25層というターニングポイントを通過されたその時、その25層の宿屋の1室で集まっている人物が4人。今回の攻略に参加したヒースクリフと、参加しなかったデウスとMが居る。残りの1人は、現在熟睡中の功績者であるランだけ。
ヒースクリフがデウスとMの2人を集めて、この部屋で寝ているランに起きたことについて話そうとしている。それだけの為に呼び出されただけ。
「先輩、ランちゃんの件はユウキちゃんから聞いてますが……他に何かあるんですか?」
「あぁ。といっても、あの【VRシステム】そのものについてだが」
「VRシステム……?」
「ラン君が変身したあの姿のことだ。もっとも、本来は別の形で活躍させる筈だった」
「それって一体……?」
「【VRシステム】は略称、本来の名は【Virtual Riderシステム】と呼ばれている
「「!?」」
「もっとも、漸くこのVRで試験的な運用が出来るとデータを取ろうとしていた最中に、このような事態が起きてしまったがね」
話しを続けていくヒースクリフ。何でもあのVRシステムは、ドクターライダーの活躍の記録を取り研究したものであり、本来はPCではなくNPCとしてしか活動できないシステムである。仮面ライダーという存在をVR世界でも見られる様に、開発していた【
しかしSAOを乗っ取られ、そのMHCPでさえも確認できない始末。初めて確認されたVRシステムでも、ランの持つ【抜刀術】というエクストラスキルの一部として扱われていた。このような事態に、ヒースクリフも
そのVRシステムを作った理由だが、念には念をというヤツで作ったらしい。あのフィルタリングプログラムでも対処できなかった場合の保険としてだ。
「ちょ、ちょっと待って。だとしたら僕の中に居るパラドに関してはどうなってるんだ?パラドだってバグスターの筈だし」
「あくまでもナーヴギアに搭載されているのがそのプログラムであって、別の機器でログインしている2人には機能していない可能性がある……単なる予想に過ぎないがね」
「先輩、そのVRシステムって……もしかして幾つかあります?」
「……単なる予想として受け取って置くが、その質問の答えだと幾つか作った。といっても数は7しか無い」
〔出来ればだが、残りのVRシステムのプログラムコードを教えろ。なるべく私も協力せねばなるまいからな〕
「ありがとうございます、黎斗さん」
〔最近出てなかったからなァ……〕
何はともあれ、ヒースクリフから全てのVRシステムを聞き出すことは出来た。
№001【ジャック・ザ・ビヨンド】
№002【ホーリー・グランデ】
№003【アブソリュート】
№004【ゼロレンジ】←所持者:ラン
№005【プラネット・アーク】
№006【シャドウ・ダークネス】
№007【へカマティア・ノア】
というので全てだ。ランは【ゼロレンジ】保持者と断定しても良い認識であり、【プラネット・アーク】保持者のゼロに関してはデウスは未だに誰にも言っていない。他のVRシステムは現在判明していない。
ランが保持者となった理由だが、恐らくヒースクリフが考えた特別なエクストラスキル、【ユニークスキル】の発現によって手に入れられるのだと推測。つまりユニークスキルが手に入らなければ、VRシステムも手に入らない。その間に向こう側からVRシステムが削除される危険性もあるのだ。焦ってしまう。
「……うぅん」
「ちょうど起きたみたいだな。デウス君、すまないがラン君から聞き出してくれないか?色々とね」
「了解です」
起きてから間もなくして、ランはデウスから幾つか質問し答えるとデウスと共に宿屋を出た。結果としてはヒースクリフの推測通りであった。
本来プレイヤーに持たざるべき力を手にしたランとゼロに、一抹の不安をデウスは覚えていた。今まで隠されていた秘密であり、ヒースクリフの話ではレベル99のカイデンを倒したと聞いた。その力は強大なもの……周囲のランを見る目が、変わっていく様を思うのが
「先生……?」
「……ん、どうしたランちゃん。ちょっと疲れた?」
「いえ…………先生の方こそ、疲れてませんか?」
「僕?大丈夫大丈夫、ぜーんぜん平気」
空元気だとデウス自身でも思っている。だがこうしてないと、自分の心が崩れそうで、相手にも迷惑をかけそうで、自分が辛くなりそうだから。
なぜこんな少女に力を持たせるのか。なぜ重荷を負わせるのか。自分達が守らねば。そう思っていると、町外れの場所に居た他のメンバーに合流した。
〔ライダーシステムか……茅場晶彦も厄介なものを作ってくれる〕
「どうする。このままでは……」
「心配はご無用ですよ」
会話していたクロノスと須卿伸之の元に、あの頭でっかちを再現したような人物が割り込んできた。
「あの世界には【ヤプール星人】が居る。しかし現実の肉体は地球人の
〔……君のいうヤプール星人とやらが、如何程なものなのかは私には知らない。だが、期待はしていいんだな?〕
「えぇ、構いませんよ。何せ、極悪宇宙人の中でも指折りの存在ですから」
他にもこの宇宙人は、様々な手を考えてはいる。だがあの世界にウルトラマンが現れたことで、多少の危惧はしている。しかし人間として暮らしていたウルトラマンの心を折るのは容易い。
絶望を、叩き込むだけだ。ウルトラマンを倒すには。
【久々の独自設定】
・ゼロレンジ
ランがユニークスキル【抜刀術】を手に入れた瞬間に得た変身形態。ある一定の動作をしつつ音声コマンドを入力すると姿を変える。
・この距離なら……!
この能力使用時の地点から相手との距離が近づく程、×3t/5mの倍率でSTRとDEX補正が上昇する。
身長:190.8cm 体重:82.2㎏
パンチ力:12.5t キック力:22.9t
ジャンプ力:35m 100mを4.2秒
※書き忘れてたので
・仮面ライダーゲムデウス レベル99
【バイラストリートメントゲーマー】
ガシャットギアデュアルγをそのままゲーマドライバーに差し込み変身する高山明の
身長:206.8cm 体重:108㎏
パンチ力:98.6t キック力100.5t
ジャンプ力:98m 100mを0.95秒
次回『Dr.ゲムデウス』は!
ゼロに試練!ランにも試練!そして……!
「僕らに……一体何ができる……」
その責任の重さは彼らの心を削る!
「もう…………戦いたくない……」
そしてまた、1人……1人と
「戦いたくないのなら、誰かに任せてみるのもありだと思うの」
次回 『rejectと覚醒』
※パート数が長くなります!