ダンガンロンパカレイド   作:じゃん@論破

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学級裁判編1

 エントランスプラザには、ボクたち以外の全員がそろってた。ミッドナイトも近いっていうのに、モノクマランドのアトラクションはオーナメントやイルミネーションがキラキラ光って、うとうとしかけてたボクの目をさまさせた。

 

 「うぷぷ!みんなモノヴィークルに乗ってやってくるなんて分かってるね!今回も青空学級裁判改め、星空学級裁判を行いますよ!」

 「星空って、電飾で全く見えてないが」

 「満天の星空なんて変わり映えのねー湿っぽい景色なんかじゃテンションあがんねーだろ!ギラギラ光って花火の100発や1000発打ち上げて盛り上げねーと真夜中の学級裁判続かねーだろ!」

 「情緒もクソもねえな!」

 

 モノクマの言葉に合わせてアトラクションはますますライトニングをつよくする。目のおくからブレインまでフラッシュが突き抜けて、頭がいたくなる。ミッドナイトのクラストライアルだから、やってる途中でねてしまわないか心配だ。こんな外でねたら、ルールにも反する。

 

 「真夜中でも学級裁判中の居眠りは規則違反でおしおきだからね!まあ故意の就寝じゃなければ罰せないけど、モノヴィークルに轢かれても知らないから」

 「それはお前にとっても不都合なことではないのか?コロシアイで死ななければ事件性もなにもないだろう」

 「まあ学級裁判中に居眠りこける度胸があればの話だけどね!」

 「いよ・・・それもそうですね・・・」

 

 ボクもインヴェスティゲーションのとき、うとうとしてたけれど、今はテンションが上がってねむれそうにない。今からまた、命をかけてたたかわないといけないんだ。

 

 ダイスケさん・・・だれにでもフランクで、みんなのことをよく見てて、ちょっとスケベで、でもボクにたくさん大事なことをおしえてくれた。二つ目のモチベーションがモノクマから言われたときも、すぐにみなさんがナイトメアに苦しまないよう、オールナイトパーティーをサジェストしてくれた。だけどそれを利用された。パーティーの最中に、犯人(クロ)に殺された。

 

 彼を殺した犯人(クロ)が、ボクたちの中にいる。そんなこと分かってたはずなのに、今こうしてクラストライアルがはじまろうとしている時になって、ボクはそのことを忘れようとしてた。犯人(クロ)を見つけ出さないとボクたちが死んでしまう。そんな当たり前のことから、ボクは目を背けようとしていた。

 

 でもそれじゃいけない。ダイスケさんを殺した犯人(クロ)は、ボクたちの中にひそんでる。このクラストライアルで明らかにするんだ。ボクが、ボクたちが生き残るために。命がけのDiscussion。命がけのInference。命がけのProof。命がけのCondemnation。命がけのApology。命がけのDesicion。

 

 二度目のクラストライアルが、はじまる。

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

 

 

獲得コトダマ一覧

【モノクマファイル2)

 死因は撲殺。死体発見場所はスピリチュアルエリアの鐘楼。死亡推定時刻は22:00ごろ。撞木と釣り鐘の間に麻縄で吊された状態で、発見される。頭部が激しく損傷しており、撞木と釣り鐘のどちらにも多量の血痕が見られる。

 

【撞木)

 鐘を撞くための丸太。激しく血液が付着している。

 

【釣鐘)

 青銅でできた巨大な鐘。激しく叩きつけられたように血が付いている。そこにあるだけで、定時に鳴らされることはなかった。

 

【拘束具)

 城之内の手首と鐘楼の梁が麻縄で結ばれていた。現場に遺された目隠しと猿ぐつわをされている。手首や口元に擦れた傷などはない。

 

【服の焦げ跡)

 城之内の背中の腰あたりに2つある焦げ跡。

 

【スタンガン)

 城之内の服のポケットに入っていたスタンガン。ショッピングセンターの防犯グッズコーナーで入手可能。

 

【ダイイング・メッセージ)

 城之内の死体のすぐ近くに、“JADE DISH killed me”という血文字が残されていた。ダイイング・メッセージのようだが、掻き消されてしまう。

 

【虚戈の証言)

 野干玉と虚戈はともに演芸場の楽屋で演目の準備をしていた。野干玉は事件発生時刻の1時間ほど前に、部屋に忘れ物を取りに行っている。

 

【ボタン)

 鐘楼近くの境内社に落ちていた黒いボタン。

 

【モノヴィークルの履歴)

 モノヴィークルは行き先と時刻が履歴に残るが、死んだ人物のモノヴィークルは履歴機能が停止する。

 

【オールナイト・パーティ)

 コロシアイが加速しないようモノクマの動機に対抗して開かれた会。ミュージアムエリアで行われていて、演目は「相模の映画弁舌」「野干玉のスーパートリックショット」「虚戈の曲芸」。

 

【野干玉の証言)

 野干玉と虚戈はともに演芸場の楽屋で演目の準備をしていた。虚戈は事件発生時刻の20分ほど前に、準備運動すると言って席を外している。

 

【死体発見アナウンス)

 死体を3人以上の人物が発見すると流れるアナウンス。殺人が起きたことを生存者全員に知らせるためのものであるが、コロシアイ参加者に事前の説明されてはいなかった。

 

【使用済みフィルム)

 投影機にセットされていたフィルム。内容は相模の得意な『八百屋お七』。

 

【翡翠の皿)

 博物館に展示されている古代の遺物。かなり繊細で、触ることは厳禁とされている。

 

 

 

 

 

 【学級裁判 開廷】

 

 「まずは、学級裁判の簡単な説明から始めましょう!学級裁判の結果はオマエラの投票により決定されます。正しいクロを指摘出来れば、クロだけがおしおき。だけど・・・もし間違った人物をクロとした場合は・・・クロ以外の全員がおしおきされ、みんなを欺いたクロだけが、失楽園となり外の世界に出ることができまーす!今回はド深夜の裁判だけど、テンションあげていきましょー!」

 「うおおおっ!!?」

 

 モノクマが拳を突き上げるとともに、アトラクションは一層輝きを増し、どこからともなく数発の花火が上がる。円形に並んでいるせいでよく見える互いの顔が、赤や黄色や緑に彩られる。鉄が大きく肩を跳ね上げた。

 

 「ビビり過ぎだ、鉄」

 「・・・すまん。いきなり花火が上がるとは」

 「あれ?けどモノクマはここにいるよな?誰が上げたんだ?」

 「はいはい!裁判に関係ないことは詮索しない!まずは事件現場の話なんかどうですか!?あんなに惨い殺し方はなかなかお目にかかれないからねー!うーんクロGJ!」

 「そうだな。花火は一旦さておいて、まずは裁判を進めるとしよう」

 

 提示された議題から、全員の脳裏に城之内の死に様が過ぎる。原型を留めないほど破壊された頭部と、それから分かる誰がどう見ても明らかな殺し方。しかしそれ故に謎めくこともいくつかある。その点から議論を進めていこうと、それぞれが思考する。」

 

