第6艦隊 〜チート艦隊のイレギュラーの物語〜 【投稿休止中】 作:ティルピッツ
自動車学校も一段落しましたので、投稿を再開します。
*艦隊編成等に史実と異なる点があります。
『信濃?』
『扶桑海軍が建造した超大型空母です。』
はつせはそう言うと、信濃のスペックを説明し始めた。その際、三笠がこの事は最高機密である為、他言しないように釘を刺した。
『"信濃"は当初は"大和,型戦艦3番艦として建造されましたが、戦況の変化により大型空母が必要となった為、空母に改造されました。』
"信濃"は大和型戦艦3番艦として、建造され姉妹艦の"大和"と"武蔵"と共に前線で活動していた。そんな時、戦況の変化により航空戦力の増強が必要であると考えた海軍上層部はそれまでよりも大型の空母を建造する計画を立てた。
"信濃"は作戦中に損傷し、ドック入りしていた所空母に改造される事に決まった。最終的に"信濃"を含む数隻を大型空母に改造する事が決まった。
『信濃は元々大和型戦艦である為、船体が大きく大型の格納庫を設けることが出来ました。』
『確かに大和型戦艦は他の戦艦に比べてもかなり大きいな。』
『また、飛行甲板、舷側に重装甲を施した装甲空母として改造する事になりました。』
装甲空母となった"信濃"は、公試を行い、特に大きな不具合も見つからなかった為、扶桑海軍に引き渡された。
完成した"信濃"は、角田覚治中将の第六艦隊第三航空機動艦隊に配属された。
第三航空機動艦隊は"信濃"を含めた艦艇の補充等を終えてすぐに、大西洋に派遣され、リベリオン艦隊とブリタニア艦隊との共同作戦に参加した。
『角田司令官って確か、、、、、、』
『隼鷹と飛鷹の2隻を指揮してる人ね。』
『昇進してるな、、、』
『山口多聞司令官も昇進して中将になれていますよ。』
『俺がか?』
『はい。』
『それで、共同作戦とはどのような物だったのか?』
作戦の内容が気になったのか、三笠が聞いてきた。他の者も興味があるようだ。
『続きを話しますね。』
第三航空機動艦隊は他の艦隊とともに扶桑海軍大西洋派遣艦隊として参加した。第三航空機機艦隊の他には、豊田副武中将直属の第六艦隊 第六戦隊等が参加していた。詳細は以下の通りだ。
扶桑艦隊
第六艦隊 第六戦隊 司令官 豊田副武中将(第六艦隊司令官兼任)
旗艦 戦艦 紀伊
兵力
・戦艦6隻
・重巡洋艦5隻
・軽巡洋艦2隻
・駆逐艦12隻
同艦隊 第三航空機動艦隊 司令官 角田 覚治中将
旗艦 空母 信濃
兵力
・空母6隻
・重巡洋艦2隻
・防空巡洋艦4隻
・防空駆逐艦4隻
・駆逐艦10隻
第六艦隊 第八水雷戦隊 司令官 西村 祥治少将
旗艦 防空装甲巡洋艦 九頭龍
兵力
・防空装甲巡洋艦2隻
・軽巡洋艦6隻
・駆逐艦18隻
『かなりの兵力だな、、、、、、』
『あの、装甲巡洋艦ってなんですか?』
『装甲巡洋艦とは、巡洋艦の一種で船体を防御する装甲帯と装甲板で覆われている事で他の巡洋艦と区別している。まぁ、現在はそのような艦は存在しないがな。』
蒼龍の質問は、はつせが答える前に三笠によって説明された。彼女の言う通り、現在装甲巡洋艦という艦種は存在しない。ただ、装甲巡洋艦に戦艦に匹敵する攻撃力を持たせた巡洋戦艦は今でも存在する。
装甲巡洋艦という区別が無くなった理由は、①装甲巡洋艦は装甲と砲力においてはどうしても戦艦には及ばない事。②水雷兵装の進歩に伴って巡洋艦にそれほど砲力が必要とされなくなった事。③ワシントン海軍軍縮条約によって巡洋艦の排水量と兵装に制限が加えられた事。④ロンドン海軍軍縮条約において、軽巡洋艦・重巡洋艦という新しい定義が生まれた事。 等が原因である。
