Dr.ゲムデウス   作:(´鋼`)

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最近クォリティが落ちてるみたい…………はっ(・ω・ )!

まさかゴルゴムの仕業かっ!?(違う)







rejectと覚醒 リーゼ・ロッテ 4

 ただ1人密室空間に佇む女性プレイヤーが1人、その手にはガシャットとゲーマドライバーが握られていて、眼前にそびえ立っている(つた)や苔か体の隙間から侵蝕されている巨大なゴーレムを見やる。

 

 

 女性プレイヤー、『リーゼ・ロッテ』はゲーマドライバーを腰に装着しガシャットを起動させる。背後に出現した画面から青と黄緑色のドラム缶がその部屋一帯に広がっていく。

 

 

 

【バンバンシューティング!】

 

 

 

「変身」

 

 

 

 ガシャットをゲーマドライバーに挿し、レバーを開いて姿を変える。セレクト画面をタッチして仮面ライダーE・スナイプレベル2に姿を変えると、ガシャコン・マグナムを装備する。

 

 

 

【ガッチャーン!レベルアーップ!】

【ババンバン!バンババン!バンバンシューティング!】

【ガシャコン・マグナム!】

 

 

 

「────はぁっ!」

 

 

 

 ガシャコン・マグナムの引き金を引きエネルギー弾を当てる。だがボスであるゴーレムはビクともしていなかった。その証拠にHPゲージも殆ど変動していない。

 

 

 ならばと思い立った次の策は、関節を狙い連続で撃ち抜くこと。仮面ライダーとしてのスペックを発揮し接近していくが、ゴーレムの拳が来る。その影が見えた途端、リーゼはローリングで回避し手首に1発ぶち込む。

 

 

 しかし狙いは少しズレたようで、特に何の反応も示していない。だが手首はついでで、本来の目的は足の近くへと向かうことであった。故にリーゼは素早く体勢を整えて走る。

 

 

 ゴーレムは踏み付けを行う。但し挙動が遅いので十二分に避けられる速度だ。接地点から離れてガシャコン・マグナムのAボタンを押してライフルモードに変形させる。

 

 

 

【ズ・キューン!】

 

 

 

 振り返り照準を足首に定め、狙い撃つ。そのエネルギー弾がゴーレムの足首に歩行不能のデバフを与えられたのが確認できると、すかさず逆の足にまで向かう。なるべく最短距離で、ゴーレムの足元を掻い潜る。

 

 

 そして振り返り倒れながら照準を定めて足首を狙い撃つ。ゴーレムの移動法を潰したことでその場から動けなくなったことによって、リーゼは弱点と思わしき頭部の宝石を狙う。

 

 

 Bボタンを3回押し、スコープを覗いて弾道を合わせる。そして一瞬だけ息を止める。それに合わせてトリガーを引き、反動とともに息を吐き出す。エネルギー弾は弱点を狙い撃つことに成功し、若干ではあるがボスのHPバーが減った。

 

 

 

「これなら──いける!」

 

 

 

 またBボタンを3回押して狙いを定め、撃つ。ゴーレムは動こうにも足首を潰されている故に、まともに動くことさえ出来ない。ゴーレムが足掻いている内に、エネルギー弾が当たりHPを減らした。

 

 

 それの繰り返しで、最初のHPバーが半分を切った。微々たるものでも繰り返し、ゲームで言えばハメ技をすれば絶対に倒せることは出来る。

 

 

 しかし忘れてはならないのは、このゲームの今だ。

 

 

 

「!?」

 

 

 

 ゴーレムが叫ぶ。口も無いのに叫ぶというのは可笑しいと思うが、ゴーレムが仰け反った途端部屋が揺れたというのだから叫んだという以外に何が言えるのだろうか。

 

 

 そして叫んでいく中で、ゴーレムが立ち上がっていく。足首を狙い破壊、または損傷を与えて動きを封じた筈なのにも関わらず、ゴーレムは立ち上がる。

 

 

 その足首にはオレンジ色の粒子のようなものが漂っている。あれは見たことがある、とリーゼは思い出す。デウスが現実世界で仮面ライダーとして活動していた時に見た、忘れもしないウィルス。

 

 

 

「バグスターウィルス────!」

 

 

 

 ゴーレムは、バグスターウィルスに()()()()

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それからは圧倒的な差があった。バグスターウィルスに感染したゴーレムは前回よりも移動速度やパワー、そして特殊技を放っていく。プログラムによるアルゴリズムで形成されたパターンではなく、適切な判断が下せられる“人工知能”みたいな相手に変貌した。

 

 

 対しリーゼは苦戦を強いられる。確かにE・スナイプのスペックはレベル3や5を凌駕する程ではあるものの、結局はそこ止まり。早く、重い一撃が繰り出されては避けるしか術を知らない。

 

 

 

「ッ!」

 

 

 

 破片を避ける。衝撃波を避ける。蹴りを、拳を、レーザーを避ける。避け続けるしか方法がなかった。入口の扉はリーゼの真正面にあるが、ゴーレムが接近を許さないことで離れすぎていた。

 

 

 そしてリーゼにも、疲労が現れ始めた。肩で息をしており、照準も定まらないほど腕や脚に負担が掛かる。幾らゲムデウスウィルスによって強化されていようとも、現実と一部同化しているようなもの。そんなものを体内に存在したままこのような世界に赴けば──そこは現実と何ら大差ない世界へと変わる。

 

 

 ゴーレムがリーゼを漸く殴り飛ばした。長きに渡る鬼ごっこもここまでだと告げるように飛ばされたリーゼの方に向かっていく。

 

 

 

「ゴホッ! ゲホッ!…………ッ!」

 

 

 

 このままではリーゼが殺されてしまう。しかしリーゼ本人は動けなかった。つまる所……リーゼは2度目の死の実感を味わっていた。全ての行動には、デウスへの想いから。

 

 

 だが、リーゼは諦めかけていた。私が死んでも、彼が無事ならば────それで、良いと考えて目を閉じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ッァァアアア!