 「現場は・・・全員見たよな。ひどい有様だ。俺と虚戈で現場の見張り、極が検死をしてくれた。モノクマファイルにある通り、死因は撲殺。撞木と釣鐘に散った血からして、撞木で何回も頭を殴られて、鐘に頭を打ち付けられたんだろう」

 「頭蓋骨が粉砕されて、後頭部は皮膚組織まで潰れていた。回数もさることながら、相当強い力で殴られたのだろう」

 「くくく・・・前回の半裸とは違い、さすがに被害者に同情もしたくなるほどの死に様だな。よほど犯人に恨まれていたようだ」

 「う、恨まれてたって・・・あいつは人から恨みを買うようなヤツじゃない!」

 「そうか?凡俗共を率いて湯屋覗きなどしていただろう」

 「貴様もな」

 「それはあいつがただのスケベだったってだけ。そのことは極お姉ちゃんがちゃんとケジメ付けたんだし、少なくともたまちゃんはあいつのことなんとも思ってなかったよ」

 「私も別に。あの後でお詫びのお菓子もらってたし」

 「そんなんでゆるしちゃうんですか!?」

 「いよーっ!確かにやんちゃな方では御座いましたが、人の為に物を為さる方でも在りました!いよに沢山異国の言葉を教えて下さいましたよ!あげぽよーっ!!」

 

 凄惨な現場の有様に憶測が飛び交う。しかしそのほとんどは、城之内の人間性を庇う言葉ばかりだった。覗きの咎があるものの、極による厳しい仕置きを受けたことに同情した者や恩義を感じている者が声をあげる。顰蹙を買うことはあっても、恨まれるような人間ではないと、その声の数が証明している。

 

 「ダイスケさんはそんなイヴィルな人じゃないです!うらんだりなんかしないですよ!」

 「ヤツが恨みを買うような人物かどうかはさておき、あの死に様からある程度犯人像を絞り込める。そう言いたいのだろう、星砂」

 「その程度で俺様の思考を読んだつもりか片目。そこまで理解しているなら犯人候補を言ってみろ」

 「構わんが、敢えて自分で言わず私に言わせるのか。何か意図があるのか、あるいは適当なことを言ったのかと邪推してしまうな」

 「あのぉ〜、おれたちを挟んで険悪な感じにならないでほしいんだけどお」

 

 星砂が言わんとしていたことを荒川が続ける。同じ意見を持つ者であるはずが、星砂の傲慢な態度と荒川の精一杯の嫌みに乗って敵意がぶつかり合う。間に挟まれた納見の声は二人には届かない。

 

 「容疑者は、女性とスニフ少年を除く者、5名だ」

 「スニフくんと女子以外?なんでー?」

 「被害者の城之内は、鐘楼の梁に縛られた状態で殺害されたようだ。男子の城之内を拘束し、高所に縄を結ぶことができるのは、我々の中ではヤツと同じ男子高校生しかいないだろう」

 「あ、荒川・・・お前、いきなりそんな、俺たちに容疑を擦り付けるようなこと・・・」

 「仕方がないだろう。これが現状、最も犯人像を絞り込める論理だ。真っ当な論理の前に感情は大した意味をなさないのだ」

 「・・・論理立ってりゃいいんだな?だったらオレも言わせてもらうぞ!」

 

 唐突に容疑者に名を連ねられた5名は緊張を露わにする。鉄の、蚊の鳴くような声の反論は荒川の論を覆すには全く力が足りない。そこへ声をあげるのは、下越だった。

 

 「ホントはこんなこと言いたくねえけど・・・オレらだけ疑われっぱなしでいられっか!思ってること言わせてもらうぞ!」

 「いいんだぞ下越。言わないで後悔するより、今はちょっとでも思うことを言ってくれ。議論が停まるのが一番まずい」

 「要は城之内を腕っ節で抑えつけられりゃいいんだろ?だったら男子のオレらだけじゃなくて・・・き、極だってそうだろ!むしろオレらよりよっぽど強えじゃんか!」

 「・・・い、言われてるけど。極さん、どうなの?」

 

 人を疑うことに拒絶反応を示す下越が、気概を振り絞って極を糾弾する。しかし当の極は至極冷静で、心配そうに語りかける正地を一瞥して、問題ない、と眼で語る。

 

 「そうだな。少なくともここにいる誰にも腕っ節で負ける気はしない」

 「あ、否定しないんだ」

 「正直に話す者には正直に応える。それだけのことだ」

 「確かにレイカってよくダイスケのことキめてたよね!この前のあれすごかったよ♣あのレイカが下になってダイスケをひっくり返しながら持ち上げるやつ♡」

 「ロメロスペシャルだ」

 「何やってんだお前ら!?」

 「ってことは・・・スニフ君以外の男子と極お姉ちゃんの6人の中に犯人がいるってこと?」

 「そうとも言えないんじゃないか?」

 

 モノクマランドに連れて来られた日から、極による城之内への少々暴力的な折檻はもはや日常のこととなっていた。そうでなくともなぜか腕の立つ極ならば、城之内を誘拐して拘束することも可能だ。荒川が提示した条件に極を加えた容疑者で議論を始めようとするが、その前提を否定する者もいる。

 

 「星砂、荒川、下越。お前たちは城之内を力尽くで押さえ込めたヤツが犯人だって考えてるみたいだけど、俺はそうは思わない」

 「ほう?」

 「お前たちはあんまり詳しく城之内の死体を見てないから分からないと思うけど、あいつは手を縛られてた以外に、目隠しと猿ぐつわもされてたんだ。遠目からじゃよく分からなかったけど、見張りをしてるときに気付いたんだ」

 「そーそー!マイムも見たよ♡もうあんなの超ハードプレイだよね☆」

 「さるぐつわってなんですか?」

 「声が出ないようにタオルとか布を口に詰めるのよ」

 「Oh...」

 「でも、それがなんであいつが力尽くで抑え込まれたんじゃないって言うことになんの?」

 「普通そんなことされそうになったら暴れるだろ?だから目隠ししたりくつわ噛ます時に擦り傷ができたり、抵抗した跡が残るはずなんだ」

 「そうね。あれだけ頭が損傷してたら分かりにくいとは思うけど・・・縄で縛られた手首の方は?」

 「多少の傷はあったけど、暴れてるところをムリヤリ縛られたって感じじゃないな。どちらかっていうと、縛られた後に藻掻いたような感じだったな。だから──」

 「それじゃ納得できねえな!」

 

 雷堂によって城之内の死体の詳細が語られる。麻縄で手首と梁を結ばれていた以外に、拘束具も装着されていた。いずれもショッピングセンターで購入することができるが、どうやって拘束具を着けることができたのかと首を傾げる者もいる。真っ先に声を上げたのは、またも下越だった。

 

 「おい待てよ雷堂!オレはまだお前の推理に納得してねえぞ!」

 「なんだ?分からないことがあるなら説明してやる。なんでも聞いてこい」

 「よーし!じゃあ覚悟しとけよ!言っとくけどオレは相当分かり悪いからな!」

 

 

 【反論ショーダウン】

 「城之内は縄で縛られて!目隠しされてくつわも噛まされてたんだろ!?」

 「あいつだってヤワじゃねえんだ!抑え込んで寺まで連れてって殺してなんてこと、腕っ節の強いヤツじゃねえとできっこねえ!」

 「いきなりそんなことされたら城之内だって抵抗するはずだ!そうだろ!?」

 

