ハイスクールD×555   作:白尾芯

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お久しぶりです。CCCコラボやらCBCやら仕事やらで忙しかった白尾芯です

ソウゴとゲイツが仲直りしましたね。
良かったです。と言うかあのコンビチートすぎじゃね?

話が逸れました。ではどうぞ。


灰の獣達のパーティー 後編

あのあと蓮は直ぐに魔方陣を起動させ家に戻っていた。

 

「まさかこれ以上は必要ないなと思ってたらこんな事になるとはな…。しかも三十体以上のオルフェノクが来るとは…。分からねぇもんだな」

 

そう言ってファイズギアが入ったトランクを持つ。しかし、

 

「…流石に三十体は俺一人じゃ厳しい。けど…」

 

そう考え、一瞬迷い、蓮は薬品が入った戸棚を明け一本の瓶を持ち、そしてカイザギアをアイテムに収納させ冥界に戻った。

 

「あいつが嫌だって言ったら一人で戦おう。覚悟は……出来てる。」

 

そう言って避難所の方に走って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

蓮はオルフェノクの状況を探りながら少々人気の無い所で待っていると避難をさせていた面々が集まって来た。

 

「蓮、避難は終わったわよ。いや、終わったって言うよりあの魔王様とその眷属が率先してやってたから押し付けてきたわ。向こうも快く受けてくれたしね」

 

黒歌がそう言うと他の人も頷く。

 

「そうか、ご苦労様だ。さてと俺はあの大軍を倒しにいく。だからお前らは避難所にいろ。いいな」

 

蓮がそう言うと、

 

『嫌(です)(にゃ)(よ)』

 

「お前らなぁ…。予想通りの返答してんじゃねぇよ」

 

返ってきたのは当然のごとく拒否の言葉だった。

 

「流石に蓮様でもあの大軍を倒すことは無理でしょう?」

 

「まぁ…な。考えた結果今回は恥ずかしながら俺だけじゃ厳しい。だから手伝ってくれるなら手伝ってほしい。特にロスヴァイセ」

 

「私…ですか?でも、私の攻撃では…」

 

俺はそう言うロスヴァイセに一本の瓶を見せる。

 

「これは?」

 

「それは『チェンジカイザー1』って言うドリンクだ。別の名前にすると『変身一発』」

 

「名前、もう少しどうにかなりませんでしたか?」

 

そうツッコミをいれるレイナーレに蓮は淡々と言う。

 

「これが一番効力が分かりやすいと思ったからな」

 

そう言って蓮は説明を始める。

 

「このドリンクは()()()()カイザに変身して解除しても生きていられる」

 

『!?』

 

その言葉に皆は驚く。

 

「もう一回言うが一回だけだ。当然強制解除されたらそれも一回とカウントされる。だから強制解除されたらベルトを捨ててもいい。逃げろ。いいな」

 

「そ、それは大丈夫なんですか?」

 

「ベルトよりも命の方が大事だ。生きていれば取り返せる時期が来る。命がなくなったらそれも来ないからな」

 

「あの、このドリンクがあるなら私たちでもいいのでは?」

 

「このドリンクは少々欠陥品でな、人間以外が飲んでも効力を発揮しないんだ。何でか分かんないがな。ついでに一回だけってのも欠陥品だからだ。そもそも何回も作ってやっと出来たマシなのがこれなんだ」

 

「だから…私だけ…」

 

そう言うとロスヴァイセは少し静かになる。

 

「嫌ならいいんだ。実際俺もお前を危険な目には…」

 

「何言ってるんですか?」

 

そう言ってロスヴァイセは蓮の持っていた瓶を取る。

 

「やっと貴方に恩を返せるチャンス何です。そんなチャンスをみすみす逃すような事はしませんよ」

 

「…フッ、そうかよ。恩を売った覚えはないが手伝ってくれるならありがとうよ」

 

瓶の中身を飲んでいるロスヴァイセにお礼を言う俺。

ロスヴァイセがその瓶の中身を飲み終え、瓶を仕舞うと同時にカイザギアを渡した。

受け取ったロスヴァイセはベルトを越に巻くと、ふと疑問に思ったことを呟いた。

 

「あの…なぜデルタでなくてカイザにしたんですか?デルタならあの貴重なドリンクを飲まなくても変身出来ていたはずでは?」

 

「確かにデルタならドリンクを飲まなくても変身出来るとは思う。が、変身解除した後の事を考えるとドリンクを飲んだ方が格段にリスクが下がるからな。そもそもデルタじゃ、一対多は少々キツい。だって武器は銃一本と素手だからな。だからまだ剣を使えるカイザの方がお前も楽だろ?元ヴァルキリーとしてな」

 

「それもそうですね」

 

ロスヴァイセはそう納得し腰にベルトを巻く。

蓮もファイズギアを腰に巻き、二人同時にファイズフォンとカイザフォンのボタンを押す。

 

『5・5・5』『9・1・3』

 

