DIGIMON STORY デジモンに成った人間の物語 作:紅卵 由己
繁栄の二文字から棄てられた建物の並ぶ景色の中に、敵と断言出来る
それぞれ苦朗からすれば格下と断言出来る相手ではあるが、彼の近くには気を失い倒れて人間の姿に戻ってしまっている牙絡雑賀がいる。
(……まずいな)
敵の『組織』の目的は、司弩蒼矢に宿る『魔王』の力を引き出し手に入れる事。
縁芽苦郎の目的は、司弩蒼矢を殺害してでもその目論見を阻止する事。
目的の達成を最優先とするのであれば、苦朗は雑賀を見捨てて早急に司弩蒼矢の拉致された現場へと向かうべきなのだが、
そして、仮にこの状況に至る直前の状況を敵に見られていたとすれば、敵がこの状況において牙絡雑賀の事を縁芽苦郎にとって殺害を許容出来ない程度には『価値のある』相手だと認識してもおかしくはない。
故に、最初の行動は嫌でも予測出来た。
機械と竜を混ぜたような姿をした
無論、
(やはり……そう来るか!!)
一発でも直撃を許せば、変化の原型となっているデジモンの
苦朗が即座に右手を突き出すと、右腕に巻き付いていた鎖が『
鎖の指先は六発のミサイルを正確に貫き、あるいは掠め、損傷が一定のラインを超したのかミサイルは即座に起爆し、辺りに炎と風を撒き散らした。
苦朗はいちいちその結果を確認したりはしなかった。
突き出した右手を引き、飛び出させた鎖を一旦腕の中へと『収納』しながら、その視線を別の方向へと向ける。
即ち、ミサイルの迎撃に意識を向けた隙を狙わんと別の
(……奴等にとっては、時間さえ稼げれば十分なのだ。邪魔者である
先に放たれたミサイルと比べると速度こそ見劣りするが、その蝙蝠の正体は有害極まる暗黒物質。
迎撃自体は簡単に出来るが、その間に別の角度から新たな攻撃が放たれ、それに対して迎撃を行ってもまた別の角度から更なる攻撃が加えられる――受けに回る事しか出来ないそんな状況が続いても、状況は一向に好転しない。
苦朗は即座に意識を切り替えた。
足元で倒れ付している牙絡雑賀を左腕で肩に担ぎ上げ、暗黒物質の群れから逃れるように雑居ビルの上から身を投げ出す。
その背に有る六枚の翼で、宙を翔ける。
(……せめて、雑賀が自分の足で奴等から逃げ切る事が出来るのであれば庇護する必要も無いのだが……そのためには体の中を蝕む毒を解毒し、意識を取り戻させ、その上で体力まで回復させなければならん。くそ、重要な場面で『怠惰』の性質に心を引っ張られてしまうとは……)
根本的に牙絡雑賀が今人間の姿に戻されている原因は
そして生憎、縁芽苦朗は自身が付与した神経毒を解毒するための手段を持ち合わせていない。
元々、主に敵と呼べる相手に対してしか使う事が無い能力であるからという事情もあるが、何より『治療』と該当されるような力は魔王のようなウィルス種のデジモンの領分ではなく、全く真逆の立場にあるワクチン種のデジモンの領分なのだ。
(
敵は全員が飛翔能力を有しており、辺りは開けた路地だらけで身を隠せそうな場所は建物の中以外には見当たらない。
だが、仮に近場の建物の中に身を隠せたとしても、
離れる事も隠れる事も難しい状況。
実のところ、敵を倒す事が最も確実に安全を確保出来る方法である事は間違いないのだが、ここで懸念されるのはベルフェモンというデジモンの有する圧倒的な攻撃力だ。
現実世界のホビーミックスの一環においてデジモンの種族ごとの設定が記された『図鑑』ですら、単純な咆哮だけでも進化の段階が完全体以下のデジモンの体をデータ分解し即死させ、同列の究極体クラスのデジモンですらダメージを受けるほどの馬鹿力と説明されているほどに、ベルフェモンというデジモンは行動の一つ一つに対して生じる暴力の規模が尋常では無い。
敵を倒す事以上に、被害を限定させる事の方が難しいのだ。
拳や鎖を用いた『点』を突くような攻撃ではなく、広く『面』を制圧するような攻撃を放てば敵は一掃出来るかもしれないが、余程意識をして規模を限定させなければ真っ先に被害を被るのは庇うために左腕で担いでいる牙絡雑賀の体になってしまう。
(……一掃は難しい。であれば、やはり各個撃破が望ましいか……)
敵の追撃に注意を払いながら左腕に巻き付いている鎖を再度伸ばし、左手ごと雑賀の体を覆う形で巻き付ける。
瞬く間に鈍色の鎖が繭のような形を成して雑賀の体を縛り包み、その身を外部からの攻撃から遮る。
防護――と言うより、いっそ拘束か束縛と称した方が正しいのかもしれない。
ベルフェモンというデジモンの体に巻き付いている鎖は、本来自身や他者の防護のために存在するのではないのだから。
苦朗自身、鎖で作られた
種族の特徴として鎖に帯びさせているはずの『黒い炎』による
だから、所詮は応急措置。
その防護性を頼りにし続ける事は出来ない。
(どの道時間は掛けていられん。逃げと守りに専念しているだけでは奴等の思う壺だ……!!)