 「もちろんだ。いきなり目隠しや猿ぐつわなんてされたら抵抗するに決まってる」

 「だけど城之内の死体は、体の部分はほとんど傷ついてなかったんだよ」

 「だから犯人は、城之内にムリヤリ拘束具をつけたわけじゃない。少なくとも城之内は暴れたりしなかったんだと思う」

 

 「は、はあ?お前が今言ったじゃねえか!いきなり目隠しなんかされたら抵抗するって!」

 「傷が残ってるかどうかはよく分からねえけど、まさかあいつが自分から拘束されたわけでもねえしよ!」

 「抵抗してる城之内を拘束しようとしたら力が必要に決まってんだろ!」

 

 「軌道修正しよう」

 

 

 

 

 

 「下越。お前が言いたいのは、普通の状態の城之内を拘束するには力で抑え込むのが必要だって理屈だろ?だけどそうじゃないんだ、実際は」

 「な、なにが違うってんだよ?」

 「たぶんだけど、城之内は拘束されるとき、抵抗してなかったんだ。だから体に傷がついてない」

 「そ、それは・・・雷堂、本当か?なぜ抵抗してなかったなんて分かるんだ」

 「なぜなら、あいつはスタンガンで気絶させられてたからだ」

 「すたんがん?」

 

 後ろで縛った髪を振り乱しながら反論する下越に、雷堂が冷静に切り返す。凄惨な死体の有様にまともに目を向けていなかった者たちには知る由もない根拠だったが、確かにそれを確認した者たちもいる。そしてその場で何人かは気付く。ここにいる者たちの全員が同じ情報を共有しているわけではないということに。

 

 「極が検死してるときに気付いたんだ。城之内の背後の腰あたりに、服が焦げたような跡があったんだ。それにあいつのポケットにスタンガンが突っ込んであった。そうだよな、極」

 「ああ。念のために持ってきた」

 「ち、血だらけなのね・・・」

 「ヤツのポケットに入っていたのだ。当然だろう」

 「きっと城之内は拘束される前にこれで気絶させられたんだ。気絶した人間なら、スニフみたいな子供でも力の弱い女子でも十分拘束できるだろ?」

 「つまり、さっきの星砂君と荒川さんと下越君の意見は必ずしも正しいって言えるわけじゃないんだね」

 「クロはそんなスタンガンなんて一体どこから持ってきたんだい?」

 「ショッピングセンターの護身用グッズの店で手に入るぞ。まったく、あそこは本当に病的なほど品揃えがいいな」

 「いえいえ、オマエラに健全なコロシアイをしてもらうためには当然ですよ!」

 「黙っとけテメエは!」

 

 真っ先に提示された三人の意見は、不可解な証拠品によって却下された。電撃痕とスタンガンの存在から、気絶させられた後に拘束されたことは事実としても、一体いつ城之内は連れ攫われたのか。いつの間にスピリチュアルエリアの寺に移動したのか、その謎の糸口が全く掴めない。

 

 「エブリワン、ダイスケさんおそうのできたってことですか」

 「しかし城之内は昼間はずっとミュージアムエリアでリハーサルに励んでいたのだろう?だとしたらヤツの行動範囲はかなり限定される。その中で出会った者たちの中に犯人が潜んでいるはずだ」

 「その線から考えてみてもいいかも知れないわね。ぬ・・・たまちゃん、虚戈さん。城之内くんの動きってどこまで把握しているの?」

 

 モノクマの動機が発表され、それに対しパーティを開くことを決定した城之内。自らも演者としてステージに立つ以上、演芸場でリハーサルをしていた。休憩にホテルを訪れたことはあっても、地図上に示される動線は非常に限定的だ。

 

 「ごめんなさい。ボクからクエスチョンいいですか?」

 「ふふふ、期待しているぞ。スニフ少年」

 「はあ。えっと、なんで犯人(クロ)はスタンガン、ダイスケさんのポケットにのこしましたか?あと、ダイスケさんロストしたとき、どうしてそこでキルしなかったんでしょう」

 「そういえば・・・そうだね」

 

 スニフの疑問から、議論は加速する。スタンガンで気絶させたのなら、その時点で犯人は城之内を好きにできる。無論その場で息の根を止めることもできたはずだ。しかし城之内は気絶させられた後、拘束され、鐘楼に縛られて殺害された。果たして犯人の目的とは一体なんなのか。疑問は疑惑となり、疑心暗鬼を生み出す。

 

 

 【議論開始】

 

 「犯人(クロ)はどうしてスタンガンでダイスケさんをロストさせたあと、しばったりしたんでしょう?」

 「気絶した城之内をそのまま殺すだけに済まさなかった・・・犯人には何か思惑があったのだろうか」

 「単純に人目に付かないように移動しただけじゃないか?」

 「気絶した状態の人間を運ぶのは容易ではない。それこそ、須磨倉でもない限りな。気絶させ、拘束した状態の城之内を寺まで移動させた意味とは一体・・・」

 「事実誤認ってヤツだねえ」

 

 

 

 

 

 「ちょっとごめんよお荒川氏。今の議論の中で訂正させてもらってもいいかい?」

 「なんだ?私の発言が何かおかしかったか?」

 「いやあ、さっきからなんかみんなの言ってることがしっくり来ないと思ってたんだけどお、合点がいったよお」

 「なんだというのだ、さっさと言えぎっちょう」

 「ぎっちょう言うなあ!」

 「無視していいから、教えてくれ納見」

 

 のんびりとした納見がもどかしくなり急かした星砂に、納見は抗議しようとする。このまま話がわき道に逸れては軌道修正が面倒だと感じた雷堂が、事が起こる前に納見を制した。

 

 「あのねえ、城之内氏は犯人に連れ攫われたんじゃなくてえ、自分の意思であの寺に行ったんだと思うよお」

 「なんだと?」

 「寺の入口にモノヴィークルを停める駐車場があっただろお?どの施設にもあるものだけどさあ。捜査の時になんとなく台数を数えてみたらおれたちの人数と合わなかったからあ、確かめてみたら城之内氏のもあったんだよねえ」

 「そ、其れは間違い無いのでしょうか?其れは確実に城之内さんの物だったのでしょうか?」

 「スニフ氏と研前氏にも確認してもらったから間違いないよお」

 「なるほどな。確かにモノヴィークルがあったら城之内が自分で行った証拠にはならあな」

 「・・・本当にそうなの?たとえば、犯人が城之内くんを・・・こ、殺した後に、城之内くんのモノヴィークルで移動したとか・・・」

 「それはありませんね!モノヴィークルはオマエラのモノモノウォッチと1対1対応です!城之内クンが死んだ時点で彼のモノヴィークルはただの粗大ゴミになっちゃいました!」

 「モノクマがそんなヒント与えていいのか?シロとクロに平等なんだろ?」

 「おやあ?雷堂クンってばそんな生真面目なこと言って、なにげにこの学級裁判を楽しんじゃってるんじゃないですかあ?それとも、言われるとマズい都合でもあるのかなあ?」

 「お前に黙ってて欲しいんだよ。皆まで言わせるな」

 