 

 

 

 ゴーレムの頭部に、おもいっきり殴りつけられるのは背丈以上もあるハンマー。そしてそれを振るったのは、デウスであった。

 

 

 ゴーレムは先程の一撃で地面へと倒れると、着地したデウスはリーゼの元へと駆け付ける。

 

 

 

「リーゼ! 大丈夫!?」

 

 

「ッ────何で……!?」

 

 

「それはこっちの台詞だ! 何でたった1人だけで無茶したの!? 他に攻略組との作戦会議だってあった筈だ! その後でも行けば良かったじゃないか!」

 

 

 

 

 

「──そうしないと、貴方の負担が増えるから……」

 

 

「ッ───!…………そう、そうなんだ」

 

 

 

 デウスは立ち上がり、リーゼに背を向ける。アイテム欄からゲーマドライバーとギアデュアルガシャットを取り出し、ガシャットのギアを左に回転させる。

 

 

 

【INFECTION VIRUS!】

【The illness cause!(end world!)finish creatures!】

 

 

 

 ゲーマドライバーにギアデュアルガシャットを挿しこみ、レバーを開いてデウスも変身する。

 

 

 

【デュアルガッシャット!】

【ガッチャーン! デュアルアーップ!】

【感染進行! バ・バ・バ・バイラス!】

 

 

 

 仮面ライダーゲムデウス【バイラスゲーマー】へと変貌したデウスは、その剛腕を合わせると両足で跳躍。起き上がろうとしていたゴーレムの宝石部分に叩きつけた。結果、ゴーレムは再度倒れる。

 

 

 たったの一撃でゴーレムの1本目の残りを全て消滅させ、2本目のHPバーを削りきる。しかしバグスターウィルスによって回復されているのも事実であり、早急にデウスは駆除を行う。そのためにゲーマドライバーを開閉させる。

 

 

 

【ガッチョーン キメ技!】

【ガッチャーン!】

【INFECTION CRITICAL PUNISH!】

 

 

 

「ッア!」

 

 

 

 両腕に紫に近い黒のエネルギーを発生させると、デウスは跳躍してゴーレムの頭部に接近する。ゴーレムも負けじとレーザーを放ち、迫り来る右拳に当てるも無意味。宝石部分に衝突しゴーレムのHPが殆ど消え失せていた。

 

 

 そしてトドメの一撃は、逆の左拳のストレートが顔面と思わしき部分に当たった。リーゼの活躍があったとはいえ、ここまで異常な力を持ったデウスは最早人間とは思えない。

 

 

 

【ガッチョーン ガッシューン】

 

 

 

 ゲーマドライバーのレバーを閉じてガシャットを引き抜き変身を解いたデウスは、次にリーゼの元に向かって行く。そして近くに来たところでしゃがみ、リーゼの変身を解除させる。

 

 

 

【ガッチョーン ガッシューン】

 

 

 

「リーゼ」

 

 

 

 真剣な声色で面と向かってデウスが言った。その緊迫さに少しだけリーゼも内心不安に駆られていた。だがその不安は、デウスがリーゼを自身の胸に引き寄せることによって失せてしまうのだが。

 

 

 

「君は、さ。あの時……僕の力になりたいって言ったよね」

 

 

 

 少しだけ震えた声で、綴るようにデウスは言う。リーゼもただ、その言葉に耳を傾けるだけ。

 

 

 

「────僕の力になりたかったことは、分かった。僕がそんなリーゼに気付かずに、無意識に苦しめられていたから……力を手に入れたかった。

 

 

 でも……! 今のリーゼはどうなんだ!? 態々君が危険な目にあって、今にも死んでいきそうだった!

 

 

 それを見た途端────怖かったよ。

 

 

 君が消えていく未来が、君のいない未来を過ごすことが、たまらなく嫌になった。

 

 

 もう、良いんだ。君は1人で頑張らなくて良いんだよ。というか、もう絶対にしないで。こんな真似は絶対にしないで。

 

 

 僕だって……君を失うのが怖かった。でも1人で抱え込んでしまっていたことが……1番ダメだって、先輩やユウキちゃん、ランちゃんが思い出させてくれた。

 

 

 お願い。どうか君も…………君も、1人で抱え込まないで。今度から……いや、今からだ。辛くなったら、相談しよ。苦しかったら、誰かの好意に甘えよ。約束……だよ……」

 

 

 

 泣きながらリーゼを抱きしめるデウスの温かみが、リーゼの冷たくなった心を溶かしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 46層への扉も開けずに、デウスとリーゼは迷宮区から帰還し22層のギルドホームに居た。他に誰も居ないのは、皆がデウスとリーゼを気遣って外へと退散したからだ。

 

 

 診療室……ではなく、デウスの自室でカウンセリング──と称した仲直りが行われていた。互いに悪い所を指摘して、その改善点を述べていく。そして、その改善点と悪い所を忘れないように────

 

 

 

「あっ」

 

 

「……どうしたの?」

 

 

「────そういえば、キリト君を置いてきちゃってたって」

 

 

「ゑっ────?」

 

 

 

 哀れキリト、案内したのにも関わらず2人だけで事がドンドン進んで行ったようだ。余談ではあるが、仲直りしたあとキリトが酷い形相で帰ってきたのは全員知ることとなった。

 

 

 

 

 

 

 


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