた様な気が漂っていたそうだ。
「(ウルトラマン……ねぇ。あのスキルの名前と似てんだなぁ)」
ゼロはゼロで、今思い出したことを少し楽観的に受け止めていた。本人の体感では、この考えはどうにも出来ない。
※次回作アンケートを行っております!
良ければ意見を下さい!お願いします!
次回!Dr.ゲムデウスは!
17層にて、盲目の男と邂逅するラン!
「あの……名前は?」
「……ただの、流浪者だよ。お嬢さん」
ランは訳あって男を目的地まで案内するが……
「お嬢さん、何を急いでいるんだい?」
ランが秘めていた感情とは!?
「私は……ただ…………!」
次回『blindnessの旅人!』