 モノクマから告げられたのはクロ以外にとっては、可能性を一つ潰せる有益な情報だ。情報を受け取りはするがモノクマを徹底的に嫌う雷堂の皮肉は、モノクマの前では意味をなさなかったようだ。

 

 「ってことは、たまちゃんたちとの練習すっぽかして、スピリチュアルエリアなんかに行ってたってこと!?信じられない!なんなのよあいつ!人にはアマチュアだとかなんとか言っといて、自分だってプロ意識に欠けてるじゃない!」

 「まーまー♡そういうこともあるある♡」

 「こうなると・・・この事件、単純に城之内が犯人に襲われたっていうだけの話では終わりそうにない・・・そんな気がするな」

 「そうですね。ダイスケさんキルされたの、オルモストオブアス、みんながみんなを見てたときです。ダイスケさん、なんでそんなときに、スピリチュアルエリア行きますか?たまちゃんさんとマイムさんのリハーサルもすっぱくして」

 「すっぽかして、でしょ?」

 「それでした!」

 「確かにそれは疑問だな。いまいちど、事件当時のヤツの動きを浚っておくか。何か糸口が見つかるかもしれん」

 

 納見の訂正から明らかになった、事件当時の城之内の不可解な行動。自分の主催したパーティであり、ステージを控えプロとしてリハーサルに真剣に臨んでいたにもかかわらず、直前の打ち合わせのときにはパーティと関係のないスピリチュアルエリアに行っていた。行動に脈絡がないように思える。

 

 「くくく・・・いいのではないか?最後までゴーグルと一緒にいたのは、ヌバタマとピンク色か」

 「ヌバタマって呼ぶなって何回言わせんだ!」

 「ピンク色ってマイムのことー?あははっ☆マイムはピンク色好きだよ♡」

 「聞かせてもらうとしよう、洗いざらい全てな」

 「ダメだ!こいつらじゃ会話にならねえ!おい誰か取りなししろよ!」

 「えっと・・・じゃあ、たまちゃん、捜査時間にも話してもらったけど、もう一回教えてくれる?確認もしたいから」

 「・・・うん」

 

 無理問答のような様相を呈する三つ巴の話し合いに、ほとんど全員が頭を抱える。優しく正地が野干玉に語りかけ、ひとまずその場を話す者と聞く者に分けた。ろくに動いて捜査ができなかった分だけ、野干玉は自身や城之内の動向について頭の中を整理していた。それでも分かることは僅かだ。

 

 「パーティの提案をした後から、たまちゃんと城之内でステージのリハしてたの。虚戈もたまに混ざってたけど、あいつはたまちゃんたちのパフォーマンスにぴったり曲を合わせてきてた。録音の、耳にこびりつくくらい何度も聴いたBGMじゃなくって、見る人が楽しめるようにたまちゃんたちのパフォーマンスを引き立てる、演出としての音楽を、あっという間に作ってくれて──」

 「そんなことを聞いているのではない。ゴーグルの行動だけを話せ」

 「興味深い話ではあるがな」

 「ごめんねたまちゃん。今は城之内くんを最後に見たときのことを話してちょうだい。その話は後でゆっくり聞かせてもらうわ」

 「・・・」

 

 星砂に途中で止められたことで、野干玉は自分の口から溢れ出している言葉の意味に気付いた。自分でも気付かないうちに、城之内のことを賞していたことに驚き、気味悪さを感じ、気恥ずかしくもあった。

 

 「ま、まあたまちゃんと虚戈があいつに合わせてあげたお陰ってのもあるわね!で、夜までに一通りのことはできるようになったから休憩することにしたの!お腹も減ってたし!」

 「うふふ、たまちゃん、恥ずかしがっちゃって」

 「いよぉ、研前さん・・・微笑ましがって居られる場合では在りませんよ・・・」

 「たまちゃんたちが城之内を最後に見たのは、演芸場で別れるときだね。あいつはもうちょっと機材のチェックをするって言って残ったから、その後のことは知らない」

 「左斜め前に同じー♢」

 「それは何時頃のことだったか、覚えてるか?」

 「7時半から8時くらいだったと思うよ」

 「それでねそれでね!9時に再集合って決めてたのに、ダイスケってば来なかったんだよ♠約束破るのは悪い子のすることだからダメなのにね♠」

 「9時?城之内の死亡推定時刻は10時頃だぞ。パーティが始まるくらいの時間にいなくて、死亡時刻がその1時間後ということになるが・・・間違いないのか?」

 「ホ、ホントだよ♣マイム・ウソ・ツカナイ▢」

 「なんで急にカタコトになったんだい?」

 

 事件の直前まで城之内と行動を共にしていた野干玉と虚戈の証言から、城之内の無事が確定している最後の時間が判明する。それはモノクマファイルに示された死亡推定時刻とは間が空いており、城之内の動向を把握する上では不確定要素が多すぎるものだった。

 

 「だとすると城之内は、演芸場で二人と別れた後に自らスピリチュアルエリアに向かったのか?」

 「休憩は晩ご飯を食べる時間でもあったんだよ♢晩ご飯食べないで徹夜するなんてありえなーい♠」

 「そうだぞ!それにオレは城之内にもちゃんと晩のリクエストを聞いた!あいつはちゃんと食べるつもりだったんだ!」

 「犯人に呼び出されたのか、或いは城之内自身がスピリチュアルエリアに何か用があったのか」

 「本番前に占いをするとかあ?城之内氏に限ってそんなのは信じてなさそうだけどねえ」

 「呼び出されたとしても、夜中に寺になんか行くか?めちゃくちゃ怪しいじゃんか」

 「ふんっ、ゴーグルが何の用で寺に行ったかなどどうでもいい。事実としてヤツは寺に行ったのだ。それよりも重要なのは、ヤツが拘束された後の話だろう」

 

 死人に口はなく、犯人は必要以上に語らない。被害者の事件直前の動向やその背景にある目的や感情などは、当事者でない者たちが限られた情報を手にいくら議論をしても確証には至らない。星砂の言葉でそれを悟った全員が、分からないものは分からないままで話を先に進めることにした。

 

 「どっちにしても、晩ご飯を食べに来なかったっていうことは、その後ホテルエリアじゃなくてスピリチュアルエリアに向かって、そこで犯人に捕まっちゃったんじゃないかな?」

 「ふむ、研前、そうなるとやはり城之内が拘束されてから、実際に殺害されるまでかなりの時間が開くことになるぞ。スニフ少年の疑問を繰り返すようだが、なぜその場で殺さなかったのかが疑問だ」

 「気絶させて拘束して放置する・・・そのことに意味があったのかしら?」

 「否!其れでは城之内さんが誰かに助けを求める機会を与えてしまいます!犯人にとって其れは好ましからざる事でしょう!」

 「それを防ぐために猿ぐつわや目隠しまでしたのだな。スタンガンで撃った位置から考えて、おそらく犯人は城之内に顔を見られてもいないだろう」

 「そ、そこまでして・・・城之内を拘束することに意味があったのか?城之内から助けを求めなくても、偶然に誰かが発見することもあるだろう・・・」

 「スピリチュアルエリアのビッグテンプルのバックにあるベルタワーなんて、だれも見つけられっこないですよ」

 「分からないな。城之内が見つかるのも、城之内に逃げられるのも犯人にとっては都合が悪いはずだ。それなのに、拘束してから実際に殺すまで時間が経ちすぎてる。犯人の目的はなんなんだ?」