『でも、はつせさんの世界では装甲巡洋艦は存在するんですよね?』
『はい。』
『だが、装甲巡洋艦と言う概念自体が消滅した筈だが?』
『確かに他国では装甲巡洋艦は消えました。ですが、扶桑海軍は装甲巡洋艦を建造しました。』
扶桑海軍が装甲巡洋艦を引き続き、建造したのには理由があった。
扶桑海軍では、戦艦と空母が急ピッチで建造されていた。それに伴い護衛艦の役割を担う駆逐艦と巡洋艦の建造も進められていた。その際、現場から防空に特価した巡洋艦・駆逐艦の建造が求められた。いわゆる、防空巡洋艦と防空駆逐艦である。
防空巡洋艦は他国で既に建造されていた。ブリタニア海軍のダイドー級巡洋艦。リベリオン海軍のアトランタ級巡洋艦等である。対して、扶桑海軍は防空駆逐艦は秋月型が建造されていたが、防空巡洋艦はまだ無かった。扶桑海軍の巡洋艦は砲力と水雷兵装を併せ持った艦隊決戦型の巡洋艦の建造が優先されていたからである。
そこで、それまでの概念を捨て、防空に特価した新型巡洋艦を設計・建造する事となった。
まず、水雷兵装は一切装備せず、対空兵装のみを装備する。それに伴い主砲は対空戦も可能な両用砲を装備する事。
そして、余力のある重量分を船体の防御力の強化に回す事。
それまでの巡洋艦とは違い、防空専門の防空巡洋艦として設計された新型巡洋艦は、幾度かの変更が行われ、最終的に2種の防空巡洋艦が建造された。それが九頭龍型防空装甲巡洋艦と、鞍馬型防空装甲巡洋艦である。どちらも全長は高雄型クラスで主砲は涼式72口径15センチ成層圏高角砲。砲力は軽巡洋艦並だが、防御力は重巡洋艦に匹敵するか、それ以上だった。
扶桑海軍では、防空装甲巡洋艦という分類だが、他国では巡洋艦又は防空巡洋艦と分類されている。重巡・軽巡に区別出来ないからである。
『実際、軽巡級の火力なら充分耐えられますし、重巡級でも重要防御区画なら耐えられます。』
『つまり、巡洋艦同士の戦闘にも十分対処出来るという事か?』
『そうなります。』
『流石に戦艦級のは耐えられませんよね?』
『それは流石に耐えれません。装甲化されていても所詮は巡洋艦ですから。』
『そりゃそうだな、、、、、、』
『それと、九頭龍型と鞍馬型にはある欠点があります。』
『欠点?』
『遅いんです。』
『遅い?』
彼女の言う遅いとは速力が他の巡洋艦に比べて、遅いと言う事である。高雄型重巡洋艦が最大35.8ノット(近代化改修後)なのに対し、九頭龍型は最大31.4ノット、鞍馬型は30.5ノット。重巡である高雄型よりも遅い。高速の空母部隊に随伴する防空艦としては致命的な欠点だった。速力が遅い理由は防御力を向上させる為重装甲になり、排水量が増加したからである。勿論、設計の時点でこの問題は明らかになっていたので、高出力の機関にしていたのだが、それでも巡洋艦としては遅い艦になってしまった。後により高出力の機関に換装し、九頭龍型33.2ノット、鞍馬型32.8ノットに向上した(これでもまだ遅いのだが)。
『やはり、装甲化の影響が出たんですね。』
『装甲を厚くすれば重くなるからな。』
『さて、話を戻します。一方のリベリオン、ブリタニア艦隊の編成は、、、』
扶桑海軍と共同作戦を取るリベリオン艦隊とブリタニア艦隊の編成は以下の通り
リベリオン海軍
第五艦隊 第33任務部隊 司令官 レイモンド・スプルーアンス中将(第五艦隊司令官兼任)
旗艦 空母バンカー・ヒル
兵力
・空母4隻
・軽空母3隻
・重巡洋艦2隻
・軽巡洋艦4隻
・駆逐艦10隻
同任務部隊 第五一砲撃支援部隊 司令官ウィリス・リー中将