六枚の翼を羽ばたかせ、体に捻りを加える形で振り返る。
飛翔の速度を意図して落とすと、苦朗の行動の意図に感付いた三体の
そのついでと言わんばかりにミサイルや暗黒物質の弾幕が放たれると、苦朗は即座に右手を振りかぶり、その五指の爪から黒ではなく薄く淡い緑色の炎を噴出させながら、
「
横薙ぎの一閃。
建物と建物の間の空間そのものを引き裂くかのように右手を振るったかと思えば、なぞった軌跡がそのまま炎の刃と化して路地の空間を横断した。
進行を遮る有象無象の弾幕を纏めて塵芥に変え、そのままの速度を維持しながら敵対者の
だが、回避される程度は予測の範囲内。
故に、苦朗は右手を振るったと同時に六枚の翼に力を込め、三体の敵の中で最も厄介と言える者に向けて風を切って突撃していた。
即ち、宿す種族の個性としてミサイルを無尽蔵に放つ事が出来る
「……ッ!!」
接近に感付いた
だが、苦朗はその前に右手を再度振るい、腕の鎖を鞭のように敵対者に向けて叩き付ける。
右腕と左腕でそれぞれ力の伝導具合は
それでも究極体、それも上位の位に位置するデジモンの腕力を用いた一撃は、地に足を付けずとも十分な威力を有していた。
ドッ!! と、鈍く短くも確かな暴力の音が路地に響き、防御の姿勢を取る間も無く鎖の一撃を身に受けた
だが、
(……くっ、仕留め損なったか……!!)
口から赤い液体が吐き出される程度のダメージは与えたようだが、まだ
貴族が着るような礼服に身を包んだ赤肌の悪魔――フェレスモンと呼ばれるデジモンを宿した
瞬間的に反応して首を振り銃弾を回避するが、更にそこで露出度の高い黒の衣装に身を包んだ堕天使――レディーデビモンと呼ばれるデジモンを宿した
苦朗から見て、左側の方向から。
「チッ……!?」
「
いくら位が上と言えど、流石に脇の下や眼球などの急所を狙われてしまえば、
左手は腕の鎖で雑賀の身を防護するために鎖の檻で包んでいるため、肉弾戦には到底使えない。
かと言って右手で対処しようとすれば、続く攻撃に対しての対処が間に合わなくなるかもしれない。
そこまで可能性を視野に入れた
(それでも間に合わせる!!)
