自分で自分の知らない自分の作品を見るっていうのはあ、なんとも不思議な感覚がするねえ。おれのテ〜マが諸行無常だからどんな作品があってもおかしくはないんだけどお、だからってこんな得体の知れない気色悪い像なんか造るかねえ。
「石膏だけどお・・・まさか現物ってこたあないよねえ?」
火山の噴火や戦争の空爆の表現でえ、敢えて気味の悪い造形にすることはあるけれどお、おれがわざわざこんなもんを造るとは信じられないねえ。それとも過去のおれは、この像を通して何かを伝えようとしたのかなあ。そもそもなんでそのことをおれが覚えてないのかも不可思議だけどねえ。
「記憶がなくなった・・・ってのもない話じゃあなくなってきたねえ。いよいよ現実味がなくなってきたけどお、はてさてえ」
雑多に積み上げられた木材や大理石の中にいるとお、自分が世界から隔絶された場所にいるような感覚になってくる。ところどころに配置された不気味な人型の像が自分を監視しているようでえ、落ち着くような落ち着かないようなあ、不安定な気分になってくるねえ。
そんな中で自分の記憶さえも信用しちゃいけない可能性が出て来ちゃったもんだからあ、ますますおれの頭は混乱してきてえ、しかも足下も確かじゃあないときた。研究室の強い照明が落とす影のおれが、まるで自分の影じゃないみたいだあ。
「黒幕がおれたちの記憶を消したんだとしたらあ・・・果たしておれたちはその間、どこで何をしてたんだろうねえ」
鉄氏の“超高校級の死の商人”としての作品が倉庫エリアにあったことからあ、モノクマにはああいった物を集める能力があることになるねえ。だとしたらあ、おれの作品があるからと言ってここにずっといたとも限らない。おれたちの記憶を消して、おれたちの身の回りの物をここに集めて、その上でコロシアイをさせる。意味が分からないねえ。
「動機ねえ」
この、薄氷の上に立つような不安感。自分自身さえ信じられない孤独感。この感覚に苛まれていつ誰が裏切るか分からない恐怖感。こりゃあまさしく動機だねえ。とはいえ、そのことを俯瞰して理解してればあ、なんとか耐え切れそうな気もしないでもない。そう思うのはおれが楽観的だからかなあ。
「おやあ?」
研究室のドアを開けっ放しにしてたもんだからあ、部屋の前のエレベーターが動く音やベルの音がよく聞こえた。だから、誰かが自分の研究室に行ったこともすぐに分かった。
はてな。この前のメンバーであの階に研究室があった人なんていたっけなあ。
「うんしょ♡こらしょ♬どっこいしょ♢」
「マイムさん、なにしてますか?」
「あ、スニフくん♡おっはよーだよ♡」
「グッモーです」
「これはねー♬内緒のあのねのねなんだ♡スニフくんにも内緒だよ♡」
「むぐっ」
たぶんマイムさんはボクの口をゆびでしーってやりたかったんだとおもう。でも
「今日のダンスはお休みだから、テルジのとこ行ってお手伝いでもしてきなさい♡」
「
マイムさんに年上ぶられるとなんだかくやしい。でもダンスしないならここにいてもやることないから、言われたとおりテルジさんのとこに
「今日もモノクマランド探索する?」
「そうだな。昨日の探索ではまだ不十分だと思う。少しずつ開放されていたから忘れていたが、ここはあまりに広大だ」
「それでもまだ開放されてないゲートはあるけどねえ。一体どこまで広がるのやら見当が付かないよお」
「・・・研前さんは、もう大丈夫なの?」
「うん、ありがとう正地さん。正地さんからもらったアロマキャンドルが効いたのかな」
「こなたさん
「いや、やめとけお前」
なんだかこなたさんからいつもより
「フフフ・・・インドア派の私や納見にとって、屋外の探索はなかなかの重労働なのだが・・・」
「言っている場合ではないだろう」
「マイムは探索がんばるよー☆今日も元気にがんばろー☆」
「ボクもがんばります!」
今日の探索も、研前さんの様子を見ながら二人で回った。なるべく研前さんの気持ちを考えて、ファクトリーエリアやスピリチュアルエリアみたいなところは避けて、田園エリアや歓楽街エリアを探索した。だけどやっぱり黒幕の手掛かりらしきものは見つからなくて、夕方になってまたホテルに戻って来た。
