第6艦隊 〜チート艦隊のイレギュラーの物語〜 【投稿休止中】 作:ティルピッツ
はつせ は白露らと共に山本長官に報告する為、戦艦"大和"を訪れていた。
連合艦隊 旗艦 戦艦 "大和" 長官室
『ほう、20隻狩ったか』
『大量だな。通りで被害が大きい訳だ。』
報告を受けた山本と三笠は報告書を見ながら、そう呟いた。
『しかし、"ヲ"級が補給艦の役割を果たしていたとは、、』
『本来は潜水母艦か給油艦の仕事だからな』
『それ自体は珍しくありませんよ。実際米国では潜水艦に空母が随伴していた事があるみたいですから』
はつせの言う事は嘘ではない。
実際、第二時世界大戦の際に、大西洋で活動中の潜水艦"アーチャーフィッシュ"と"バラクーダ"が同海域で活動中だった軽空母"インディペンデンス"から補給を受けてる。
因みに、リベリオン海軍の護衛空母は給油艦を改造した艦が多く、護衛空母に改造された後でもその機能を持ったままなので、潜水艦部隊に随伴するのには最適だったのだ。
『三笠様、任務は充分果たせたと思っていますが、どうでしょう?』
『ふむ、、、、確かに充分な鮫退治は出来たな』
『では』
『良いだろう。約束通り、基地建設を許可する。五十六、良いか?』
『構わんぞ、約束は約束だしな。』
『ありがとうございます。』
『ところで、鮫退治には夕雲達も一役買ったようだな』
『はい、彼女達も少なからず戦果をあげています。』
『はつせさん達には及びませんが』
夕雲はその様に言った。
『ははっ、宇垣が喜ぶぞ。』
『直接伝えるといい。』
『分かりました。伝えてきます。』
『失礼します。』
長官室には、山本と三笠、はつせ の3人だけが残った。
『ところで、基地は何処に作る気だ?』
『幾つか候補があります。』
『何処だ?』
三笠がそう問いかけると、はつせ はマークが付けられた地図を二人に見せた。
『赤で囲まれた所が候補か?』
『はい。』
『マーシャル、、、、樺太、、、、硫黄島、、、、か。』
『何故これらを選んだんだ?』
はつせ が候補としてマークしていたのは、
マーシャル諸島
樺太
硫黄島
の3箇所だった。
そして、三笠は何故この3つを選んだのかを聞いた。
『我々は全艦を秘匿しなければなりません。つまり、人目に触れてはいけません』
『そうだな』
『その点を考慮して、次の条件を出しました』
『条件?』
『こちらです。』
1.全艦を収容でき、かつ秘匿出来る事
2.機密性に優れ、人目に触れる可能性が低い事
3.補給整備、点検が出来る事
『この候補の3つなら条件に合うと言う事か』
『はい。』
『ふむ、、、、、、五十六はどう思う?』
『実際に作るとしても色々問題がある。今すぐには無理だな』
『そうだな』
『では、それまで我々はどうすれば?』
はつせの疑問はそれである。基地を作るとしても時間はかかる。流石に今の場所はキツい。
『ふむ、、、、、、』
『ひとまず、艦を我々に預けてもらう』
『なっ!』
『何を言い出すんだ、三笠!』
三笠の衝撃の発言にはつせ と山本は驚いた
当然だろう。いきなり、艦を預けろと言ったのだから
『言い方が悪かったな。こういう事だ』
『なるほど、彼女達を頼る訳か』
『分かりにくい言い方をして悪かった』
『びっくりしましたよ、本当に』
三笠の提案は ある人物に艦隊を秘匿出来る場所で預かってもらうと言う事だった。
預かると言っても、艦自体の指揮管理は はつせ達が行い、乗員も同様であるとの事だ。
『つまり、秘匿出来る場所と補給をしてくれると言う事ですね』
『そうだ』
『しかし、その人物とは誰なんですか?』
『直接会えば分かる』
『?』
『彼女には私から連絡しておく。直ぐに返事が来る筈だ』
『分かりました。では、直ぐに仕事に掛かります。』
『仕事?』
『はい、私の艦は秘匿ですが、一隻だけ秘匿しなくても良い艦があります』
『例の大型空母の事か?』
『そうです、三笠様』
『良いのか?』
『指揮官は私ですので』
『そうか、とにかく御苦労だった』
『はい。では、失礼します』
大和を辞した彼女はスキッパーで自艦に戻ると、通信で各艦の艦長を呼んだ。
そして、先程の三笠の提案を説明した
『皆んな、依存は無いかな?』
『ありません』
『私もありません』
『ない』
『そして、今後の艦隊行動方針だけど、、』
『?』
はつせ以外の者は行動方針は決まっていると考えていた。
何故なら、艦隊はその秘匿出来る場所に停泊されるからである。
が、予想外の言葉が 彼女の口から飛び出した
