第6艦隊 〜チート艦隊のイレギュラーの物語〜 【投稿休止中】 作:ティルピッツ
第6艦隊 旗艦 『信濃』
訓練を終えた直後の『信濃』艦橋では、司令官が天候を怪しんでいた。
『この空…………妙だな…………』
そこに、艦長の信濃が報告にやって来た。
『訓練終了しました、司令官。』
『うむ。』
報告した彼女は腕時計を確認する。
『未だ、5分遅れです』
『まぁ、良かろう。一ヶ月前の10分から見れば、練度は上がってる。』
『はっ』
『張り切り過ぎては先が持たない。緊張も程々にな。』
司令官は張りつめ過ぎないように信濃に注意を促す。
それと同時に気になっていた天候を気象庁に問い合わせるべく、航海長に声を掛けた。
『ところで航海長、気象情報について問い合わせてくれるか?』
『はっ』
そして十数分後、気象庁からの報告を待っている間に荒れてしまった海を『信濃』以下第6艦隊は航海している。
雲はむせるような禍々しい赤色となっており、遠くでは時折落雷が発生している。
大きな波に8万トン級の大型空母は揺さぶられながらも航海を続ける。
『艦長、気象庁から報告です。』
その中でようやく気象庁から連絡が届き、航海長がそれを持ってきた。
そして彼は早速、気象庁からの報告を読み上げた。
『ミッドウェー島北西に低気圧あり、気圧965ヘクトパスカル、風速40メートル、なお勢いを増しているとのことです。』
『事前の予報には無かったが……………。シケに備えよう、荒天準備となせ。』
『了解。』
司令官は今後、更に海が荒れると考えて事前に準備するように指示を出した。
司令官が命令を下すと同時に『信濃』の艦内放送が流れる。
『"荒天準備、移動物の固縛を厳となせ"』
放送を聞いた乗員達は装備を整え、持ち場に向かった。
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『艦載機の固定は大丈夫?』
『はっ。既に全機拘束チェーンで固定済みです。』
『海に出て23年と2ヶ月、こんな雲は見たことがない。』
信濃は、艦内状況を確認を念入りに行う。
その横で司令官は初めて見る現象を不思議そうに見る。
ーーーーーー その時、突如として『信濃』に雷が落ちた。
『な、なんだ?落雷か!?』
突然の落雷に乗員達が動揺する中、艦長である信濃が、即座に艦内電話を手に取った。
『応急指揮所!艦内各部の損傷を報告!』
『"電気系統、機能正常、艦内各部、異常なし!"』
彼女が応急指揮所に損害状況を聞いていると、艦橋に*CDCから連絡が入った。
『"艦長!水上レーダー、僚艦を捉えられません、僚艦をロスト!"』
『何?!通信は!』
『"『土佐』との交信不能!『九頭龍』、『綾瀬』、『師走』、『神無月』、『せとぎり』、『ゆうぎり』返信ありません!全交信周波数、完全に沈黙!"』
『有り得ない!5分前まで全艦の位置を確認している!もう一度試しなさい!』
『"故障ではありません、依然全艦から応答ありません!」
『一体どういう事……なの………』
『各種計器に以上発生、制御不能です!』
『強力な磁気嵐に入ったか…………?CDCはどうなっている?』
『CDC、艦橋、状況を報告せよ。』
報告を聞いた司令官は磁気嵐に入ったと考え、確認を急いだ。
指示を受けた信濃は艦内電話を使ってCDCに確認する。
『"全ての探知システム、管制システムが障害を起こし、機能しません、艦内電話もノイズが酷く聞き取れません!"』
『次から次へと………一体何が………………』
連続して起こった不可解な出来事に混乱する信濃達。
対して、司令官は冷静に対応策を彼女達に示した。
『信濃。概念通信を試しなさい。沈んでないのなら、応答がある筈よ。』
『! りょ了解です!』
『CDC、ロストした僚艦を全力で捜索。近くにいる筈よ。』
『"はっ!"』
司令官は、冷静に信濃に艦娘間でしか使えない特殊通信である『概念通信』で再度確認する様に指示すると、CDCにもロストした僚艦の再度の捜索を命じた。
『(こちら信濃!応答せよ!こちら信濃!)』
『( ーーーー こちら ーーーーーーーー 繰り返す ーーーーーーーーーー こちら、土佐。信濃聞こえるか?)』
信濃が『概念通信』で呼び掛けると、原子力ミサイル重巡洋艦『土佐』艦長の土佐から返答があった。
『(土佐!無事だったのね!)』
『(あぁ。ただ、レーダーが機能しなくなって僚艦の位置を把握出来ない。通信も同じくだ。)』
『(そっちもなの?)』
『(そっちもという事は『信濃』も同じ状況なのか?)』
『(ええ。レーダーであなた達の位置を把握出来ないの。)』
『(そうだったのか……………。)』
土佐が信濃と概念通話をしていた時、外にある物が現れた。それに最初に気づいたのは原子力ミサイル重巡洋艦『土佐』の見張り員だった。
『ふっ副長…………これは…………』
『そんな馬鹿な…………ここはハワイ沖だぞ…………!』
『でもこれは………紛れも無くオーロラに雪です!』
突然の事に、副長と見張り員は驚愕する。何故なら赤道より下のハワイ沖でオーロラが現れる筈など無い。それに雪も降ったりはしない。
だが、第6艦隊は何とかオーロラと雪が発生している所から脱出した。
『"各種計器、通信機器回復しました!"』
計器や通信機器が正常になった事を聞き、信濃と司令官は安堵のため息をついた。
『抜けたようね。ダメージがないかチェックを急げ。』
『はっ!』
異常気象地帯を抜けた影響からか、CDCではモニターや対水上レーダーが正常に作動し始める。
だが映し出された画面は先程とは違う状態だった。
『うぉ!』
突然、
*CDC………『Combat Direction Center』の略称。航空母艦におけるCICに相当する部署の事。戦闘指揮センター。