「ダーメだあー!なんも見つかんねえ!」
みんなより遅くまで頑張って探索してた下越くんが、ホテルに戻ってくるなり食堂の椅子にどかっと座って言った。大きくのびをしたと思ったら、すぐにまた厨房の方に歩いて行っちゃう。だけど、すぐにまた戻って来た。
「おいおいおいおい!だれだよあの大量のスパゲッティ茹でたヤツは!?」
「やっぱり突っ込むよねえ」
ホテルに戻って来たと思ったら、厨房の大鍋で何キロかっていう量のスパゲッティが茹でられていた。誰の仕業かは、そのとき考えなくても分かった。ホテルにいち早く戻っていたのが、虚戈さんだけだったから。私たちもなんでそんなことをしてるのか分からなくて、口を出すこともできなくて見守っていた。
「えへへー♡今日はマイムがご飯を作ってあげるんだよー♬テルジ嬉しい?」
「嬉しいっつーかお前、これどういう配分だよ!?ってかこの量一気に茹でたら食うにしたって後半のびるだろ!」
「ダイジョブダイジョブ♬バジルソースにミートソースにカルボナーラにいっぱいソース用意したから♡それにのびるの見越して固めに茹でてるから♡」
「マジか・・・かって!!アルデンテどころじゃねえぞ!!」
「仕方ないだろう下越。茹でてしまったものは」
「ソースはレトルトだからいくらでもあるぞ。俺はペペロンチーノがいいな」
「いや待て、のびてなくてこの量なのかよ・・・マジどうすんだってこれ・・・」
厨房で虚戈さんとしっちゃかめっちゃかなやり取りをする下越くんは、最後には頭を抱えた。だけど虚戈さんはまだ嬉しそうに小躍りしてる。まだ何か言いたいことがあるみたい。
「あのねあのね、なんでマイムがご飯作ったかってことなんだけど、なんでだと思う?」
「気紛れじゃあないのかい?」
「違うよ♣マイムはね、みんな疲れてるだろうから元気づけてあげようと思って、サーカステントでショーを見せてあげようと思うんだ♬スパゲッティはディナーだよ♡」
「レトルトソースのスパゲッティがディナーか・・・まあ贅沢は言わないけど、そこは普通に下越に任せて良かったんじゃないか?」
「いいのいいの♬全部マイムがやるから意味があるんだよ♡」
「ショーというのは、今夜やるのか?」
「そうだよ♬実はもう全部準備はしてあるんだ♡だから今日はみんなご招待♡みんなでマイムのスペシャルディナーショーを見に来てよ☆」
「いつの間にそんな準備してたんだよ?」
「今日みんなが探索してる間に♢」
「そういうことは一言相談してから・・・いや、言っても仕方ないか。しかし、大丈夫なのか?あまりこういうことは言いたくないが、相模は映画放映中で人目が減ったことに乗じて城之内を殺害したのだろう。同じ事が起こらないとも・・・」
「エルリさん!ひどいこと言わないでください!」
「いや、警戒するに越したことはない。我々が何もせずとも、モノクマが何かしてくる可能性はある」
虚戈さんの独断に今更何を言っても仕方ないからいいとして、荒川さんの懸念は耳が痛いけれど的確だった。あの時は、まさかまた殺人が起きるなんて信じられなかったけど、今は誰かが何かをしてもおかしくない、そんな風に思えるくらいの状況にはなってしまった。指摘を受けた虚戈さんは、少し考えてにっこり笑った。
「だいじょーぶだいじょーぶ♬今回はみんな客席にかたまっていてもらうし、マイムはステージにいるからね♡マイムがみんなのこと見てるし、みんなはマイムのこと見てるから☆」
「ん・・・まあ、茹でちまったもんはしゃーねえか。なるべく飽きねえようにしてやるから、お前はもう触るな。後はオレに任せろ」
「わーいありがとテルジ♡じゃ、マイムは準備があるから先に行くね♬フェスティバルエリアはちょっと遠いからみんなモノヴィークルで来るといいよ♢」
そう言って虚戈さんは、嬉しそうに食堂を飛び出た。本心が分かりにくい子だけど、今は本当に楽しそうに、嬉しそうに見える。この前の裁判が終わった後はあんなに悲しそうな顔をしてたのに、そんなことすっかり忘れたように振る舞う。それとも本当に忘れてるのかしら?