旗艦 戦艦 ノース・カロライナ
兵力
・戦艦6隻
・重巡洋艦4隻
・軽巡洋艦2隻
・駆逐艦8隻
第五四砲撃支援部隊 司令官 モートン・デヨ少将
旗艦 戦艦 ミシシッピ
兵力
・戦艦4隻
・重巡洋艦2隻
・軽巡洋艦2隻
・駆逐艦6隻
ブリタニア艦隊
Z部隊 司令官 サイフリート中将
旗艦 巡洋戦艦 フッド
兵力
・巡洋戦艦1隻
・戦艦2隻
・空母2隻
・重巡洋艦2隻
・軽巡洋艦3隻
・駆逐艦8隻
X部隊 司令官 バロー少将
旗艦 重巡洋艦 ケント
兵力
・重巡洋艦6隻
・軽巡洋艦8隻
・駆逐艦14隻
『なんというか、、、かなり多いですね。』
『特に戦艦が多いな。』
艦隊編成を見た一同がまず思ったのはその点である。3カ国とも戦艦を含む艦隊であり、戦艦だけでも10隻を超える。この艦隊編成はある大規模作戦に参加する為の編成だった。
『と、話が逸れてしました。信濃はこの作戦が初陣となり、その後も大西洋で活動を続けます。』
『質問いいですか?』
『はい、どうぞ。』
『装甲空母とおっしゃいましたが、大鳳さんと同じくらいなのですか?』
『いえ、信濃は大鳳型よりもより重装甲です。船体に至っては大和型戦艦並ですよ。』
信濃の最大の特徴はその防御力の高さにあった。船体は勿論、貧弱である筈の飛行甲板も重装甲化されており、多少の雷爆撃ではビクともしない構造になっている。
『ふむ、、、実物を見てみたいものだな、、、』
話を聞いていた山口少将は実際に信濃を見てみたいと呟いた。すると、それを聞いていたはつせがある提案をした。
『三笠様、もし良ければ南雲中将達を信濃に案内しても宜しいでしょうか?』
『いいのか?』
『信濃は他の艦に比べれば機密性は低いです。それにこれから共同作戦に参加すれば見られます。』
『ふむ、、、、、』
『ただ、艦長の信濃さんに確認を取らないといけませんが、、、』
『少し考えさせてほしい。流石に全員で行くわけにはいかないからな。』
『分かりました。』
ひとまず、はつせのその言葉を最後に南雲中将達への説明会は終わった。
『この艦を見せるんですか?』
『あ、いや、信濃さんが嫌なら断りますけど。』
"赤城"から戻ったはつせ は、"信濃"を訪れていた。目的は勿論、先の提案の事を艦長である信濃に確認をとる為である。信濃は甲板であかしと作業内容の確認をしていた。
『いえ、そうじゃなくて、見せるって全て見せるんですか?』
『あー、そういう事か。』
『艦自体は特に問題ないと思いますが、艦載機はどうします?』
『海兎はともかく、噴進機はなぁ、、、、、、どうしようか。』
『私としては見せるのはやめた方がいいんじゃないかと、、、』
『なら、格納庫は見せないって事で。』
『納得しますか?』
『三笠様に事情を話せば大丈夫だよ。』
『成程。』
『はつせさん、車両全て移譲完了しました。』
『ご苦労さま、あかしさん。』
『いえいえ。私はまだやる事があるので、失礼します。』
あかしはやる事があるらしく、艦に戻って行った。
『取り敢えず、予定表でも作りますか?』
『そうだね。』
『では、艦内で。』
二人は艦内の艦長室で、予定表などを作成する作業を行う事にした。作業は30分程度で終わり、はつせ は自艦に戻った。
オリジナル艦の"九頭龍"型防空装甲巡洋艦と"鞍馬"型防空装甲巡洋艦が登場しました。防空駆逐艦の秋月型があるのだから、アトランタ級みたいな防空巡洋艦がいても不自然ではないだろうと思い、思い付いたのが上記の2隻です。他にもオリジナル艦は多数あります。勿論、海外艦にも。
では、次回をお楽しみに。