 

 各人が様々に推理し、考え、犯人の思考と行動について意見を述べる。しかし出てくるのはその行動の不可解さを支持するものばかり。拘束してから殺害まで時間が空くことで生じるクロにとっての危険性ばかりだった。それ故に犯人の考えが見えて来ず、不気味ささえ感じる。しかし確実にこの中にいる誰かは、その意図を知っているはずなのだ。生きた人間のしたことだと考えることが、議論の勢いを後押しする。

 

 

 【議論開始】

 

 「城之内が拘束された時間帯と、死亡推定時刻とされる時間。この不可解な乖離はなんなんだ?」

 「きっとすぐには殺せない理由があったんだな!最後の晩餐くらい食わせてやろうと思ったとかよ!」

 「城之内を拘束したのがお寺じゃなくて、人目に付かないところに移動したとか?」

 「いやいやあ、モノヴィークルはお寺に停めてあったよお。城之内氏は間違いなくあの寺に行ったはずなんだよお」

 「それなら、殺す時間に意味があったのかも知れないな」

 「殺す・・・時間・・・?」

 「パーティが開催されてる間、俺たちはキネマ館にいた。他はほとんどがホテルか演芸場だ。俺たちの行動が把握しやすくなって、こっそり行動するには打って付けの時間帯になる。それを待ったんじゃないか?」

 「しかし、現場はスピリチュアルエリアだぞ?いくらホテルエリアやミュージアムエリアに近いとはいえ、人目はほとんどないだろう。拘束された時間帯と実際に殺された時間帯、違いは何もないだろう」

 「隙があるな」

 

 

 

 

 

 「荒川。お前にしては見立てが甘いようだな。違いが何もないことはない。事実、犯人は後者の時間帯を選択している。犯人にとっては明確に違う時間帯なのだ。その立場で考えてみると分かることもある」

 「・・・一体なんだというのだ」

 

 人通りのほとんどなかったスピリチュアルエリアは、昼夜を問わず人目を避けるには打って付けの場所だった。そこで犯行を進めるにあたって、夜8時ごろと夜10時ごろで何の違いがあるのか。極がそれに気付き、全員の眼を見てから話し出す。

 

 「音、だ」

 「音?」

 「おとー?」

 「城之内の凄惨な死に様を見ただろう。殺し方は全員、大方予想が付いているはずだ。撞木と釣鐘を使ってヤツの頭を潰したのだ。そしてそれは本来、あの鐘を鳴らすための動作だったはずだ」

 「んん?なんだかイイ感じになってきましたね!爽やかな絶望の匂いがしますねー!」

 「なんだ急に」

 「つまり犯人は、城之内を殺すときに発する鐘の音を聞かれてはまずかったのだ。だから、パーティが始まってほとんどの者が屋内にいると確証を得られる時間帯まで待った。それまで城之内を拘束して逃げないように手を梁に縛った。これで説明が付くのではないか?」

 

 極の話を聞いて、各々が頭に城之内の死に様を思い浮かべる。現場を見れば誰でも、その殺し方は予想が付く。撞木にはこびりついた肉片や髪の毛や、木目の隙間まで染み込んだ赤黒い血。釣鐘に飛び散った血や骨の欠片。これらが物語る殺害実行の激しさは、もはや想像するに堪えないものだった。

 

 「一応の説明はつくだろうな。だが、多くの者が考えているであろう疑問を、この俺様が代弁してやろう。力と知恵のある者が凡俗を代表するのは、民主主義の基本だからな」

 「あんたなんかに代弁してもらいたくないわよ」

 「鐘の音を聞かれないように夜時間を待ったというが、ではなぜ敢えてそんな凶器を選んだのだ?拘束したその場で静かに殺す方法などいくらでもあっただろう。拘束中のゴーグルが見つかるリスクを負ってまでその殺し方にこだわった理由はなんなのか、答えてみよ」

 「答えてみよって、他人事みてえな言い方だな。まるでお前は真相を知ってるみてえじゃねえか」

 「少なくとも俺様は貴様ら凡俗共より遥か未来を視ている」

 

 意味深な言い方の星砂は、しかし他者からの追及にはとりつく島も無い。犯人が夜時間を待ってまで撞木と釣鐘を使って殺すことにこだわった理由が分かれば解決への糸口になることは、ほとんどの者が直感していた。だが肝心の理由まで分かる者は、星砂を除いていなかった。

 

 「やはり凡俗には荷が重いか」

 「付き合ってられないって感じだけど・・・星砂君には分かってるんだよね?」

 「無論だ」

 「ならば其れを早々に言えば宜しい!」

 「・・・夜時間を待つことで何が変わる?ゴーグルが主催したパーティによって人の動きがある程度絞られる。それが何を意味するかだ」

 「んん?」

 「事件現場に人気がなくなることではない。生き残りが一所に集まるようになるのだ。勿論、犯人も含めてな」

 「はあ。それがなんだっていうんですか?」

 

 改めて言われなくとも、全員そんなことは理解していた。パーティが始まれば、参加する意思があった6人と城之内を除く演者側の3人がいる場所は限定される。それ以外の4人のうち3人はホテルにいたため、星砂を除く全員の居場所が、夜時間には把握されていた。

 全員がそのことを理解していた。しかし犯人さえもそのことを理解していたという事実を踏まえて考えられる者は少なかった。

 

 「・・・アリバイトリックか?」

 「ようやく答えが出たか」

 「ア、アリバイ?開けゴマとか空飛ぶジュータンとかの」

 「それはアリババ」

 「子守歌だよねー♡」

 「それはララバイ」

 「ドワーフとかジャイアントの国をたびする」

 「それはガリバー」

 「一旦付けとくアレのことだねえ」

 「それは仮歯。もう字数も違ってきちゃったね」

 「研前・・・全部をちゃんと訂正しなくてもいいと思うぞ」

 「あんたらマジメにやんなさいよ!」

 

 鋭い眼光を放つ極の放つ雰囲気をぶち壊すかのように、妙な連携でボケを重ねる全員に研前が律儀に返す。ペースを乱された極と星砂の冷たい視線を、なぜか研前が一手に引き受け議論は気を取り直して進む。

 

 「パーティ中はほとんどの者が互いを監視しあう状況に置かれる。すなわち事件当時のアリバイが立証されるわけだ。しかし実際に事件はその時間に起きている。ならばアリバイを立証させつつ城之内を殺すトリックが仕組まれていると考えるのが自然だ」

 「上出来だ盛り髪。勲章や子供よりも頭がキレるではないか」

 「貴様に褒められても何の感情も起こらんな」

 「ア、アリバイトリックって・・・それじゃあまるで、パーティに参加してた私たちの中に犯人がいるって言ってるみたいじゃない!」

 「俺様は十中八九そうだと思っているが?もちろんホテルにいた者たちも疑惑の対象だが、アリバイトリックを組むのならより相互監視が強力な貴様らの方が利があるのは明らかだろう?」