「みんな、どうするの?」
「取りあえず今晩はスパゲッティのフルコースだ!」
「そうじゃなくて、虚戈さんのショーに行く?」
「
「でもお、荒川氏の懸念は尤もだしねえ。誰かが何か企んでると言うわけじゃあないけれどお、用心に越したことはないよお」
「私も反対だ。虚戈には悪いがな・・・雷堂はどう思う?」
「お、俺は・・・ここで虚戈の気持ちを無碍にするのはダメだと思う。あいつは今、不安定なんだ。ここで俺たちがあいつを裏切ったら、今度こそ本当にあいつは潰れちまう、と思う」
視線を床に落としたまま、雷堂くんは訥々と語る。それも、1つの真実なんだと思う。きっと虚戈さんは、私たちが行かなければ悲しむと思う。だけど、もしこの中にそれを利用して、また私たちを裏切ろうとしている人がいたら・・・そう考えてしまうことは、疑い過ぎなのかしら。
「俺は行ってもいいと・・・いや、行ってやらないとダメだと思うんだ。あいつを一人にしたら、間違いなくあいつは近いうちに命を落とすことになる。危険かも知れないけど、俺はそんな未来は選べない」
「雷堂君・・・」
いつになく真剣な顔でそんなことを言うから、私までドキッとしてしまった。普段はなんだか頼りなさげなのに、ときどき雷堂くんはこうやって強い意志を見せる。だから茅ヶ崎さんや研前さんが好きになっちゃうのね。本人がちっとも気付いてないのが問題だけど。
「ボ、ボクも行きますよ!マイムさんの
「・・・わ、私も、行った方がいいと思う。私、この前虚戈さんのこと傷付けちゃったし、これ以上虚戈さんを一人になんてできないよ・・・!」
「じゃあおれも行こうかねえ。どのみち下越氏もショーには行くみたいだしさあ」
「ショーとかそれ以前に、スパゲッティもったいねえだろ!」
「・・・フフフ、とうとう人数が逆転してしまったな、正地、極。私たちだけでホテルで留守番でもするか?」
「バカなことを言うな。全員の意志を統一して行動することに意味がある。こうなったら私たちも参加するしかあるまい」
「れ、冷静ね極さん」
スニフくんと研前さんも雷堂くんと同意見で、下越くんは最初から参加するつもりだったから、その時点で私たちの中の半数以上がサーカステントに集まることになった。それを理解してか、納見くんも参加を表明する。状況が覆せないことを察した極さんは、あっさり参加することを決めた。結論が出ずにもたもたするよりはいいかも知れないわね。
「だが、用心することに越したことはない。気を付けることだ」
最後まで極さんは、みんなにそう言っていた。まるでサーカステントで、何かが起きることが分かっているみたいに。
夜の帳が降りきって、星々が瞬く天蓋の元で、眠らない街もかくやとばかりに煌々とカラフルな光を放つ建物があった。虚戈がディナーショーを開く会場として選んだ、サーカステントだ。以前、城之内が主催したイベントの際は演芸場を舞台に選んでいたが、このテントこそが虚戈の本来の“才能”を遺憾なく発揮できる場所ということか。
モノヴィークルを停めてテントの前まで来ると、ちょうどスニフ少年と出くわした。何やら重たそうなビニール袋を引きずらないように持ち上げて、わくわくした様子でテントを見つめている。
「
「無邪気だな。そのジュースは一体なんだ?」
「
「ラッパ飲みでもするつもりか」
「ラッパ・・・?」
「こう、だ」
「
ラッパ飲みを教えてやると、スニフ少年はキラキラした眼差しで見てきた。別に禁止する理由はないのだが・・・ああ、行儀が悪いと下越に怒られそうだな。しかしラッパ飲みくらいでそんなに浮き足立つとは、スニフ少年はどうも随分と育ちが良いようだ。こういう純朴な少年をアングラな世界に引きずり込むのも愉しみと言えば愉しみなのだが・・・やめておくか。研前に何を言われるか分かったものではない。
「まあ、グラスくらいは用意されているだろう」
「そうですか。で、でもでも!
