ハイスクールD×555   作:白尾芯

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幕間 其の二

《小猫side》

 

蓮先輩とオカルト研究部との話し合いからその週の日曜日。

私はその時渡されたメモを頼りに蓮先輩の家へ向かっていた。

 

「…ここですか」

 

本当にギリギリのところで駒王町に入っていない。

気になったので携帯でこの町と駒王町を確認し高校の場所を見てみる。確かに、この町の高校よりも駒王学園の方が近い。

これなら蓮先輩が駒王学園に来た理由もわかる。

 

気になった事を確認し、先輩の家のインターホンを押す。

中から蓮先輩が顔を出す。

 

「おう、来たか。入れよ」

 

私は蓮先輩の事に素直に従って中に入る。

 

「実は、黒歌にはお前が今日来ることは秘密にしてあるんだ。あいつの驚く顔が見たくてな」

 

蓮先輩は良い顔でそう言いました。

その顔はまるで私にここまでの鬱憤を晴らしてやれといいたげな表情でした。

私は当然、

 

「…ええ、私も気になりますね。姉様が驚く様を」

 

それを了承。ちょうど良いです。こっちは何年も迷惑かけられているんですから、ちょっとぐらいイタズラに会って貰います。

 

そう言うと蓮先輩は軽くうなずいた後、姉様の名前を呼びました。私は蓮先輩の後ろに隠れます。

 

「黒歌。ちょっといいか」

 

「何にゃ、蓮。さっきの客はどうしたのにゃ?」

 

姉様が来たところで私が顔を出す。

 

「…ご無沙汰しております。姉様」

 

「にゃ!?し、白音!?」

 

姉様はそう驚いた後、逃げたした。って、逃げた!?

 

「おい逃げるな黒歌!」

 

「何で白音を呼んだのにゃ!?まだ、どうしようか悩んでたのに!!」

 

「お前がそうやって迷ってるからだろうが!」

 

そんな感じで蓮先輩と姉様の鬼ごっこが始まる。しかし、そんな長く続かなかった。

 

「チッ!逃げ足早いな…。グレイフィア!」

 

「かしこまりました」

 

蓮先輩がそう言うと、何処からかメイドが出てくる。

グレイフィアと呼ばれたメイドは姉様を捕まえる。

と言うか、家にメイドがいるって、蓮先輩は何者なんですか。

 

姉様はそのメイドに床に押さえつけられる。

姉様はもがいて抜け出そうとするが、微動だにしない。

 

「は、離すのにゃ、グレイフィア!蓮もグレイフィアを呼ぶなんてひどいのにゃ!」

 

「うるせえ!お前が逃げるからだろうが!逃げなければこんな事をしなくても済んだんだよ!」

 

「黒歌、大人しくしなさい」

 

「絶対に逃げてやる~!」

 

「ほう。ではお仕置きを…「話を聞くにゃ」…よろしい」

 

そう言うと姉様は、嘘のように大人しくなった。

しかし、メイドはそれだけではすまなかった。

 

「ですが、目の前で妹から逃げるのは許せませんね。ここは妹様に殺って貰いましょう」

 

「何でにゃ!?あとなんかやるって言う言葉もなんか違うにゃ!?」

 

姉様が何か言っているが、私はグレイフィアさんに感謝しつつ、姉様の方に歩いていく。

…拳を握りしめて。

 

「…姉様、覚悟」

 

「なんか白音の方も乗り気だし!どうやって私を殺るつもり!?」

 

「…拳で」

 

「時事ネタはいいから!さすがに白音の拳はまずいから!!えっ、ちょ、まさか本気でやらないよね?ねぇ、待ってぇぇぇぇぇ!」

 

そう言う姉様に私は拳を頭に振り下ろした。

 

 

 

 

「ひどいのにゃ。ひどいのにゃ。少し混乱して逃げただけなのにこんな仕打ち、ひどいにゃ……」

 

「お前が逃げるからだろうが。早く座って話しろ」

 

黒歌姉様を気絶させ、数分後。

目が覚めた姉様はそんなことを言いながら部屋の隅で体育座りをしていた。

先輩は姉様を半ば強制的に椅子に座らせ、話をさせようとする。

姉様はこれ以上の仕打ちは嫌なのか大人しく椅子に座った。

 