 

 実にまっとうな理論で、筋の通った理屈で、自らへかかる容疑をパーティ参加者へ逸らしつつ、全員を納得させる。唯一単独行動をしていた星砂への疑惑を全員が抱えていることを理解していたからこその、用意していたかのような論理展開に眉をひそめる者もいる。

 

 「いよーっ!不在証明の工作とは亦大仰な言葉が出て参りましたね!ですが一つ言わせて頂きますよ!そりゃあ参加していない御仁らも同じじゃあないですかい!?」

 「着物、お前には耳がないのか?」

 「耳は此方に!反対にも!ほれ!」

 「アリバイトリックは相互監視があってこそより強固なものとなる。その状態になかった者たちがどうして、現場にいなかったことを証明するというのだ?」

 「オレはずっとレストランにいたからホテルの出入り口は見えたぞ。荒川と鉄は事件までホテルから出てきてなかった」

 「つまり、俺たちと違って荒川と鉄にも間接的なアリバイがあるわけか」

 「まったくアリバイがない者は、星砂と下越の二人だけということになるな」

 「はっ!?オレもか!?オレずっと朝飯の準備してたんだぞ!?」

 

 パーティ中の相互監視にあった者たち、ホテルに籠もり間接的にアリバイがある者たち、立証できるアリバイを全く持たない者。様々な者たちがいる中で誰のアリバイがどこまで立証されているのか、それを整理しなければ互いに糾弾しあうばかりだ。それはクロ以外の全員にとって避けたい展開だ。

 

 「だったらまずは全員のアリバイを整理しよう。城之内の死亡推定時刻と拘束された大体の時間は分かっただろ?その前後のアリバイがあるかどうかも、重要な情報だ」

 「はーい☆賛成の反対の反対なのだー♡」

 「だったら演芸会に参加してたメンバーは、みんなアリバイがあるよね。特に相模さんの映画を観てた時だから・・・えっと」

 「おれと正地氏と極氏とスニフ氏と雷堂氏と研前氏と相模氏、計7人のアリバイが事件発生1時間くらい前からは保証されてるねえ」

 「たまちゃんと虚戈もずっと一緒にいたもん。たまちゃんたちは城之内が拘束されたっていう時間帯も含めてアリバイがあるからね」

 「そーだね☆」

 

 パーティに参加していたメンバーは、互いを監視できる状況にあった。片時も目を離さなかったわけではないが、不審な行動をとればすぐに分かるくらい近くにはいた。それだけでアリバイの証明としては十分だった。

 

 「私と鉄のアリバイも、間接的にではあるが下越によって証明されている。こうして考えるとやはり疑わしいのは・・・唯一ホテルにもおらず居場所が分からないままであった、貴様だな。星砂よ」

 「・・・ため息が出るな。無駄だと分かっている説明をしなければならないというのは」

 「前回のように、ランドを散策していただとか、脱出方法を探していたというのは通用せんぞ。貴様の発言には信憑性がないのだ」

 「的確だな盛り髪。だが残念。実際に探索をしていただけなのだから他に言いようがない」

 「それが信じられないという話じゃないのか・・・?具体的に話してくれ」

 「成果を得られなかったことを話しても仕方がない。話すようなことは何もない」

 

 逃げ道を持たせたままで星砂を論理的に追い詰めるのは不可能だと判断した極が、前もって退路を断とうとする。回避するかと思いきや、星砂は断たれた退路を強引に進もうとした。さすがに呆れた鉄が優しく促すが、とりつく島も無い。

 

 「前もそうだったけど、どうして星砂くんは夜中になるとランドを探索するの?ウォーキングは陽が出てるときの方がいいわよ」

 「これだから知恵の回らん凡俗は・・・。俺様たちの行動に特に制限を課さないと掟で決められている一方で、夜時間には行動可能範囲が限定される。黒幕がこのランドを管理しているのなら、行動するのは人目の少ない夜中だ。ヤツを直接捉えるのなら、夜中に行動するのが最も効率が良い。まさか貴様ら凡俗共は、その程度のことにも考え及ばずに、脱出脱出と騒いでいたのか?」

 「いちいち一言多いヤツだなあ。とても信じられない、みたいな顔するのやめろお!」

 「気にしてたらキリが在りませんよ納見さん!どうどう!」

 「じゃあもしかして、そのときに怪しい人影を見たりとかしなかった?」

 「したら話しているに決まっているだろう。俺様がクロでなければ、の話だがな」

 「そうやって余計なこと言うからわけわかんなくなんのよ!」

 

 嫌みたっぷりに答える星砂の言うことは、一応筋が通っているように聞こえる。前回の裁判のときにも同じようなことを言って夜中に出歩いていたが、実際に何をしているのかを証明する者はいなかった。

 

 「というかウォーキングしてたとかなんとか言うけど、誰にも会ってないんだったら城之内を殺しに行くことだってできたでしょ!」

 「そうだな。犯人が一度ゴーグルを拘束したところを発見できれば、漁夫の利を狙えたというのに、惜しいことをしたと思っているよ」

 「・・・今更お前のそんな発言をとやかく言うつもりはない、星砂。だったらせめて、城之内が拘束された頃の時間のアリバイだけでもないのか?」

 

 僅かでも疑われることを避けるようにすべき裁判の場でも、星砂は臆することなくクロになる自身が可能性を口にする。いちいち目くじらを立てていても仕方ないことを分かっている雷堂が、なんとか情報を引き出そうと星砂の言葉を促す。冷静さを失わないようにゆっくり喋るが、それを知ってか知らずか星砂は嘲笑うように顎を掲げる。

 

 「凡俗共の集まりなど俺様は興味がなかったからな。夕飯も早めに済ませホテルのラウンジで読書をしていた。ゴーグルが拘束された頃はそこにいたはずだ」

 「ラウンジ?」

 「入口付近にあるだろう。レストランからも見える場所だ。そこのバカが見ているはずだ」

 「あ!テメ今オレのことバカって言っただろ!バカって言うな!」

 「で、下越は見てたのか?星砂がラウンジで読書してるところ」

 「う〜ん・・・いた、と思うぜ」

 「見てたのか!?なぜ言わなかったんだ・・・!」

 「だってそんなん気にしてなかったんだよ!別に何か作ってやってたわけでもねえし、そこにいるだけだったんだからしょうがねえだろ!」

 「ちなみに、何時頃までかは分かるか?」

 「夜時間になる前ぐらいだったはずだ。夕食後から読んでコレの最後までだから、そのくらいだろう」

 「あっ!ボクのリサーチペーパー!イングリッシュなのによめたんですか?」

 「なかなか興味深い内容ではあるが、図書館に似たような論文があった。素数論など手垢のついた分野に手を出すのなら、式や図に頼らず書き出しをするのも手だ。そうだろう、子供」

 「Wow!!よめてます!!Great!!And thank you for your advice!!」

 「大事なものならばきちんとしまっておけ」

 

 何が書いてあるのか分からない英語の論文を、星砂がスニフに投げ渡す。下越の証言とスニフのリアクションから、星砂が実際にラウンジで読書をしていたことは間違いないようだ。正確な時間は不明だが、夜時間直前まで読書をしていた星砂には、予め城之内を拘束して鐘楼に繋いでおくことはできなかったと言える。