「仕方ないのではないか?」
「
ペットボトルを抱きかかえてスニフ少年は一層興奮した様子でテントに入って行った。あの持ち方ではジュースが温くなってしまうのだがな。まあそんなことはどうでもいい。私も客席に行くとしよう。
「む」
テントに入ろうとしたとき、人影に気が付いた。暗がりでよく見えないが、テントの入口とは違うところで何やら蠢いている。様子を見に行ってみると、極が懐中電灯でテントを観察していた。コロシアイの防止。ここまでするとは、徹底したヤツだ。
「おい極。ご苦労なことだ。何をしている?」
「っ!・・・なんだ、荒川か」
「眩しい」
軽く声をかけただけだというのに、極は過剰なほどに強く反応して、懐中電灯の明かりをモロに私に向けてきた。これ以上目が悪くなったらどうしてくれるのだまったく。
「テントの周りに不審な様子がないかを調べているのだ。反対側には雷堂もいる」
「なるほど・・・フフフ、率直に思ったことを言ってもいいだろうか」
「構わんぞ」
「もし私がお前を見つけなければ、たとえ雷堂と協力していたとしても、何をしているか分かったものではないな」
「承知の上だ。むしろお前のように忌憚なく言ってくれるヤツがいてくれた方がいい。盲信も疑心暗鬼も、今は命取りだ」
「どれ、私も協力してやろうか」
「いいや、結構だ。既に確認したところに何か細工でもされたら困るからな」
「フフフ・・・忌憚ない物言いはお互い様ということか」
とはいえ、極のようなヤツがこんなところでコロシアイを起こそうと考えているわけもないことを、私は理解している。念には念を、石橋を叩いて渡らないような性格をしている者が行動を起こすには、あまりに注目され過ぎている。話そうとはしないが、おそらく我々とは違う世界で生きてきたのだろう。命のやり取りにはかなりシビアだ。故に、行動を起こすとすれば確実な手段を選ぶはずだ。
「しかし、雷堂のことは信用しているようだな。反対側を一人に任せているのだろう?」
「・・・比較的な。“超高校級”の面子はやはりクセが強いが、雷堂と研前はマシな方だ。まあ、何もないとは思わないが」
「心当たりでも?」
「私はヤツの『弱み』を打ち明けられた。詳細までは聞いていないが、明らかになれば私たちのヤツに対する認識を丸ごと変えられる可能性はある。何を隠しているか分からん、ということだ」
「ほう・・・フフフ、フフフフフ」
「不気味だぞ。何が可笑しい」
「いいや。お前は雷堂と協力して私たちの結束を強めようと言っているが・・・一番誰も信用していないのは、むしろお前の方ではないか。唯一協力的な雷堂ですら、お前にとってはいつ何をするか分からない爆弾なのではないか」
「否定はしない。私はそういう人間だからな」
軽々しい言葉で躱そうとしているが、その端々からは私たち全員への不信が感じ取れる。無論、疑うに越したことはない状況だが、口では信用を謳いながら自らは誰も信じないとは、矛盾しているな。これだから人間というものは難しい。
「だが命が喪われる虚しさは知っている。コロシアイを起こさせまいとする気持ちだけは本物だ」
「それは他者からの評価に委ねるしかないな。お前が信じようとしない、他者からのな」