『艦隊旗艦を信濃に変え、引き続き、日本海軍との共同作戦に参加する』
『!』
『待て、何故旗艦を変えるんだ?艦隊行動は出来ないだろう?』
しらねの言う事は正しく、旗艦を信濃に変えたところで、他の7隻は秘匿の為に動かせない。1隻だけでは艦隊とは言えない。
『しらねさんの言う通りだよ。でも、その点は心配いらないよ。あてがあるからね』
『?』
『とにかく、今後の行動方針は以上だよ』
『了解!』
『信濃さん』
『はい』
『戦車隊と自走砲隊を"あかし"に移動させておいて下さい』
『分かりました』
『あかしさんは予備機体を信濃に移動させてください』
『了解です』
こうして護衛艦隊の行動方針が決まり、各艦はそれぞれ与えられ任務に当たることになった。
が、はつせ は自艦を離れていた。彼女の姿は戦艦"大和"の艦内にあった。
連合艦隊旗艦 "大和" 大会議室
『お手数おかけします、三笠様。』
『構わんさ。な、宇垣よ。』
『はい、私からも感謝の言葉をかけたいと思っていましたので、丁度良かったです。』
『夕雲さんたちの件ですか?』
『そうです。夕雲達から直接聞きました。彼女達は言っておりました。(これで敵討ちが出来た)と。』
『敵討ち?』
『実は彼女の姉妹艦が魚雷攻撃を受け、沈没寸前の損害を受けたのです。』
『それは、、、』
『幸い、なんとか敵を振り切り、ドック入り出来ました。現在は修理も完了し、復帰しています。』
『そうですか、、、、敵討ちが出来た、ですか、、、、』
『それはそうと、新たな用件はなんだ?』
二人の会話を止めるように三笠がそう聞いた。
『実は宇垣中将に、、』
『宇垣にか?』
『私に?』
『はい。』
『宇垣にどのような用事があるんだ?』
『宇垣中将は艦隊編成の権限をもっておられますか?』
『艦隊編成の権限ですか?』
『持ってはいるが、全艦では無いぞ。全体の指揮は五十六が執るし、最終的な編成決定は私がしている。』
『それなら話は早いです。お二人にお願いがあります。』
『?』
『お願い、か?』
『はい。』
はつせの用件とはある願いをする為だった。それには艦隊編成に関係するものの為、艦隊編成の権限を持つ、宇垣中将を訪ねたのだ。
『実は、何隻か艦を一時的にお貸ししたいんです。』
『艦を借りたい、ですか?』
『先の艦隊旗艦変更と関係あるのだな?』
『はい、三笠様。』
『ふむ、、、、確かに空母1隻だけとは、、』
『ですので、、』
『護衛の艦が欲しい、という事だな?』
『はい。』
『三笠様、空母とは?』
『ん?聞いてないか?彼女たちの艦隊には大型の空母が1隻いるのだ。』
『もしや、五航戦が報告した2隻の大型艦の内の1隻ですか?』
『ふむ、宇垣よ。貴様ならどの艦を付けるか?』
『空母の護衛艦となると、、、秋月型辺りか、、陽炎型、、でしょうか?』
『ふむ、秋月達か陽炎達か、、、、』
『ですが、問題があります。』
『問題とはなんだ?』
三笠は彼の言った問題とは何かを聞いた。
『秋月型は"秋月"、"照月"、"初月"の3隻しかいません。他の同型艦はまだ建造中です。』
『それは知っている。それが何か?』
『3隻は全艦、南雲機動部隊に所属しています。』
『そうだったな、、、』
『南雲中将が配属変更に納得するかどうか、、、』
『機動部隊には少しでも防空艦が必要ですからね。』
宇垣の意見に はつせ もそのように発言した。
確かに、秋月型は貴重な防空艦であり、南雲中将にとって喉から手が出る程必要な艦なのだ。それをいきなり配属変更すると言われたら、納得するだろうか?
『私でも拒否するかもしれないですね。』
『そうか?』
『貴重な防空艦ですからね。それをいきなり、見ず知らずの空母の護衛に必要だからと言われても簡単には納得しませんよ。』
『ふむ、、、、、、』
『秋月型以外の艦でもいいですけど、、、』
『とにかく、まずは南雲達に聞かんことにはな。』
『そうですね。』
『宇垣、すまぬが、秋月型以外の艦も候補に入れておいてくれるか?』
『分かりました。』
『では、私は艦に戻ります。やる事がありますので、、、、』
『ふむ、編成の件は私からも連絡する。』
『お手数おかけします。』
『気にするな。』
『さぁて、南雲達がなんと言うか。』
『南雲中将よりも山口少将で苦労しそうです。』
『あ奴の事だから、直接目で見るとか言い出しそうだな、、』
『有り得ますね。』
『全く、、、難しい宿題を出してくれたな』
"大和"から離れていく、スキッパーを見ながら宇垣と三笠はそう呟いた