『『standing by』』

 

「「変身!!」」

 

『『complete』』

 

俺達は光に包まれ、光が収まるとそこには赤の戦士ファイズと黄の戦士カイザがいた。

 

「あの大軍は歩いているのかまだそこまで進行していない。だからバイクで急いでいくぞ。カイザのコードは9821だ」

 

「はい!」

 

『5・8・2・1』『Auto Vajin,comeclose』

 

『9・8・2・1』『Side Basher,comeclose』

 

コードを入力するとすぐ近くに二つの魔方陣が現れそこからオートバジンとサイドバッシャーが現れた。

俺達はそれに股がる。

 

「お前らは危険だから絶対に来るんじゃねぇぞ!やるなら避難所に結界を張る位にしとけ!」

 

『分かりました(分かったわ)』

 

そう返事をし、戻る皆。しかし黒歌だけこちらを見ていた。

 

「ロスヴァイセ、蓮」

 

 

「はい?」「なんだ」

 

「死なないでね」

 

「わかっています」「当たり前だ」

 

そう言って俺達は走っていった。後ろからの視線を感じながら。

 

安心しろ、黒歌。俺は、俺達は絶対に死なねぇからよ。ちゃっちゃと片付けてくる。

 

~蓮side out~

 

 

 

 

一人の悪魔が姿を消し空を飛びながらオルフェノクの大軍が進行しているのを確認していると、どこからかバイクの音が聞こえた。

その音にオルフェノクの大軍が一斉に足を止め回りを見る。

その状況を見ていた悪魔も音の正体を探す

 

そして一体のオルフェノクに赤と黄色の弾のようなものが当たった。

オルフェノクは弾が流れてきた方向を向く。

悪魔もその方向に向くと、二つの影が走ってきた。

突然のことでオルフェノク達は咄嗟に動くことが出来ず、その大軍のなかを二つの赤と黄色の影が通り過ぎて行き、オルフェノクを弾き飛ばし、二つの大軍に分けた。

 

悪魔はその姿を見たとき酷く驚き、そして希望の表情になった。

 

「ああ、あの伝説の戦士が来てくれた…」

 

悪魔は泣きながらそう言うと赤の戦士がこっちを向いた。いつの間にか魔術が切れて姿が現れていたようだ。

赤の戦士――ファイズが言う。

 

「魔王に言っておけここには誰一人として来るんじゃねぇぞってな。もちろん偵察も変な撮影もだ」

 

黄の戦士――カイザもその言葉に頷く。

悪魔は泣きながら転移魔法で魔王のもとへ向かった。

 

ちなみに隠れて中継していた悪魔もその事を聞いていたため、素直に戻っていくと同時に『伝説再び!?二人の戦士が駆けつけた!』と言うテロップで冥界の人々に放送していたため、誰もそこには近づこうともしなかった。

 

 

ただ一人除いて。

 

 

 

 

 

 

 

 

「さてと、邪魔は居なくなったし二つに分けた。そっちは頼むぞ、ロスヴァイセ。ハッ」

 

「分かりました!ロスヴァイセ、行きます!」

 

二人はオルフェノクの大軍に向かっていった。

 

 

「ハッ!オラッ!」

 

蓮はオートバジンから取ったファイズエッジで切っていく。がオルフェノクは操られているため少しよろけると直ぐファイズに向かっていく。攻撃を避けた蓮はENTERを押す。

 

「めんどくせぇな、ハッ!」

 

『EXCEED CHARGE』

 

「ハァァァ…フッ!ハッ!オラァッ!」

 

蓮はファイズエッジで四体を同時に葬り去るがまだ十数体ものオルフェノクがいた。

ちらりとカイザを見ると、そこには吹っ飛ばされて遠くの岩にぶつかっているカイザがいた。

 

「ロスヴァイセッ!くそがッ!邪魔だ!どけ!」

 

そう言ってまた向かって行った。

 

「すまねぇロスヴァイセ…!少しだけ耐えてくれ!」

 

 

 

 

 

~ロスヴァイセside~

 

「ハッ!ヤァッ!」

 

私は蓮さんに憧れていた。あの時、北欧でオルフェノクから助けてくれたときからずっとだ。

私には一生カッコいい英雄何て現れないと思っていたときオルフェノクに襲われ、攻撃するも効かなくて、ただ逃げていた。そして追い付かれ、殺される。そう思ったとき彼が現れた。

 

「くぅッ!オリャッ!」

 

その時私は不謹慎ながらも思ってしまった。本当の英雄が、私のために来てくれたって。私が本当に使えるべき人は神ではなくこの人なんだって。

元ヴァルキリーながらもひどい発想だ。その後主神に辞表を出し、彼に付いて日本に来た。辞表を出した時、先輩から止められたけど振り切って付いていった。でも不思議と後悔とか罪悪感は無かった。その後彼と彼のお母様は色々と与えてくれた。衣食住、職場、力、絆、信頼、恋心…沢山の物をくれた。