体を強引に捻り堕天使の姿を視界に捉え、右手で棘の先端を掴んで瞬時に砕く。
物理的な肉体ではなく衣装が変化した武器であるため、砕かれたとしても痛みはまったく感じていないらしい――続けて鋭利な爪を生やした右手による二撃目が迫る。
振るい切り裂くのではなく、突き出し刺し貫く形の「点」の攻撃。
それに対し、
すると、堕天使の振るわんとしていた右手どころか体全体が、見えない何かに圧されたかのように弾かれる。
「なっ……!?」
今まさに堕天使の心臓を貫こうとしていた右手を使い、辛うじて銃弾を手の甲で弾く。
だが、その僅かな間に堕天使は
(……今の銃弾……)
変化させた肉体の性能を考えれば、ただの銃弾で
堕天使を撃破出来る機会を先送りにしてでも銃弾の対処を優先したのには、ある理由があった。
(……『呪い』が付与されているな……)
レディーデビモンやフェレスモン等の
無論、呪いの手段や内容――その他にも付与した道具の相性によって呪いの効き目も変わってくるのだが――実を言うと、その中でも銃弾や刃物のような『凶器』の類の代物は相性が良い。
何故なら、有名な例として挙げられる藁人形に釘を打つ行為がそうであるように、根本的に『呪い』とは対象を害しようという意志が起源となっているのだから。
他人を害しようと考え振るう得物に、そういった悪意が宿らない方がおかしい。
であれば、赤膚の悪魔の手にある銃――そしてそこから放たれる弾丸にもまた、害意と言う名の
幸いにも右手で銃弾を弾いた際には甲の部分を覆うように装備されていた武具が擬似的な盾となり、呪いの影響を受けずに済んでいるのだが、生身の部分で受けていた場合は少なからずその毒素に体を蝕まれていたかもしれない。
(フェレスモンというデジモンが得意とする技は……確か『ブラックスタチュー』という名前だったか。対象にした相手を黒い石像に変えるという効果だけが明らかになっている一方で、具体的な方法までは『図鑑』にも記載されていない……つまり
思考している間にも攻防は続く。
正面からは黒衣を纏う堕天使が暗黒物質の群れを放ち、仕損じた
二種類の攻撃による前後の方向からの弾幕を上空へと飛翔することで回避する苦朗だったが、その動く先を読むように赤肌の悪魔が魔の弾丸を放ってくる。
「……チィッ!!」
今度の弾丸は、六枚ある翼の中で右下の翼に命中したらしい。
危惧していた通り、呪いの毒牙が被弾した部位である翼を蝕んできた。
それも、徐々に翼の一枚どころか全体――いや、体全体を石化させようとする形で。
当然、飛行能力にも重大な支障が出始める。
(……まずい、翼が思うように動かせん!! このままでは回避もままならぬ!!)
銃弾に込められた石化の
だが、そのためには一旦意識を呪いの影響下にある部位へと向ける必要がある。
当然の如く、堕天使と機竜の
(間に合えッ!!)
視界に、迫り来る誘導兵器と暗黒物質が映る中。
強く念じ、体を黒く硬く重く染め上げようとする毒素を自家生産の毒素で塗り潰す。
だが、翼の感覚が元の状態に戻った時点で、まず回避が間に合わない至近の距離に敵の攻撃が迫り来ている。
咄嗟に左腕を動かし、雑賀を護る鎖の檻ごと背中の方へと回すのが精一杯だった。
直後に、誘導兵器と暗黒物質――二種類の攻撃が魔王の体に着弾する。
視界が、主にミサイルの起爆によって生じた黒い煙によって遮られる。
「くっ……」
宿すデジモンの
それでも決してダメージが『無い』わけではなく、爆炎と闇の炎に焼かれる体の各部が痛みの感覚を発してくるが、そんな事はどうでも良かった。
追撃を受けているこの状況で、煙に視界を遮られたという事実の方が重要だった。
体勢を戻して六枚の翼を動かし、局所的な強風を生み出す事で煙を吹き飛ばすと、
「
ミサイルを放っていた機械の両手が、今度はあらゆる物質を切断出来る五指の爪でもって直接襲い掛かって来る。
機械の両手を振るう動きは生身のそれと比較すると重く、速度自体も肉眼で十分に見切る事が出来る程度のもの。
故に、それ自体は右手で素早く弾く事で対処する事が出来たのだが、
(もう片方は何処から……っ!?)