 

 「もののついでだ。俺様がこれを読んでいる間、誰もホテルからは出入りしなかった。バカに至っては俺様と相互に様子を窺えた。故に、俺様の無実とともにバカの無実も証明されることになる」

 「お?そうなのか?そりゃ助かるな!ありがとよ!ってバカって言うなっつってんだろ!」

 「テルジはもう諦めた方がいいと思うよー♡」

 「だれもホテルから出てないですけど、サイクロウさんとエルリさんはホテルで何してましたか?」

 「・・・俺は部屋でじっとしていた。悪夢なんぞに折れていられないと雑念を消そうとしていた」

 「私は私なりに研究をな。夢を見るメカニズムと操作については以前に少々研究していたからな。図書館からいくつか本を持ち出して、明晰夢の見方について調べていた」

 「ってことはあ、どちらも部屋の中でじっとしてたってことかあ・・・アリバイらしいアリバイにはならないよねえ」

 「だけど、出入りした人がいないって言うなら、間接的にでもアリバイはあると言える・・・。やっぱりホテルにいたメンバーには無理なのか・・・」

 

 星砂のアリバイが立証されたことにより、同時に同じ場所にいた下越のアリバイも立証され、ホテルにいた鉄と荒川のアリバイも間接的にではあるが立証された。一度に4人、事件当時ホテルにいた全員が容疑者の可能性を否定され、パーティに参加していた者たちに緊張が走る。既にアリバイが立証されているはずにもかかわらず、全員が同じラインに立ったことで今までの議論が無駄になったことへの焦り、再び自分が容疑者として糾弾されうる不安が、シロたちの思考を乱れさせる。

 

 「これでは、議論がふりだしに戻ってしまうな。全員が同じ条件になってしまってはアリバイなどなんの意味もない」

 「しかしホテルにいた人間には、物理的に城之内と接触することすら不可能だった。そうなると、事件前後に城之内の近くにいた、パーティに参加していた人間が疑わしくなる」

 「き、極さん・・・自分で言っちゃうの?」

 「中でも演芸場で城之内が殺害される直前まで一緒にいたという、野干玉と虚戈。お前たちの話を詳しく聞かねばならないようだ」

 「はっ!?な、なに急に!?」

 「お〜♣なになに?マイムのお話聞きたいの?」

 「いよぉ・・・対照的ですね」

 

 全員が同じ条件になったことで怪しくなる人物。それは、被害者である城之内のより近くにいた人物であり、最も拘束や殺害のチャンスが多かったと思われる野干玉と虚戈だった。急に疑惑を向けられて動揺する野干玉と、状況を理解しているにもかかわらず能天気に首を傾げる虚戈。対照的な二人のリアクションから、それぞれ話を引き出す。

 

 「ゴーグルがいなくなるまでの話は聞いた。ヤツが殺されたという夜時間になる頃の話を聞かせてもらおうか」

 「ちょ、ちょ、ちょっと待ってよ!たまちゃんと虚戈は一緒に演芸場の楽屋にいたんだよ!?城之内がいなくなってからずっと!みんなを呼びに行ったときも一緒だし、その後も一緒にいたもん!こっそり城之内を殺すなんてできっこないよ!」

 「え?そうなの?」

 「ね、虚戈もなんか言ってよ!なんでたまちゃんが疑われなきゃいけないの!?ホントあり得ない!」

 「た、たまちゃん落ち着いて。興奮するとまた体調が悪くなるわ」

 

 疑惑を向けられても平然としている虚戈に対し、野干玉は明確に動揺する。心配する正地の言葉を無視して野干玉は喚き立てて虚戈に援護を要求する。その内容に首を傾げるスニフと研前は、虚戈の次の言葉を待つ。

 

 「えー、たまちゃん、言っていいの?」

 「いいわよ!早く言いなさいよ!二人はずっと一緒だったでしょ!そう言ってよ!」

 

 きょとんとした顔で小首を傾げる虚戈は、最後の確認を野干玉にする。そして言っていいと言われたから、口にする。嘘偽りの無い真実を。

 

 

 【議論開始】

 

 「アリバイに関しては全員が同じような条件となった。となれば次に疑わしくなるのは──」

 「最後まで城之内と一緒にいた野干玉と虚戈、だな」

 「なんでたまちゃんたちが疑われなきゃいけないのよ!納得いかない!」

 「納得できなくても説明はしてもらうよお。城之内氏が拘束された頃の時間とお、夜時間になるくらいの頃は何をしてたんだい?」

 「だからたまちゃんと虚戈はずっと一緒にいたんだってば!演芸場の楽屋にいたんだよ!」

 「あれれ〜おっかしいぞ〜???」

 

 

 

 

 

 「ダメだよたまちゃん♡ウソ吐いたら持ち物全部取り上げられて鞭打ち10回なんだよ♠」

 「そんなエグいことはしねえけど・・・ウソってどういうことだ?」

 「えっとね、ダイスケを殺すチャンスはマイムにもたまちゃんにもあったよ♡ずっとずっとず〜っと二人っきりじゃなかったもんね♡」

 「・・・は?」

 「ほう」

 「ああっ!?ど、どっちだよ!?」

 「ホントだよ♡マイムはウソ吐かないよ☆ウソ吐くのは悪い子のすることだもん♠マイムは良い子だからウソ吐かないんだ♫」

 「それはつまり、野干玉の言っていることがウソだということか?」

 「そうだよ♡ダイスケが殺されるのよりは前だけど、たまちゃんとマイムは独りぼっちになったときがあるよ♢ちゃーんとホントのこと言うからね♡」

 「ちょっ・・・な、なに言って・・・!?あんた!バカじゃないの!?なんでそれ言っちゃうの!?」

 「『なんでそれ言っちゃうの』?それは失言、ということでいいのか?ヌバタマよ」

 「!!」

 

 どうやら目論みと違うらしい虚戈の発言に、野干玉は動揺すら忘れて唖然とする。ウソウソと連発する虚戈の言葉がじわじわ自分の足場を崩していくような感覚に襲われる。冷や汗を流す野干玉は次の言葉を失った。それに構わず虚戈は笑顔で続ける。

 

 「ダイスケとのリハーサルが終わって、解散してからまた演芸場に戻ってきたときね、たまちゃんとマイムでダイスケが戻ってくるの待ってたんだ♫そのときたまちゃんは一回ホテルに戻ったの♡忘れ物があるとかなんとかで♫」

 「それはどれくらいの時間だ?」

 「んー?1時間くらいだったかなー♣スピリチュアルエリアに行ってダイスケを捕まえたり殺したりには十分な時間だよね♡」

 「バッ・・・!!バッカじゃないの!!?何言ってんの!!?たまちゃんはホントにホテルに戻ってたんだってば!!」

 「あのう、だけどさっき、ハイドさんがだれもホテルにはこなかったって」

 「み、見逃してただけでしょ!っていうか、たまちゃんがホテルに戻ったときは星砂なんていなかったもん!時間がずれてたんだよ!」

 「弁明がもはや支離滅裂だな。クロでないなら落ち着いて喋ればいい。あまり疑われることを過度に恐れるな。余計に怪しく見えるぞ」

 「あうっ・・・!」

 「ぬ・・・たまちゃんがホテルに行ってる間、虚戈は何をしてたんだ?」

 「マイムはヨガってたよ♡」

 「ヨガってましたか」

 「スニフ君、もうそれ言っちゃダメだよ」

 