「…あの、蓮先輩。その隣にいるメイドさんは…?」

 

「ああ、グレイフィアだ。家で家事を任せている。んで黒歌の抑制剤」

 

まあ、確かに姉様を押さえ込んでいましたし、相当な実力者なのでしょう。

姉様の抑制剤なのも頷けます。

 

「…まあ、それは分かりました。姉様が迷惑を掛けていることも分かりました」

 

「うぅ、それ以上言わないで~」

 

「…それより姉様。話を聞かせてください。それとさっき逃げた理由も含めて」

 

「うぅ、分かったにゃ」

 

そう言って姉様は話始めました。

 

「私が白音を置いていった理由は、前の主から逃がすためよ」

 

「…どう言う事ですか?」

 

「前の主は私が仙術を使えることを知って、私を眷属にしたのよ。勿論、猫魈ってのも関係しているけどね。話を続けると、私が悪魔になった時、その主と契約したのよ。妹に手は出さないって。そいつは了解してくれたわ。その時は」

 

姉様は裏でそんなことをやっていたのですか!しかし、それなら主を殺す必要もないはずだし、その時はとはどう言う事か。

 

「そいつは良くしてくれたわよ。二人で暮らす分には不自由無いくらい。でもあるとき事件が起きたの。それは私の仙術が重症になった眷属を直ぐに元に治し、その重症に追い込んだ敵を仙術で殺した事」

 

「…!仙術で殺したんですか!?」

 

「ええ、そうしないと誰も助からなかったからやむ無くね。私も嫌だった。でもそれを見せたことでアイツは気付いてしまったの。仙術の汎用性の高さに」

 

「………」

 

「そいつはその戦闘力と回復力に目をつけてしまい、妹だからこいつも仙術を使えるだろうと言う理由で、無理やり白音に仙術を覚えさせ、眷属に加えようとした。仙術のリスクも無視して…」

 

「…仙術のリスク?」

 

「そう、仙術は無理して覚えようとすると力が暴走、逆流してしまう恐れがあるの。こうなると討伐されるか逆流によって体が破裂し死ぬしかなくなるの」

 

「…それを無視して…。――ッ!まさかそれで!」

 

「そう、白音を助けるために、主を殺して逃げ出した」

 

そんな、そんな事あったなんて!姉様が主を殺したのは私を助けるためで正当防衛であって、暴走なんかじゃなかった!

私はその事に喜んで、その後その事を知らなかった自分を攻めたくなった。

私のせいで姉様は追われる身になってしまったのだと思うと自分の無力さにひどく悔しくなった。

 

「その後、SS級はぐれ悪魔になってしまったことで白音をおいて逃げることにしたの。で、傷ついた私を拾って助けてくれたのが蓮ってわけなの。ごめんなさい白音。あなたを置いていって」

 

「…姉様、うわぁぁぁぁぁん!」

 

 

「白音ぇぇぇぇぇ!」

 

私と姉様は抱きついて泣いた。

 

 

 

 

 

「本当にごめんにゃ白音。あの時置いていって。何回謝罪しても足りないわ。」

 

数分後、私と姉様が泣き止み、姉様がそう口にしたので私も謝罪しようと口を開く。

 

「…姉様は悪くありません。悪いのは私です。無力な私が悪いんで「それは自意識過剰だ」え?」

 

私の言葉を遮って蓮先輩が言ってくる。

 

「その時お前は生まれたばかりのただの妖怪だったんだろ。力がないのは当たり前だ。自分を攻めるな。自分を攻める位なら強くなれ。黒歌の謝罪を無駄にするな。じゃあ、後は二人で話し合いな。積もる話もあるだろうしな」

 

本当に空気が読めますね。

 

「…はい。ありがとうございます」

 

「分かったにゃ。で、蓮はどこに行くつもりにゃ?」

 

「ちょっと散歩にな」

 

そう言って蓮先輩は出ていった。

 

《小猫side out》

 

 

 

 

《蓮side》

 

俺は二人のいる部屋から出て廊下にいるグレイフィアに話しかける。

 

「ちょっと外の奴ら追い払ってくる」

 

「蓮様、私が行きましょうか?」

 

グレイフィアも感じているようだ。

 