視界に入っていたのは
であれば、追撃を仕掛けてくるはずのもう片方――
だが、位置を特定しようにも、至近距離からの敵の攻撃を右手一本で対処しなければならない状況で別の方向に対して視線を投げるだけの余裕は無く。
「
ザシュッッ!! と。
直後に、死角となった側面より必殺の一撃が右の脇腹に向けて突き立てられた。
「がっ……は!?」
苦痛の声が、赤い血が、口から漏れる。
暗黒物質やミサイルを受けた時とは比べ物にならない、焼け付くような激痛が意識を揺らす。
眼球だけを動かして、攻撃してきた者の姿を見た。
考えるまでも無く、
「――流石に効いたみたいね。あたしの一撃のお味はいかが?」
「……貴様等……」
痛みに堪えながら、
「……そんなにリヴァイアモンの力が魅力的か? 動作だけでも確実に多くを破壊してしまう怪物だぞ……」
「同じく『七大魔王』を宿している男とは思えない台詞だな。いや、むしろだからこそなのか?」
「ベルフェモンってデジモンの力が情報通りなら、咆哮を放たれるだけであたし達は皆殺しにされててもおかしくなかった。なのにそうなってないのは、周りを巻き込みたくないって考えが少なからずあるからでしょうしね。その鎖で護っている誰かさんとか」
「…………」
「正直、あたし達からすれば不安要素の除去って意味合いが強いわね。『七大魔王』……厳密にはそれに進化した経歴を持つ個体を宿した
「……やはり、貴様等『グリード』
「聞くに
目の前の敵対する
知っていたからでこそ、二人の
ああ、相変わらずの
「……ヤツの企む事だ。今回の一件……目的はリヴァイアモンの
「そう。確実に邪魔しに向かって来るであろうあなたを、出来れば捕らえるか殺す。そんな指示も送られているわね。何せ……」
そして、堕天使は言った。
義理の妹にはもちろん、鎖の檻で護っている少年にも伝えていなかった、ある事実を。
「あなた、少し前に『シナリオライター』の構成員と戦って致命傷を負っていたらしいじゃない。どういう理由で戦ったのかまでは情報が行き届いてないけどね」
自分の触れられたくない部分に土足で踏み込まれた時のような、敵意ある変化だった。
「……何故、貴様等がその情報を持っている? あの時の出来事を、隠れて記録でもしていたのか」
「ある『情報屋』の筋とだけしか聞いてないわよ。……そして、今重要なのは情報の出所なんかじゃない。想定外の要因があったとはいえ、こうしてあたし達があなたを殺しかける所まで追い詰める事が出来たという事実だけよ」
「…………」
「選びなさい。あたし達『グリード』の仲間になるか、この場に死ぬか」
いっそ
苦朗は一秒も迷わずにこう答えた。
「死んでも断る」
「じゃあ死ね」
簡潔な、いっそ軽ささえ感じる言葉の直後だった。
堕天使は、
赤い血が漏れ出し、痛みに悶えて思わず動きを鈍らせてしまう
傷口に塩を塗る――などというレベルの話ではなかった。
堕天使が吹きかけて来た赤黒いものは、傷口を通って
――レディーデビモンというデジモンには、二種類の必殺技がある。
一つは暗黒物質を無数に放ち、触れた相手を焼き尽くす『ダークネスウェーブ』。
そして、もう一つの必殺技――たった今
その効果は、相手の持つ『
つまる所、相手が強ければ強いほどに効力を増す魔性の劇毒。
それは、対象が格上で堕天使と同じく『闇』の属性を宿す魔王であろうと例外ではない――ッ!!
「――ぐっ、あああああ!!?」
体中の血液が一斉に沸騰させられたかのような、圧倒的な激痛の波が
単なる力の総量であれば、彼の力は堕天使の力を遥かに上回っているのだが、その内包している『力』の性質そのものを『自らの力』に相転移――変質させる『プワゾン』の効果によって、拒絶反応にも似た破壊の連鎖が体の内側で巻き起こっているのだ。
痛みに反応している場合ではないと理解していて尚、悶えて動きを止めてしまうほどの痛み。
そして当然、殺す事を選択した敵がそんな隙を見逃すわけが無く。
「
痛みに悶え無防備な姿を晒してしまった
着弾し炸裂した爆発の音を、果たして正しく認識出来たか否か。
外側と内側――その両面から多大なダメージを受けた
それと同時に、牙絡雑賀の体を敵の攻撃から護っていた鎖の檻が
「……ぐぅぅぅっ……」
(……雑、賀は……)
意識を保とうとするだけで、体中を駆け巡る煮え滾るような痛みが襲い掛かってくる。
それでも、彼は左腕の鎖に意識を集中させ、辛うじて鎖の檻が解けないようにしていた。
(……死なせて、たまるものか……)