それだけ言って、私はテント入口に向かった。やはり我々は、コロシアイを避けることはできそうにない。そうでなければ、何度もこんなことを繰り返しているわけがない。極が極なりにコロシアイを止めようとしているのならば、私も私なりのやり方でやることに文句は言われないだろう。
「ああ、そうだ。荒川」
「なんだ?」
「ポケットを裏返して中を見せてくれ。念のため、だ」
「・・・徹底しているな」
「ん〜、うまいねえ」
「納見君、お行儀悪いよ」
「んなこと言ったってさあ、麺類は啜って食べるってのが日本人の習慣だからねえ」
「くるくるってやってたべるんですよ。ボクはマナーまもります!」
「なんだ、もう食べ始めているのか」
「エルリさん、おそかったですね」
「外で極と雷堂が見回りをしていたからな。少し話をしていた。じきに二人も来るだろう」
「ああ、それ私もされたわ。ちょっと悲しいけれど・・・仕方のないことだものね」
「おかげで安心して虚戈氏のショーに集中できるじゃあないかあ」
「おかげでじゃねーよ!オレぁ雷堂に念のためっつってバターナイフ没収されたんだぞ!パンにバター塗るってのに!」
「スパゲッティなのにパンも用意したの?」
「ソースに絡めて食べると美味いんだ」
テルジさんがおっきな
「すまない、遅れた」
「おい雷堂!バターナイフ返せよ!」
「いや、少なくともショーが終わるまでは預かっとく。でないと意味がないだろ」
「ちぇっ」
ホントは
「あの、スニフくん。ディナーショーって私はじめてなんだけど、どうしたらいいのかしら?」
「ごはんたべてたのしめばいいんですよ!」
「スニフはディナーショーなんて行ったことあるのか?」
「
「いまも十分小せえだろ」
「あっ」
「レディースア〜ンドジェントルメーン♡それからマイムのステキなお友達〜♬マイムのスペシャルサーカスショーにようこそ☆」
「マイムさんだ!」
「
「印象変わるもんだな」
「えへへ♡ありがとスニフくん!ワタルもね!今夜はマイムがみんなにスマイルをあげちゃうよ♡ディナーもいっぱい用意したからたくさん食べてね♬」
マイムさんのことばに、テルジさんがうなった。たくさんあるのはいいことだけど、テルジさんはここまで
「マイムはみんなを笑顔にするクラウンなんだ♡みんなが笑顔になるためだったらマイムはなんでもするよ♬こんな風にさ☆」
そういってマイムさんは、
「あっ!あいつ食べ物で遊ぶ気だな!オイコラ!」
「まあ待て下越。粗末にするわけじゃない。そういう芸だ」
「そうだよテルジ♬芸に使うけどちゃんと最後は食べるから安心してね♬たとえばリンゴなんかはこうやって!かぷっ♡」
「うおっ!?」
そういうとマイムさんは
「ごちそうさま♡」
「すげー!?投げながら食べたぞ!?どういうタネだ!?」
「タネというか、単にそういう技術だろう」
「まさかと思うけど虚戈氏・・・そのバスケットにあるヤツ全部食べる気かい?」
「んもう♣芸を先読みするのは御法度だよヤスイチ!でも正解♡次はこのバナナを食べちゃうよ♡」
「難易度の上げ方おかしい!」
「バ、バナナがひん剥かれてく・・・」
「すげえ!っていうかあいつただフルーツ食べたいだけだろ!」
「ねえ、バスケットの中にスイカ見えるんだけど」
もうみなさんは、次にマイムさんがたべる
「えへへ♡みんなびっくりしてるね♬マイムはね、ジャグリングしながらなんでも食べられるんだよ♬芸もしながらご飯も食べられて一石二鳥だね☆」
