第6艦隊 〜チート艦隊のイレギュラーの物語〜 【投稿休止中】   作:ティルピッツ

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敵潜水艦隊との決戦に臨む対潜護衛群。
その先陣を任されたのは護衛艦"せとぎり"だった。


第31話 決戦 深海棲艦 潜水艦隊 ①

対潜護衛群 汎用護衛艦"せとぎり"

 

 

 

『ソナー、反応は?』

『今の所ありません。』

『警戒を怠るな。』

『了解。』

『まだ動きませんな』

 

 

 

艦長席に座る せとぎりに副長はそう呟いた。

 

 

 

 

『敵は必ず食い付く。そこを叩くだけよ。』

『は。』

『操舵手、速力、進路このまま。』

『了解。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

深海棲艦 第315潜水艦隊 司令潜 カ3333

 

 

『推進器音探知。ソノ後方ニモ複数ノ推進器音。』

『来タカ。連絡通リダ。』

『恰好ノ獲物デス。』

『フフ、1隻残ラズ沈メテヤル。』

『敵艦、本艦頭上ヲ通過中。』

『気付カレテイナイカ?』

『本艦ハ最新鋭艦デス。日本如キノソナーデハ探知サレマセン。』

『ヨシ、機関始動。微速前進、追跡ヲ開始シロ。』

『ハッ。』

 

 

カ3333潜の艦長は内心喜んでいた。この敵艦隊を全て沈めれば戦果は大きい。そして昇進の可能性も出てくる。

日本艦の対潜能力は大体分かっている。そこまで高性能ではないはずだ。現に自分たちは発見されていない。余裕で勝てる相手だ。

そう、思っていた。

 

 

 

 

が、カ3333潜の艦長は知らなかった。自分達が全てに探知され、攻撃される運命にある事に。

更にカ3333潜はミスを犯してしまったのだ。

 

 

 

 

 

『馬鹿野郎!出力ヲ上ゲ過ギダ!』

『ス、スイマセン。』

『マァ、上ゲ過ギト言ッテモ探知ハサレテナイダロウガ。』

 

 

 

それは小さなミスだった。が、そのミスがカ3333潜の命運を決めてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『艦長、微弱なのですが、ソナーに反応がありました。』

『何処?』

『本艦の真下です。』

『真下?本当?』

『間違いありません。かなり微弱でしたが、捉えました。』

『お手柄よ、深度は分かる?』

『いえ、深度は不明です。ですが、大まかな位置は。』

『分かったわ。』

『いましたな。』

『ええ、副長攻撃準備。』

 

 

 

ソナーからの報告を聞いた せとぎり はすぐさま、副長を攻撃準備命令を下す。

 

 

 

『了解。短魚雷ですか?』

『いや、88式を使う。』

『88式ですか?』

『ええ、そうよ。』

『了解です、艦長。』

 

 

 

 

 

 

 

 

『艦長、88式発射準備完了。』

『諸元は入力済みです。』

『88式発射用意〜‥‥撃てっ!!』

 

 

 

直後、"せとぎり"の中央部に備えられた筒状の四連装発射機からロケット弾の様な物が放たれた。その数、全部で4発。

4発のロケット弾は僅かに飛翔し、弾頭部が外れ、中から複数の爆弾の様な物が飛び出した。

 

 

 

 

 

 

 

『操舵手!最大戦速!急げ!』

『了!最大戦速!!』

『総員対ショック態勢!』

 

 

 

 

 

88式を発射してから直ぐに彼女は加速するように命令。"せとぎり"は一気に増速し、その場を離れた。

直後、複数の爆弾の様な物が"せとぎり"がいた場所に落下した。

 

 

 

 

 

 

カ3333潜

 

 

 

『敵艦加速!速イ!』

『頭上ニ着水音!』

『何ッ!』

 

 

 

直後、カン という音の直後、カ3333潜を凄まじい衝撃が襲った。

 

 

 

『ウワッ?!!』

『ナ、ナンダ?!!』

『機関室浸水!応答アリマセン!』

『後部発射管室、浸水!!』

 

 

 

各所から被害の報告が挙がるが、直後、艦長達がいる場所にも大量の海水が流れ込んできた。

 

 

 

 

 

『浸水止マリマセン!!』

『モウ持チマセン!!艦長!!!!』

『!!!!!!!!』

 

 

 

 

 

 

 

『こちらソナー。艦長やりました。大量の浸水音と船殻が押しつぶされる音を捉えました。』

『了解。報告ありがとう。』

『引き続き探知を続けます。』

『通信士、"はつせ"に報告。』

『は。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

対潜護衛群 旗艦 "はつせ"

 

 

『これで、敵艦隊は要を失ったね。』

『しかし、せとぎり二等佐も無茶をします。』

『まさか、88式を使うとは思わなかったよ。』

 

 

 

 

彼女達の言う 88式とは何か?

 

 

正式名称 “88式対雷潜迎撃用重爆雷弾“

日本が開発した対魚雷戦、対潜水艦戦用の新兵器である

構造は母体となるロケット弾の内部に12発の重爆雷弾(爆雷と言うより簡易誘導式の魚雷の様な物。)が内蔵されており、目標至近まで飛翔、爆雷弾を切り離し、目標の近くに着水させ、爆発の衝撃波で損害を与える。

 

爆雷弾は簡易式の磁気音響探知装置を搭載でき(搭載せずに使用する事も出来る)、目標の至近距離で炸裂させる事が可能となっている

欠点として、威力が大きい為、安全距離を取らずに使用すると自艦も甚大な被害を受けてしまう所である。

 

 

 

 

 

 

『しかし、腕は衰えてはいませんでしたな。』

『そうだね。流石はせとぎり教官という所かな。』

『次はどうしますか、艦長。』

『次はこっちの番だ。操舵手、第三戦速。』

『よーそろ、第三戦速。』

 

 

 

こうして、はつせ率いる対潜護衛群と 深海棲艦 潜水艦隊との決戦が開始されたのである。

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