目的を重視するのであれば、率直に言って牙絡雑賀という男を見捨てるべきであった事ぐらい、彼自身理解はしていた。
目的を果たせず最悪の事態に至った場合の、後に出る可能性がある被害の規模を考えれば、尚の事。
それでも見捨てる事が出来なかった理由は、たった一つ。
(……こいつは、好夢の友達だ)
彼は覚えている。
ある少年が日常の中から『いなくなった』時。
より正確に言えば、その情報がニュースという形で伝わった時。
義理の妹が浮かべた、辛そうな表情を。
(……こいつが死んだり、会えなくなったりしたら……またあんな顔をさせてしまうんだろう)
そんな顔をさせたくなかった。
ずっと前から、義理の妹の幸せな日々を守ると心に決めていた。
あの少女の周りの世界を、どれだけ不恰好であっても守り抜こうと決めていた。
(それだけは、絶対に認められん)
ここで体勢を元に戻せたとしても、状況が絶望的なのは理解している。
得意とする必殺の技も技術も用いる事は許されず、生身の人間を護るためにも被弾は極力最小限に留め、更にはそんな制約の上で早急に三人の
目論見の阻止に間に合わなかった場合、
率直に言って、牙絡雑賀がただ目を覚まして自力で逃げてもらうだけではこの状況を打破する事は難しい。
だから、彼は。
怠惰の魔王ベルフェモンを宿す
(……
「ぐっ、おおおおおおおおおおおっ!!」
彼の取った行動はシンプルだった。
牙絡雑賀の体を覆う左腕の鎖の檻――それに右手で触れ、念じただけ。
その瞬間、左腕の鎖の檻に淡い緑色の炎が灯り、燃え広がる。
一見、内部にいる人間を焼き殺しかねない行為にしか見えないが――無論、そんな考えは毛頭ない。
実のところ、ベルフェモンというデジモンが内包している二色の炎は、赤肌の悪魔が銃弾に込めているのと同じ『呪い』という
だが、仮の話として。
実際に『呪い』という超常現象を現実に引き起こせる者の、誰かを害しようと思う感情が起源となり炎という形で様々なものを焼き焦がすのであれば。
そんな超常現象を現実に引き起こせる可能性を持つ者が、害意とは異なる感情を起源として力を発揮した場合、同じ形であってもその効果は変わるのではないだろうか?
例えば必殺技に用いている淡い緑色をした『地獄の炎』を、触れたもの全てを焼き焦がす
その行為を、あるいはデジモンに関する
デジソウルチャージ、と。
何かをしようとしている――そう判断したのであろう敵の
全ては、義理の妹の幸せな日々のため。
そのためなら、彼は自らの命を削るような行為にだって躊躇はしない。
彼は意識を焼くような痛みに苦しみながら、それでも尚意識を保ち続けて。
歯を食い縛って。
耐え続けて。
そして。
と、そんなわけで最新話でしたが……いかがだったでしょうか?
途中で別の視点を入れ込む余地も無く一話丸々戦闘回だZE!! 防衛戦に空中戦に劣勢に縛りプレイに面倒臭すぎる要素がたっぷりな内容で、かーなーりー難産な話でしたわ。
本当ならここから更に『もう一方』の視点も入れてってつもりだったのですが、流石に長引きすぎるのでここで一旦の区切り。
七大魔王デジモンにも色々魔法攻撃メインだったり物理攻撃メインだったり何だかんだ『タイプ』ってのはあるわけですが、この作品におけるベルフェモンは今回の話を見ての通り『呪い(呪術)』という枠組みの力を用いているという扱いとなっています。他の大体の魔王は魔法陣とかその場で構築して攻撃する必殺技を使っているけど、どう見ても肉体派なベルフェモンの鎖の炎とかは何を起源にして生み出されているの? そもそも何で寝息にダメージ判定が生じているの? という疑問に対する一つの答えとして、害意によって超常を生み出す『呪い』という例を挙げさせていただきました。
魔法や魔術といった例も無論あるにはあるのですが、ベルフェモンの場合はこっちかなぁと。
同じく『呪い』の力を使う者として、敵側にはフェレスモンのデューマンを登場させました。銃弾に『ブラックスタチュー』の呪いを付与させて、ただ狙撃させるだけでもある程度の脅威は感じられる相手には出来たかなと。『呪い』の力に関する設定は、割と使い勝手が良くて闇の種族(ナイトメア・ソルジャーズ)のデジモンの脅威度を増す事にも一躍買いそうです。
さて、次回は視点を変えて今回の事件の本筋である『あっち側』の視点の話になります。
牙絡雑賀と縁芽苦郎はどうなるのか。
司弩蒼矢と磯月波音、そして縁芽好夢はどうなるのか。
それでは、次回もお楽しみに。