「いやすごいはすごいけど、さすがに何でもは無理だろ」
「できるもん!このスイカだって・・・うわーっ×」
「コケた」
「
「いたた・・・♣えへっ♡“超高校級のクラウン”にも失敗はあるってことだよ♬」
「今のはただ虚戈が抜けていただけではないのか?」
「こらエルリ!そういうこと言っちゃダメだよ♠次はもっともっとすごいの見せてあげるんだから☆」
「ほう」
むくりとおきあがってマイムさんは
「クラウンはみんなを笑顔にするのがお仕事なんだ♡だからマイムはここに来てからずっと考えてたよ♬みんなを笑顔にする方法♬ちょっと失敗しちゃったこともあるし・・・こなたやレイカに怒られたこともあったね♣」
「あ・・・う、ううん、私は別に怒ってなんか・・・」
「ごめんなさい♣」
マイムさんは、きちんとあたまを下げた。こなたさんはびっくりして立ち上がろうとしたけど、マイムさんは手の
「マイムは幸せだよ♡こうやってみんなのことを笑顔にできたから♬みんなとここで楽しい時間を過ごせたから♡マイムはこうやって・・・みんなに見守られてるから♡」
「見守られている?」
「だからみんな、もうコロシアイなんてしないでね♣しちゃダメだからね♠マイムは疑い合うみんなのことなんて見たくないから♡人生は笑顔になってこそなんだからさ♬マイムみたいにいつでもみんな笑っててね☆」
「ずいぶん他人事みたいに言うじゃあないかあ」
「えへへ☆」
マイムさんからボクたちに向けられた言葉は、ボクたちのことを
「“超高校級のクラウン”、虚戈舞夢の仕事は、第三にみんなを楽しませること♡第二にみんなを笑顔にすること♡そして第一は、みんなを幸せにすることだよ♡」
その場でゆっくり
「だからみんな・・・マイムからのお願い♡幸せになろうね☆」
マイムさんは目を閉じて、おだやかにそう言った。それと同時に、
「えっ?」
「わわっ!?
「ま、待て!ショーの演出かも知れないだろ!動かない方がい──」
「な、なんだい今のお!?」
「いたたたっ!!おい誰だオレの髪引っ張るヤツは!!」
「全員そこを動くな!明らかに何かおかしい!」
「きゃっ!?だ、だれ今の!?触ったの!」
「うっ、わ、私だ正地。その、すまん」
「スニフ君、そこにいるの?」
「はい、います!みなさんいっしょです!」
「うぎゃっ!?これスパゲッティだろ!?服にかかった!」
ヤスイチさんのあわてる声。テルジさんのいたがる声。レイカさんのどなり声。セーラさんのびっくりする声。エルリさんのバツのわるそうな声。ボクを呼ぶこなたさんの声。いやそうなワタルさんの声。みなさんの声が近くからきこえてくる。
「あ、灯りだあ。いやあ焦った焦ったあ。一時はどうなることかとお」
「うおあ・・・最悪だ。よりによってミートソースかぶっちまった」
「最悪はこっちの台詞だ!食べ物粗末にしやがって!」
「あっ・・・!?ああっ・・・!?」
「こなたさん・・・?」
「──ッ!!」
「・・・!?バカなっ・・・!?」
かすかに見えるこなたさんたちの目は、ようやく見えるようになった
『ピンポンパンポーン!死体が発見されました!一定の自由時間の後、学級裁判を行います!』
その
さっきまでの
首から上を、
「いやあああああああああああああああああああッ!!!!」
コロシアイ・エンターテインメント
生き残り:8人
死んじゃったねー♡
死んじゃったよー☆