だから、今回の事で力になれる事が嬉しかった。

 

 

『ENTER』『EXCEED CHARGE』

 

「ハァッ!」

ロスヴァイセはカイザブレイガンで敵を二体同時に倒した。

 

恩を少しでも返したいと思っていた私にはここしか無いと思った。だから少しでも蓮さんの力になりたいと思った。

 

「うっ!ぐあッ!」

しかしオルフェノクが隙を付いてロスヴァイセを弾き飛ばした。

 

そう思ったのに、

 

「ロスヴァイセッ!くそがッ!邪魔だ!どけ!」

 

思ったのに、

 

「うっ!ガッ!うぐぅ!」

 

思ったのに、なんだこの有り様は。力になるどころかこれでは足手まといじゃないですか。

 

そう思い立ち上がるロスヴァイセ。だが直ぐにオルフェノクに殴られる。

「うがっ!ああッ!」

そしてまた殴り飛ばされ…、変身が、解除された。

倒れたロスヴァイセの近くにカイザギアが落ちる。

ファイズの姿が遠くに見える。

 

ああ、まだ、まだ、まだ、私はあの人の、彼の力になってないのに、ここで死ぬの?

嫌だ。嫌だ。嫌だ、嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ…!

 

倒れたロスヴァイセにオルフェノクがジリジリと近付いていく。

「まだ、私は、恩を、返せて、無いのに…、まだ言ってないことが、有るのに…!」

 

バカラッ!

 

その時、何か聞こえた。

幻聴?しかし顔を上げてみるとオルフェノクも止まっていた。そしてもう一度耳を済ます。すると今度ははっきりと聞こえた。どうやら此方に近づいているようだ。

 

バカラッ!バカラッ!バカラッ!バカラッ!

 

これは…馬の蹄の音?

その音がダンッ!と言う音で一度途切れた。瞬間、

 

「ハァッ!」

 

私の目の前のオルフェノクが別のオルフェノクに切られ灰になった。

そして私の前に守るようにして立った。

その姿は馬のような姿をしたオルフェノクだった。

そのオルフェノクは私に振り向くとこう言った。

 

「よく僕が来るまで耐えてくれた。遅れてごめん。後は僕に任せてくれないか」

 

そう言ってオルフェノクは人形になるとその姿に見覚えがあった。

 

「あ、貴方は…!」

 

カイザギア(これ)借りてくよ!」

 

そう言ってその人物はカイザギアを腰に巻いた。

 

『9・1・3』『standing by』

 

「変…身ッ!」

 

『complete』

 

そしてその人はカイザに変身し、向かって行った。

私の意識はそこで途切れた。

 

~ロスヴァイセside out~

 

 

 

 

「ハッ!どけェッ!」

 

蓮はその頃何とかしてロスヴァイセの方に向かおうとしていた。が、数が多く、なかなかロスヴァイセの方に近づけないでいた。

 

「くそッ!くそッ!邪魔だって言ってんだよ!オラァ!」

 

何とかオルフェノクの壁を抜けるとそこには()()()()()()()()()()()と戦っているカイザがいた。

 

「!?どう…なってんだ!?ロスヴァイセは無事なのか!?あいつは誰なんだ!?」

 

そう呟く蓮。そこに攻撃を仕掛けるオルフェノク。が気付いた蓮が直ぐに応戦する。

 

そうしていると謎の人物と蓮の肩がぶつかり、背中合わせになる。

その瞬間に蓮は気付いた。

 

「その気配…まさか!」

 

「久しぶりだね蓮くん」

 

「その声やっぱり、木場さんですか!?」

 

その人物とは蓮の父、乾巧と一緒に戦っていた人物――木場勇治だった。

 

「そうだよ。だけど話は後だ。今はこいつらを片付けよう!」

 

「ロスヴァイセは大丈夫なんですか」

 

そう木場さんに確認する蓮。

 

「大丈夫。彼女なら心配要らない。息もしていたし、魔術で隠しておいたから」

 

「良かった。これで心置きなくやれる!」

 

そう言う蓮に木場さんは少し笑った。

 

「フッ、そうか。それは良かった。じゃぁ、行こうか!」

 

「ハイッ!」

 

木場さんの言葉に蓮は返事をして、そしてまだ残っているオルフェノク達に二人は走っていった。




やっと、やっと木場さんを出せた…。
ここからは木場と木場さんで人物を分けていきたいと思います。もちろん木場勇治さんが木場さんで。

今さらですが前回投稿した次の日、平ジェネFOREVER見に行きました。楽しかったです(小並感)
特にライダーが少年達の声で出てくるのはおおっ!ってなって鳥肌が立ちました。
ただ、ひとつ疑問。何でブレイドの面、黄ばゲフンゲフン、ジャックフォームだったん?
大人の事情?あ、そうですか…。

また誤字とかがありましたら報告よろしくお願いします!

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