「いや、いい。あいつらは一応小猫の部活の仲間だ。ついでにそのなかには変態がいるからな。お前を出したらキモい目で見られるぞ」

 

「それは…」

 

グレイフィアも嫌がっているようだ。

 

「嫌だろ?適材適所だ。じゃ、行ってくる」

 

そう言って家の玄関から出てそいつらがいる場所に向かう。

そいつらは家から2、300m離れた場所にいた。

俺はそいつらに話しかける。

 

「テメーら何やってやがる」

 

「ッ!あなたは!」

 

俺が声をかけるとオカルト研究部メンバーが振り替えり、驚く。

 

「前に話したろ。小猫の事には首を突っ込んじゃねぇって」

 

「それでも、小猫は私の眷属よ!知っちゃいけないなんて――――ッ!」

 

グレモリーの言葉が止まる。

それはそうだろう。何せ今腰にベルトを巻いて、右手にはファイズフォンを持っているのだから。

 

「それ以上口にするなよ。もうそろそろキレそうなんだ。お前もコカビエルと同じ風になりたいか?」

 

そう言うと兵藤が怒って口を開く。

 

「てめぇ!卑怯だぞ!そんなの脅しじゃねーかよ!」

 

「当たり前だ。脅してんだからよ。さて、灰になりたくなかったら帰れ。今だけは見逃してやる」

 

「灰になるなんて怖くね「やめなさい!イッセー!」何でですか部長!部長と俺たちなら簡単に…!」

 

「相手の力量を見極めなさいイッセー。私たちじゃ勝てないわ。大人しく帰るわよ」

 

「でも部長!」

 

「これは命令よ!言うことを聞いてイッセー!」

 

「ッ!分かりました…」

 

そう言ってオカルト研究部は帰った。

一人を除いて。

 

「おい、お前も帰れ、姫島」

 

「最後に質問いいでしょうか」

 

「…一回だけだぞ。何だ」

 

「私とお母様を助けてくれたあの時、私を助けてくれたのはあなたですか…?」

 

「…ああ、それがどうした」

 

俺がそう言うと姫島が頭を下げた。

 

「あの時は助けていただき、ありがとうございました。あなたのおかげで私達は生きています」

 

「…お礼なんかいらねぇよ。それよりお前、何で雷しか使わねーんだよ。バラキエルは?」

 

「それが、まだ早いと言われまして…」

 

俺はその事を聞いてバラキエルが過保護すぎることに呆れた。

 

「…バラキエルに伝言だ。雷光を覚えさせてやれってな。俺が見る限り大丈夫だろ」

 

「!分かりました」

 

「それと、お前が面白いやつになったら苗字だけだが許してやるよ」

 

「…うふふ、俄然やる気が出ましたわ!直ぐに覚えてきます!」

 

そう言って姫島は走ってオカルト研究部のメンバーに戻っていった。

さて、追っ払えたし、帰るか。

 

 

 

 

帰ったら何か小猫と黒歌がスッゲー仲良くなってた。

よかったよかった。

帰り際に小猫にこの家に入るための専用のペンダントを作って上げたら、ここに住みたいと言ったので一応お前の王に許可もらってきたらなと言ったら貰ってきますと言って帰って行った。

 

 

朝。

起きたら目の前に小猫の顔があった。

少しびっくりした。

小猫は無事、許可を得てきたようだ。

タンスとかの荷物はまた持ってくるとの事だ。

 

《蓮side out》

 

《小猫side》

 

私が蓮先輩の家から帰って来て直ぐに部長に許可を貰いに行った。

 

「部長、蓮先輩が一緒に住んで良いと言っているので許可貰えますか」

 

私が部長にそう聞きに行くと部長は少し考えて、

 

「いいわ。一人でも監視に付いてくれたら私も楽だし」

 

そう言ってくれたので、私は直ぐに身支度をし、貰ったペンダントを握りしめ、蓮先輩の家へ行った。

 

家に入ると蓮先輩はもう寝ていたので寝顔を眺めていたら、寝てしまったらしく、朝起きたら目の前に蓮先輩の顔があったので恥ずかしくなって飛び起きました。

でも悪くはなかった…かな?




コカビエル編終了。
次回からは会談です。

遅れてすみません。
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