 とっさに吐いた浅はかなウソが露呈し、野干玉は大きく動揺する。しかし虚戈はそれでも正直にありのままを話し、ますます野干玉の立場を悪くする。目的も、悪意も、打算もない。ただただ虚戈は、聞かれたことに誠実に答えているだけだ。

 

 「そんでたまちゃんが帰ってきてから、マイムはちょっと準備運動しに外に出たんだ♫30分くらいかなー♡」

 「外って、演芸場から離れたのか?」

 「うん♡だってもしみんなが演芸場に来てマイムが準備運動してるの見たら冷めちゃうでしょ?マイムはプロだからちゃんと気を配るんだよ♡」

 「と言う事は、たまちゃんさんと虚戈さんはどちら共、城之内さんを拘束して殺害するだけの余裕は在ったと言う事ですね!互いの監視を外れた僅かな間ですが・・・」

 「予め拘束しておけば、10分もあれば鐘を撞いて城之内を殺すことはできたはずだ。何より・・・野干玉がその事実を隠そうとしたことが何より疑わしい」

 「ッ!!」

 

 すべてを正直に答えたように思える虚戈に対し、まったく殺すチャンスがなかったと誇張した事実を言い、虚戈の証言に明らかな動揺をみせ、ウソを吐いて自分に対する疑惑を払おうとした野干玉に、全員の視線が集中する。宙に浮いていた疑惑が一気に降り注いだように、野干玉は自分の置かれた状況を理解し、背筋を汗が流れる。

 

 「・・・ちっ、ちがうよ・・・!?たまちゃんは城之内を殺したりなんか・・・しないよ!さっきのはなんていうか・・・ウソとかじゃなくて・・・!」

 「見苦しいマネをするな野干玉!」

 「ひっ!?」

 「貴様がクロならば正直に言え。私たちはこれ以上ムダに互いを疑い合うようなことはしたくない。クロでないならば毅然としろ。狼狽えればこの機を真のクロに利用されるだけだ。言い訳などするな。学級裁判の場で疑われることは、我々全員の命運を背負うことにも等しいのだぞ!」

 「いっ・・・!?そ、そんなこと・・・い、言われても・・・!」

 「ねーねー♡たまちゃんはなんでウソ吐いたの?なんでたまちゃんとマイムがずっと一緒にいたことにしたかったの?どうしてみんなを騙そうとしたの?」

 「マイムさん、ちょっとビークワイエット、です。たまちゃんさんがおはなしできなくなります」

 

 極に喝を入れられ、虚戈に詰問され、他全員から疑われる。焦りと動揺と恐怖と不安と困惑と後悔と鬱憤と不快さが綯い交ぜとなって、よく分からないどす黒い感情となって野干玉の心臓が潰れそうな痛みを与える。爆発しそうな感情を制御するため野干玉の体は、オーバーフローした感情を物理的に体外に排出することにした。

 

 「う〜〜〜ううう・・・あんまりだよ・・・!」

 「んなっ!?お、おいおい!」

 「ああもう!みんないっぺんに責め過ぎよ!たまちゃん泣いちゃったじゃないの!」

 「泣けば守られるとでも思っているのか?子供でもあるまいし、そんな手が通用する状況でもなかろう」

 「しかし・・・泣かれるとこれ以上責め立てるのは気が引けるな・・・」

 「あァァァんまりだァァァ!!!

 「な、なかないでくださいたまちゃんさん!たまちゃんさんはスマイルがいちばんステキなんですから!」

 「なんで今そんなカッコイイセリフ言ったの?」

 

 自らの意思で感情をコントロールするような究極的な生物というわけではないが、涙を流して大声を出すことで抱えたストレスを発散させることができる。半分は打算で、もう半分は本当の生理現象で、野干玉はその場で大声で泣き出した。

 

 「だってだってェ・・・!じょウ、のうちとお・・・い、一緒にいた、たまちゃんとぉ虚戈が・・・!うぐっ、うたがあれるのなんて分かり切ってるじゃんよお!!だっ、だから・・・!うたがあれるのが・・・ヤだったから・・・ちょっとオーバーに言っただけじゃあん!!なのにウソ吐きとか・・・お前が殺したんだろとか・・・そ、そんなの・・・あんまりだよおおっ!!」

 「お手本の様な大号泣で御座いますな・・・大袈裟に言えば疑われるのは当然で在りましょう!泣いて誤魔化すのは卑怯じゃあ在りませんか!?」

 「ごっ、ごまかす・・・つもりなんか・・・!」

 「どんな理由があれウソを吐く者を疑うのは当然だろう。それに目的なんぞいくらでもでっち上げられる」

 「でっち上げなんて・・・たまちゃんしないよぉ!ね、ねえ鉄お兄ちゃん!納見お兄ちゃん!たまちゃんのこと守ってよお!あんなでっかい棒で殴り殺すなんて、たまちゃんにはできないってばあ!」

 「守ってと言われても・・・俺は何もしてやれん・・・」

 「おれは野干玉氏の行動よく知らないからねえ」

 「うわーん使えないよー!」

 

 いつの間にか打算の涙の割合が増えてきているように思えるが、野干玉はそれでも泣き続けて鉄と納見に助けを求める。しかしどちらも野干玉の容疑を晴らすだけの手掛かりや論理を持っていなかった。

 

 「たまちゃんと虚戈が城之内を見つけたときはもうあの状態だったんだもん!たまちゃんは何もしてないよー!」

 「たまちゃんさん、それって、おふたりがいっしょにダイスケさんを見つけたってことですか?」

 「そーだようえーーん!」

 「・・・くくく。何か気付いたようだな。子供」

 

 涙混じりに喚く野干玉の言葉尻を捉えたスニフが、口元に手を当てて考えこむ。ほとんどの者が野干玉へ疑惑の視線を送る中、冷静に場を見つめ、議論の向く先を変えようと脳を働かせる。野干玉の証言とモノクマの言葉から導き出される、この議論の矛盾を見出し、整理する。

 

 「みなさん!Just a moment(ちょっと待った)です!」

 「どうしたのスニフ君?」

 「ちょっとだけ、ボクのおはなしきいてください。まさかですけど・・・たまちゃんさんは犯人(クロ)じゃないってプローヴできるかもです!」

 

 導き出した結論から、スニフは声を上げる。急ぎすぎた議論を、拙い詭弁を、暴走する疑惑を、入り乱れる思惑を、すべてを超えて真実への道を切り開く論理を撃ち出す。それがどれほどの意味を持つか、スニフ自身すら気付かないままに。

 

 

 

 

 

コロシアイ・エンターテインメント

生き残り:13人

 

【挿絵表示】

 




ハーメルンはタグが豊富で色々挑戦できる。せっかくだから再現してみました。色合いこれでよかったろうか
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